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Petrol Bug's
――――― THE SUNBEAM FROM THE FAR EAST ―――――
 



先日不要と思しき穴を埋めたてたフェンダーとフェンダーステーだったが…。そう言えばレギュレーターを取り付ける場所を確保せねばならないのだった。引き渡しを受けた時点ではずれていたので過去の写真には写っておらず、その存在を失念。埋めたステーの穴のうち、ふたつはおそらくレギュレーターをマウントしていたのであろう。しかし…あまり堅牢ではないフェンダーの、しかもステーに、思ったよりもずっしりとした機械式レギュレーターを取り付けるのは気が進まない…。同じような年式のNorton Model 50なんかでは、サドルシートのすぐ後ろ、フェンダーに直付けされているが…。また三次元曲面に穴を開けるのは遠慮したいところ。…そこで。適当な形のステーを作りフレームに固定、バッテリーの横に並べることにした。思い立ったが吉日。早速その周辺を仮組みし、ステー製作にかかります。まずはオイルタンクからだが…。



…仮組みして違和感を覚える。オイルタンクの固定方法が、タンクとクランプでフレームのシートピラーをギュッと挟むだけの構造なのだ。しかもクランプ側のアールがピラーにマッチしていないため、ラバーを挟んでネジを締め込んでも上下左右に簡単に動く。…いただけない。…引き続きバッテリーキャリアとバッテリーケースも取り付けます。





…つまりこのように、オイルの入ったオイルタンクとバッテリーキャリアとバッテリー、決して軽くはない3つの荷重を前述した挟むだけのクランプで支えることになっているのだ。…甚だ不安です。リジットだし走行時は結構な振動があるはず。重さでずり落ちてタンクとギアボックスマウントがせって削られるようでは目も当てられない。

そこで一計を案じて、新たに製作するレギュレーターステーはまわり止めも兼ねつつバッテリーの荷重を幾らか引き受けるような構造でつくることにした。…で、学校の部品墓場に落ちていた得体のしれない廃品ステーを掻き集めて製作したものがこちら。



意外に重いレギュレーターの荷重は、基本的にはフレームのネジ穴(3/8BSF。マフラーステーがつく場所)で支えます。かつ、バッテリーキャリアと底面の高さを合わせ、レギュレーターステーをバッテリー側に延長。バッテリーとバッテリーキャリアの間に挟み込むようにして固定する。こうすることでバッテリーの荷重を幾らかレギュレーターステーでも引き受けることができ、かつ、オイルタンクやバッテリーが下にずり下がることも予防できる、と。その上たぶんレギュレーターの調整もしやすいはずです。何だか無計画に建て増した建築物みたいですけども…。



見た目的にも配線的にもバッテリーと仲良く並んでダイナモにも近く、よろしいんではないでしょうか。あとは実際に走ってみてどれだけ振動がレギュレーターにくるかだな…。そもそもレギュレーターの取り付けは、どのくらい振動にシビアになるべきなのだろうか?割りと無造作でいいのか?それともラバーマウントにしたほうが…?

…ところで。ずり落ちようとするオイルタンクとバッテリーをレギュレーターステーだけで止めようとするのは、まだ無理があります。やはり理想的にはオイルタンクのクランプにももう少ししっかり仕事をしてもらいたい。…ま、このへんは改善はまた今度。オイルタンクのクランプは再製作かなあ…。キリがない…。あ、ちなみに使用するバッテリーは6N6-3B-1(L99×D57×T111)です。
 

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穴だらけだったリアフェンダーとステーが溶接によって再生。フェンダー自体がかなり薄く強度が期待できないので、要所要所の穴は内径を合わせたワッシャーと共に裏から補強もしてもらった。裏に肉がついたぶん、ステーの位置に齟齬が生じる懸念があったため再度仮組みしてチェック。



結果としては問題なかったが、むしろ今までステーはフェンダー裏に完全に接しておらず、若干浮いた状態で固定されていたことが判明。以下の写真を見てもらえればステーとフェンダーの間に5~7mmほどの隙間があるのがわかる。このステーは凝った形をしていて「肩」のような部分があるのだが、そこのところがフェンダーの縁に当たる形で固定されているのだ。





