動機

管理部門の人間が主役を張る警察小説 「陰の季節」 と
引き続き読んだ・・・『動機』　著者 ： 横山 秀夫

どちらも４篇ずつ収録されている短篇集。一気読み～。

「陰の季節」 は、県警本部の警務課・監察課・秘書課・鑑識課が舞台。
背景に、それぞれの切ない人間ドラマを潜ませて、警察内部に起きる事件の
解決に、心理的に迫る。

『動機』 は、ちょっとだけ詳しく・・・
表題作 「動機」・・・警務課の調査官が、警察手帳の大量紛失事件の謎を追う。
辿り着いたのは、退官間近の巡査部長・・・。何とも優しい動機からだった（涙）

「逆転の夏」・・・殺人の前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に抱えた心の闇。
信頼していた保護司と匿名の電話主との関係が明らかに。まさに “逆転の・・・”

「ネタ元」・・・男社会の中で踏ん張る女性新聞記者の悲哀が・・・。

「密室の人」・・・公判中 居眠りした挙げ句、寝惚けて妻の名を洩らした裁判官の
悲劇。再婚した妻の、衝撃の事実を目の当たりに。

“横山 秀夫は叙情の人である”・・・何かで目にした横山評・・・。
確かに・・・！ “面白かった” で留まらず、心に余韻を残す作家さんです。