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Petrol Bug's
――――― THE SUNBEAM FROM THE FAR EAST ―――――
 



さて。クランクケースを割ります。バーナーは怖いのでヒートガンで時間をかけて地道に温める。水が蒸発するくらいが理想だが、その手前くらいでも割れるっちゃわれます。当時液体ガスケットはブルーハイロマーを使っていたのだが、案外それが正解で、最近の密着性の高いゴムっぽいやつだともっと割るのに手こずったかもとはN講師の談。



あとケース割る時はタイミング側を下にしてプライマリー側から外さないと外れませんね…。タイミング側はボールベアリングでプライマリー側はローラーだから。外れやすさが全然違う。



引き続きヒートガンで熱して圧入してあるボールベアリング側も抜きます。久方ぶりのクランクとのご対面。もう会うことはないと思ってたよ…。スラストシムが3枚入ってる。



タイミング側のケース。軽く洗浄して目視でクラックチェック。あってたまるか。



さて…。プライマリー側当該箇所のクラックをクラックチェッカーで見ていきます。血染めのケース。



赤を吹いて青で拭いて白でクラックを浮かす。



縦だけでなく横にもイってる…。たぶんこの横部分がネジ穴が終わる場所だな…。





ついでギアボックス。どう処置するかは未定だが、仮に溶接するとなると歪むのでベアリング部分にダミーを入れる可能性を検討。ベアリング取り外して計測しておく。





ベアリング外径57.13mmに対して…



ケース側の内径57.11〜14mm。大体1/100で嵌ってる。



ポロリといった、かつてねじ穴だったもの。



ドリルで揉んだ跡がそのまま見える。外側を溶接で盛って中をウェルドくんで埋めて直したものの、外側の盛りが薄く、まとめてごっそり取れたって感じですね…。



もちろん溶接で盛って直したいが…なにせアルミがクズい…。他2つが無事なことと、ケース奥のねじ山(3山くらい)を頼って…接着剤的なものでくっつけるとかもあるのか…。いっそケースごと新造したい…。
 

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サンビーム、壊れました。はいはいはい。もうね、不幸を嘆くステージは終わったんですよね。10年以上壊れ続けているわけですから?オッケーオッケー。やったろうじゃん。売られたケンカは買ってやろうじゃん?



何が起きたかと言いますと。最近急な坂を登るときチュンチュンいうな?ってことで、圧縮漏れを疑いヘッドの締結を確認したんです。すると案の定1箇所ゆるゆるで回る。なんかおかしいなとスタッドの付け根をみると…。



はい。クラックが入ってますね。そしてねじ山も終了している。



そんなわけでエンジン全バラです。緩んでた方面のシリンダーフィンに油が乗っており、圧縮漏れしていたことがわかる。



さくさくバラしていきます。プライマリーのコルクはちゃんと仕事してて油が入ってるな。



で。まあ予感はしてたけどバラせば次々と出てくるよね…。戦前車は基本バラしてはいけないんだよ…。アルミ鋳物製のパンドラの箱なんだよ…。絶えず自壊する泥の乗り物としか言いようがない。黒棺っすわ。



はい。かつて修理したところがそのままごっそりイっとります。こないだまで平気だったのに…。こうしてギアボックスも全バラ決定です。へっ、おもしれ〜バイク。



他2箇所は一応無事。





どんどんバラバラになっていき…





ひさしぶりのピストンさんです。







排気側のカム。ポンチがふたつ。



吸気側のカム。ポンチがひとつ。



なんかバリが出てんな…。



ピニオンギア。はい、欠けてる。がっつり欠けてる。なんでやねん。いつやねん。



サンビーム唯一の逆ネジ。…と思って調べ直したら、ここの他にリアハブのところにもう1件逆ネジがあった。



爪の薄いプーラーでパキッとはずす。



白田工機謹製のピニオンギアが…。しかも歯が変な具合に減っている…。何か噛んだのか…?そして結局この後も破片は見つからなかったが…どこにいったんだ…。あ、それっぽいのが写ってますが、それはキーです。



はい。機関部の何もかもがなくなりました。サンビームの抜け殻です。



…特に感想はない。ただ、いっさいは過ぎていきます。自分がいままで阿鼻叫喚で生きて来たいわゆる旧車の世界において、たったひとつ、真理らしく思われたのは、それだけでした。
 

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