【ハード】XBOX One
【メーカー】コナミ
【発売日】2019年5月16日
【定価】3300円(DL専売)
【購入価格】825円(DL版)
【プレー時間】65時間
悪魔城ドラキュラ。ファミコン世代なら誰でも知っている一級ゲームシリーズである。……「今も現役」とはちょっと言い難いが。コナミ仕事しろ。
俺ももちろん知っているし、プレーした。……のだが。正直、「ちゃんと」してはいない。幾つかのタイトルにプレー経験はあるが、どれも中途半端だ。
ハッキリとクリアしたことを覚えてるのは「悪魔城ドラキュラ(SFC)」くらいで、それもゲーム内容はさっぱり覚えていない。偽の記憶? マジで!?
始祖にしてシリーズで最も有名な初代も、プレー経験はあるもののクリアはしていない。ああああ!! 半端半端ぁ!! どうしてこうなったぁ!!!
まぁ俺はファミコンの購入が遅かったし、当時は自分で自由にゲームを買えるわけでもなく、プレータイトルは結局友達のソフト所持事情次第だった。
悪魔城シリーズに関してはその点で運が向いてなかったのだろう。難度の高さは折り紙付きだから、本気でクリアするなら借りて家でやる必要があるしな。
てわけで俺は半端に悪魔城シリーズを知る状態のまま年を食った。あれから数十年、状況は変わっていない。なかなかね。昭和は遠くなりにけり。
そうしてシリーズの序盤に対する思いが半端なせいで、近年の作品(どこがじゃ!)である「月下の夜想曲」等にも手が出せないでいた。実によくない。
一度悪魔城の初期シリーズとキッチリとケリを付けなければ……とはここ数年、いやここ10年、いや20年くらいずっと思っていたのだ。本当かよ。多分。
そこに。遂に来たのだ。お誂え向きのセットものが。「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」である。コナミ珍しく仕事した。偉いぞ。
今作はシリーズ旧作をまとめて収録し、そこに資料集を添付したという無難なセットものである。だがそれがいい、というかそれでいい。コナミ偉い。
ゲーム内容も旧作そのままだが、現代風にどこでもセーブ・ロードが可能になっている。これなら難度で躓いてもクリアまで辿り着けるだろう。
よし、今こそ俺の中で悪魔城ドラキュラを本格的に始めるのだ。遅すぎる? はっ。何かを始めるのに遅すぎることはない。常に今がやるべき時、だ!!
ちなみに今作は現行機各種やSteamで発売されているが、中でもXBOX One版はセール値が安く、今では660円で売られている。正直安すぎである。
俺はDL版ゲームセールガチ勢なので、この手の情報にはうるさいのである。XBOX Oneだから当然実績システムもあり、いい選択だったと思う。
さて、後は順番にプレーしていくのみ。収録タイトルは、全部で8本。旧作だから1本1本は現代感覚だと小規模だが、全体で見ればかなりのボリュームだ。
もちろん目指すは全タイトルクリアだが、どこでもセーブは適宜使う。難しいのは分かってるから。理想はどこセー使って研究クリア→自力クリアかな。
割と甘めの方針を立てて始めたが……「これで正解だったな」と後で思った。このシリーズ、特に終盤のボス、狂っとる。殆ど「絶対無理」だった。はぁ。
・悪魔城ドラキュラ
まずは比類なき始祖たる無印。……の、後年発売されたROM版。なんでディスク版じゃないんだよ!! 移植が難しいんだろ。ゼルダの伝説1もそうだし。
昭和の俺は友達に少しプレーさせてもらったものの、さほど進めることもハマることもなかった。ここでの躓きが後のシリーズにも大きく響いた。悔いる。
しかし、1面の曲である「ヴァンパイアキラー」……これだけは大好きで、俺の中で数十年生き続けていた。この曲の素晴らしさは今更語る必要もない。
あまりにもカッコ良い、シリーズを象徴する名曲。実際続編でも何度もアレンジ採用されているらしい。そらそうだ。これぞ悪魔城ドラキュラのイメージ。
この曲がなければ今になって元祖からやり直そうという気も起きなかったかもしれない。俺と悪魔城を繋いでくれた曲でもあるな。嗚呼、あの頃の創作者。
ROM版で音が少しショボくなった(多分)が、名曲のラインは変わらない。嗚呼、カッコええなぁ。あの頃のコナミはこんなに凄かった。今や……はぁ。
しかし曲でテンションを上げつつも、ゲームにはビビっていた。なんせ今作は難しいと伝説的に語られている。俺、やれるのか? 今から? マジで??
