パース日本語キリスト教会

オーストラリア西オーストラリア州パースに有る日本語キリスト教会の活動報告を掲載いたします。

日曜礼拝 2024年2月11日

2024-02-11 21:28:01 | 日曜礼拝
礼拝音声

聖書箇所:マルコ6:14-29
説教題:神の国への障害

(導入)
 イエスの名が知れ渡ったと書かれています。それは、前の節の12弟子の派遣によること
です。弟子たちが宣教したガリラヤ地方の領主はヘロデでした。そして、イエスのことは
ヘロデの耳にも入ったのです。この聖書箇所に記された人々の行動から、神の御心を確認
してみましょう。

(解説)
 14節から16節に人々がどのようにイエスを理解していたかが示されています。三つの理
解が示されています。一つ目は、イエスはバプテスマのヨハネのよみがえりという迷信的
なものでした。それは、ヘロデによって斬首されたヨハネの霊魂がイエスに働きかけてい
るという理解でした。二つ目は、イエスはエリヤだというものでした。エリヤは神によっ
て連れ去られましたので、死んだことがなく、マラキ4章5節の預言のようにまたやって
くると考えられたからです。三つ目は、申命記18章15節のモーセのような預言者が現れた
ら聞き従わなければならないという記述により、イエスはそのような預言者の一人だとい
うものでした。これらがヘロデの耳に入ったわけですが、ヘロデはバプテスマのヨハネの
斬首を命じた張本人として、一つ目の理解を繰り返し述べていたということです。
 17節から29節は、そのヨハネの斬首までの過程を説明しています。
 ヘロデがバプテスマのヨハネを捕らえて投獄したのは、彼が自分の兄弟の妻を取って自
分の妻にしてことが、律法にかなっていないと責められたからでした。19節を見ると、
その妻であるヘロデアの方がもっとヨハネに対して敵意を持っていたことがわかります。
彼女はヘロデ大王に相続を認められなかった前の夫よりも、領主として権力も富も持って
いるヘロデについて、よりよい生活を楽しむことを望んでいたのです。
 しかし、ついにヘロデアに機会が巡ってきました。ヘロデの誕生日の祝宴で、ヘロデア
と前の夫との間に生まれた娘が踊り、ヘロデがそれを大変気に入ったので、褒美を出すと
言ったのです。娘はまだ十代半ばぐらいではなかったかと考えられています。それで、母
親に相談をしました。その答えが「バプテスマのヨハネの首」だったのです。娘にもそれ
は良い考えだと思えたのかもしれません。何故なら、ヨハネの諫言をヘロデが受け入れた
ら、彼女も王女のような生活ができなくなってしまうからです。彼女の願いはヘロデの心
を痛めましたが、面目を失くことを嫌ったヘロデはその願いをかなえました。 
 祝宴に列席した人々の中には、ガリラヤのおもだった人々がいました。現代的に考える
と市町村長のような人だったでしょう。彼らが祝宴から帰ってヨハネの斬首のことを話し
たと思われます。それを聞き知ったヨハネの弟子たちが遺体を引き取りに来ました。

(まとめ)
 バプテスマのヨハネやイエスの弟子たちを通して、神の国のメッセージは多くの人々に
届きました。それはヘロデとヘロデヤにも伝わったことでしょう。けれども皆がそれを受
け入れることができたわけではありませんでした。神の国を受け入れることの障害になる
ものがあるのです。どのような障害が示されていたでしょうか。

1)イエス・キリストについての間違った理解
  先に確認した三つの認識は間違ったものでした。イエス・キリストを救い主として認
 識していませんでした。イエス・キリストが神の御子であり、私たちの罪の贖い主です。
 そのことを信じれば、神の国に永遠に受け入れられるのです。あなたにとって、イエス
 キリストはどういう方でしょうか。

2)神の国の福音を真理ではなくただの哲学や良い教えとして聞くこと
  ヘロデはバプテスマのヨハネの話を喜んで聞いたことが記されています。しかし、そ
 れは、当時の位の高い人たちが、教養のために哲学者を読んで話を聞くのと同じような
 考えであったと思われます。神の国を受け入れたわけではありませんでした。ですから
 実際にイエス・キリストに会った時には、イエスを馬鹿にしてポンテオ・ピラトに送り
 返しました。彼の人生は変わりませんでした。

3)神の国の福音を憎むこと
  ヘロデアは、神の国と神の義を第一にするという教えは気に入りませんでした。ヘロ 
 デとの関係で楽しめる上流階級の豊な生活にしがみついていました。彼女はヨハネの命
 を取ることにも躊躇のない人物でした。しかし、私たちは、たとえそれが困難につなが
 るようなことがあっても、福音の言葉から心を離すことがあってはいけません。
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