PIAFUL♪

ピアノを愛する私の・・・独断と偏見による
その時々の旬な話題?を気紛れに~♪

おくりびと

2008-07-15 | book
“お会いしたばかりですが、お別れです”

悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれる
納棺師の物語・・・『おくりびと』 著者 : 百瀬 しのぶ

実は、この本を読むまで 納棺師という職業を知らなかった。驚きと発見でもあった。

交響楽団の突然の解散によって、チェロ奏者だった大悟は、地元・山形に戻り
ひょんなことから “旅立ちのお手伝い”=納棺師の見習いとして働き出した。

納棺師という職業に嫌悪感を抱いていた大悟だったが、
社長の・・・、冷静で、正確で、心のこもった、そして優しい愛情に満ちた仕事ぶり、
納棺師としての真摯な姿勢を目の当たりにし、死者を美しい姿で旅立たせるこの
仕事が、崇高で意味があると思いはじめてくる。

生まれながらの性別を受け入れることができず苦しんで自殺したニューハーフの
青年に、「楽になったな、あの世で幸せにな」・・・声をかける親族たち。

長い闘病の末の死なのか、別人のようにやせ衰えた女性に、丁寧に死化粧し・・・
「あいつ、今までで一番きれいでした。ありがとう」・・・そう言って頭を下げた喪主。

顔中にキスマークをつけられ送り出された大往生のおじいちゃん。
「一度履いてみたい」 そう言っていたおばあちゃんに、ルーズソックスを履かせて
送り出してあげた孫娘。

さまざまな境遇のお別れに立会い、故人を送る・・・“おくりびと”
ラストは、感動的です。30年の時を越え自分の父親を・・・。。
お別れするのは、悲しいだけではない!?と思える物語でした。

今秋(9.13) 映画 で・・・。