PIAFUL♪

ピアノを愛する私の・・・独断と偏見による
その時々の旬な話題?を気紛れに~♪

月光の夏

2010-07-03 | book
1993年・・・映画化された作品らしい。
太平洋戦争末期の夏、出撃前の最後の思い出にピアノを弾き、戦死していった若き特攻隊員の実話をもとに
描かれたドキュメンタリー・ノベル 『月光の夏』 著者 : 毛利 恒之

特攻隊員との切ない恋愛を描いた 「二十歳の変奏曲」 読んだとこなのに、また特攻隊員の話だった。
知覧にある富屋食堂のトメさんも、また登場~。(特攻の人はタダで食事できる食堂の経営者)

生きては帰れぬ出撃を前に、どうしてもピアノが弾きたい(ピアニストを目指していた)と一人の青年は、
ベートーベンのピアノソナタ 『月光』 を。もう一人の青年は 『海ゆかば』 を弾いて基地に帰っていき・・・。
・・・エンジンの不調で特攻から引き返し “振武寮”に入れられた屈辱と絶望の日々のことが語り始められる。

自分たちと同年代の少年飛行兵たちが必死の特攻出撃をしていく姿を、スクリーンで目のあたりにした17歳の
高校生の感想・・・「映画 『月光の夏』 を見た。きょうからの僕は、きのうまでの僕ではない」・・・

平和の尊さ。自由な日々を生きていることの幸せ。この生命ある日をどのように有意義に生きていくか――。
そんなことを思わせられる作品です。

《エピソード》
特攻隊員が実際に弾いたフッペル社グランドピアノは、現在、サンメッセ鳥栖に展示されており、
受付で手続きをすれば演奏もできる。 らしい。