京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の左遷」

2017-01-29 09:20:11 | 時計修理

1月29日日曜日。
八白友引新暦旧暦ともにいい日なので結婚式の集中日。
先日お初天神が終わったばかり、今年もめでたく骨董市の幕が開けました。
骨董ファンにとって京都は憧れの地です。
昨日は手巻きのイギリス物がやって来た。時計の生産地がスイスに移行する前はイギリスが世界で一番の中心地でした。
現在の実用時計は中国中心のアジア、高級時計はスイス。
同じように20世紀初頭は実用時計はスイス。高級時計はイギリス、アメリカの時代でした。その名残りのような名品が工房に来ました。
名探偵ポアロの番組で度々登場するような高級時計にしばし見とれてしまいました。

やはり日本国内ではアンティーク業界の中心地は大きな戦災被害がなかった京都なのでしょう。
ちなみに天神様の菅原道真候、生まれた日と亡くなった日は同じ25日。あまり知られていないのが左遷された日も25日。つまり左遷の神様でもある。

私も左遷スキルは高くで得意です。左遷された地を天国に変える名人級。遠くに追いやった上司の悔しそうな顔を思い出します。
特に京都から左遷地の金沢に向かうとき米原で左に折れる。文字通り左遷の地に向かう侘しさがある。特に冬場は青空が見えない雪か雨ばかりの気候だとみんなからさんざんに脅されます。
ところがいざ住んでみると温泉地の豪華さや食文化の豊かさに感激します。
またアンサンブル金沢の演奏会にはよく足を運んだ。
当時指揮者の亡岩城氏が軸足を置いていた楽団だけにはずれがなかった。

どうせサラリーマン人生30年として10%の3年間の左遷人生なのだ。しっかりと楽しんだほうが勝ち!
今年東京から文化庁の皆さんが続々とご上洛されるという。
京都は盆地でお天気も悪く京都人も冷たくいけずだ!音楽、スポーツのイベントは京都を素通りする。
食べ物の味はお醤油をケチる文化があるので薄くてまずい。節分に塩いわしを食べされられた日には生臭くてしばらく匂いが消えない。鬼も逃げるはずだ。
いいところなど一つもない。
ところが京都には北野おどり、都おどりがある!特に6月に開催される五花街合同公演の「都の賑わい」がある。京人形のようなかわいらしい姿にビックリする。これがあらゆるネガティブなイメージをひっくり返してしまいます。日本に京都があってよかった!と思う。

高額なロレックスや写真のカルティエを販売する場合、初めにありとあらゆる悪いところを全部伝えて最後にポツンといいところを言う。
「これは次の子供世代まで飽きないで楽しめるモデル。まるで京都のような時計です。京都にカルティエがあってよかった。」
これで買わずに帰る人は時計に興味がない人なのでさっさとあきらめる事です。
今日は友引。お昼から雨らしい。
雨の旧正月なので縁起を担いで水餃子鍋で暖まりましょうね~。










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