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中国を悩ますザンビア不良債権問題、アフリカ全土でも

2020年06月19日 20時59分51秒 | 日記
 

ロイターによると、『中国を悩ますザンビア不良債権問題、アフリカ全土でも』。中国は、2000年以来、アフリカ全土に対し、1460億ドルもの融資をして来ていて、返済が出来なくなった場合は、アフリカ国家の資源を担保に取るという図式であった。が、世界からの反対でそれがままなくなり、債務免除ということになる可能性も高く、中国経済に大きな重しとなるだろうという。一帯一路戦略も経済成長が順調であった頃は夢があったのだろうが、思わぬコロナ災禍で、夢の中の夢になる???

[ロンドン 15日 ロイター BREAKINGVIEWS]中国がザンビアの「債務のわな」に捕らわれている。ザンビアは、中国国営銀行のほか国際通貨危機金(IMF)などの国際機関や、国際的な民間債権者が絡む、複雑な外貨建て債務の再編を進めようとしている。交渉結果は他のアフリカ諸国にとって重要な前例になるとともに、アフリカ大陸における中国の立場を再定義する可能性がある。

ザンビアは主に4種類の債務を抱えている。ユーロボンドの発行残高が30億ドル、民間銀行による融資が約20億ドル、IMFや世界銀行など国際機関による融資が約20億ドル、そして中国輸出入銀行や中国発展銀行など、中国国営機関を通じた対中債務が約30億ドルだ。

手数料500万ドルで債務再編アドバイザーを務めることになったラザード(LAZ.N)にとって、これは平常時でさえ骨が折れる仕事だろう。その上、米中間の緊張が苦労を倍増させる。トランプ米大統領は中国債権者の負担が軽くなるのを望まないからだ。

既に50%余りもの債権棒引きが視野に入った民間債権者も、間違いなくトランプ氏の味方をするだろう。中国がザンビアに債務免除の割合を増やせば増やすほど、自分たちが引き受けなければいけない債務免除の割合が少なくてすむからだ。

この結果、習近平国家主席が派遣する交渉団は、窮地に立たされる。いつものように秘密裏に事を進めることは期待できそうもないだけに、なおさらだ。

過度に重い条件を要求すれば、銅輸出しか当てのないザンビア経済がしっかりと立ち直れる可能性は低くなり、結果的に債権者の資金回収が脅かされることになる。4月に広東省広州市でアフリカ出身の居住者を人種差別する事件が相次いだことで、アフリカの長きにわたる友達という中国のイメージは傷ついており、印象悪化に追い打ちをかけることにもなるだろう。

しかし、ザンビアに甘くし過ぎると、中国として最終的に経済的な打撃を被りかねない。米ジョンズ・ホプキンス大の研究者らによると、中国は2000年から17年にかけて、アフリカ諸国に1460億ドルを融資した。規模は定かでないが、この大半が未返済だと考えられる。

18年にエチオピアに対して行ったように、中国による債務免除はこれまで、低金利で返済期限を繰り延べる形が主体だった。しかし、新型コロナウイルス感染の世界的大流行によってザンビアの経済的苦境は増幅されており、そうした中国のやり方では、しのげない状況に至っている可能性がある。

新型コロナ危機により、債務免除という寛容さを示すことの倫理的意義も高まった。中国がどの道を選ぶか、同国から融資を受けている他のアフリカ諸国は、固唾(かたず)飲んで見守っている。