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Petrol Bug's
――――― THE SUNBEAM FROM THE FAR EAST ―――――
 

Gears  


タイミングまわりのギアを発注。発注先は前オーナーよりご紹介頂いたS工機。自宅からほど近く手間が省けて助かります。

ピニオンギア、タイミングギア×2、マグネトードライブ・ドリヴンギアなどを諸々持ち込み、相談。結果、マグネトー関連のギア2枚を新規作成、タイミングギアのシャフトを真円に研磨、ついでにクランクシャフトタイミング側先端も叩き過ぎ修理で変形していたので、そこも真円に削ってもらう。そしていちばん話しがごちゃごちゃしたのがピニオンギアです。まずギアに設けられた「逃げ」の部分が謎。ギアの一部が削られて一回り小さな外径になっている。これが一体何から逃げているかだが…。



ピニオン自体はクランクシャフトに切ってある段の部分で止まり…



ベアリング抜きで仮組みしてチェックしてみたが、およそ逃げるべきようなものはない。…なぜ段付きにしたんだろう?プーラーがかかるのかとも思いきや、傍にあった別のサンビームのピニオンを見るに、何とこれとは表裏逆の付き方となっている(タイミング合わせのポンチ及び内径の座ぐりから判断)。………?しかも、どうもこっちの方が正しいっぽいのだ。元々入っていたピニオンを組んだ場合、カムギアとの噛み合わせが段違いになってしまい、それによって歯の一部が扁摩耗しているのだが、これがもし逆に付くとするとピニオンとスパーの歯幅がきちんと噛み合うのだ。…結局現段階でははっきりせず、とりあえずクランクが組み上がるのを待って仮組みした後、検証することとなった。



カムギアの扁摩耗はヤスリで平らに馴らせばイケるとのこと。普通ギアは焼き入れがしてあるのでダイヤモンドヤスリでやるようだが、このカムギアは普通のヤスリで削れる。対してピニオンギアは普通のヤスリでは歯が立たず、この硬度の違いもギアの減りに影響しているのだろうか。ということでカムギアの歯は自分で修正。





ピニオンギアとマグネトードリヴンギアは各々クランクシャフトとマグネトードライブシャフトにテーパーでついているので、これは現物渡しで合わせてもらう。連休明けには発注です。



(※少々勘違いがあったようなので後日記事を修正しました)
 

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忘れていたシリンダー計測を。…この作業、想像以上に面倒だった。ノギスでざっと測ったところ70.5mmくらいでほぼ楕円にはなっていない様子。シリンダーゲージを71mmに合わせて、そこから誤差を測ってゆく。縦横上下、計4箇所を幾度かにわたって計測。およそ以下のような値となった。



縦方向上部:70.82mm 縦方向下部:70.78mm
横方向上部:70.83mm 横方向下部:70.79mm

つまり横方向上部が最も摩耗していることになる。ちなみに入っていたニセピストンのサイズを計測したところ、現状でのクリアランスは最も狭いところで0.16mm。通常多くとも0.1mm前後なので明らかに過大だが…白煙など吹かなかったのだろうか。リングがちゃんと仕事していたとも考えにくいしなあ。ここからシリンダーを1/100"(0.25mm)ボーリングするとして、シリンダーのボアは71.08mmとなる。ピストンとのクリアランスを0.10mmとるとしてこの値からそれを引くと…70.98mm。ぴったりでないにしても、このサイズの前後で代替ピストンを探さねばならない。エンフィールドの350がボアストロークが同じなので期待を寄せていたが…。どうも評判がよろしくないようで。…さて。困った。BSA B31のStd.ピストンが71mmだが…。どうなんだろうなあ…。
 

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結論から言うならば…このスピードメータードライブは、つかない。本日ドラム側にギアを仮組みしている途中で判明致しました。…もう終わりだ。この世は闇だ。…まず第一にギアマウントをドラムに圧入する段階からおかしい。ぴったりと圧入できるサイズではあるものの…。



明らかに浮いています。や、これ、圧入しきった状態なんですけれどもね。なんかおかしいなーと思いつつも、ベアリングレースをはめたりしながら作業をすすめていったのだが…。フタ側と合わせてみて驚愕。ドリブンギアのシャフトとドラム中央につくドライブギアが、何と言うかもうモロに干渉します。



