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Petrol Bug's
――――― THE SUNBEAM FROM THE FAR EAST ―――――
 



前回ピストン縦方向上部を傷消しがてら2/100ほど小さくしたが、その後やはり不安なのでもう少し削ることにし、結局70.91mm近くで仕上げた。これで上下の差はほぼ0.1mmで横方向と同じ値となる。ものすごく気が乗らないが、乗らないことにははじまらないのでさっさと組み上げ試乗。ひとまず学校周辺をひと回りし、オイルの回りと白煙をチェック。問題ないのでとりあえず前回抱きついた10kmほどの距離に挑む。学校からだと大体汐留までで5.3km、これを往復することに。



この日東京は夏日であり、最高気温は28度。折り返し地点の汐留まで来たあたりで…異音がします。シリンダーからキュキュキュキュと何やら擦れる金属音が…。ぶっちゃけノイローゼ気味ではあるので幻聴かもしれない。抱きつくんじゃないか?とか弱気な態度だから付け込まれるんだという精神論も聞こえてくる。しかしどうにも…音がする。とりあえず路肩に止めて冷やすことにした。



エンジンを冷ましがてら各所をチェック。とりたてて妙なところはない。しかしキックでクランキングするとやはり少し音がする。何とも言えない嫌な感じだ。大事をとって40分ほど置き、学校へ踵を返す。この間、いつロックするやも知れず、気が気ではなかった。どんな孤独なチキンレースだ。何とか無事に帰校してバラしてみると…。







…うん。やっぱりこすってますね。抱き付きとは言えないが、全体的にまんべんなく当たっとる。今回削った縦方向上部は無事だが、今度は横も含めてスカート部に傷が入っとる。これは…クリアランス不足でしょうなあ…。12~3ではやはりダメか…。この後乱暴だが、ピストンをバーナーであぶってどのくらい膨張するか確認。チンチンにして大体上が0.17、0.15程度の膨張。参考までにトラの台湾ピストンでも計ってみるが、大体同じ。実際エンジンの中でどのくらいの熱がかかって、ピストンが何℃になるかはわからないが…。現に全周に渡って擦れているのだから、クリアランスを広げざるを得まい。

…結論としてはまああれです。シリンダーをもう2/100ホーニングして再チャレンジです。目指せ20km。もうほんとこのサンビームは観賞用みたいなものですよ。
 

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Hug  


結論から述べると傷は浅かった。軽いハグ程度だ。気さくなやつめ、ははは…は……は……。



シリンダーの状況としてはうっすら傷が見えるが、指でなぞってもわからないくらい。ピストン側はやはり同じところが抱きついていて…



今回は後ろ側も結構やられている。クリアランスはもう1~2/100あってもよかったのかもしれない。やっぱり14とか15とか取らなきゃだめなのか…?そんなことってある…?とはいえ、側面には傷一つ見当たらず、クリアランスが大きければ大きいで今度は首振りの心配もある。協議の結果ピストン、シリンダーともに傷が消えるまでペーパーがけをして再チャレンジすることになった。神さま…あと何回抱きつけば許してもらえますか…?



この後、ごしごしやって傷を消し、マイクロで計測し直したところピストン縦方向上部は70.95mm。2/100削れて上下の差は4/100から6/100へと変化した。でも10km走った熱でこれだからなあ…。今後は学校と家を往復する度腰上をバラす日々がやってきそうです。あとちょうどこの記事を書いているときに、組んだら走り出す前にクランクの底にオイルを放り込んどいた方がいいとの助言を頂いた。もう一つ言えばオイルの戻り量が多いんじゃねえの?とも。前者はまあ簡単に試せるとして、後者をやるとすれば…どうしたものかなあ。
 

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サンビームは三度死ぬ。うちのブラックエンペラーがまた抱きつきました。神速と言っていい。