……ふむ。少なくとも最初から極悪ってことはない。例えば1面ボスのコウモリは相当弱い。ちゃんと遊べてホッとした。もちろん「序盤は」であるが。
改めて今作をプレーして強く感じるのが「被ダメの大きさ」と「回復機会の少なさ」だ。とにかく敵から食らうダメージがデカく、HPがドーンと減る。
HP目盛りは16あるが、1撃で3や4減るのだ。そしてHP回復(僅か6目盛り)アイテムの肉は全て壁の中に隠してあり、かつ置き場が少なく、殆ど頼れない。
となれば攻略は「なるべく被ダメを減らす」である。敵に当たらなければHPは減らず、死ぬこともない。実に単純明快、アホでも理解できる理屈である。
……それが出来たら苦労しないっての!! と叫びたくなるが、そうしなければゲームが進まない。死んだり萎えたりしながら、安全な進み方を模索する。
シモンの動きが鈍重なこともあり、アドリブ回避はほぼ不可能。今作は徹底的に覚えゲーである。幸い面数は多くない。死んで覚えろ、覚えて死ね。
ゲームは全6ステージ。を更に3つに分けて全18ステージと自称してる変な部分がある。まぁまだゲーム制作黎明期と言える時期のタイトルだからな。
ちなみに今作を何も知らずにプレーすると、「アイテムのハートが回復ではない」ことに驚くだろう。そういった共通認識発生以前のゲームということだ。
で、前半3ステージは、十分やれるというか、寧ろ簡単まである? 道中は楽でボスも弱い。まぁ死ぬ時は死ぬが、再起難度も低く、気分的には楽ちんだ。
しかし、4面、ここからは本気を出し始める。4面早々の鬼の落下死ゾーンはそこまでと明らかに隔絶した難度で、苛つくと同時にビックリさせられた。
ああやはり伝説は嘘じゃなかった。コンティニューは無限に可能だが、その場合常にステージ最初からなので、後半の再起難度だとかなりキツくなる。
それでも4面はまだいい。道中はともかくボスは弱いままだし。しかし5面、ガチもガチ。そしてここのボスは、今作最強とも謳われる「死神」だ。
死神の攻撃は実際苛烈を極めていて、異常な数の鎌を空中にバラ撒きつつ、本体がフラフラ。鈍重戦士シモン「こんなん避けられるわけねーだろ!!」。
実際避けられず、食らう。4目盛り分減る。つまりHP満タンで挑んでも4撃で死亡、チェックポイントから。残機が尽きればステージ最初から。容赦? 笑。
何と言うか、ファミコン全開である。今作独自のどこでもセーブを使えば倒せないことはないが、死神のあまりの理不尽な攻撃はその気さえ失わさせる。
が、俺は「死神には勝てる」と思った。……この台詞ちょっとカッコ良いな。ポッ。で、だ。今更ながら、今作の肝は「サブ武器」である。鞭じゃない。
シモンの武器と言えばもちろん先祖から伝わる最強鞭「ヴァンパイアキラー」だが、リーチこそあるものの振りは重く威力も低く、強くない。いや弱い。
それに対しサブ武器は飛ぶし動くし敵を止めるしその他で、実に使い勝手が良い。使用回数は有限だが、道中でサボらなければ十分な回数を確保できる。
鞭で真面目に攻略すると大変だが、サブ武器を使えばあっさり突破……は今作のあるあるである。ボス戦も、明らかにサブ武器無双を想定したバランスだ。
じゃあ死神も? そう! コイツに鞭で挑むとPTSD発症必至の超難度だが、サブ武器投げまくりならあら不思議、「概ね勝てる」レベルまで楽になる。
まぁ5面道中を死なずに突破し、十字架(聖水説もあるが俺は安定性重視)の3連射状態を保持して挑む必要があるが。……そこなんだよなぁ。状態保持。
今作は死ねば初期状態から再開であり、またサブ武器の出現場所は決まっている。鞭は簡単に最強に戻せるが、サブ武器を狙ったものにするのは難しい。
唯一の解決法は「死なないまま進める」というコロンブスも激怒するような単純なもの。突き詰めると原点に還る……実に優れたゲームである。はぁ。
だから5面はとにかく頑張って死なずに最初から進め(もちろんサボらず蝋燭を壊していく)るべし。さすれば死神は、上手くやればノーダメで倒せる。
今作は死なずに進めることが出来れば、拍子抜けするほどあっさりクリア出来る。上級者が得をし、下手糞はどん底へ。世の中を学べる良ゲーである。
そして死神を倒せれば、最後の6面。ここも当然ながら道中は狂ってるが、ドラキュラ戦にまで辿り着けば再開はそこからという鬼の目にも涙(?)もある。
で。俺はこれが一番言いたかった。ドラキュラ、強すぎる。あまりにも強すぎる。尋常ではない。慣れれば? 慣れてもだ。ファミコン最強とすら思う。
初見では、まずどうやってダメージを与えるのかさえ分からない。正解は頭なのだが、その頭に攻撃を当てられる時間が非常に短いのだ。狂っている。
更に弾攻撃……3ウェイで放ってくるこれが、非常に広範囲でかわしにくい。こちらの攻撃で消せるが、1個消しても残りを食らって無意味ってこともある。
被ダメは言うまでもなく4目盛りで、4回食らえばティウンティウン。ボス戦中に回復手段など一切なく、ダメージ回避・軽減手段もまた一切存在しない。
ドラキュラとの初対戦時はマジで誰もが絶望するだろう。どう攻撃するかさえ分からず、避けられるわけのない広範囲攻撃を数発食らって死んで終わり。
となればサブ武器……っ! が今作のセオリーだが、ドラキュラにサブ武器は有効ではあるものの決定打にはならない。結局はパターン構築が求められる。
慣れれば一応パターンは作れるが、相手と違ってこちらの与ダメは1ずつなので、繊細なパターンを長く続ける必要があり、非常に疲れる戦闘となる。
尚ここでサブ武器を使えば少しは楽になるが、それは控えた方がいいと思う。何故かって? 誰が「このドラキュラを倒せば終わり」と言った……っ!?