しかしこれではネジ部分に負担がかかりすぎるので、あまりよろしくない。実際穴の一つは大きく窪んでおり、その後割れた。ここは本組みの際、間に適当な厚さのラバーを挟んでフェンダーとステーにかかる力をもう少し面で受けるように改善することにする。本当は穴を2つに開け直して2本のネジで固定することが理想的だろうが…位置合わせがシビアになるので却下。…まあ、元より幾らか肉厚になったんだし、十分持つでしょう。

…そのような作業の合間を縫って、クランクケースをフレームに留める3/8のスタッドを自作。ケースを後家で合わせたことにより、スタッドの長さが足りなくなってしまったのだ。



6本のうち、ブレーキワイヤーのアウターチューブを受ける特殊形状のナットがついているスタッドのみBSC(26TPI)。他5本はBSF(18TPI)だった。…別にBSCである必要はないと思うのだが?むしろ他5本がBSCの方が良かったのか?


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前後フェンダーはウレタン塗装に出します。僕のカシュー技術では面の広い大物には限界があるので。ネジを締めるとぺりぺりはがれるしな。…塗装後に加工するはめに陥らないためにも、各所ネジ穴やステー、ピリオンパッドなどの位置合わせを行っておく。仮組みした姿がこちら。









フェンダーがつくとまた、ぐっとバイクらしくなりますね。眺めていると、できればヘッドライトなんて無粋なものはつけたくなくなるが…。公道仕様ではそうもいくまい。フロントフェンダーはややステーに負担がかかるものの、手順を踏んできっちりネジを締め込めば比較的正しい位置で留まる。問題なさそうだ。リアフェンダーとステーには何故か必要以上に穴が開いているので、分解前の写真と照らし合わせて不要な穴は溶接で埋めます。その際、ピリオンパッドの位置も再吟味。以前よりも若干前に来るように位置決めをして穴開け。こちらも元の穴は塞ぐ。



ピリオンパッドのネジ穴開けはフェンダーとパッドの接面が三次元曲面であるために、非常にやりづらい。パッドから生えている3本のネジも斜めなため…ネジの入りはじめと根元では必然的に穴の適性位置が異なる。従ってネジ径よりも大きなバカ穴を開けるはめに…。パッドで隠れるとは言え、あまりみっともいいものではありませんね…。どうにかならんのかなあ…。

あ、僕もこのサンビームに手をつけてから知ったのですが、ピリオンパッドは二人乗り用のリアシートではなく、速度を出す際にケツを下げて乗せるためのものだそうです。だから正しい位置はやや前傾なんだとか。以前ここで紹介した1928年の90TTなんかはちゃんとそうなっていました。…考えてみればまあ、それほどタフにフェンダーが取り付けてあるわけでもなく。二人乗りにはちょっと不安ですね…。あ、でもスプリングが付いているようなものは多分正しく二人乗り用のシートだと思う。



…違うかな?リアフェンダーに直付けする構造は同じだしな…。強度的な問題は補強でどうにかなっている…のか?そして1929年のMod.90のようにぼってりした大型のものはどうなんでしょう?これは二人乗りを想定した…のか?

…そして90TTの写真を眺めていて改めて気付いたのだけれども、僕のサンビームに付いているピリオンパッドはやっぱり後付け臭いですね。リアフェンダーに開いていた使途不明の穴の一部が、この90TTのピリオンパッドを留めるネジ穴の位置と合致している…。本来はここに、90TTのような薄いパッドが付いていたのであろう。たぶんフェンダー自体はMod.80から流用したものだろうし。…だからといって別にオリジナルに近づけたりしません。そもそも80風Mod.8だしな。
 

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リアドラムの中身も入れます。新たに貼ったシューのバリをとり、1mm厚のコの字型金具を製作してカムの当たり面にはめて仮組み。…うん、こちらはベアリングのダストカバーにも干渉せず、いい感じです。



