予想はしていたが、実にあっさりした作りであった。
このゲームが発売されたのは、一昨年の3月。
そしてKIDが倒産してしまったのが、一昨年の12月。
資金繰りに必死だったんだろうなぁ。無理にでも出さなきゃならなかったんだろうなぁ。
もう終わったこと、他人事だから、少々同情する。
まぁ結局潰れてしまったんだから、このゲームも売り上げは芳しくなかったのだろう。
何度も言うが、それは「ゲーム」をサボり続けたギャルゲ業界に非があると思う。
いつまでもただのテキストアドベンチャーでいいわけがない。
いいわけがない。わけがない。と思うのだが。
いつまでもテキストアドベンチャーなんだよな、この業界。
売れなくても途絶えはしていない現状が、なんだかんだでバランス取れてるのかもね……。
で、「メモリーズオフ ~それから again~」。
前作のヒロイン中3人の後日談をオムニバスで描くという代物。
つまり開始前からヒロインは決まっているわけで、攻略要素は殆どない。
一応選択肢はあるが、EDは全部で5つ、つまりグッド3つにバッド2つだけ。
バッドつっても別にケンカ別れしたというようなものではなく、
EDの後日談が少々変わる程度。
完全に、3人とのイチャイチャを楽しむことだけに主眼を置いた作りである。
こうなると、ますます「ゲーム」の必要性に疑問が生じる。
せめて選択肢による分岐をもう少し用意できなかったのか。
いくらなんでも退屈すぎる。
シナリオに並び、CGも悪い。
質はともかく、量が圧倒的に少ない。
CG閲覧モードでは、殆ど同じ絵を別扱いして水増しをしており、情けなくなった。
立ち絵も前作の流用に近いのが多いし……はぁ。
まぁ俺は今更だから同情してやるけど、リアルタイムで買ってやった人には
とても納得できるレベルじゃないよなぁ。
更に涙ぐましいボリュームアップとして、「アフターレイン」シリーズにあった
辞書モードを搭載。しかしすぐ埋まるし読んでも大して面白くない。
アフターレインではリンクシステムがちょっと面白かったのになぁ。
そして、指定のプリンタを接続すると、CGをプリントアウトできるという
よく分からん機能も搭載。需要あるんかこれ。
俺様のブラザーのプリンタじゃ反応しなかったんでダメ。
音楽は悪くないが、前作のアレンジが多いんで、印象も同じ感じ。
システム周りは改悪されていたと思う。変に弄らなくてもいいのに。
んじゃ軽く各キャラ評を。
〇藤原雅
クリア後のおまけ音声で、担当のかかずゆみ自身が「ツンデレキャラです」つってた。
しかし今作はキッチリ結ばれた後の物語なので、ツン分は薄い。
駆け落ち先で二人とも真面目に働きつつ、悩み苦しみ、愛を育む。
雅シナリオが一番起伏に富んでて面白かったと思う。あくまでこの作品では、だが。
EDは嫁取りか婿入りかで分かれたが、何故そんなとこで分けるのかが分からん。
一蹴さんと仕事の関係が一番の見所だったかもなぁ。
〇花祭果凛
果凛→一蹴 の呼び方は「一蹴」に改めたはずなのに、
序盤から「一蹴君」と呼ぶシーンがしばらく続き、非常に萎えた。
この程度の思い入れでシナリオ書いてんですか。情けない。
前作でもお嬢様ではあったが、今作ではギャグレベルの金持ちになっている。
自宅の壁が延々続くとか、所有クルーザーで誕生パーティとか。
なんか一気に嘘臭くなった。そんな極端な存在にしなくてもいいのに。
一蹴さんは相変わらずフリーターなのに、果凛さんは一回の買い物に
平気で数十万円使うのだ。俺だったら自分の存在にヘコんで嫌になるよ。
イケメンだからか? そうだからか。
シナリオは特に大きな事件も起こらず、淡々とイチャイチャが進む。
それもいいんだが、それでいいんかと思った。嗚呼、ゲーム。
EDはクルーザーで抱き合うのみと、その数年後婚約するというものの二種。
婚約時はさすがに一蹴さんも就職したようだ。引越し屋かな?