そう、ラスボスお約束の第二段階がドラキュラにもあるのだ。こんな昭和のゲームで早くもセオリーに則ってんじゃないよ……あっさり死ねよほんま……。
狂った強さを見せるドラキュラを苦心の末やっと倒したと思ったら、HP全開で第二段階……当時のファミっ子が自殺しなかったか心配になるレベルだ。
まぁ第二段階は攻撃こそ苛烈ではないのだが、ダメージを与えられる時間が更に短くなり、故に再び長期戦を強いられ、結果的に被ダメで死んでしまう。
死ねば当然最初からやり直しで、その精神的ダメージは計り知れない。被ダメのデカさ故に攻略のためじっくり動きを観察することすらままならんのだ。
ヤベーよこいつマジで。そりゃ倒せるよ? 絶対勝てないわけじゃないよ? けど「安定して勝つ」攻略は遂に見つけられなかった。俺の負けである。
まぁ正確にはあるんだよ、安定した攻略が。「聖水の敵縛り付け効果を使う」てのが。これを利用すれば与ダメの機会が格段に増え、短時間で倒せる。
ただ俺はどうもこの戦法が好きになれず、何とかそれ以外で倒す方法を模索したが……結論、無理!! 少なくとも「安定して」は俺には無理だ!!!
てわけでドラキュラ攻略決定版、第一段階は鞭のみで頑張って倒してサブ武器温存、第二段階は聖水影縫い戦法で速攻倒そう。もちろん被ダメに注意!!
……うーん。もちろんインチキでも何でもないからこれでいいのかもしれんが。制作者も恐らくこの倒し方を想定してるだろうし。だといいね。はぁ。
その後しばらくプレーを続け、何とかインチキセーブなしでクリアを達成した。これで何とか格好は付いたと言えるだろう。我がファミ魂に未だ淀みなし。
しっかしほんまラスボスの強さは強烈だった。なんでこれもっと伝説になってないんだろう。あの頃もっと周囲のコメントを取っておくべきだったな。完。
・Castlevania II Simon's Quest
ではシリーズ2作目「ドラキュラ2 ~呪の封印~」を始めるぜ~~……ってなんで海外版やねんw気取ってんなよアホかwww ……はぁ。違うんだよ。
先に言っておくと、今作には8タイトル分の海外版も同時収録されている。それらば「ボーナストラック」扱いで、日本版とは別物だ。当たり前だな。
しかし。ドラキュラ2に関しては、海外版しかないのである。……は? 意味わかんないんですけど? うむ、全く同感。俺も未だにさっぱり意味不明だ。
もちろん何らかの事情があってのことなのだろうが、その説明は一切なく、本当に無骨に海外版が一本ポツンと存在している。何のマネだよコナミよおい。
ここでムカつくのが、「悪魔城すぺしゃる」の海外版だ。実は悪魔城すぺしゃる、発売当時は海外では販売されず、つまり本当は日本版しか存在しないのだ。
だがコレクションには海外版悪魔城すぺしゃるも存在する。つまりわざわざ新規制作したのだ!! ゲーム部分はそのままでも、ロゴとか完全新規!!