各所にグリスを塗布した後本組み。前輪に比べて効きが甘いように感じたが…。レバーの角度がやや甘かった。レバーの取り付け角はブレーキの効き始めでアームがちょうど直角になるように組みましょう。それでも手で動かすのでは、フロントに比べてまだ効きが甘い…。まあ、リアはドラム径がいくぶん大きいので、その分スプリングを引く力が大きくなる。おそらくちゃんとフットペダルに接続して、アタリがつけばもうちょっと効くようになるだろう。このへんは乗ってみてからジャッジすることにする。





前輪後輪共に仕上がった。タンクとサドルが乗っかっているのもあり、だいぶバイクの形になってきましたね。しかし、機関部はまだまだやらねばならないことが山のようにあり…。考えるほど復活にはほど遠い…。
 

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フロントブレーキワイヤーを製作。使用するのは2mmワイヤー。タイコの類いは最近学校で推奨されているドブ漬け方式で。まずはあれこれと部品のあるワイヤー下からタイコをつけます。



タイコがついたら諸々の部品をワイヤーに通し、アウターチューブ以下を仮組み。中程のアジャスター以降はワイヤーがむき出しになってしまうので、グリスを塗布した後2mmの熱収縮チューブで保護しておく。その後慎重にレバー側と合わせて長さを決定し、タイコを取り付ける。下半分を車体に付けたままでの作業となるので、ドブ漬け用のハンダを溶かすコンロを底上げして作業します。



付いた姿がこちら。逆出しレバーとグリップもついて、ぐっと引き締まった。ハンドルと逆出しレバーがちょうど、応接間に飾るディアヘッドのようです。美しい…。





記事的にはすんなり書いたが、あれこれとツジツマを合わせるために1日かかってしまった。ワイヤー製作は慎重さと計算高さが問われる作業だ…。何かを入れ忘れると取り返しがつかない。あ、ワイヤー製作についての細かいことはこちらを参照のこと。こちらはハンダ方式ですが、そこ以外の基本的な手順は同じですので。
 

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シューのライニングが上がってきたのでドラムに中身を入れます。効き重視で柔らかめのシュー。やすりで簡単に端のバリを落とし、ぱぱっと組もうと思っていたが…。



カムの当たり面に噛ませてあったコの字型プレートの面がざっくり摩耗していたので新たに作り直す。



3mm圧の鉄の平板をバイスでくわえてガンガン叩く原始的な加工。理想的には曲げる部分の内側を金鋸で1/3程削っておくと思うようなサイズに仕上がります。まあ、結局は現物合わせで幾度も修正を繰り返すわけですが…。しかも完成した3mm圧のコの字型プレートで組もうとしたらばドラムに入らない。…どうやら厚すぎたようだ。シューを削るわけにもいかないので、コの字型プレートを2mm厚で再製作。3mmのものはシューが減ったときに使えるやも。

本日はこの後フロントホイールを組み直したのだが…。以前製作したハブベアリングのダストカバーがバナナを留めるスプリングと干渉してキィキィ鳴くのでダストカバーの外径を旋盤で削ったり、アクスルシャフトのナットを締め込むとドラムのフタがフォークのレッグに干渉するので、ドラムのフタを留め、かつフォークとドラムの間のスペーサーにもなるナットを新たに製作したり、タイヤのフレを気にしたり、ブレーキアームがスピードメータードライブの台座にもろに干渉するので台座を加工したり…。延々と細かい調整作業をしていた。これでとりあえず前輪は終わったので、明日はワイヤーを張ってフロントブレーキが使えるようにしよう。アームを動かしてみた感じ、ブレーキの効きは良好のように思う。
 

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閑話休題⑧。ネットで拾ったすごいSunbeam 其ノ三。1930 Sunbeam Speedway。



スピードウェイは4~6台のバイクでオーバルサーキット左回り4周以上のラップタイムを競うモータースポーツ。ブレーキやトランスミッションを持たないマシンで、平地のダートや砂地のトラックをドリフトして滑るように走り、ストレートではおよそ70mph(110km/h)にまで達する…というような説明がwikipediaにあった。ふーん。YouTubeには動画もあります。むちゃくちゃやりよんな…。でも楽しそう。

