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唐土の王承、字を安期という人は、汝南の内史、湛という者の子であった。東海の太守となって、行う政治は正しく、性格は実直で、邪な心のない人であった。
ある時、奉行所に、池の魚を盗んだ者が捕えられ、刑罰を加えられようとしていたのを、王承が聞き付け、
「文王の国では、民衆はみんな、禽獣を獲って暮らしており、禁制や御法度はない。池の魚ぐらい、惜しくもないではないか」
と言って、その罪を許してやった。
その後、夜間外出禁止の法を破って、夜、出歩いていた者がいたので、役人がその者を捕えて、罪に問おうとしていたのを、王承が罪人に訳を尋ねたところ、罪人は、
「私は今日、師の所へ行って、書を読んでいるうちに、日が暮れたのも気付かず、帰るのが遅くなってしまい、この罪に問われてしまいました」
と言う。王承は、
「人をむやみに鞭打って(罪に問うて)権勢を誇示するのは、よい政治を行って民を治めることの本意ではない」
と言って、この者を罪に問わず、奉行に、この者の家まで送らせた。
唐土の王承、字を安期という人は、汝南の内史、湛という者の子であった。東海の太守となって、行う政治は正しく、性格は実直で、邪な心のない人であった。
ある時、奉行所に、池の魚を盗んだ者が捕えられ、刑罰を加えられようとしていたのを、王承が聞き付け、
「文王の国では、民衆はみんな、禽獣を獲って暮らしており、禁制や御法度はない。池の魚ぐらい、惜しくもないではないか」
と言って、その罪を許してやった。
その後、夜間外出禁止の法を破って、夜、出歩いていた者がいたので、役人がその者を捕えて、罪に問おうとしていたのを、王承が罪人に訳を尋ねたところ、罪人は、
「私は今日、師の所へ行って、書を読んでいるうちに、日が暮れたのも気付かず、帰るのが遅くなってしまい、この罪に問われてしまいました」
と言う。王承は、
「人をむやみに鞭打って(罪に問うて)権勢を誇示するのは、よい政治を行って民を治めることの本意ではない」
と言って、この者を罪に問わず、奉行に、この者の家まで送らせた。