すずめちゃん

1日ビルで講座の木曜日。
前の週、朝の渋滞でとびこみセーフ。
今日は自宅をかなり早くでたので、30分以上前に着いた。

暑かったので、1Fで飲み物を買って2Fの教室でゆっくり講座の準備。
やっぱり、余裕があると優雅に行動できる。

廊下ではチュンチュンと鳥のさえずり
ほんと優雅。

ん？！

チュンチュンチュン

ビルの中で鳥の鳴き声

あわてて廊下へ出ると、小さなすずめが２Fへ迷い込み、出られなくなっている。
かわいそうに、開かない窓に何度もぶつかっている
長い廊下を何往復もしながら外へ出ようとしている。

ビルの廊下はかなり暑い。

なんとか出してあげたくて、私も追いかけながら一緒になって廊下を走る。
（全く意味がない）
すずめは一番明るい西側の窓で何度も窓にぶつかっている。

私は、「下～、下～」とすずめに向ってつぶやきながら大きくジェスチャー。

通じるはずはない。

少し下に降りると出られるのに・・・

もどかしい。
暑い廊下で一生懸命出口を探し、窓にぶつかるすずめを見ていられなかった。
廊下が明るいから下に降りないのかも・・・

ふと下を見ると、隅にスイッチがある。

これ切ったら、すべての電気が消えたりして・・・
そうしたらこのビルの人たち驚くよな～
でも、少しの時間ならいいかな
いろいろ考えながら、私の手はそのスイッチに伸びる。
パチ

変化なし。

なんだか時限爆弾の線を切るような気分。

そうか～、ここではない。

私はミッションインポッシブルのトムクルーズのようになっていた。

電気の元を探しながら廊下を走り抜ける。

そして、すべての電気を管理しているスイッチを発見した
これ消すと、確実に怒られるよな～。
管理人さんきっちりした人だし。
お店の人達も何事？とここに来るよな～
でも、少しの間だし。
お許しを～。
パチパチパチパチパチ・・・
私は、すべての電気を消していった。

その結果、廊下は暗くなった。
真っ暗だ。

そして、私の想像通り理容院の女性が、電気のスイッチを見つめている（怖い）私のところへやってきて、「どうしたの？」と聞いた。

「すずめがはいっているんです」という私。
トムクルーズにしてはかなりかっこ悪い。

「あー、そう」と言うと女性はお店からほうきを持って出てきて、すずめを出すことに協力してくれた。
彼女は廊下の手すりに足をかけ、すずめがいる窓へのぼった。
私には同じミッションを遂行する仲間ができた。
しかし、この時点で主役は私ではなくなった。

西の廊下で女性がすずめを追い、すずめが東の方へ飛ぶと私が追いかける。
私は全く役に立っていない。
一緒に走っているだけだ・・・

すずめのほうはつかまりたくないし、逃げ回る。
私は長い廊下を何往復走っただろう。
20分くらいそんなことをしていたが、すずめは明かりに関係なく、上しか飛ばない。

「ちょっと放っておいてみましょうか」と主役に言う私。
私がやめないと、帰りにくいだろう。
私は明かりをすべてつけて、すずめが外にでてくれることを祈った。
もし、出なかったら後でまた任務を果たそう・・・

講座が始まり、少しして廊下の様子をうかがうとすずめがいない。
出てくれたみたい。
はー、よかった。

結局、私の行動は意味がなかったようだ。
今回のミッションは星が勝手に去ってしまったため遂行できなかった。
次回のミッションは必ず成功させよう。