かくれて咲く花

~凛として~

ピンクパンサー2

2009-05-05 23:10:32 | Weblog


GWは各地で大渋滞・大混雑のようですが、5連休は東京でのんびりゆったりすごしております

前作に続き、楽しみにしていた「ピンクパンサー2」を観てきました。ところが!!4月11日公開からわずか3週間で、渋谷・有楽町・池袋などで夜のみの上映に。前作を見に行ったときもガラガラでしたが、GW中なのに、有楽町の映画館はやっぱりガラガラ。日本人にはあんまりウケないんでしょうか。しかしゆったりと、そして思いっきり爆笑できてよかったですけど

実は私は有名なテーマソング以外オリジナル版を知らないのですが(あのピンクパンサーのキャラクターが出てくるのかと思っていたほど)、この「ピンクパンサー」シリーズはリメイク版。クルーゾー警部役のスティーブ・マーティンはやはり天才的におもしろく、ドリフ的なドタバタコミカルな動き、大まじめな顔でのおとぼけな言動の数々に、涙が出るほど笑わせてくれます。怪しげなフレンチふう英語も磨きがかかり、字幕がないとさっぱりわからない。共演陣も豪華。前回から引き続き同僚ポントンにジャン・レノ、そして上司役には、前回はケビン・クラインでしたが今回はジョン・クリース。「モンティ・パイソン」の人らしいのですが、私は「ワンダとダイヤと優しい奴ら」のおもしろいオッサンというイメージ(この映画、ドタバタコメディなのですが、なんだか大好きなのです。ワハハと笑うより、クククと笑う感じというか)。さらにクルーゾー警部があまりにも「政治的に正しくない」発言(人種/民族差別、女性蔑視等々)を繰り返すため、プレス対応の教官役にリリー・トムリン。スティーブ・マーティンとのかけあいは最高でした!それから事件解決のために集められた国際ドリームチームに、イタリア代表にはアンディ・ガルシア。ラテン男の魅力たっぷり!個人的にはクルーゾー警部の秘書ニコル役のエミリー・モーティマーがチャーミングで大好きです。今回も、服装もかわいらしく、愛すべきわれらがクルーゾー警部を健気に慕うかわいらしさ満載でした

私はスティーブ・マーティンが大好きなので、主演映画はかなり見倒したのですが、このピンクパンサーシリーズと、「花嫁のパパ」(これもリメイク)、そして「愛しのロクサーヌ」が好きです。特に「ロクサーヌ」は生涯ベストに入るほど大好きなのですが、これまた先日、駅や電車で宣伝していた「シラノ・ド・ベルジュラック」のリメイクと知り、あの鼻の大きな!!と、合点がいったのでした。スティーブ・マーティン版の「シラノ」は本当にチャーミングな主人公で、強くて優しくてすぐれたユーモアのセンスを持つ(まさに私のタイプ)消防士。「びっくりするほど鼻が大きい男に出会ったときに失礼にあたらないようなリアクション20」から、ロマンティックなラブレターまで、「言葉」が練りに練られていて素晴らしい。最後にロクサーヌが「I love your nose!!」と叫ぶのですが、人は外見ではなく心ということを、上質のユーモアで届けてくれます。

今回のピンクパンサー2ともちょっと通じるものがあるのが、人は権威や役職とか、外見とか、そういうのではなくて、やっぱり心が大事ということ。。「星の王子様」じゃないですが、「大切なものは目に見えない」ということをいつも思います。クルーゾー警部は、客観的にみればかなりアホで、いつも騒動を巻き起こしたりするわけですが、自分の名声よりも祖国フランスのために仕事をしているので、心が曇っていないから直感的に事件を解決できるというか。そういうところがいいですね。もうすぐ「天使と悪魔」が公開されるようですが、バチカンの権威をある意味皮肉ったといえるクルーゾー警部の天然ボケは、大笑いさせてくれたので教皇さまも怒らない・・・のではないでしょうか。指輪を盗まれた教皇に、自作自演を疑い「アメと鞭作戦」を行うシーンも笑えますが、夜空に浮かぶ月の美しさに主の偉大さをみて感謝を捧げる、というローマ教皇に向かって、クルーゾー警部が"you are a spiritual person"と言うのは爆笑でした。これを「あなたはなかなか宗教に理解が深いようだ」と訳してあったのは(記憶では)、テストなら×をつけたいけど、このシチュエーション(ローマ教皇がカトリックの大ボスということ、生涯独身であることも知らないフランス人警部)なら、なかなかいい訳といえるかもしれません。ちなみに私はサウスパークの大ファンでもあるので、こういう権威や権力者を茶化したりするのは大好きです。まじめな人は不快になったり、怒るんでしょうけれども。

ともあれこういう楽しい映画の入りが少ないというのは、人ごみが苦手な私にとってはすいてる映画館というのはかなり嬉しいですが、もっと日本人も見ればいいのになあと残念な気もします。スティーブ・マーティンはちょっとエキセントリックだけど愛すべきキャラを演じると世界一ですね。トム・ハンクスも上品でユーモアのセンスがあって大好きな俳優なのですが、ああいうエキセントリックさはないもんなあ(前回の記事を踏まえると、それがあるからスティーブ・マーティンなのであり、それがないからトム・ハンクスなのであり、どちらもすごく好きなんだけど、スティーブ・マーティンの方が「偏愛」してしまうタイプなのでしょう)。でもどちらも人として私がとても大切にしたいと思う(正直さ、善良さ、ユーモア)を、作品のなかで素晴らしい形で表現している、大好きな俳優なのです。

ともあれこの世で最も大事なのは愛と笑い。人生ピンクパンサーで楽しくいこうと思ったのでした