ぽせいどんの今日の一枚 +

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今回は大勢での沖縄 1994 秋  その6

2022-03-16 12:41:59 | 写真 海

                真栄田岬 ツバメウオの根その2

  出航

 「ドロップオフは中止。昨日と同じツバメの根を攻めることになった。
  今度カメラの番になった奴はラッキーだぜ。いいカットが撮れるかもしれないぞ」

 ポイントは岸に近い所為もあってか今日も波立っている。
 ローリングが激しい。こんな時には素早くエントリーするに限る。

 ブリーフィング。 
 「ツバメウオが近くにいたらグローブを取って人差し指を立て振ります。
  この辺ではけっこう餌付けをしていますのでソーセージと間違えて寄ってきます。
  傍まできたら噛まれる前に指を隠してください」とKAZU。
 みんな頷いている。
 『ムフ!』ニンマリと私。

 もう五人には手を貸す必要は無い。素早くタンクを背負ってバックロール。
 ネクサスを受け取り直ちに潜行。


 昨日と同様にツバメウオが舞っている。その数ざっと三百。
 ストロボーアームを伸ばしてスイッチオン。ポートカバーを外して撮影準備完了。
 水深十メートル。


 全員がエントリーするまでにはまだだいぶ時間が掛かりそうだ。ネクサスを構えた。
 ツバメウオの動きはかなり速い。ズームを広角側にしてもファインダーに捉えるのは至難の業だ。


 年賀状用に一枚ものにできれば良いのだが。

 見廻すとW辺が近くにいた。
 手招きをし、グローブを取れとジェスチャー。
 W辺が人差し指を立てて振り始めた。


 ツバメウオが寄って来た。


 いきなりW辺の人差し指の付け根を掴んだ。
 W辺。恐怖でパニック。逃れようと暴れる。
 『ムフ!』

・・・・・・

 漸く全員集合。KAZUを先頭に昨日と同じルートを行く。
 ハタタテダイ。S谷のスタンプになっている魚だ。撮影。


 オヤビッチャの群れ。ツノダシ、チョウチョウウオ各種、クマノミ、

 ハマクマノミ、


 ハナビラクマノミ。

 エントリーが早かったので他よりも上層を泳いでエアの節約。
 深度は二十一メートル。一行はさらに深く潜行して行く。
 KAZUが岩塊?の前で止まった。
 上から眺めると車のエンジンのようである。
 戦闘機とかならばカメラを向けるが敢えて撮るほどのことは無い。
 水深二十一メートルをキープ。
 潜水時間三十分。KAZUが移動を始めた。一行はそれに続いた。
 イソギンチャクとクマノミファミリー。ちょっと失礼して触手を手で払いのけてその中を覗く。
 透明な体に白色の斑紋。カクレエビだ。
 ネクサスを構えた。しかし底揺れが激しい。
 私も揺れるがイソギンチャクの触手はもっと揺れる。
 カクレエビは身体の一部しか姿を見せない。

 ボート下。潜行時よりも揺れが激しい。
 『?!』吐き気。スキヤキ弁当の所為か?。
 KAZUが浮上の合図をした。最初にエキジットする方が良さそうだ。
 ポートキャップをしてストロボアームを畳んだ。スイッチオフ。
 KAZUが私とMG、矢野嬢を手招きした。
 センセイに『テンクロスジギンポ』と記した。
 サービスの心算なのだろうがこんな時はけっしてありがたくない。
 KAZUは根の上の穴にBCにぶら下げていた金属棒を差し込んだ。
 小魚がそれに喰らいついて来た。

 エアにはまだ余裕があったがとにかく浮上することにした。
 頭上を見上げると梯子にまだW辺が掴まっていた。
 浮上。揺れる梯子を掴んでW辺をアシスト。
 ネクサスを預けて素早く乗船。
 激しいローリング。マスクを外しタンクを下ろす。
 胃液が食道を遡ってくる。
 左舷(右舷に梯子を掛けてあった)に移動。
 嘔吐。甲虫の遺物を唾液と一緒に吐く。
 再び嘔吐。・・・どうにか吐き気が治まった。
 『やっぱりスキヤキ弁当がいけなかったか?』どうも相性が悪いようだ。
 W辺は私の嘔吐には気づいていなかった。

 次々にエキジットして来た。
 「どうだ。だいぶ慣れたか?」
 「はい」
 「エントリーはどうだった?今回は先に行ったが」
 「もう大丈夫です。でもぽーさんは早いですよね。顔を上げたらもういなかった」
 「経験を積めばお前たちも素早くできるようになるさ」

 ・・・・・・・帰路もKAZUは狭いラゲッジスペースの中である。
 学生達はぐったりとしている。
 「ぽーさん。カードはまだオープンウォーターのままですか?」とKAZU。
 「そうです」
 「もしⅡにしたかったらSHIMAさんかKOさんに言えばできますよ」
 「去年もそう言われたのだが・・・イントラよりも偉いオープンウォーターを目指しているからなぁ」
 「そういう人もいますね。イクオ(中村征夫・水中写真家)さんもPADIの古いオープンウォーターのカードを一枚持っているだけですって」
 「ふーん」
 「やりづらいみたいですよ。スタッフは」
 「そうかもしれないね」

 ※この時代NAUIはOPEN WATERの上のランクはOPEN WATER Ⅱ であった。
  他の団体は ADVANCED OPEN WATER が殆ど。
  NAUIも後に Ⅱと言う呼称を止めてADVANCED OPEN WATER となった。



 

 つ づ く

   ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
  年代順となってます。

  ダイビング編目次

 



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