海外向けにはそこまで労力を割くのに、日本に対しては存在する(当たり前だ)ドラキュラ2を収録せず。本当に意味不明だし、舐めてるとしか思えん。
しかも厄介なことに今作は収録作の中で唯一RPG色が強く、町の会話や石板による謎解きが多々あるのだ。ぶっちゃけ、英語読めなきゃプレー不可能。
なんでよりによって一番海外版だとマズイ今作でこんな真似をしたのか。ツイッタでほりいなおき氏に突撃して小一時間問い詰めたいよ。古すぎるよ。
てわけで、今作に関しては「攻略サイトガン見プレー」で行った。それしかない。いちいち辞書と照らし合わせてとかンなことやってられるかよ。
これ以外は文句なしのセットものなのに、これが悪すぎて評価ガタ落ちである。俺としても、せっかくシリーズをちゃんとプレーする機会だったのによ。
が!! 正直(攻略ガン見で)プレーを始めると「これをまともにプレーしない理由があって良かった……」と思った。今作、ハッキリ言ってつまらん。
RPG仕立てにしたことはいいが、謎解きもバランス調整もなんだかテキトーで、筋が通らない方向で難しく、素でプレーしていたらブチ切れたに違いない。
何より「シモンが呪いにかかっている」という設定のためクリアに制限時間があるせいでじっくり遊べないのが嫌だった。なんでRPGで急かされるのよ。
そのせいでゲーム自体に時間の流れがあり、夜は町から人が姿を消すばかりか、ゾンビが徘徊して戦闘が発生する。これまた不快感が天井知らずである。
また町人の台詞には嘘がかなり多く混じっているらしく、難度を無駄に上げているとのこと。英雄シモン様に嘘吐くとは何事だ。鞭でしばくぞおいマジで。
一方で戦闘バランスは妙にヌルく、特にボスが弱い。初代の伝説的なラスボスとは比較にならない。この点もある意味期待外れと言うべきだろう。
クリア時間によりEDが変化し、早くクリアするほど良い結果となる。つまり周回プレーを推奨しているのだろうが……その気になれる品質ではない。
いやほんま、今作を正面からやらなくてよかった。M2はそこに配慮して英語版を収録したのかも!? ほりいなおきさんすんません、誤解してました!!!
とまぁ、ダメな続編の見本のような2だった。強いて言えばレベルアップし武器を強化することで無双気分を味わえるのは吉。前作のうっぷん晴らしが可能。
ちなみに今作の1面(厳密には違う)の曲「Bloody Tears」は「ドラキュラ3大名曲の一つ」とされているらしいが……ぬぅ。俺は全然良いと思わなかった。
少なくとも他2つとは雲泥の差があると思う。スポッチにサントラがあるのでクリア後もよく聴いているが、血が騒ぐことはない。切ない事後であった。
・悪魔城伝説
シリーズ3作目。ディスクシステムからカートリッジになり、読み込みのウザさは消滅。また減った音源はチップを積むことでカバーするという漢仕様。
ゲーム機というものはハードの性能が決まっているから、当然その性能の範囲内でしかゲームは作れない。これは今もファミコン時代も変わらない話だ。
が! メディアがカートリッジなら「カセットにチップを積む」という力技で強引にゲームの品質を上げられるのだ。今では失われた豪快さに震えるね。
当然そのチップ代でコストは上がるのだが、そんなことよりもっといいゲームを! ……という信念、カッコええと思わん? 俺は思うよ。コナミ最高。
そしてコナミのファミコンカセットゲーと言えば音源チップであり、今作はそのハシリである(多分)。コナミがゲームに熱い時代があったんだよ。はぁ。
今作に関しては、まず何よりも「Beginning」を語らずにはいられない。……「始まり」がどうしたんだ、と? たわけ! 曲名じゃ曲名!! 一面の!!!
いやー。初代の「ヴァンパイアキラー」、2の「Bloody Tears」、そして今作の「Beginning」がドラキュラ3大名曲とされてるらしいが……格が違うでしょ。
あまりにも、あまりにもカッコいい。鳥肌注意と書き込もうにも涙で前が見えんから無理。どう生きたらこんな曲を作れるんだ。凄すぎて感動が止まらんよ。
音源チップの効果をゲーム開始直後に最大級の威力で叩きつけられるんだからたまらない。……まぁ逆に、最初の感動が最大だという欠点もあるのだが。
とにかくこの曲はファミコンの至宝とまで言えると思う。コレクションで間違いなく一番感動した。コナミに感謝。もう俺は立派にドラキュラファンだ。
今作のサントラもスポッチにあるので、無論聴きまくりである。短いOP曲と連ねて聴くとまた格別。ベルモンド家の宿命が、再び動き出す……っ!!!