5年後なのに果凛の立ち絵がそのままでドン萎え。
はぁ……。
〇陵いのり
今作では別にいのりがトゥルーというわけではなく、
3キャラとも平等の扱いを受けている。その意味では降格している。
冒頭の独白で、あっさり二つの間違いを発見。
「一蹴とはそれから10年後に再会」
→8~9歳の時別れて高一で再会だから、8年だろ。
お前ホンマに一蹴との想い出大事にしてんのか。
「記憶が曖昧になっていた一蹴に、リナちゃんの振りをした」
→一蹴がリナのことを思い出すのは高校卒業後、つまりずっと後。
再会した直後は関係ないだろ。
シナリオライター、大丈夫か?
俺なんかに、こうもあっさり間違いを指摘されてどうする。
それも結構デカイ認識ミスだと思う。はぁ……。
気分が萎えたまま、本編開始。
いのりシナリオは、ED分岐が存在しない。
つまりどんな選択肢を選んで進めても、必ずグッドEDに辿り付ける。
最早言う事はない、な。
シナリオは果凛編と同じように、特に大きな事件も起こらず、
ただ淡々とイチャイチャを進め、最後に幸せな家庭を築いて終了。
前作では陰鬱な雰囲気が多かったいのりが何の気兼ねもなく
彼女やってるので、まぁファンにとっちゃ嬉しいのではなかろうか。
前作では顔を出さなかった一蹴の義理の両親が結構絡んでくるのは良かった。
実の両親とは親友関係だった、から引き取ったのかな?
妹の縁は当然ながら声優が変わっていた。わははははは。
それは仕方ないにしても、ブラコン度がちょっと落ちていたのが残念。
兄離れ、か。そして皆普通になっていくんだね。
まぁテキトーに頑張って下さい。
本当にただシナリオをなぞるだけの内容、しかもシナリオがイマイチ。
更に作り手の気合不足がそこかしこに見られる。これじゃいかんだろ。
ゲームを作るにも、資金力って何より大事なんだね。
気持ちだけじゃ良いもんは作れない。多分。
お世辞にも満足できるゲームではなかったが、
沈み行くKIDの姿を想像し、ホロリとしながら流しておくか。
別会社に版権移して発売した最新作は、売れてるのかなぁ。
売れてるといいなぁ。
さて、次回作「とぎれたフィルム」は既に持っている。
すぐにはやらんが、また近々この世界に戻ってくる予定。
その後は「アンコール」やって「6」やって、シリーズ制覇といきたい。
本編の質はどれも十分に高いと思うから、追いかけることに躊躇いはない。
キッチリ縁のあるギャルゲシリーズを一本くらい持っておきたいからな。
比類なき二次元美少女を絶やさぬよう、これからも比類なき
イケメン主人公様の脳みそを貸して頂くとしよう。
ギャルゲって、そんな甘いもんでもないと思うんだけどな……。
拍手を送る
このゲームが発売されたのは、一昨年の3月。
そしてKIDが倒産してしまったのが、一昨年の12月。
資金繰りに必死だったんだろうなぁ。無理にでも出さなきゃならなかったんだろうなぁ。
もう終わったこと、他人事だから、少々同情する。
まぁ結局潰れてしまったんだから、このゲームも売り上げは芳しくなかったのだろう。
何度も言うが、それは「ゲーム」をサボり続けたギャルゲ業界に非があると思う。
いつまでもただのテキストアドベンチャーでいいわけがない。
いいわけがない。わけがない。と思うのだが。
いつまでもテキストアドベンチャーなんだよな、この業界。
売れなくても途絶えはしていない現状が、なんだかんだでバランス取れてるのかもね……。
で、「メモリーズオフ ~それから again~」。
前作のヒロイン中3人の後日談をオムニバスで描くという代物。