同じ1930年Speedwayでも2つのモデルがあり、上の写真は初期型。パワーユニットは、当時シニアTTで二年連続優勝・三年連続チーム賞・新記録樹立などを成し遂げて名を売ったModel 90の493ccエンジン。排気を2ポートから1ポートへと変更し、シングルスピードでエクストラスプロケットにより8.4~10.5のギアレシオが選択可能。28インチの大径ホイール、調整可能なニーフックとフットレスト、素早い着脱が可能なリアスタンドとチェーン…などが主な仕様変更だった。





下の写真が後期型。ホイールの大きさはレギュレーションの関係で22インチに。写真を見る限りでは他にガーダーフォークが変わり、フレームも微妙に加工してあるように見える。オイルポンプも見当たらないが…省いたのだろうか?あ、でもクランクケースからオイルラインらしき銅パイプは出ていますね…。オイルタンクもある。





極小タンク、すっきりとしたフロントホイール、ばっさり短く切られた排気管。保安部品はもちろん、必要最小限(以下?)にまで切り詰められた装備の戦前バイクは最高だな…。
 

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閑話休題⑦。ネットで拾ったすごいSunbeam 其ノ二。ビカビカのミントコンディション。29年だからちょうどサドルタンクの走りくらいですね。30年代のものと違ってまだロッカーボックスの固定がバタフライで、フォークはDruid。ギアボックスも…3速?





よく見るとM90なのにバルブスプリングがコイルですね。あとキャブはシリンダーの横っ腹に穴が開いているタイプのものだ。この穴…役割が謎です。オイルタンクのラインが派手。





カチ上がって尖った直管がやる気を感じさせる…。





無論オープンプライマリー。クラッチスプリングを留めるナットのワイヤリングがかっこいい。


 

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人生においてなかなかお目にかかれない光景を、まずはご覧下さい。



なぜこんなことに…。

左から順にK3190/KK2331/KK4232/KK4128/21. 540. 0. 232。以下の表で同定を試みるならば…。1930年/1929年/1933~4年/1933年/1936年。ちなみに頭のKは1ポート、KKは2ポートで、1933年以降は2ポートのみなのだろう。さらに余談だが、1936年で頭にSSがつくものはセミスポーツモデル、1937年以降でSのつくものはスポーツモデル。この他、1936年以降ではギアボックスがBurmanに変わったり、1930年9月1日以降ではフォークがWebbになったりしています。以上、出典はRobert Cordon Champ「The Sunbeam Motorcycle」から。



縦方向から見ると顕著だが、1930年以前と1933年以後の間には大きな違いがある。前者のクランクケースは分厚く、タイミングケース内でのカムギアとピニオンの並びが一文字。対して後者のクランクケースは薄く、カムギアとピニオンの並びがなだらかなV字になっている。スタッド穴の位置も若干異なり、おそらくこれはフラットタンクからサドルタンクへ変わり、フレームも若干変化したためであろう。1933年と1936年ではプライマリー側の構造が大きく異なり、ここでもフレームにも変化があったのかスタッドの入る穴の部分が横に長くなる。20年代から30年代へ。モーターサイクル黎明・過渡期のめまぐるしい変化の躍動を感じずにはいられない…。



…とか言ってる場合じゃねえ。もうかなり前の話ですが、元々ついていたクランクケースはクラックが入って終了致しました。ケースとクランクをバラした後にローラーベアリングのレースを外していたのだが、タイミング側がどうしても外れず、コンロにかけて温めていたらパキッと。ケース底部からカムハウジングの辺りまで縦に一直線。かなり長めのやつが入りました。ダメ元で英車溶接の匠に依頼してみたが、アルミ鋳物の程度が劣悪で、じぶじぶとオイルは沸くわウェルド君はつかないわクラックは増えるわでやっぱりダメ。Nortonのギアボックスなんかもそうみたいですが、古いアルミ鋳物はダメですね…。しかし、経年劣化はあるにせよ、溶接を試みたにも関わらずレースは外れもしなかったところを見ると、レースの外径がそもそも穴に合っていなかったんでしょうな…。

