1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

11月14日・ベークランドの発明

2022-11-14 | ビジネス
11月14日は、印象派「光の画家」クロード・モネが生まれた日(1840年)だが、合成樹脂「ベークライト」を発明したレオ・ベークランドの誕生日でもある。

レオ・ヘンリカス・アーサー・ベークランドは、1863年、ベルギーのヘントで生まれた。父親は靴屋で、母親は家政婦だった。
レオはヘント大学で化学を学び、化学の準教授を勤めた後、26歳で米国へ移った。
当時すでに写真の新しい引き延ばし方法を発明していたベークランドは、写真会社に2年ほど勤めた後、化学コンサルタントとして独立した。
彼は2年間の研究をへて、「ベロックス」という印画紙を発明した。これは、従来はできなかった、室内の人工光のもとで写真の引き延ばしができる画期的なもので、ベークランドは35歳のとき、この特許をコダック社に750,000ドルで売った。
特許を売って得た資金でニューヨークに私設研究所を建て、彼はその後も研究を続け、44歳のとき、人工合成樹脂「ベークライト」を作りだすことに成功し、その特許を取得した。
ベークライトは、フェノールとホルムアルデヒドを原料とした熱硬化性樹脂の一つで、人工的に合成されたプラスチックである。
ベークランドは47歳のとき、ジェネラル・ベークライト社を設立してベークライトの販売をはじめ、彼は特許をめぐる法廷闘争に勝ち、競合他社を吸収して会社を発展させた。
彼の発明したプラスチックは、電話機、ラジオ、電気機器の絶縁体、風呂桶、食器、さまざまな商品ののカバーなど生活のあらゆる部分に使われるようになり、ベークランドは億万長者となった。
年をとるにつれか彼は偏屈になり、76歳のとき会社を売却して引退し、フロリダの邸宅の庭園造りに熱中しながら、缶入りの食糧ばかりを食べて暮らした。
1944年2月、ベークランドは入院中だったニューヨーク州のサナトリウムで脳出血のため没した。80歳だった。

なぜ合成樹脂の分野に手をつけたのかと問われて、ベークランドはこう答えた。
「お金をもうけるため」

プラスチックこそは世紀の発明で、それはわたしたちの身の回りをちょっと見まわせば、一目瞭然である。コンセント、時計、ケータイからクルマ、航空機部品にいたるまで、わたしたちの生活はひと言で言えばプラスチック製である。よくも悪くも、プラスチックによって、人類の生活は、より安価に、より軽量に、より画一的になった。
(2022年11月14日)



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