ゲーム内容は再び純アクションに戻り、分岐があったり仲間が加入したりと、順当に初代からパワーアップしている。「3作目の完成度」を感じる。
音楽だけでなくグラフィックもより磨きがかかり、時計塔での歯車等、ファミコンとは思えないほど凝った仕掛けもある。いやぁ、コナミ、一流だ。
一方で難度も初代方向に戻り、いやそれ以上に難しくなっている。やってて「え……正気?」と思うほど。正気じゃない。その意味でもコナミ、一流。
今作は初代に比べ、1ステージが非常に長くなった。その上で道中の難度が上がり、更に残機も1個減って3になった。もちろんコンティニューで最初から。
つまり今作は再起難度が非常に高い。ステージ終盤で全滅して再開となると物凄く戻されて心が折れそうになる。腕前より何より根性が求められる。
しかしながらボスは初代同様弱く、道中の難しさを思うと拍子抜けするほど。まぁこれでボスが強かったらコナミに爆破予告が来そうだからいいのだが。
なんかバランスが歪だなと思う。これが「悪魔城的」というものなのだろうか? せめて残機が5だったら大分印象が変わるのだが……ダメ? 上月さぁん。
初代で悪夢を見せてくれた死神とドラキュラは今作でも登場……と言うよりこの2体はシリーズのお約束であるようだ。死神もかよ……勘弁しろよ。
が、どちらも初代よりは楽になっていてホッとした。特にドラキュラは、今回3段階目まであるが、強さは初代の1/10くらいである。十分倒せる。涙が出る。
まぁドラキュラはともかく、死神は今作でもサブ武器多用前提としか思えない強さだが。こいつに鞭のみで挑むとかなり気が狂う。ファミコン臭プンプン。
ちなみに今作の時代設定はシモンの頃より前で、シリーズの最初の物語、である模様。この辺あんま興味ない(どうせテキトーだろうし)からよう知らん。
OP・EDだけでなく中途にも物語を挟んでほしかったな。ファミコンゲームにそれは望み過ぎだが、今作の完成度だとそこまで欲してしまう。
今作の大きな売りである仲間キャラはどいつも個性があり、シモン(ラルフだ)とは別の操作感を楽しめる。また攻略上でも役立つ場所では非常に役立つ。
ただ3人中一人しか連れ歩けず、仲間にするにも固定ルートを辿る必要があるので、自由度は低い。今作、良くも悪くもルート選択で難度差が大きく出る。
「グラント」は軽業師のような男で、ラルフよりジャンプが高い上に制御が可能、更に壁や天井に張り付いて移動出来るという反則臭い能力を持つ。
その分被ダメが大きく攻撃面もやや貧弱だが、上手く使えば難所を大きくショートカット可能。いや凄い。君、次回作で主人公やらない? とまで思った。
「サイファ」は魔法使いで、グラント同様被ダメが大きいが、サブ武器扱いの魔法が強力。特に3方向弾魔法(仮)は、間違いなく今作最強の攻撃だ。
クソ難しい今作だが、サイファが3方向弾を持った時には唯一無双気分に浸れる。……まぁそれだけでクリア楽勝ってほど甘くはないが、非常に強い攻撃だ。
死神やドラキュラもこれで倒すのが一番楽だった。ただしあくまでサブ武器なので、一度死ぬと再取得まで時間がかかる。死なない立ち回りが求められる。
そして「アルカード」は……なんとドラキュラの息子であるという。母は人間のハーフヴァンパイア? 親父を殺すのに協力しようぜと仲間になる。
ところでアルカードといえば「月下の夜想曲」の主人公である。未プレーだけどそれは知ってる。あのパッケの耽美系超美形長髪兄ちゃんがそうだよな。
……今作のアルカードさん、短髪の中年にしか見えんのだが……いや多少の齟齬はしゃーないにしても、「全然違う」のはまずくない? ええの?
半妖だから長く生きて姿も変わったとかそういう話かね。ただ彼には容姿以上に大きな問題があって……「弱い」のだ。そらもう、4人の中でもダントツに。
攻撃手段の弾の射程が短く、モーションはデカく、何より威力が非常に低く、戦闘では冗談のように使えない。これ調整ミスじゃない? 本気でこうした?
サブ武器要素として「蝙蝠化して飛ぶ」があり、これは便利だが、あくまで飛ぶだけだし時間制限もあるので、他2キャラと違い無法な便利さは感じない。
加えてアルカードルートだと異常に難しいステージを通る必要があり、完全にハズレだった。月下の夜想曲で名誉挽回してくれることを願うよ……。
EDは3人いずれかと一緒or一人でクリアの4種類あり、割と凝ってる。中でも注目はサイファで、EDで実は女性だったことが判明する。無論、ラルフと……。
そう、彼女はベルモンド家の血を後世に繋ぐキーキャラだったのだ。あんなに強い上に……ありがとうございます。アルカードとはえらい違いだ。
その後もプレーは続け、何とかどこセーなしの自力クリアを達成。偉いぞ俺!! ……グラントに頼り切りのショボいクリアだが、これで勘弁してください。、
サイファは最強だけど移動の効率でグラントが一番いいと判断した。アルカードは論外。ブロック落下ステージは無理。俺はまだ人間でいたい。
・悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん
ホラー調の渋いシリーズに突然投入された鬼っ子。……吸血鬼っ子? まぁいい。ドラキュラ側が主役の番外編である。
だが今作の特徴はそんなことではなく、まるで幼児アニメのようなデフォルメキャラと世界設定であろう。悪魔城シリーズで!!
