大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

私の名盤コレクション14~Leon Russellとスワンプ名盤(2)「Alone Together/Dave Mason」

2011-11-07 | 洋楽


レオンのデビューアルバム制作をめぐるスワンプロック誕生を語る時に、欠かすことのできない英国人アーティストがいます。誰あろう、デイブ・メイスンその人です。彼は、スティーブ・ウインウッドらと共に活動をしていた英国サイケ路線の雄トラフィックを抜け、英国音楽の限界を感じつつ69年に単身アメリカに渡ります。彼は67年の渡米の際にカントリー・ロックの第一人者グラム・パーソンズの紹介でデラニー・ブラムレットに出会い、彼とレオン一派が織りなしていたアメリカ南部音楽に衝撃を受けていたのです。

デイブ・メイスンは、デラニー&ボニー(以下デラボニ)がレオン・ラッセルらと制作した“元祖スワンプ・ロック”の名盤「オリジナル・デラニー&ボニー」が完成するや、デラボニ&“フレンズ”入りを申し出るとともに彼らに自身の初ソロアルバム制作への協力を要請。これが快く受け入れられることになります。レコーディングは69年の夏から秋にかけて行われたのですが、69年のこの時期というタイミングが実は極めて重要なのです。

なぜなら、これはジョージ・ハリスンやエリック・クラプトンがデラボニと演奏を始める前の出来事であり、またこのアルバムの制作によりレオンのアルバムは急転直下9月にロンドンで英国人ミュージシャンを集めて録り直しが行われることになるからです。そしてその直後にはクラプトンがメイスンの後を追うように、“フレンズ”入りとソロ作制作への全面協力をメイスンと同じくデラニー・ブラムレットとレオンに申し出ることになるのです。

メイスンのアルバムへの参加ミュージシャンは、デラボニとレオンの他、カール・レイドル、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ドン・プレストン、リタ・クーリッジなど完璧なスワンプ人脈。ここに英国人初のスワンプ・ロックの名盤「アーロン・トゥゲザー」が制作された訳です。メイスンは、デラニー・ブラムレットから、いわゆるソウルフルなボーカル手法を学び、またギターにおいてもデラニーの影響をモロに感じさせる、それまでのトラフィック時代とは一味もふた味も違うギターソロを披露するのです。70年にリリースされるクラプトンのソロデビューは、実は何から何までメイスンの“二番煎じ”だったのです。


★「Alone Together/Dave Mason」

1. Only You Know And I Know
2. Can't Stop Worrying, Can't Stop Loving
3. Waitin' On You
4. Shouldn't Have Took More Than You Gave
5. World In Changes
6. Sad And Deep As You
7. Just A Song
8. Look At You Look At Me

「英国一流ミュージシャン+米国南部ロック=スワンプロック」の図式はここに完成。今につながる70年代型の新たな大衆音楽が世に送り出された瞬間でもありました。(続く)

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2 コメント

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Unknown (バレルの園)
2011-11-08 14:15:12
最初トラフィックを知らないとアメリカ人かと思いますよね 僕もそうでした
去年?の来日後の朝日新聞の写真、スキンヘッドには、メイキャップしてないKISSと同様に驚かされました(あんた誰?)
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来日公演 (Oz)
2011-11-09 08:54:14
バレルの園さん、こんにちは。
今年1月の来日公演行って来ました。
風貌は変われど、ギターと歌の確かさは変わることなくホント素晴らしかったです。
事前にネットで情報仕入れて、終演後にサインもらいました。
CD1枚1枚に、ものすごく丁寧にサインする姿勢に改めて感動。奢るところのない素晴らしい方でした。


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