ドリブンギアの入る余地なんて一切ありません。なにせシャフトがギアに当ってんだから。ひょっとしてこのフタ側の取り付け位置がまずいのかとも考えましたが…。ブレーキシューを入れてみると綺麗に定位置に収まっている。これ以上外側にしては、今度はシューと干渉してしまうだろう。…どう考えてもドラム内部中央につくギアが大きすぎるのが問題です。その結果…



ケーブルの入る穴を真鍮でメクラ。素直にスピードメーターを諦め、なかったことにしました。ドライブ自体は飾りとして残しときますが…。いつの日かこれに合うギアに巡り会えるのだろうか…。

教訓:eBayには魔物が棲んでいる。
 

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さて、欠損していたスピードメーターだが…。タイミングよくeBayでスピードメータードライブが出ていたので落札。



結構な値段になってしまったが調べてもギア比などがわからない中、現物があるのは非常に助かる。到着後、早速バラしてオーバーホール。…といってもギアの状態もすこぶる良く、単にバラしてグリスアップした後組み直すだけで済んだ。ちょっと磨いてみたら、品のない感じにピカピカになってしまった。



ドラム内部に固定される大きなギアは逆ネジでギア部分が取り外せるようになっている。ギアは大きい方が44丁、小さい方が14丁。おそらくここを交換する事で、他のバイクへの流用を可能としたのだろう。手近にあったVelocette MOVについているものとほとんど同じものであるような気がする。



ドラムのフタにドライブを仮組みしてみると…。取り付け部分がドラムフタ中央のくぼみにかかっているために、くぼみ部分の分だけ隙間が空いてしまう事が判明した。このままでは泥や水が侵入してドラム的にはよろしくないので…。



真鍮丸棒を削り出し、ツバ付きの大型ワッシャー(カップ?直径約29mm/高さ5mm/厚み約1mm)を製作。やや圧入気味に入れて、それをギアで押さえる(本来銅orファイバーワッシャーが入るスペースを利用)格好だ。これでとりあえずは水やゴミは入るまい。あとはドラム本体側に穴開け加工をして、大きい方のギアをつければ出来上がり。…それはまあ、また後日。あ、ギア比も測ってメーターを考えねばなあ。………それ以前に結構スペース的にカツカツっぽいが、ちゃんとブレーキシューを入れて組めるのだろうか?


 

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目を背けていたサイドダンパーのガタ修正に取りかかる。ご覧の通り、ダンパープレートがハマる中心の円柱部分と四角い突起(特殊ボルト)2つの3箇所全てに摩耗で深い溝ができ、がたがたな訳だが…。



さて。協議の結果、ダンパープレート中央の円柱には1~2mm厚のスリーブを圧入、ダンパープレートを保持するアームについている特殊ボルトは再製作、フォーク側についている特殊ボルトはネジ穴までガタガタだったため丸棒を圧入して溶接後四角いスリーブをその上に圧入する…という方法をとることとなった。…といっても殆ど自分では出来ないので、然るべきところに発注する算段となっているわけだが。…さしあたって、描いた図面がこう。





四角い突起部分は元の9mm四方から10mm四方へ、1mmほど大きくなっている。これはスリーブを圧入する関係上、肉厚を稼ぎたいのと、芯となる丸棒の太さをなるべく細くしたくないためにこうなった。直方体のスリーブと特殊ボルト、それに円柱部分に圧入するスリーブは外注。丸棒の圧入溶接まではこちらで済ませておく。



この後、すべての部品が揃ったらば一度仮組み。円柱部分から2つの四角い突起部分までの距離などを計測し、新たにサイドダンパープレートを発注するため図面に起こす…という作業が待っている。う、うう~ん…大変。
 

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引き続きカシュー三昧。フレームやプライマリーケースなどの大物から、細々としたステーなどの小物まで。…そういえばヘッドライトが放ったらかしだった。これも分解して塗装せねばなるまい。…かぱっとライトを割ると中からお守りが出てきました。靖国神社謹製、交通安全祈願。



さて…。ライトもなかなかどうして中身はヘタっております。主電球に繋がる黒と紺の配線接点の間には、互いが接触しないようベークライトの薄い板が挟んでありますが…。片側は厚紙に変わっている。反射板とレンズはビビリ防止?のためかビニールテープが幾重にも巻かれ、ふたつの電球を留めて押さえるクリップのような金具は両端がハンダづけされており、ハンダを飛ばさないと分解できないようになっていた。どうやって電球を変えるつもりだったんだろう?いちいちハンダか?まずい修理なので、せめて片側はネジ留めに修正しておこう。このガムテープは…なんだ?