その後、世界中にサーチをかけていくつかケースをゲットするも、ことごとくうまく行かない。最初に寄せた36年のものはプライマリー側の形が違うため断念。次にオランダから寄せた33~4年のものは形はぴったりなのだが肝心のタイミング側にやはりクラックが入っている。しかもカム穴やメインベアリング回りのクラックで致命的。その後寄せた2つ(29~30年のもの。ご入り用の方がいらっしゃいましたらご一報ください)は、前述したように同じモデルでもそもそもの形が違う…。

結局、辛うじてカムハウジング内の構造が同じと思われる36年クランクケースのタイミング側と、比較的きれいなオランダ産クランクケースのプライマリー側を無理矢理合わせて使うことに。…つまりは、その後買った3つのケースはまったく無駄だったわけだ。元々異なるクランクケースをニコイチで合わせることを「ゴケ(後家?)」というそうですが、もちろんあちこちつじつまは合わせねばならず…。意を決してR内燃機に加工を発注。タイミング側を基準に(こちら側はカムやオイルポンプがあるので、シャフトの位置がずれると困る)左右メインベアリングの芯出し、シリンダーとマグネトーが乗る上面の面出し、合わせ面の凹凸の合わせ、などを行ってもらうことにした。さらにはこの後ケースが加工から戻ってくるのを待って、研磨したクランクシャフトと芯出ししたメインベアリングの穴に合わせて、ベアリングの研磨を別途発注。それが上がってきたら今度は、クランク、ケース、ベアリングに加えて、タイミングカバー、カムギア、カムフォロワー(これも今英国に修理に出している)などなどタイミング側一式をまとめて再度R内燃機に渡し、きちんと位置出しをしながらカムやフォロワーのブッシュを製作圧入してもらう手筈だ。………果てしない。加工代が思いやられます。何よりこの方法、うまくいってくれるといいが…。



なんだかんだ問題が多すぎる…。中でもこのアルミ鋳物のクラックがいちばん厄介。ギアボックスなどもかなり手こずったが、こればっかりは鋳物をふいてマシニングするわけにもいかず…。期せずして5つのクランクケースが手元に残った。…どう控えめに見積もっても高すぎる勉強代だと言えよう。待て続報。…あ、楽しいですよ?戦前車のレストア。
 

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なんだかんだとうまくいかず、嫌ってほどベアリングの抜き差しを繰り返したシム調整だが…。結局メインシャフトベアリングの奥に入れたシムは0.7mmでふりだしに戻り、カウンター側は0.2mm。どうにか双方のガタが0.1mm程度に落ち着いた。さて…。シフターフォークを入れて仮組みし、各ギアの入りを確認します。サンビームの3速ミッションは非常に簡単な構造なのですが、組みはじめがやや面倒。メインシャフトを入れた後…



このようにカウンターギア、シフターフォーク、スライドギアをまとめて突っ込みます。その際、①カウンターギアの1速と2速の間にシフターフォークの腕が入るように、②大小2つのギアが連なっているスライドギアのちょうど真ん中にある溝にシフターフォーク先端の板(稼働部)が入るようにすること。知恵の輪的で、結構入りづらい。ここさえできれば後は簡単。残った部品を組み入れるだけだ。すべて組み入れたら、最後にシフターフォークの支柱部分にあるイモねじでシャフトを留めます。組み終わったら動作確認を…。



1速。



2速。



3速。



すげえ微妙な振り幅。回転の幅は3速でスプロケットが1周するときに、2速ではおよそ2/3周、1速では1/3周といったところか。ニュートラルは各速の間にそれぞれある。ちなみにギアの丁数は、カウンターの3連ギアが小さい方から15T-20T-25T、スライドギアが15T-20T、いちばん手前のスプロケットに固定されるギアが25T、スプロケットが16Tだ。このへんの仕様は確か年代やモデルによって細々と異なっているはず。



地味にシフターフォークとギアレバーの接続部分の穴を修正したり、そこに入るブッシュを制作したり、ギアのアタリ面に出来ていたバリをダイヤモンドヤスリで取ったりしつつ…。



