続・エヌ氏の私設法学部社会学科

無理、矛盾、不条理、不公平、牽強付会、我田引水、頽廃、犯罪、戦争。
世間とは斯くも住み難き処なりや?

エコカー、エコポイント、税金の行方はエコ贔屓で、貧乏人は踏んだり蹴ったり

2010-10-31 | 社会学講座
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 天下の不公平制度、搾取制度である、エコカー、エコポイント制度も、間もなく終了します。

 終了する理由は、「財源を使い切ったから」ということらしいのですが、本当に必要である制度ならば、きちんと財源を確保して、少なくとも確保の目処はつけた上で、恒久的に制度を維持するべきでしょうが、そうしないこと自体、この制度が、本当はどうでもいい制度だった、という証左です。

 これらの制度は、不況にあえぐ自動車業界、電器業界が、政府に「何とかしてくれ」と頼み込んで、当時の政府も「よしわかった」と、応じたことから始まりました。
 しかし、あからさまに自動車や電器を優遇したのでは、批判が集中するに決まっていますから、地球環境だとか何とか、もっともらしい理由をつけて「エコ」贔屓したに過ぎません。
 「よしわかった」と応じた側の腹は、全然痛みませんからね。痛むどころか、腹が、肥えた人もいるんじゃないでしょうか。

 たしかに、消費燃料や消費電力を抑えた製品は、地球環境の保護に寄与するとは思いますが、まだまだ立派に使える車やテレビや冷蔵庫を捨てて、新しいものを購入することほど、地球環境を破壊するものもないでしょう。
 つまり、功罪比べれば、罪のほうが大きいと思いますが、皆さんはどう思われますか?
 ちなみに我が家の車やエアコンは、とっくに生産中止となった、10年以上前の製品です。

 また、減税をしたということは、国に、本来入るべき税金が入らないことですし、家電にポイントをつければ、これまた国から多大な出費が必要となりますが、それが税金から支出されることは、言うまでもありません。
 では何かでその埋め合わせをしなければならないはずですが、それは、我々が納めた税金で埋め合わせるより他ありません。

 しかし、車にしろ家電にしろ、恩恵を受けるのは、数百万円もする車や、数十万円もする家電を、ポンと買い換える余裕のある者が多くを占めます。(もちろん、新規に必要になったから、とか、壊れたので仕方なく買い換えた、という方もいるでしょうが)

 私たち貧乏人には、余裕のある人たちが恩恵を受けるために税金を納めたつもりなど、毛頭ありません。
 逆に、諸事情あって貧困にあえぐ人々や、重い病気で困っている方、今の日本を豊かにしてくれた大先輩であるご老人、といった方々のための税金なら、喜んで納めます。

 それでも、エコカー・エコポイント政策に十分な経済効果があって、富が公平に分配されるのなら、それはそれで文句は言いません。

 「エコ」贔屓のおかげで、車や家電は売り上げを伸ばし、企業は利益を上げ、企業内の社員は上から順番に利益を享受し、株主には配当金が入って、投資家は株の利ザヤや含み益を得ています。
 その反面、自動車会社も家電会社も、派遣切りはするわ、賃金(賞与を含み)カットはするわ、労働者に対して非人間的とも言える労働を強いるわ、死者や病者の山を築くわ。

 庶民にとって、納めた税金をそんなことに使われた揚句にこの仕打ちでは、怒って当然です。

 さて、では一体誰が政府にそのような政策を採らせたのでしょうか?
 (いつも同じ結論で面白くないでしょうが)決まっています。それで最も利益を享ける者です。

 経団連の、先々代会長は自動車関連でした。また先代会長は家電関連でした。そして現会長は、車や家電に樹脂などの素材を提供する化学関連です。
 3人とも、高そうな背広を着て、栄養がいいのか、恰幅の良い、艶々とした方々です。
 きっと、我々の血肉を吸い上げているからなんでしょうね。

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