つまり開始前からヒロインは決まっているわけで、攻略要素は殆どない。
一応選択肢はあるが、EDは全部で5つ、つまりグッド3つにバッド2つだけ。
バッドつっても別にケンカ別れしたというようなものではなく、
EDの後日談が少々変わる程度。
完全に、3人とのイチャイチャを楽しむことだけに主眼を置いた作りである。
こうなると、ますます「ゲーム」の必要性に疑問が生じる。
せめて選択肢による分岐をもう少し用意できなかったのか。
いくらなんでも退屈すぎる。
シナリオに並び、CGも悪い。
質はともかく、量が圧倒的に少ない。
CG閲覧モードでは、殆ど同じ絵を別扱いして水増しをしており、情けなくなった。
立ち絵も前作の流用に近いのが多いし……はぁ。
まぁ俺は今更だから同情してやるけど、リアルタイムで買ってやった人には
とても納得できるレベルじゃないよなぁ。
更に涙ぐましいボリュームアップとして、「アフターレイン」シリーズにあった
辞書モードを搭載。しかしすぐ埋まるし読んでも大して面白くない。
アフターレインではリンクシステムがちょっと面白かったのになぁ。
そして、指定のプリンタを接続すると、CGをプリントアウトできるという
よく分からん機能も搭載。需要あるんかこれ。
俺様のブラザーのプリンタじゃ反応しなかったんでダメ。
音楽は悪くないが、前作のアレンジが多いんで、印象も同じ感じ。
システム周りは改悪されていたと思う。変に弄らなくてもいいのに。
んじゃ軽く各キャラ評を。
〇藤原雅
クリア後のおまけ音声で、担当のかかずゆみ自身が「ツンデレキャラです」つってた。
しかし今作はキッチリ結ばれた後の物語なので、ツン分は薄い。
駆け落ち先で二人とも真面目に働きつつ、悩み苦しみ、愛を育む。
雅シナリオが一番起伏に富んでて面白かったと思う。あくまでこの作品では、だが。
EDは嫁取りか婿入りかで分かれたが、何故そんなとこで分けるのかが分からん。
一蹴さんと仕事の関係が一番の見所だったかもなぁ。
〇花祭果凛
果凛→一蹴 の呼び方は「一蹴」に改めたはずなのに、
序盤から「一蹴君」と呼ぶシーンがしばらく続き、非常に萎えた。
この程度の思い入れでシナリオ書いてんですか。情けない。
前作でもお嬢様ではあったが、今作ではギャグレベルの金持ちになっている。
自宅の壁が延々続くとか、所有クルーザーで誕生パーティとか。
なんか一気に嘘臭くなった。そんな極端な存在にしなくてもいいのに。
一蹴さんは相変わらずフリーターなのに、果凛さんは一回の買い物に
平気で数十万円使うのだ。俺だったら自分の存在にヘコんで嫌になるよ。
イケメンだからか? そうだからか。
シナリオは特に大きな事件も起こらず、淡々とイチャイチャが進む。
それもいいんだが、それでいいんかと思った。嗚呼、ゲーム。
EDはクルーザーで抱き合うのみと、その数年後婚約するというものの二種。
婚約時はさすがに一蹴さんも就職したようだ。引越し屋かな?
5年後なのに果凛の立ち絵がそのままでドン萎え。
はぁ……。
〇陵いのり
今作では別にいのりがトゥルーというわけではなく、
3キャラとも平等の扱いを受けている。その意味では降格している。
冒頭の独白で、あっさり二つの間違いを発見。
「一蹴とはそれから10年後に再会」
→8~9歳の時別れて高一で再会だから、8年だろ。
お前ホンマに一蹴との想い出大事にしてんのか。
「記憶が曖昧になっていた一蹴に、リナちゃんの振りをした」
→一蹴がリナのことを思い出すのは高校卒業後、つまりずっと後。
再会した直後は関係ないだろ。
シナリオライター、大丈夫か?
