心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

【風林火山】専門出版社に持ち込むための企画書の書き方⑥【いざ出陣】

2005-12-21 15:04:27 | 企画書を書こうという企画

6:出版社にアクセスをする


ちょっとおさらいをしておきましょう。

出版社の目星ですが,さて,どうでしょう?
1社だけ?
NO! NO!
もったいぶらずに(?),何社か考えておきましょう。
一番いい会社は,結局,自分の本を作ってくれるところになりますが,どうせなら競合する会社を念頭に入れておくと,いいでしょう。
A社と似ている本を出しているB社……今まであんまり好きじゃなかったかもしれませんが,けっこう美人の編集者がいるかもしれませんよ。ちなみに,編集職という職業は女性の多い仕事です。


・まずは名刺フォルダをチェック
意外に,1枚くらい出版社の名刺が入っているかもしれません。学会のパーティーの後飲んだとき,隅の方に教授の知り合いだという編集者が女子大生目当てで鼻の下を伸ばしてきてたなぁ~なんてこと,ありませんか?
そういう会社があれば,選択肢に入れておきましょう。


・周りに聞いてみる
専門職であれば,師匠,友人,同僚,知人,赤の他人…だれか1人くらいは本を出したことがあるものです。
その人に,出版した会社を紹介してもらう,というのは,けっこういい手です。そういう会社があれば,選択肢にこれまた入れておきましょう。
ただし,相手の出版サイドはその人のことを快く思っていないこともあったりします。注意。


・本棚や自分の論文の文献を見る
本棚や自分の論文の文献を見ると,けっこう同じ会社名ばかりが並んでいたりします。一人の著者を好んで読んでいると,その著者がある会社でばかり本を出したりするので,同じ出版社の本が並ぶことになるのです。
となると,その会社のその著者の担当編集者は,あなたの書くものが好きになってくれる可能性が高いです。
そういう会社を選ぶのもよいです。


・ネットで調べる
ネット情報は充実しています。ある程度会社を絞れたら,その会社がどういう傾向の本が出ているのか,調べることもできるでしょう。


・出版カタログをみる
出版カタログなどを取り寄せ,どういう傾向のものに力を入れているのか雰囲気をつかむのも大事です。
ネットと違い,カテゴリー別に分かれていることが多いので,ツボがわかったりします。また,実際にどのくらいの点数がその会社から出ているのかもわかります。


・ISBNをみる
出版物にはたいていISBNがついています。カバーの裏をみると,たとえば

ISBN 4-XXXX-XXXX-X

とありますね。
4→国番号(4は日本)
次のかたまり→出版社番号 1桁から数桁まであり。基本的には
1桁→大出版社 2桁→老舗・中大規模 3桁→中規模 4桁→小規模
……
となっており,
その次のかたまり→桁数によって出してよい本の冊数になっている。4桁なら千冊台まで出す能力がある,くらいの意味。

というような情報がISBNにはあります。3桁でもひどいところはありますし,4桁でもちゃんとしたところがあるので一概にはいえないのですが,出版社の大きさの多少の目安になります。
新しい出版社は,5桁,6桁にだいたいなっているようです。資本が大きい会社は,新会社でもいきなり4桁だったりしますが。
4桁まででしたら,そこそこちゃんとした資本を持っていると,一般に言えるようです。

こうした方法で,いくつか出版社が決まったら……。

・ここ数年で発刊した本。

これに注目しましょう。ネットやカタログで競合する何社かと比較してみると,同じような出版元でも,微妙に出している本の色合いが違うことがわかるはずです。
優秀な書き手は,いくつかの版元を上手に使い分けているものです。
「この企画には,この会社」というような流れが何となくわかったほうが企画がボツになる確率はずっと減るでしょう。
ボツにならないためにも,けっこうマメに調べましょう。
そんなことは出来ない? 自分の恋人を疑るようでイヤだ?

甘いな,ボウヤ……
(ナニユエ,シャア??)

でも,向こうの会社はあなたのことを分かる範囲で調べるものです。知り合いの知り合いくらいじゃないかという人を見つけてきて,うわさを聞き込むことまでする人もいます。いわば,出版社はビジネスパートナー。お互い様です。
さて出版社を調べるとは,どうすればいいんでしょうか。

・その社の本を読む

というのに限ります。
それも数冊
できれば新刊を。
社長や編集長の名前を調べるのには,この手が一番です。小説などと違い,専門書の多くには前書き後書きがあり,そこには必ずといっていいほど,編集者への謝辞がついています。
ある会社で気に入った本には,同じ編集者の名があったなんていうことも,珍しくはありません。
また,奥付にも「発行者」というのがあり,たいていは社長がその役目を担っています。
数冊読めば,少なくとも,数人の社員の名があることがわかるはずです。
また,役職もわかります。「社長」「編集長」辺りの名は知っておくべきでしょう。第一,第二など編集部が分かれていることもありますが,謝辞にはそうしたことも記されているはずです。

さて,そろそろ企画書を出しましょう!!

おっと,その前に…企画書の最終調整をしてくださいよ。

企画書を出すとき,

「編集長」
「編集者」=担当者
「社長」
「会社宛(××社編集部御中)」

のだれかに出すことになります。
誰も知らない場合,「編集長」がベターでしょう。
「会社宛」でも届きますし,そんなに扱いは変わりませんが,どんな人でも,自分の名前で届く郵便物の方が嬉しいものです。ゆえに名前がわかっているのならば,宛名に名前をつける方がいいと思われます。
また「社長宛て」でも問題ありませんが,編集部門を経て社長になったのか,あるいは営業部門か,あるいは親族だからか,などの理由から,あまり得策ではな いかと思います。「あとがき」に社長の名前が入っていたりしますが,「本人は知らないけど,一応つけた」ということもちょくちょくあります。ただ一方で会 社によってはワンマン社長も多いですので,数冊の謝辞に「社長」の名があったら,それは社長が企画の中心を担っている,ということでもありますので,社長 名で出す方がいいかもしれません。
「担当編集者」というのは,社長よりはGoodのような気がします。たとえば,アナタの出したい分野の出版がその担当編集者によってほとんどやられているような場合,その担当編集者は社内的にかなりの発言権をもっているでしょうから,その編集者にとりつくことは妙手です。
が,一方で,煙たがれていたり,あるいは専門的編集者がゆえ,持ち込み企画に対し手厳しかったり,不採算部門になっていたりする場合もあるかもしれません。



さて,企画書送付先は決まりましたか?
その相手によって,微妙に挨拶など変えます。もちろん,おべんちゃらにお世辞,どんとこいです。
「△川様が編集された○沼先生『&%$』はもっとも知的興奮を味わった本の一つです」
とか何とか!



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