前回の記事にあった通り、組み終えて今日は帰宅するつもりであった。事前に何度かエンジンをかけて試乗をし、オイルも戻るし白煙も吹かないのを確認。念のために各所ボルトナットをチェック、増し締め。エンジンオイルとギアオイルも交換。よし帰るかと海岸通りをひた走った。異音も白煙もなくギアの入りもよく、快調そのものであったのだが…。10km付近で前方の信号が赤になったので少しアクセルを戻したところであった。ギキュッと慣れ親しんだ感触。クラッチを握って路肩に寄せた。…ご臨終でございます。クランキングはする。排気バルブも下がる。おそらくエンジンも再始動するだろう。でも大人しくレッカーを召還しました。

いや…なんというかまあ…正直ね、このままコトが万事解決するとは思ってなかった。だからこそ200kmくらい走ったら一度腰上をバラそうと考えていた。しかしまさか…こんなにも早く抱きつこうとは…。まだバラしてないから何とも言えないが、おそらく同じ場所が抱きついたのではないだろうか?ピストンを換え、クリアランスを取り、ヘッドを固定し、慣らしのつもりでのんびり走ってなお抱きつくこの理不尽…。なんなんでしょうね。さっぱりわからん。



 

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気づけばGW最終日…。大盛況の学校の片隅でひっそりとシートカット。いつものようにゴリゴリとウミヒラを回していたのだが、さすがに3mmから1.5mmを目指すとなると骨が折れる。ヘッドの形状から正規のハンドルが使えないのも、要らぬ労力を要する原因だ。



シートカットを済ませたら念のためバルブのあたりを確認し、あとはサクサク組み上げます。…のはずだったのだが、バルブガイドのズレをプラハンで修正したら鋳鉄のガイド部分とベリリウムのゲタ部分がずれ、スプリングがつっかえる事態に。とはいえガイドのゲタはきちんと正体になってないとスプリングがヘッドに干渉したりするので修正しないわけにもいかない。スプリングが通るよう、ゲタの穴を地味にヤスリで修正するはめになった。



ヘッドができたらこっちのものだ…と思いきや、またもタペットの作用角合わせで手間取る。排気バルブを少し短くしたせいでロッカーボックスの下に入るスペーサーを調整し直さなければならなくなった。厚手の45Cワッシャー1枚を、薄めの普通ワッシャー2枚に変更。以前より当たりはよくなったような…気がしないでもない。この後、ロッカーボックスとフレームを3mm厚のフラットバーで締結。タンクを載せて各所現状復帰し、あっさりとエンジンはかかった。



オイルの戻りや各ギアへの入り、ロッカーアームの動きなどひと通り確認し、問題はなさそうに思える。ちょっとだけ気がかりなのはやや白煙を吹くことだ。四六時中モクモクというわけでもなかったので、組む際にシリンダーに入れていたオイルの燃焼かもしれない。いずれにせよ試乗してみないことには何とも言えないが…。残念ながらこれにて時間切れ。まあ、次回行ったら軽く試乗して乗って帰れることでしょう。問題はその状態がいつまで続くかという一点に尽きるな…。
 

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さて…巷で話題のアールテックエンジニアリングから諸々帰ってまいりました。…ので早速組んでいきましょうかね。



まずはヘッドから。圧入工具でガイドを入れる。ハメシロは完璧、しっかりとしたいい手応えです。



次いでハーレー用のスパイラルリーマー9.575mmをねじ込む。ベリリウムに比べれば鋳鉄などちょろい…と思いきや、思いのほか力作業。9.550mmからはじめるべきだった。



これで5/100のクリアランスができた。ここからもうちょっと広げようかとも思ったが、鉄同士だしこのくらいあれば十分ではないかとの協議を経て、ブドウでホーニングしておしまい。新しいバルブを用いてシート面の擦り合わせを行う。タコ棒カンカン。



こちらもするっと順調に終わる。ほどなくギュキュッといい音がした。当たり面は1.5mm程度。ついでだから吸気側も軽く摺り合わせるかとカンカン。すぐにアタリはついたが……当たり面の幅が広い。3mmはある。……要シートカットです。吸気側は元のバルブのままなのでガイド穴も中途半端なサイズ。シートカッター用のガイド棒も特殊サイズでないと入りません。そしてそれは家に置いてきた。…これは次にまわしましょう。



頓挫したヘッドは置いておき、本日はピストンとシリンダーを組んでおしまい。
 

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