シリーズファンは間違いなく面食らったことだろう。コナミとしては客層を広げたいという意志があったのかな。
尚今作は90年の発売当時に友人から借りてプレー経験がある。……が、正直内容は完全に忘れた。今回は久々の再プレーとなった。
開始して驚いたのが、主人公ドラキュラくんの攻撃が「弾」であること。飛び道具なのである。鞭なんてオッサン武器に用はない。
まぁ初代ドラキュラの攻撃も弾だったし、自然なことか。上下(ジャンプから)撃ちや溜め撃ちも可能で、弾数制限等も一切ない。
またステージをクリアーしていくと「ホーミング弾」「凍結弾」等の便利な形態が開放されていく。これらも全てノーコスト。
HP制で、最初はHP3でアイテム入手により5まで増える。受けるダメージは常に1で、ゲームを通してダメージ死することは少ない。
一方で落下死は多く、ジャンプ距離が短めだったり被ダメ時の吹っ飛びが大きかったりするので、死因は専らこちらになるだろう。
また被ダメ時のぶっ飛び硬直が長く、それも死因になりやすい。硬直の長さは不快感も強く、ここはちょっとよろしくないと思った。
だが全体的に難度は低い。そりゃそうだろう、こんな可愛いキャラを採用しておきながら極悪難度ではアンバランスというものだ。
特にボスは本当に弱く、大半が初見で勝てるほど。残機はステージクリア後のボーナスゲームで幾らでも増やせるから死も無問題。
ちなみにそのステージクリア後のボーナスゲームは本編と何の関係もないもので、やや狂気を感じた。平成初期だもの。
美女ダンサー3人が見せる下着の色を当てたら残機アップ、とか正気じゃないやろ。時代の緩さが伺える。……今が固すぎるのか。くだらねー。
あとボス討伐後のファンファーレ曲(おちゃらけ風)が、どうにも「寧ろ負けた時の曲」に聴こえるのが気になった。ここだけはセンスがまるで合わん。
そうして順調に進めたのだが……辿り着いた7面でいきなり難度アップ。強制スクロールの足場移動が難しい上に長丁場でかなり厄介。やってくれる。
そういや34年前もここで苦戦したな……なんか思い出したわ。懐かしさを胸に再挑戦を繰り返し、何とかこの難所を突破。過去に負けなかったよホッ。
続く8面は楽なのだが、最終9面が【中ボス2体+長丁場+回復なし】というステージの果てにラスボス戦。負けたら9面最初から。非常に厳しい。
6面までの優しい顔が一気に変貌したのだった。初代と違って「これ無理だろ」とは思わなかったが、変化が極端だ。子供向けを最後まで続けろよ!
まぁ7面も最終面のボス達も、慣れたら勝てた。初見では面食らうが、やってるうちに見切れる。初代ラスボスとは違ってそこは平成的だった。
十分に理性の範囲にあるアクションと言えるだろう。「ドラキュラくんが魔界を支配するようになりました」て感じで終わり。
一応2周目もやったが、特に発見がなく退屈だった。隠し要素も何もないからな。この点は初代より劣っていると言える。
当時はこれを5000円とかで売ってたんだな……と思うと感慨深い。今が凄いのか、これで良かった当時が幸せなのか。はぁ。
・ドラキュラ伝説
ここでハードが一転、ゲームボーイに!! ……GBで悪魔城? 無理があるんじゃね? はい、無理があります。でも当時のコナミは挑戦者だったのだよ。
いやそれは結構なこったけど!! 無理があるものを無理して出しちゃダメだろ!! はい、その通りです。ハッキリ言って今作、無理なゲームである。
まずグラフィック的なハンデは言うまでもなかろう。GBとなると表現力が格段に落ち、何より画面自体が狭いから、ゲームが非常に窮屈になっている。
背景の質も下がり、モノクロだから見た目につまらない。だがこのコレクション版はまだマシだろう。実機の残像液晶ならどんなレベルだったことやら。
音楽も実にGB的なGB音で、名曲揃いの先輩方とは比較するのも失礼なほど。いやハード性能的に仕方ないのは分かるけどさ。じゃあ何故出したのっていう。
今作は89年発売で、GB誕生の初年度、ハードの使いこなし度も低かったのだろう。その意味では大事な第一歩だったと言えるのかもしれんが……。
実際にゲームをやると、シモンの動きが重い。悪魔城はそもそもキャラの動きが重いシリーズだが、それに輪をかけて重い。つまり操作感が非常に悪い。
画面の狭さに合わせた調整なのかもしれんが、ここまで動きが重いプレーヤーキャラは見たことないってレベルだ。ただ歩くだけで不快感が付き纏う。
更にGBでは無理ということかサブ武器要素を完全に削除し、攻撃は鞭のみ。何とも平坦なゲームになった。後発でこれはやっぱあかんやろと思ってしまう。
鞭はアイテムで2段階パワーアップし、レベル3だと先っぽから波動拳が飛ぶ面白仕様になっている。こうなると非常に強く、サブ武器なしも許せてしまう。
……が!!! 今作は「ダメージを食らうと鞭レベルが1下がる」という恐ろしいシステムを採用している。2回食らえば初期状態で、目も当てられない。
前作までは鞭強化アイテムはバンバン出現したが、今作ではその頻度が激減しており、一度レベルが下がると元に戻すのは大変だ。
敵の攻撃も従来以上に過激で、特にミラーボール吐きマン(仮)は……上月のおやっさんに特攻かましたくなるレベルで許せん。あんな敵作るなやボケ!!
