京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「ネコの成人式」

2023-01-09 09:00:21 | 時計修理

ネコの花ちゃんは1歳と2ヶ月です。人間の歳では二十歳。今日は花ちゃんも成人の日。「花には招待状が届かんとよ~!きっと役場の人が間違とらすと~ニャン」ふてくされて寝ている花ちゃんです。そこでサプライズプレゼントに大人用のチュールを買って用意しています。

私の成人式は47年前でした。学費稼ぎのため琵琶湖の西を走る国鉄湖西線の敷設工事の飯場から妙心寺付近にあった共同トイレ、風呂なしのアパートへ移ったころなので当然成人式の招待状も届かない、住所不定無職の20歳でした。

時給300円のアルバイト先では料亭の調理場で職人から素足に冷たい水をぶっ掛けられながらいけずな京都人の冷たさが身にしみていたころ、当時は宅配便もなく長崎から届いたお祝いの荷物は南区十条のトラック集荷場まで歩いて引き取りに行く時代で大量にみかんだけが入っていました。重かった!

京都へ地方からやってくる学生たちはずるい弁当屋、漬物屋で騙されながら四回生くらいには学習能力も発達して大人になっていきました。あれから50年ほど経っても昔のアルバイト先は相変わらず健在なまま勧善懲悪の言葉は京都では通じない、貧乏学生たちの生き血を吸いながら生き残るドラキュラのような街だ。40年ぶりに昔の仲間たちが集まったとき「土産物屋で売られている漬物を見ると今でもこぶしをぎゅっと握りしめてしまう」と言う。ちなみに時給300円、クルマの運転業務は500円の時代に店内作業契約300円で学生アルバイトを集め、ころあいを見て大阪御堂筋まで配達要員にする、その際の駐車違反、事故は個人負担になる。そんな悲しいほど悪知恵が働く職場に早々と京都に失望する。まともな仕事を探しに七条にある職業安定所(ハローワーク)を頼ってアルバイトの求人を探すと「おまえが来るところではない」と怒られる正社員求職希望者だけが利用できる平和な時代でした。

ネコの一歳は二十歳、人の20歳は今の年齢に直すと30歳くらいでしょうか?高度に複雑化した現代社会の成人年齢は平均寿命とともに長くなってるのでしょう。メディアで映し出される新成人の晴れやかな笑顔をみるといい時代になったと思う。保護ネコの花ちゃん、ネコ社会のみんなも無事に成人式を迎えてほしい、そう思っていることでしょうニャン。

 

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