後は各ギアや稼働部にグリスを塗布して本組みだが、そこはまあ細々と塗装した後で。いずれにせよ、これでギアボックスが粗方片付いた。やれやれ。
 

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世界で20人弱にしか見られていなかったブログへようこそ。ひとつ訂正させて頂くとするなら「生徒さん自信のブログ」は「生徒さん自身のブログ」の誤りですのであしからず。リンク先を2件追加致しました。

さて…。昨日ベアリングが嵌ったギアボックスだが。メインベアリングがドライブ側とクラッチ側で逆になっていた…と思い込んでいたら、逆じゃありませんでした。内径の大きい方が手前です。2度手間ならぬ3度手間。さらに今日はここから仮組みしてスラスト方向のガタを調整します。シフターフォークはおいといて、メインシャフトとカウンターシャフト、ギア類を差し込み、バイスで固定してメインシャフトのガタを計る。



その後、フタ側のメインシャフトベアリングを外し、奥にコマンド用のシムを数枚入れて調整。…したのだが、どうにも安定しない。組む度にクリアランスが異なる。おかしいな…?と思っていたら、ギアボックスをプライマリーケースに固定するはずの3本のボルト(ケース内までねじ穴が貫通している)の先端がギアに干渉していたりだとか、シャフトについていたシムにギアが噛んでいたりとか、ベアリングが奥まで行っているのかどうか怪しかったりだとかで手間取る。



結局メインシャフトベアリング奥に入れるシムは0.8mm?カウンターギアベアリング奥に入れるシムは0.2mm?あたりが妥当なような気配がしたのだが、フタをストーブで温めてはベアリングを外してシムを入れ、冷めるのを待って仮組みし、再びフタをストーブで…と延々繰り返していたため、時間切れ。



結論は次回へ持ち越しとなった。…シム調整、敗北。
 

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解体した際に4箇所ほどクラックが発見されていたギアボックス。想像通り、溶接に手間取った。学校の溶接専門家U原さんにお願いしたのだが、アルミの質がどうにも悪くてままならない。当該箇所の内、プライマリーケースに固定されるねじ穴2箇所は完治したものの、フタを押さえるボルトが入るねじ穴だけが…。ウェルド君を盛っては削り盛っては削り…。きれいに溶接した後でも冷えると再びクラックが入ってしまうのだ。結局ここだけは完治までいかなかった。しかしそれでもかなりしっかり溶接は地についており、バカ締めしなければ問題ないだろうという判断。実際盛り直す為に削るときにはかなりガリガリやらねばならなかったから大丈夫でしょう。…ということで、埋めたねじ穴を再生する。まずはフタ側から。

無事だったねじ穴5箇所をボルト留めした後、フタに開いているバカ穴をガイドにして位置決めを行う。バカ穴と同サイズのドリル(8.5mm)を挿し入れ、ポンチ代わりに印をつけて…。



フタを外してドリルを交換(6.7mm)し、タップ用の下穴を開ける。



穴があいたらそのままタップ(5/16BSF)を立ててねじ切り。ボール盤を使うと間違いがなくていいですね。



次いでプライマリー側のねじ穴も同様の手順で。こちらはプライマリーケースをガイド代わりにします。



3箇所のねじ穴修正が完了した。びしっとしている。



すでにベアリングの類いも来ているので、このまま嵌めてしまいます。ストーブでアルミを温め、モリブデンを薄く塗ったベアリング計4つを挿入。



フタ側のメインシャフトベアリングの裏にはシムが3枚(0.7mm)入っていたが、溶接後ケースの面研を行ったこともあり、とりあえずナシで組んでみることにした。後ほどスラスト方向のガタを見て、必要ならシムを入れて再度組む、と。このへんの作業はまた明日…あっ!?今写真を見て気付いたけど、メインシャフトのベアリングがケースとフタ側で反対だ…。明日やり直さなきゃ…。



あ、サドルシートは塗装も終わり、いい感じに直りました。クランプもカチカチッという音が頼もしく仕事をしている。フレームにつけてみて確認したが、シートはかなり目一杯後ろにアジャストしなきゃだめですね…。