従来作も「上手い奴は得をし、下手な奴はドツボ」なゲーム性だったが、今作はそれがより強まっている。上手ければ最強鞭でガンガン快適に進められる。
だが下手な(常識的な)奴は鞭を強化してもすぐダメージを食らってレベル1になる。ミラーボール吐きマン多すぎやねん! いい加減にしろ上月!!
ちなみにHPと被ダメの関係性だけなら従来より楽で、回復アイテムもやけに多く、ダメージ死をすることは意外と少ない。……「死なないだけ」だがな。
HPこそ残ってるが、鞭はレベル1……そんな絶望状態で先に進ませられる悪魔のゲームである。このバランスはちょっと理解し難い。狂ってる(何度目?)。
だが今作には鞭レベルの件以上に狂ってる部分があり、それが「ジャンプのシビアさ」だ。シリーズ他作品にはない、今作独自の狂気である。いやマジで。
単純に、所謂「ギリギリジャンプ」を求められる場面が非常に多いのだ。もうホント、「後ろ足のカカトが1ドット乗ってる」くらいで飛ぶのを求められる。
失敗すれば? もちろん落下。まぁ下に地面があるなら、また戻ってやり直せばいい。それなら別に文句はない。……が、下が空なら? 当然、ティウンる。
恐ろしいことに、今作はこの超シビアな死のギリジャンを「複数回連続で」「同ステージ別の状況で」「非常な長丁場で」要求してくるのだ。狂っておる。
更にギリジャンだけでなく、下や背後から針壁が迫ってくる死の強制スクロール等も絡んできて、3面と4面はほんま全面的に狂ってるとしか思えない。
もちろん敵の脅威も付属していて、難度は極めて高い。ここまで難しい(理不尽)なゲームがあっていいのか? 制作者を拉致監禁して強制プレーさせたい。
極めつけは、残機だ。今作も中間チェックポイントは存在し、死ねばそこから再開出来る。しかし残機が尽きればステージの最初からだ。それは仕方ない。
しかし今作の残機はたった2(現行機を入れて3)。なので3回落下すれば最初から。2回死んで悪夢の長丁場をやっと抜けても、針壁に刺さって最初から。
ほんま狂っとる、というか俺が狂う。冗談じゃなく今作は苦行だよ。自力でクリアすれば何かが得られるかもしれんが、それまでに魂を失う可能性大。
尚、ラスボスのドラキュラも当然強い。いや冷静に戦えばそうでもないのだが、戦場が厭らしく入り組んでいて、シモンの鈍重さが大きく影響するのだ。
おかげで研究プレーすら捗らない。無論死んで残機が尽きれば最初から。これ、当時の小学生に深刻なトラウマを刻まなかったか? 本気で心配になる。
今作、無理である。どこセーを駆使してインチキクリアはしたし、ラスボス戦のパターンも何とか構築したが、どこセーなしじゃ俺には絶対クリア無理だ。
それに挑戦する気すら起きない理不尽さが満ちている。収録作の中でブッチギリに一番難しいが、それ以上に一番つまらん。ハッキリ言えばババゲーである。
難しいのは結構だが……いやそうとも限らんが……今作はダメ。根本的にゲームがつまらないから。今作を買った当時のガキどもに敬意と哀悼の意を捧げる。
・悪魔城ドラキュラ(SFC版)
ファミコン、GBで作品を重ねてきた悪魔城シリーズが、遂にスーパーファミコンの舞台へ! タイトルはズバリ「悪魔城ドラキュラ」だ!!!
……いやあの、そのままでは? まぁ多分「トゥームレイダー」や「ゴッド・オブ・ウォー」と同様、シリーズのリブート作という意味なのだろう。
実際今作は初代のリメイクとして作られたらしい。確かにそんな感じはする。まぁいいや。ハードが変わったことで大幅に進化した最新作(当時)である。
先述の通り俺は今作に関しては発売当時に(借りて)プレーし、クリアした記憶もある……のだが、ゲーム内容はまるで覚えていない。不思議なほどに。
プレーしたのは間違いないが、クリアしたってのも偽の記憶かも? 何にせよここまで覚えてないと申し訳ない気持ちになるな。思い入れも無論ない。
まぁそれならそれで、改めて遊べばいい。昔と違ってドラキュラ熱は大いに高まっている。状況としては当時より良いかもしれない。今が、その時だ!!
