劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

目立たない

2014-07-04 07:08:04 | 演劇
先日、前輪を持ち上げて綱島街道を走りぬけていくオートバイを見掛けました。
きっと目立ちたいんでしょうね。
でも、こういうのは"悪目立ち”といいます。
目立つは目立つんですけど、みんな「バカだなあ…」と思っているんです。
どうせ目立つなら、周りから尊敬されなくてはね。

役者を志す人の多くも、目立ちたい人のようです。
ですから、セリフがいかに多いかとか、いかにカッコいい役であるかにこだわりますよね。
当然、大きな声を張り上げ、大袈裟な身振りを付けてしまいます。
でも、それは"悪目立ち”です。
良い役者になるには、目立たないようにしなくては!

目立たないというのは、見えないという意味ではありません。
存在感がないということでもありません。
”違和感がない”というイメージが近いかもしれません。

「こういう立ち場に追い込まれたら、当然、リア王のようになるよね」
「そりゃあ、マクベスだって、王位を簒奪したくなるよ」
「あんな風に言われたら、オセローじゃなくたって奥さんを殺すよ」

要は、何かをやっているように見えない!
劇団側の恣意が見えない!
誤解を恐れずに言えば、役者の姿が見えないようになることが目標です。
「ああ!石崎さんが、ハムレットをやっているわ…」
なんて思われたら、恥ずかしいですよね。

とにかく、目立たない!
役者は自己を消す!
俳優の目指す境地はここだと思うんですけど、いかがでしょう?