こちらは「蜻蛉始末」とはまったく違って、
読めば読むほど“違和感”が大きくなっていく。
微妙に狂ってる感じ。で、ちょっぴり嫌悪感。
読み終ってみると、それも狙いの一つなんだろうと分かります。
神のいない場所、東京都郊外にある遠誉野市。そこに
夭折した童謡詩人・樹来たか子の作品「秋ノ聲」に惹かれた
女子大生、郷土史家、末期ガンに冒された男性などが集まる。
樹来たか子とはどういう人物だったのか。どうして彼女の
作品にこんなに惹かれるのか、なぜ、そんな人たちが
遠誉野に集まってくるのか…。そんな中、事件が起こる。
遠誉野市が、歴史から取り残された場所である、と、
そういうところから始まるストーリー。
最初から“ん? なんか違うぞ?”という
ノドに小骨がささったような気分でずっと読み進めました。
結局最後までそのまんま。なんだか北森さんらしくない文章。
でも、物語的にはよくできていると思います。
ただ、“遠誉野”をもっと不気味にして欲しかったのと、
樹来たか子のあの詩が、それほど魅力的に思えなかったのが、
私としてはとても残念。実際、この作品の善し悪しってのは、
この2つにかかっているのではないかと思うのですが。
とにかく、今まで読んだどの作品とも
まったく違う趣をもった、北森さんっぽくない作品でした。
(言葉は否定的かもしれませんが、その部分を評価してます)
「闇色のソプラノ」北森鴻
読めば読むほど“違和感”が大きくなっていく。
微妙に狂ってる感じ。で、ちょっぴり嫌悪感。
読み終ってみると、それも狙いの一つなんだろうと分かります。
神のいない場所、東京都郊外にある遠誉野市。そこに
夭折した童謡詩人・樹来たか子の作品「秋ノ聲」に惹かれた
女子大生、郷土史家、末期ガンに冒された男性などが集まる。
樹来たか子とはどういう人物だったのか。どうして彼女の
作品にこんなに惹かれるのか、なぜ、そんな人たちが
遠誉野に集まってくるのか…。そんな中、事件が起こる。
遠誉野市が、歴史から取り残された場所である、と、
そういうところから始まるストーリー。
最初から“ん? なんか違うぞ?”という
ノドに小骨がささったような気分でずっと読み進めました。
結局最後までそのまんま。なんだか北森さんらしくない文章。
でも、物語的にはよくできていると思います。
ただ、“遠誉野”をもっと不気味にして欲しかったのと、
樹来たか子のあの詩が、それほど魅力的に思えなかったのが、
私としてはとても残念。実際、この作品の善し悪しってのは、
この2つにかかっているのではないかと思うのですが。
とにかく、今まで読んだどの作品とも
まったく違う趣をもった、北森さんっぽくない作品でした。
(言葉は否定的かもしれませんが、その部分を評価してます)
「闇色のソプラノ」北森鴻