ぽせいどんの今日の一枚 +

写真とかCGとかを気ままに + DIY

今回は大勢での沖縄 1994 秋  その3

2022-03-11 12:18:09 | 写真 海

           二十六日 ファンダイブ初日  ※見出し画像はハマクマノミ

  午前六時起床。窓の外を視た。空の色が思わしくない。台風の影響は免れないようだ。
 洗顔を済ませエレベーターへ。
 フロント脇の食堂を覗く。当然メンバーは誰もいない。
 沖縄タイムズに手を伸ばす。目当ては勿論、気象情報。
 ロングピースに火を点けて新聞を開いた。
 天気図の下部に並んでいる四つの渦巻きが恨めしい。

 午前七時。水着に着替えて隣の部屋に声をかけた。
 ネクサスとニコノスを抱えて再びエレベーターへ。
 食堂。すでに直子とエリーとK谷の三人(同室)が座を占めていた。
 「おはようございます」
 「お早う」
 S谷も降りて来た。」
 「後の四人は?」
 「もうすぐ来ると思います」

 朝食は和洋の選択ができると言う事だが・・・。
 和食は焼き魚(秋刀魚半匹)生卵、焼き海苔、みそ汁、香の物。
 洋食はトーストに珈琲。フライドエッグにサラダ。
 どちらも期待できない。宿泊費が安いからまあこんなところだろう。
 和食を選択すると珈琲が別料金だった。(数年後には変わったが)

 寝ぼけ眼でT村、Ⅿ山が降りて来た。
 「早くしないと迎えがくるぞ」
 クラブ活動をしているときは時間厳守でまことに規律正しいのだが、こういうところに来るとやはり今どきの若者だ。
 ?!。と言うよりやはりこれは人間性の問題だな。
 生卵をぶっかけてどうにか飯を胃袋に流し込む。
 エリーはお代わりを所望している。
 体型は・・・レディメイドのウェットスーツは受け付けない・・・だろうな。

  ※    レディメイド 既製服
    器材メーカーに勤める白井に頼んでクラブ員のウェットスーツをオーダーしたときのことである。
    「レディメイドならかなり安くなるが、お前たちの体型では無理だろうな」
    「・・・あのー自分は男性なのですが・・・」
    彼は・・・大学生です。
 
   珈琲を注文。三百円。ポンペイの75セント飲み放題が懐かしい。

  電話。
 「ぽーさん」フロントが大きな声で呼びかけた。
 「私です」立ち上がった。
 K田からだった。出発が三十分遅くなった。

 ・・・・・・・・・・

 スタッフはSHIMAとDラスの二人。
 昨日の話だと本日は我々だけのはずだったが。が、車の中には先客がいた。
 年齢は私と同じくらいか?。濃い目のサングラスが怪しい。
 一見、危ないその筋の物風。?!。私も一緒?。

 車はすぐに国道58号へ。それを北上した。
 SHIMAの話すところによると「台風対策で那覇の船はすべてがロープでがんじがらめに括られている」 故に出航できる船は皆無とのこと。
 那覇より一時間。車はムーンビーチ近くの漁港に滑り込んだ。
 まずはセッティング。問題は私と筋者風(後にMGと言う名と知る)以外の五人だ。
 つい先日、S谷とN村は私と御宿で潜っている。が、手早く出来ると言うレベルではない。
 SHIMAによる再講習が始まった。暫くは静観。


 ダイビングボートはヤマハ製の平型和船。全長は30フィートほど。
 タンクバルブを閉めてボートに機材を積み込んだ。
 MGはよく働く。見かけよりもイイ奴かもしれない。
 ウェットスーツに着替えて・・・。
 ?。ブーツが無い。
 プロテックスの中には確かに詰めて来たはずだ。
 ダイビングサービスでメッシュバッグの中に入れ忘れたか?。
 「もしかしたらこれですか?」とW辺。↑左端
 視ると私のブーツを這いている。
「それだ。お前のは新品だろう。間違えるな」
「どうりで大きいと思った」
「サイズが一緒なら取り換えてもいいがな」
 乗船。すぐに離岸。