だんだんカタチになって参りました。
 

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春先に修正・塗装したサドルシートだが…。シートクランプ(こんなの)のいいのが見つかったので取り寄せてもらった。もともとついていたものは噛み合うはずの皿の歯がナメていて、どうにも怪しいのだ。しかし、そこはやはり英国製…。もちろんそのままつくはずもない。まあ、これについてはブラフ用に作っているパーツだし、仕方ないといえば仕方がない。組み上がったはずのシートを分解。わりと面倒な作業に取りかかる。

問題点はクランプに対してレールの間のクリアランスが足りず、クランプが前後にスムーズに動かないこと。動かないというか入りもしない。シートの裏側が長年の負荷によりあちこち歪んでいるのだ。まずは上下に分かれるシートの下側を外して各所を修正。過去に破断したのであろう溶接跡の盛りを、サンダーで平らに慣らして整形。シートクランプのスライド部分が滑らかに動くようにする。次いでバイスにくわえてヨレとねじれを矯正。2本のレールが平行に近づくように。



その後2本のレールをつなぐアーチ状の補強金具を外してバラします。アーチはリベット留めなのでサンダーで頭を落として。クランプには22mmの丸棒を突っ込んで形が変わらないようにしておく。



クランプとレールを仮組みした姿がこちら。今までアーチによって決められていたレールの間の幅が、アーチを外したことによって自由になった。この状態で中央のクランプがスムーズに動くようにして、再度アーチを取り付け形を決めれば良い。



…はずだったのだが。ご覧下さい。この激しい歪み。完全な左右非対称です。



これではスプリングが均等につけられないので、左側のレールをまたも整形します。バイスにくわえてモンキーでねじったり、銅ハンマーで叩いたり。何度も仮組みしていい形を探る。…こんなに曲げたり叩いたりして強度的には平気なんだろうか?いずれにせよ、苦心して整えた結果がこちら。



ちょっと写真のアングルでわかりづらいが、まあ、なんとか左右対称に近いところまで来た。この状態でアーチを戻すのだが…。元々ついていたアーチは過去破断したらしく、溶接で肉盛りがしてある。アーチをリベットで留めるにしろボルトナットで留めるにしろ、これでは座面がでない。座面が出るところまでサンダーで削ると、今度は溶接した意味がなくなってしまうだろう。…なのでアーチは新たに製作します。



15mmの平板を学校に転がっているあれやこれやにあてがい、銅ハンマーでガンガン叩いて曲げる。バイスにくわえてねじる。元の形に近づける。…こんなことばかりやってるな。



ここまで出来たらレールに開いた穴(ピボット部を除く)を溶接で埋め、レール、クランプ、新しいアーチ、サドル上部を仮組み。アーチはレールにバイスクリップで固定し、新しい穴をあける位置を決めてポンチを打つ。



それらをボール盤に固定して、アーチとレール、2枚一気に貫通穴を開けます。左右2カ所に穴を開けたら、そこに2BAのマイナスねじを入れてナットとスプリングワッシャーで留める。留めるのは全部で4カ所なので、その後再び左右に1カ所づつ穴を開け、同じ作業を。…で、できたものがこちら。



後は最後にスプリングを留める穴も再び開け直さねばなりません。レール幅が広がったことにより、元の位置では外側過ぎるので。大変な作業でしたが、まあ、美しく仕上がったんじゃないでしょうか。…今回の加工で溜まった金属疲労により、再び破断しないことを祈ろう。久しぶりにガッツリ作業したなー。
 

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閑話休題⑥。ネットで拾ったすごいSunbeam。ゴツいタンクがシビれる。





動画もありました。歯切れの良い排気音。イキがいいですねー。少々タペットノイズが大きな気がしますが…。オープンバルブはこんなものだったような気もする。



おまけ。1928年 Rudge Four。ラッジは名前がまずカッコいい。手のひらロゴはもっとカッコいい。



1936年 New Imperial 500。タンクのリベットがダサカッコいい。


 

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