かくれて咲く花

~凛として~

True Colors♪

2011-01-18 22:21:48 | Weblog


Stars on Iceでの、歴代メダリストたちの演技にうっとり
大好きな真央ちゃんは、愛らしさ抜群の衣装にショパンの調べがよく似合っていて→ちなみにいま、メールの着メロは真央ちゃんのこのバラードです
プルシェンコもライサチェクも高橋大輔も素晴らしく、サーシャ・コーエンの着物姿もcuteで、試合よりもずっとずっと「魅せる」ことに重点を置かれたプログラムは、とっても楽しい。
ああ、美しいものってやっぱり素晴らしい

カナダのジョアニー・ロシェット選手(この髪形&メイクの方がかわいい!)の“True Colors”(Cyndi Lauper)を見ながら、しっとりとした演技も素晴らしかったけど、ああ、いい曲だなあ…と改めてじーんときた。


  But I see your true colors
   shining through
   I see your true colors
   and that's why I love you
   so don't be afraid to let them show
   your true colors
   true colors are beautiful
   like a rainbow


小塚選手が強調していた「表現力」。高橋選手が、リンクを自分ひとりだけが滑れて、注目が集まるのが快感だ、ということを以前コメントしていたのを覚えている。スポーツではあるけれど、ひとつの演技が「物語」になり、自分の世界を形成して、観客を引き込む。音楽にあわせて動く、というのじゃ単なるロボットみたいで、機械的で技術だけなのも美しくない。曲を選び、衣装を選び、振り付け、練習し、そのプログラムの意図を理解し、情感をこめて自分の「作品」として作り上げていく過程がある。なんでもそうだけど、譜面はただの記号が並んでいるだけで、それにどう表現者が魂をこめていくかで、全然違うオリジナルなものになる。表現力というのは、やはり人間としての深み、演技外のところでの蓄積がモノをいう世界だと思うので、「表現する」ことは、技術力を高めるということよりもずっとむずかしくて奥深く、これが芸術の魔力ともいうべき「力」なのだと思う。ひとつひとつの「動き」から自然にあふれだす、あるいはその人がまとっている雰囲気や気品。人の心を揺さぶるのは、心という見えないものに届く「見えない」部分があるから。ことばを使わずに表現するからこそ、「想い」をのせようとする。その「想い」をあらわすのが、内側から放つ光、魂の輝きなのではないかと思う。

人はみんなtrue colorsを持って生まれてきている。本質の輝きは、おのずと外見にあらわれる・・・というものでもなくて、固く心を閉ざしていれば、内側に閉じ込めたままになってしまう。歌詞にあるように、いろんな人がいる世界で傷ついてしまい、自分の本当の色を出せなくてしんどい思いをしている人はたくさんいるのだろう。いや、むしろ気がつかないままの生きている人の方が多いのかもしれない。苦しかったり、息苦しさを感じている人は、自分の本質とズレたり、自分が浮いてしまってまわりに合わせようとして苦しくなってしまって、いつのまにか本来の自分がどんなだったかわからなくなって、何が正しいのか、本当に自分が大切にしてきたことがわからなくなってしまって。そして笑顔を失ってしまう。そんな悪循環を繰り返すうち、自分の心を閉ざして、生きにくさに目をつぶって、できるだけ自分の本当の気持ちを感じないようにすることで、なんとか日々をやりすごしていく。そんな、生きながら死んでいるような生活を続けていたら、身体は生きていても心は日々死んでいく。これこそ、死にいたる病。

文章が、どうしたってかなわないなと思うのが、絵。どんなに意を尽くそうと思っても、視覚的なものを文字であらわすには限界がある。本質を一瞬で伝えることができる素晴らしさが、絵に宿る力だと思う。私のtrue colorsはどんな色なのか知りたくて、その美しいパステル画に魅せられているKisaさんに描いてもらった絵が届いた。見つめていると、不思議な気持ちになる。最初は、こんなにピンクがあふれているなんてとびっくりしたけど、中心の白い部分、純粋で無垢な部分。魂の核の部分を必死で守ろうとして、心を閉ざしたり拒否したりしてきたけど、そんな恐怖心に基づく「ぼうぎょ」ではなくて、その純粋な輝きを放ち、本来の色を出していくことが「ぼうぎょ」にもなるそんなつよさが、自然に満ちてくる。どんなに言葉を尽くして説明されるよりも、ただこの絵を見ているだけで、すうっと自分の立ち位置、本来の自分を思い出させてくれる、素敵な絵。飾っているだけで、光を放っているようなこの絵を見たり、また心に思い浮かべるだけで、ズレかかっても自分の軸に一瞬で戻れるtrue colorsをこうして視覚的に表現していただいたことで、私の武器であることばでの表現力を磨こうと気合いも入った。いやいや、武器じゃなくて、道具。元旦の一面広告で、ドラえもんが言っていた。「言葉は、すごい道具になるんだよ。」

絵と同じく、フィギュアスケートのような、人間が行うパフォーマンスも、ことばにすると野暮になることが多いけど、スポーツは結果だけじゃなくて、表面からはわからないところの部分に心を寄せながら見てしまう。その人のプレーや演技、雰囲気からにじみ出るものを捉えたいというか、人間味の部分に関心がいってしまう。昨今世の中でもてはやされている「仲間です」という大学生の言葉は、私には「つくられたもの」に感じられた。「こうすれば、受けるだろう」というあざとさが透けて見えて。そんな計算されたコメントよりも、真央ちゃんの「長かったけど、短かったです」という、言葉のうえでは意味不明のコメントと、その意味を聞かれてぽろぽろとこぼれる涙の美しさ。あの涙が本物なのは、真央ちゃんの気持ちがただあふれていたから。その純粋さは、何よりも大切にしたいと思ったし、美しいと思った。かたちだけ、技術だけパーフェクトなだけ、見せかけだけでは、人の心を打つことはできない。やはり内面から出てくるもの、ナチュラルなもの、すなわち「本物」の部分。人間の本質なんて、自分も含めてもちろん美しいものばかりじゃないけど、だけど私は「すごくうつくしいもの」を見たいと思う。最上のもの。人間の魂の輝き。それを書きたいのだと思う。そのためにも、表現力の向上はchallengingで、だけど奥深い、創作活動の喜びに直結する楽しい学び。

true colorsは美しい、だからそれを見せることを恐れないで。いい歌!!
2011年は、true colors全開にいきましょう