紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「占い師はお昼寝中」倉知淳

2005年02月16日 | か行の作家
投げっぱなしが気になるっちゃあ気になるけれども、
これが安楽椅子探偵の王道でしょう、といえば、そうだと思う。
なんせ、まったく出張っていきませんからね。
謎解きは、「たぶん、こんなことだと思うよ」的なモノなのですが、
なんせ探偵役が占い師なので、これでいいんでしょう(笑)。

渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」。大学に通うために
上京した美衣子は、アルバイトとしてそこで叔父・辰寅の
助手をつとめることになる。しかし、占い師である叔父の
“ご託宣”はどれもでたらめで…。

分かった。これを読んだ後だったから、余計に
「なみだ研究所へようこそ!」がうさんくさく感じたんだ(笑)。
それは置いといて。

なんだろうな。途中で、気付いたんですよね。
辰寅の示す謎解きは、いくつか考えられる解答なかの
1つでしかない、と。それが正しかったのかどうか。
答え合わせがされないのですね。この作品の場合、
それでもいいんだろうなとは思うのですが(占いだし)、
一度気にすると、最後まで引っ掛かってしまいました。


「占い師はお昼寝中」倉知淳