 ラマダルネッサンス前
 離岸してから十五分ほどでボートは湾の中央に達した。
 「準備体操の意味も含めてシュノーケリングをします」
 MAKIが早々とエントリー。
 「お前たちも行け」五人を促した。
 やはりビギナーである。支度にやたら時間が掛かる。
 漸くN村の準備が完了。ガンネルに腰掛けている。
 いきなりのバックロール。
 「待て!」と叫んだがすでに遅し。
 N村の身体が宙を舞った。
 その真下の海面にはシュノーケルを咥えたMG。
 ・・・飛沫。どちらにも怪我は無かったようだ。
 「よし、次」どうにか全員をエントリーさせた。
 「どうだ海の中は?」
 「綺麗です」
 「では、俺も行くか」
 フィンとマスクを装着するには一分もあれば充分である。エントリー

 『写真にはならないなこれは・・・』水平透視度は充分とは言えない。
 ロクセンスズメダイの群れ、ヒメジ、チョウチョウウオ・・・。
 早々とエキジット。乗船。
 「バックロールの時は必ず水面を確認しろ。さっきはスキンダイビングだから大した事故にはならないが、
  もしもタンクを背負っていたら大怪我をさせるし、するぞ」
 「はい」
 「それからエントリーしたらすぐに船から離れろ、そばでウロウロするな」 これはMGにも聴かせたかった。
 「はい」「わかりました」
 SHIMAによるブリーフィング。
 「バディを組むのだがどうしましょうか?隣同士でいいかなぁ?」SHIMAが私を視た。
 T村は昨年ファンダイブをとりあえず経験済みである。一年のブランクがあっても他の四人よりはましな筈である。
 S谷と西村は先週私と一緒に御宿で潜っている。
 渡辺とM山のみがファンダイブ未経験であった。
 昨年の講習を視ているとW辺はそこそこに余裕があった。
 Ⅿ山も大丈夫だとは思うがただ一人の二年生である。(他は四年生)
 「T村とW辺。S谷とN村。Ⅿ山は俺とだ。いいな」
 「はい」
 いよいよフル機材を背負ってのエントリー。
 五人はやはり手際が悪い。タンクを背負うまでの時間が掛かり過ぎている。
 まず手直にいたT村を促しBCの袖を通させた。
 「カマーベルトを締めて、それからバックル」準備完了と思ったらせっかく着けたそれをまた降ろしている。
 「どうした?」
 「バルブを開けてませんでした」
 「頼めよ。その方が早いだろう
 「はい」
 船首の方ではSHIMAが同様に面倒をみている。
 T村をエントリーさせた。次はⅯ山である。
 Ⅿ山も一度背負ったタンクをまた降ろしている。
 「バルブを・・・」
 「だからな。遠慮なく頼めよ」Ⅿ山もエントリー。
 N村、S谷エントリー。W辺がガンネルに腰掛けフィンを履き始めた。

 立ち上がってウェイトベルト装着。タンクを背負う。ガンネルに腰掛ける。フィン装着。マスク装着。レギを咥える。素面確認。エントリー。
 すぐに反転浮上。船長よりニコノスを受け取る。BCのエアを抜く。潜行。
 ・・・・・・?。沈まない。ハウジングを持たずにニコノスだけではウェイトが軽すぎるようだ。
 ヘッドファースト。五メートルも潜行すればこのウェイト量だけで充分なはずだ。
 だがこの方法は耳抜きが小々つらい。その懸念があったが何故か今回はすんなり抜けた。

 海底。水深六メートル。マスククリアーをしてグローブをつけた。
 フラッシュの位置を決めてスイッチオン。
 上を見上げるとW辺が潜行に苦労している。Ⅿ山もまだ水面だ。
 漸く全員集合。MGはダラスと二人ですでに周辺には見当たらない。
 SHIMAによる再実技指導。しばし静観。水中移動。SHIMAが海底を指さした。
 イラブー。早い話がウミヘビだ。
 毒を持ってはいるがいきなり襲い掛かってくることはない。
 五分も進まないうちにスロープに出た。緩やかに水深が増している。
 透明度はやはり思わしくない。
 五人はゆとりがない。バランスも上手く取れてはいない。
 水深12メートル。暫く行くと砂原にこんもりと盛り上がった根があった。
 停止。SHIMAが水中会話装置センセイに『僕のまわりでしばらく遊んでいてください』と記す。
 『この辺で写真を撮ってやるか・・・』T村はすぐにその意を察した。
 隣にいたⅯ山と寄った。他の三人はフィッシュウォッチングに夢中である。『あとにするか』

