劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

分裂

2013-07-31 07:01:57 | 演劇
役者の仕事は、役を演じることではありません。
その人物の人生を生きることです。

綺麗事のように聞こえるかもしれませんが、稽古が進んでくると、僕は心からそう思います。
自分と登場人物との間の境目がなくなってくるのです。
役の上での出来事を、実際に自分が体験したかのような錯覚を覚えることもしばしばです。
それどころか、役柄の性格まで、僕自身に移植されてしまいます。
僕自身が、狂暴になったり、臆病になったり、陰湿になったりするのです。
それらの性格が混然一体となっているというよりは、二重三重に重なって存在しているような感じです。
特に、「ぷにぷに!夜想曲集」のように短編オムニバス公演を開催する時は、酷いですね。
心がバラバラに分裂してしまいます。
「あっ!今は、“夜間飛行”の主人公のキャラクターが、僕を支配している!」
こんな風に感じることもあります。
それが良いことなのか、悪いことなのか分かりませんが、特別な経験であることは確かです。
演劇でなければ味わえないこの感覚を、皆さんも体験してみたいと思いませんか?

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