第29巻。時代がまったく進まない展開だが。ヒロインが変わった。
気がつけば,この漫画を読み出してから15年ぐらい経過しているようだ。連載当初は『週刊ヤングサンデー』だった。
あっというまに週刊誌淘汰の時代になって『ヤングサンデー』は廃刊。現在の掲載誌は『ゲッサン』になっている。
ヒロインについても「フィクション」なので細かいことは気にしない。だが,マウント武士たるペンネームは,さすがにスゴイ発想力だ。
漫画界でやる野球なのに。
魔球はダメとなったらそれは辛い。
いみじくも,僕が少年時代はスポ根再放送大絶賛中だった。『巨人の星』『侍ジャイアンツ』はもちろん,『アタックNo.1』も観ていた。地堂院高校の三姉妹による「三位一体攻撃」など,本当にあると思っていた。
当然,普段の「野球遊び」(=本当の野球ではない)でもそうなった。当時ルールでは「分身魔球は禁止」だった。ゴムのやわらかいボールを手で打つのだが,ボールは軟弱のため握りつぶせる。すると,分身魔球とまではいかないが変なボールになり,打っても変な方向に飛ぶので「野球遊びが続かない」として,禁止されていた。
高校生のときは,体育でやたらと球技があった。ソフトボールを選んだが,ボールが重くてしんどい。守備もダメだったのでひたすらピッチャー役。ただし,大リーグボール3号のようなスローボールしか投げられないので,意外と空振り。あたっても飛ばなかった。魔球のようなものである。
自身,こうして「漫画野球」に親しんできただけに,主人公・ホノオの気持ちもわからんわけではない。まあ,ホノオは走る方で「必殺技」を使ってしまうのだが...。
『オーイ!とんぼ』がハイペースで単行本を出して,あっというまに50巻に達しそうな雰囲気。それに比べて,1980年初頭の時間がゆっくり流れていく本作。
それでもなお,まだ読み続けるだろう。
大丈夫か,俺の本棚