配線も…覚えておかなければなりませんね。全部引き直します。スイッチとアンメーターは生きているんだろうか?



現状の配線図。反射板から出ている緑のラインは、ライトケースにアースされていた。アースに緑を使うとは…電気関係の仕事の人がやったのだろうか?



BからE、CからG、Eから△(金具にハンダづけされている)にそれぞれ黒線でバイパスされているが…。何でこんな配線になるんだろう?このスイッチの原理も理解しないとなあ。

この週末でカシュー塗装の8割が終了しました。………目を背けていた問題にぼちぼち取り組まねばなりません。
 

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やるべきことはまだ山ほどあるのだが…。半ば現実逃避気味に塗装をすすめる。やはり…



カシューだなあ。事前にシャシーブラックなど吹いたりして、これでもいいような気がする…とか正直思っていましたが、塗りはじめればその差は一目瞭然だ。しかも2度塗り後はさらにその深みを増す。ここからもう一度水研ぎをして3度塗り。…手間がかかる。そしてモノによってはシャシーブラックとの相性が悪いのかカシューの乾燥が足りないのか、しわが出ていて…。結局塗装もいばらの道なのであった。

…まあ、レストアっつうのはかかる手間を楽しみにやってくもんですけどね。
 

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引き続きサドルにまつわる地味な作業を。まずは旋盤でスプリング上部を留める特殊ボルトを製作。このボルト、元は3/16"BSW?くらいだったのだが、ネジを切るダイスがないので1/4"BSFに変換。ご覧の通り頭がリベットのような形をしているので、これを受けるネジ穴と首シロの部分が楕円に加工してあり、回り止めする仕組み。



回り止め部分は旋盤で首が一回り太いネジを作った後、グラインダーとヤスリで楕円に成形。斯くしてこのような仕上がりとなった。素晴らしい出来ですね。旋盤楽しい。やたら時間がかかりますけども。



さて、サドル前方のピボットを留めるリベットをサンダーで落とす。ネジ穴が楕円に変形しているのは言うに及ばず、リベットもご覧のような惨状に…。もうガタとかいうレベルじゃないなあ。



協議の結果、ここはネジ穴を溶接で一旦埋めて、再度真円の穴開けを行うことになった。留め方は…どうしましょうかね。リベットじゃなきゃいけないのか、頭を削ったボルトナットでもいいものなのか…。
 

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手つかずだったサドルを。…ご覧の通りスプリングが片方折れており、ワイヤリングで応急処置が施してある。



さて…。相手がバネでは溶接も叶わず。幸いもう一方は無事なので、これを見本にバネ屋にオーダーメイドの見積もりでも取ってみましょうか。全長約140mm、直径50mm~60mmの円錐形状。いくらぐらいでやってくれるものか。バネ上部を留める楕円のスリーブ(回り止め)がついた特殊ネジも片側が欠損しているので追って製作せねばなるまい。



シートベーススプリングも幾本か破損修正の跡が。…んん~。これもどうせだから探そうかなあ。ぱっと見たところBritish Only Austriaにあるが…。ロングが160mmか…。つうかこのくらいなら適当なサイズと固さのものが日本にもありそうな気もする。



サドルをフレームに留める留め具一式。金具の合わせ面に切られたフランジはすり切れ、スタッドはヘの字に曲がっている。金具の再生は諦めるとしても…。



スタッドはみんな大好き旋盤作業で自作しましょうか。元のスタッドのサイズは3/8BSW(16TPI/UNCでも可)。回り止めの役割をする中央の四角い部分の1辺も同じく3/8。で、これが通る穴側は大体10mm四方だから…。およそ14mmの無垢丸棒を80mmほど切り取って、その両端を25mmほどづつ3/8に旋盤で削り、ダイスでネジを切る。その後、残った中央部分をサンダーで大体四角に形を整え、現物合わせしながらヤスリで詰めていく。…極めて面倒。しかし、出来たものがこちら。



相変わらず素晴らしい出来(自画自賛)です。ガタなし最高。あとは四角部分の中央にフレーム側のパイプが通るための半月の凹を作れば完成です。錆びないように塗装しないと。

