映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「21g」

2007年12月22日 | 映画~な~
いやーーーー、暗かったわ。

夫と娘を交通事故で失った女性
男性と幼い少女2人を車でひき殺してしまった男性
交通事故で亡くなった男性の心臓を移植された男性

2時間で登場人物3人の関係性をうまく描いているけど、始めの30分は意味不明に陥ります。過去と現在を行き来する手法はよく使われるけど、これはそれが激しい。あっちいったりこっちいったりで、本当になんのこっちゃわからない。ただ、その不透明さがあるからこそ、謎めいた雰囲気を出しているし、重いテーマを少しテンポがあるように見せる効果はあげられていると思う。


ショーン・ペンってどんな映画でも自身の個性が役柄を凌駕してしまっている気がする。何を見ても「ショーン・ペン」にしか見えないんだよな~、私には。 『カジュアリティーズ』は抜群やったけど。


シャルロット・ゲンズブールの存在が、いい感じに重い映画の中の息抜きポイントになっている。フランス語訛りのイギリス英語を話す彼女の透明感のある演技は、曲者ショーン・ペン(ある意味ほめ言葉)のいい緩和材に。彼女の存在が、アメリカの片田舎で起った「非日常」のドラマに、さらに「非日常」性を加え、映画に深みを出していると同時に、窒息しそうな重いテーマに新鮮な空気を入れる役割を果たしているような気がする。


もっと「21g」という数字にまつわる話が展開されるのかと思っていたけどそうではなく、たった「21g」という計量した重さと、人々が感じる「死」の重さとの違いを数字で表すことで際立たせている・・・のかな、と勝手に思ってます。


デル・トロの存在感やナオミ・ワッツの演技はさすが。

何度も見たいと思う映画ではなく一度で十分。



お勧め度:☆☆☆★


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