俺なんかに、こうもあっさり間違いを指摘されてどうする。
それも結構デカイ認識ミスだと思う。はぁ……。
気分が萎えたまま、本編開始。
いのりシナリオは、ED分岐が存在しない。
つまりどんな選択肢を選んで進めても、必ずグッドEDに辿り付ける。
最早言う事はない、な。
シナリオは果凛編と同じように、特に大きな事件も起こらず、
ただ淡々とイチャイチャを進め、最後に幸せな家庭を築いて終了。
前作では陰鬱な雰囲気が多かったいのりが何の気兼ねもなく
彼女やってるので、まぁファンにとっちゃ嬉しいのではなかろうか。
前作では顔を出さなかった一蹴の義理の両親が結構絡んでくるのは良かった。
実の両親とは親友関係だった、から引き取ったのかな?
妹の縁は当然ながら声優が変わっていた。わははははは。
それは仕方ないにしても、ブラコン度がちょっと落ちていたのが残念。
兄離れ、か。そして皆普通になっていくんだね。
まぁテキトーに頑張って下さい。
本当にただシナリオをなぞるだけの内容、しかもシナリオがイマイチ。
更に作り手の気合不足がそこかしこに見られる。これじゃいかんだろ。
ゲームを作るにも、資金力って何より大事なんだね。
気持ちだけじゃ良いもんは作れない。多分。
お世辞にも満足できるゲームではなかったが、
沈み行くKIDの姿を想像し、ホロリとしながら流しておくか。
別会社に版権移して発売した最新作は、売れてるのかなぁ。
売れてるといいなぁ。
さて、次回作「とぎれたフィルム」は既に持っている。
すぐにはやらんが、また近々この世界に戻ってくる予定。
その後は「アンコール」やって「6」やって、シリーズ制覇といきたい。
本編の質はどれも十分に高いと思うから、追いかけることに躊躇いはない。
キッチリ縁のあるギャルゲシリーズを一本くらい持っておきたいからな。
比類なき二次元美少女を絶やさぬよう、これからも比類なき
イケメン主人公様の脳みそを貸して頂くとしよう。
ギャルゲって、そんな甘いもんでもないと思うんだけどな……。
拍手を送る
俺は礼儀正しい人間じゃないからそういう人にはそういう対応しかしない。
againは、ボリュームや設定チェックに製作者の気合を感じられず、少なくとも俺にとっちゃ凡作だな。
メモとぎに対するアンコールと比べても確実に劣る。残念だけど。
ちなみに最近ノベライズ版を読んだが、殆ど分岐のないシナリオだしこっちの方が良かったと思う。
↓
コレたまに見かける機能ですね。
自分が以前遊んだ
「マイトアンドマジック~デイオブザデストロイヤー」個人的PS2屈指の名作アクションRPGあくまでも個人的に…
にもなぜかこの機能が?キャラクタも世界観も濃いすぎる洋物RPGになぜか??
あのゲームにこの機能がついていたことを考えると、「それから again」にこの機能がついていることの方が10倍納得できるし、需要もあるのではと思うしだいであります。
返答の困るコメントでスマン
そう言えばPS2初期に「プライマルイメージ」CGキャラのプリンタ連動ギャルゲがあったような気がします。
跡形も残らないほどの爆死を遂げたことはよく覚えているのですが。初期のPS2はなかなかにカオスだったなぁ。まだ20世紀でした。
返答に困るレスってことでw
既にカップルが成立している以上、ドラマ性が薄いんですよね。くっついてるのに波乱を起こすのも何かアレですし。
やはりKIDの事情で少しでも儲けなきゃいけなかったんですかね。今や虚しき想像です。
ちなみに実際にノベライズ版も出ているんですが、これがサクッと読めてある意味ゲーム本編以上に楽しめましたw
商売的理由はさておき、こういう形で後日談を出すのは、作品にとって、ファンにとって良いことなのかなぁと時々思います。
もちろん好きな作品の続きが見られるのは嬉しいもんですが、時に「見たくもない」展開を突き付けられることもある。
公式が出してるんだから、それは「事実」。自分なりに想像していた「その後」を、強引に固められてしまうんですよね。
この作品では、花梨さんのシナリオは個人的にちょっとなぁと思いました。うーむ、実に難しい。
2次元物語に触れるのも楽じゃありません。アホか。萌え~って気楽に言っていたいんですけどねw