…結構あちこちガタガタのサドル。校長曰く、最も直すべきはここ。



前方にあるピボットです。ここに激しくガタがあるのだが、これはそのままにしておくとサドルが左右に振れて尻が気持ち悪いものらしい。リベットで留めてあるので何とか外して、穴を真円に拡大、その後適当なサイズのボルトかリベットで留め直す…ということになるんでしょうな。サドルひとつとっても課題は山積みだなあ…。
 

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細々とした問題が未だ山積みだが…粛々と片付けていきましょうか。本日はギアボックスについているキックシャフトとリターンスプリングが格納されるパイプを修正。ebayなどでも比較的ちらほら見かける3スピードギアボックス、どれも必ずと言っていいほどここのパイプの先端、キックペダルとのアタリ面がダメになっている。こんな感じですね。キックペダル側には特に引っかかるものもないのだが…。パイプの肉が薄すぎるのも問題なんでしょうね。

…そこで。まずは歪みと割れを直すべく、パイプの内径に合う手頃なソケットを差し込み、その上から銅ハンマーでコツコツと修正。その後、部品墓場からほぼパイプと同サイズ(1-1/4")の砲金ブッシュ(おそらくトラのフロントフォークのものではないか)を発掘。旋盤で加工してカラーを製作した。



砲金の内径をほんの一皮剥いて拡大。現物合わせでパイプに軽く圧入できるサイズにする。その際、カラーの片側(キックペダルと接する側)の内径に1mm弱削らない部分を作っておき、段付きにしておく。圧入時に一応、この段でぴたりと止まればいいな、と。段自体0.5mmもないだろうから、気休め程度ではあるが。後はシャフトを入れて、コッターピンなどが刺さるかどうか、組むのに不具合はないかどうかを現物合わせしてみて、問題ないようならじわっとハンダづけでもしておきましょう。これでもうキックの拍子にがりっとパイプが裂けることはないはず。

あ、そういえば書くのを忘れていましたが、今週はセンタースタンドを留めるカラー付きボルトも新たに製作しました。センスタ側の穴が楕円に広がり、元のボルトのカラーではすっかすか。加えて、ネジ山もずるっずる。センタースタンド側の穴は大体15mm程度。そこでネジ山を落としても15mm以上の太さを確保できる大きなネジを旋盤加工。カラー部分を15mm残して、先端を7/16BSFのネジに仕立てたのだが…。



…何の気なしに購入した3/4のボルトがグレード8だったために、加工が大変。グレード8先輩、マジ、ハンパねえっス。旋盤で削るのも、ダイスでネジ山を切るのも、六角頭を薄くするのも一苦労。サンダーでギャリギャリやってもなかなか減らねえ。旋盤は悲鳴を上げるし、体重をかけないと回らないダイスの歯は欠けるかと思った。…しかし、苦労の甲斐あって素晴らしいボルトが誕生。このままでは錆びてしまうので、これは今後ニッケルメッキに出すこととしましょう。カラー部分の径を太らせたために、本来ここに入っていたダブルコイルスプリングワッシャー(サックレイワッシャー?)が使えなくなってしまった。そしてオーバーサイズが見つからない…。

残った時間でガーダーのシャフトとそれが通る穴にあったバリ取り。ガタなしスムーズに。



先日下地を整えたフレームは、ざっとシャシーブラックで黒くなりました。細かいところは刷毛が行き渡りづらいからね。ここから更にカシューで美しく仕上げていきます。



刷毛の抜け毛が心配だなあ…。
 

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フレームのネジ穴修正がひと通り終わったので、塗装に入る。サンドペーパーで錆と凹凸を馴らし、錆止めと塗料のノリをよくする下地剤を刷毛塗り。この後は塗装の剥げやすい部分に缶スプレーを吹いて、その上からカシューで薄く上塗り、もう一度表面をペーパーで馴らしてカシューを本塗り…というこれまた面倒な工程が残っている。



結局リコイル4箇所、リアホイールアジャスターのスリーブ圧入2箇所(今後のことを考えて溶接留めではなく、板金用ハンダで留めた)、その他タップ立て数カ所、とネジ穴のほとんどを修正するハメに。ガーダーも3箇所リコイルしているので…リコイルばかりしている気がする。…しかし地味で手間ひまかかる作業の甲斐あって、ビシッとしたフレームに生まれ変わった。まあ、変な場所が歪んでいたり、折れていたりするよりよっぽど有意義な作業ですね。あとは大物としてガーダーが残っているなあ…。
 

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