 根の周辺は流石に魚が豊富である


 思いだす限りを書き並べれば、ロクセンスズメダイ、ヘラヤガラ、ヨスジフエダイ、チィオウチョウウオ各種。

 ライン二本のクマノミにハナビラクマノミ。凶暴な顔つきのゴマモンガラのペア。ヒメジにアラ。ハタにベラの類・・・・。

 水中移動中のN村、W辺の写真を撮る。
 S谷はマスクの裾部分から気泡が出ている。鼻呼吸をしているのか?。撮影。
 再びスロープ。SHIMAがセンセイに何かを記している。
 『スキーのゲレンデみたい・ころがってごらん』
 カメラを持ってのパフォーマンスはしないことにしている。
 ここは若いものの出番だ。だが五人はあまりにも下手だった。

 ボート下。SHIMAに促されて一人づつ順にエキジット。それを視ながらフラッシュのスイッチをオフ。発光部を収納状態にする。
 エキジット。声をかけダラスにニコノスを手渡す。フィンを脱ぐとMAKIが手を伸ばしてきた。『感謝』
 ・・・・・・
 接岸。二本目の準備。タンクを新しい物に変えて下船。
 小雨が降っている。漁港の水揚げ場に空き箱を並べそれを椅子にして昼食。
 夏の終わりころから空腹時になると胃が痛みだしていた。
 『帰ったら病院へ行かなくては』
 他を待たずに蓋を開ける。弁当は幕の内。可もなく不可も無く・・・。
 昼食を済ませるとSHIMAが五人を集めて講習会。皆神妙に聴いている。
 SHIMAの講習が終わって一言付け加えた。
 「バルブを開け忘れたら自分で開けようとせずに近くにいるものに頼め。
  いちいち タンクを下ろしていたら時間のロスが甚だしい。
  もっともその気になりさえすれば背負ったまま、自分で開けられるが」

 「で、どうだった。感想は?」
 「楽しいです」
 「水がもう少し澄んでいればもっとたのしめるのだがな」
 「でも充分です」
 「二本目はもう少し手際よくやれよ。みんなゴーサインからエントリー迄の時間が掛かりすぎるぞ」
 「ぽーさんは早いですよね。俺が沈んで行ったらもう先に居ましたよね。送り出されたのに」とW辺。
 「次は大丈夫です」と、Ⅿ山。
 『本当かな・・・?』
 「写真はどうするんだ・せっかく水中ケースを借りてフィルム迄用意したのに」
 「一本目は様子を視ると言うことで。次は撮りますよ」
 「あのー。なかなか沈めなかったのですが?」
 「ウェイトが軽すぎるはずは無いのだが?。BCの空気を充分抜いて、それでも沈み難かったらヘッドファーストと言う手段がある。五メートルも沈めば安定すると想うよ」
 「そう言えばぽーさんはヘッドファーストでしたよね」
 「うむ。ハウジングを持たないとだいぶ違うからね」
 「凄いなと思いました」
 「やってみろよ、そんなに難しくはない。お前達ならば何度かやれば必ずできる」

 ・・・・・・

 「二本目ですが・・・どんなところがいいですか?」とSHIMAが訊いて来た。
 「連中がまだまだですからね。出来るだけ楽なところにしてください」
 「さっき見たいなところでは物足りないでしょう」
 「確かに。でも水が濁っているから何処を潜っても写真にはならないでしょう。いいですよ何処でも」
 「さっきのポイントからもう少し行くとツバメウオが群れているところがあるんですよ」
 「ツバメウオですか。まだ見たことは無いな。何故か縁がなくてね。格別珍しい魚でもないのにね」
 「ではそこに決めましょう」
 「いいですよ」

 

 つ づ く

   ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
  年代順となってます。

  ダイビング編目次

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。