紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「なみだ研究所へようこそ! サイコセラピスト探偵波田煌子」鯨統一郎

2005年03月16日 | か行の作家
…あやうく投げつけるところでした(^^;)。
ぐっと踏みとどまったのは、鯨さんだから。
冷静になって観察してみると、内容は面白いんですよ。
何がいけないかって(あ、ハッキリ言っちゃった(笑))、
やっぱり文章の善し悪しですかね。鯨ファンにお聞きしたい
のですが、鯨さんって、文章書くの上手くないですよね?(笑)。

新米臨床心理士として松本清が働くことになったのは、
メンタル・クリニック「なみだ研究所」。ここには、
伝説のサイコセラピスト・波田煌子がいるのだ。

“伝説”と呼ばれるサイコセラピストの何が伝説かって、
まともな処置もできないのに、患者を治してしまうところ。
それがまったく論理的じゃないから、落ち着かなくなる。
何を狙っていて、どこまでが作為的なのかが分からないのも、
鯨作品の特徴なのかもしれませんが(^^;)、読んでて
不安になるのは、ちょっと恐ろしい(笑)。でも、それが
上手く噛み合うと、面白い作品になるんだけどなあ。

また恐ろしいことに、これに続編があるというじゃないですか。
今度は煌子さん、サイコセラピストではなく、警察組織に
入って、プロファイラーとして活躍するそうです。
…活躍、するのか?(^^;)。


「なみだ研究所へようこそ! サイコセラピスト探偵波田煌子」鯨統一郎(祥伝社文庫)

【カバー裏より】
 ここはメンタル・クリニック〈なみだ研究所〉。新米臨床心理士として働くぼくこと松本清は、最近目眩に悩んでいる。あいつ、波田煌子(なみだきらこ)のせいだ。貧相な知識にトボけた会話。こっちが病気になりそうなおに、なぜか患者の心の悩みをズバリと言い当て、その病を治してしまう。本当に彼女は伝説のセラピストなんだろうか。そして今日もあの不思議な診療が始まった……。