想い事 家族の記録

難病の父と生きる
鬱病
ふたり暮らし

おもいでばなし。

2014-07-16 16:19:06 | 日記


「君と僕2」のアニメを 一気に観た。

面白かった … というか 懐かしいというか

羨望の眼差しで … というか

こんなおばさんは 「あの頃に戻りたい」

最初に感じたのが それ

進学高校も その後の事も

全部 父が決めてしまったから

私はどこまでもねじ曲がり

ここまで無邪気に学生生活を送れなかった

嫌なものは嫌だと 覚悟を決めてしまえばよかったのに

どうしてあんなに 父に従順だったのだろう

父は 理容師としての 最高の選択をしてくれた

国立ではなく 私立の (理容業界ではちょっと名の知れた)

私立の二年生の専門学校に大金を払い

数々のコンテストに出場させ

婿を望んだ

その学校で というか 理容業界で特に有名なH氏という講師は

信じがたいことに 父の甥っ子なのだった

それが露見したときは 何故 その講師の下で修業しないのかと

クラスメイトに不思議がられた

それは … と 私は答えに窮した

「別に 憧れていないから」

むしろ 教壇で 高級車を持っているとか

この時計は200万だとか

自慢話としかとれないことばかり話すH氏に対し

スクワランオイルを 投げつけたいくらいの

激しい 煮えたぎるような 嫌悪を感じていた

H氏の親族なのに

コンテストでは なんの賞もとれない

学校はさぼる …

誰とも 交際しない(婿探しをしない)

親が気をもむなかで 私は

中央線から見える ある畜産大学をひたすら見ていた

国立駅に途中下車し 学生らしい若者に混ざって さまよった

西八王子の駅に戻って 図書館で一日つぶしたり

過敏性大腸炎に悩んだり …

誰も 誰も救ってはくれない

なんの希望もない未来に 幻滅し

希死念慮を 覚え始めた

絶えず瞳孔が痙攣を起こしているように見える 揺らぐ景色

毎日 気分が悪い

4歳のころ発症した 不潔恐怖症 おやじに触れない

髭を剃っていて ベロリと客に舐められた指を

ずっと洗っていたことも

父には云えず

母にも云えず

独り 泣いた




でも 今は そんな記憶すら 懐かしい

10代の女の子に 過去の私の魂は 毎日 癒されている

他ならぬ 自分の子供に

決めるのはこれから 諦めるのも これから

これから 沢山の出会いをして

沢山の別れをしてゆくのだ

全てが懐かしくて 全てが 希望だ

天に見放されていたわけじゃないんだな と 想う

神様はひとつ 残してくれたんだな …

いろんなものが 濾過されて

そこに残された 原石

そして 私は ささやかな贈り物に 感謝できるようになった

さまよっていたあの頃にも

私は 救われていたのだと 判った

見知らぬ若者にまぎれて見上げた桜並木

国立大学の門にもたれて 読んだ本も

図書館で読んだ本も

腹痛でうずくまる私に声をかけてくれたひとも

手首を切るカッターの代わりに買った スケッチブックも

雑誌で調べて食べにいったクレープも

なんの魅力も感じない都会の景色も

みんな 私に用意されたもの …

私は 気づかないだけで 癒されていたのだ

だからもっと 楽しめばよかったのに

そんな 不器用な自分も 今は好きになったけど …

与えられた時間に感謝して

私はこれからを 生きられるだろう

まあ たまに 希死念慮にやられて 落ちることはあるけど

元気な時は

そう 想う


ありがとう 「君と僕」 最終巻は買おうと思う。


君と僕。(14) (ガンガンコミックス)
クリエーター情報なし
スクウェア・エニックス














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