……うむ、確かに色々進化している。まずシモンの性能が従来作から大幅にパワーアップしている。具体的には、鞭を斜めや上下にも撃てるようになった。
これにより斜めから襲い来るクソ蝙蝠や波形移動顔の迎撃が格段にしやすくなった。無論ボス戦でも有用。やっとこの境地に辿り着いてくれたシモンくん偉い。
またボタン押しっぱで「鞭を垂らす」ことも可能になり、これを使えばその部分に緩いバリアを張れる。攻撃で消せる弾に対しては無敵の壁となるのだ。
これは特にボス戦で有効で、従来作の悪夢だった死神のカマまでもバシバシ消せるのは快感極まりない。やっと"復讐の時、来たれり"だよゲハハハ。
更に「ジャンプの軌道操作」が可能になり、移動面でも快適に。相変わらず落下死は多いが、咄嗟の調整もある程度出来るので、その納得性が上がった。
「ジャンプで階段に乗る」「階段途中から操作で落下」が可能になったことも好印象。まぁさすがにSFC時代ならこれくらい出来ないと怒られるわな……。
ドラキュラシリーズの特色であるといっても、キャラ操作の鈍重さはここまで大きな欠点でもあったが、今作でそこは相当改善されたと言える。
サブ武器も何も変わらず(ここは変わってなさすぎと思った)存在している。故に言うまでもなく、今作のシモンは歴代最強である。遂に無双の時代、か……?
グラフィックやステージギミックも「これがやりかったんや!」という制作者の声が聴こえるほどに、ハードを活かして色々とやっている。喜ションゲーだ。
実際今作をプレーしていると、「SFCの匂い」が凄かった。……意味不明? いやSFCリアルタイム世代なら分かると思う。分かるといいな。分かってくれよ。
絵の発色やBGMの音源が、いちいちSFCなのである。あまりにも「それ」で笑えてくるほど。今作はある意味SFCを代表するゲームと言えるだろう。そうか?
SFCでROM容量が増加し、ステージ数が大幅に増え、ボリュームも十分。……パスワードセーブなのは御愛嬌。まぁ電池載せるほどのデータ量じゃないしな。
どこを切ってもパワーアップしか見当たらない、非常に理想的な上位機種版続編である。コナミもリブート作として自信満々に今作を売り出したに違いない。
……しかし実際にプレーをすると……なんか……乗らない? 大幅パワーアップは強く実感できるし、実際面白いのに、どこか淡々とゲームが進んでいく。
今作はボリュームこそ従来作より増えているが、分岐や別キャラの存在はなく、最初から最後まで一本道。これが冗長さを感じさせていることは否めない。
またシモンのパワーアップの影響か難度も低下していて、終盤までは寧ろ低難度アクションである。ボスは相変わらず弱く、初見ゴリ押しで勝てる奴ばかり。
ステージは増えたが雑魚敵が少なめで、炎吐き龍柱や斧投げ鎧なんかは「お前ら出すぎやろ」と思った。何度も何度も出てくる上、別に強くもないからな。
全体的にゲームが丸くなった。その意味でも今作はSFCゲーと言えるのかもな。当時ゲームは概ね世間に定着し、従来のギラギラさはもう不要になったのだ。
ここで今までのような極悪難度ゲーを出すのは悪手、丸めで豪華な作りによりファンの裾野を広げよう……上月景政率いるコナミはそう考えたのかも。
ただシリーズを連続してプレーした俺にとってはやや退屈なゲームになってるのは間違いない。プレーしてると割とハマれるのだが……不思議なものである。
収録作1ヌルい(2とドラキュラくんは除く)今作だが、最終面だけはさすがに本気を出してきて、出鱈目気味のギミックや連続ボスバトルが俺を苦しめた。
足場が斜めに動く箇所では理不尽な強制スクロール死を何度も強いられ、かなりムカついた。あそこだけは制作者のファミ魂が蘇ったかのようだった。
ボスラッシュは実のところ大して苦戦はしないが、連戦は精神的にしんどい。被ダメで天にワープして降ってくる骨野郎はランダム性が厄介だったな。
死神は最初こそカマの速度にビックリするが、鞭バリアで消せることに気付けば雑魚化する。それは言い過ぎだが、従来作の恐ろしさはとはかけ離れていた。
そしてラスボス・ドラキュラは……弱い。初代の悪夢の面影はまるでなく、色々やってくる攻撃はどれもヌルい。しかもなんと、変身さえしない。
またとある攻撃の弾を消せば、何と肉が出現する。もちろん取れば体力回復。その機会が3回くらいある。サービス良すぎで笑っちまったよ。
うーん、これはちょっとなぁ……あの悪夢を再現しろとは言わんが、これじゃ威厳も何も無いよ。ゲーム自体は長丁場だから時間かけて辿り着いたのに。
ドラキュラを倒すと多数の蝙蝠に分裂した後に陽の光を浴びて死ぬ(仮死?)。なんとも安っぽい終わり方だ。「復活確実な討伐」て虚しいもんだね。
自力クリアはキッチリ達成できたので個人的には満足である。死神とドラキュラをほぼ鼻歌レベルで倒せたのは今作だけだ。増長しよう。今だけは……。
・ドラキュラ伝説2
あの伝説の極悪ゲーにまさかの続編! 割と冗談でなく狂っているあのゲームの続編を出すという時点で狂っている!! また俺を狂わせようというのか!!
……とまぁビクビクものだったが、アレに関してはさすがにコナミも反省したようで、今作はまとなゲームだった。上月景政氏に怒られたと思っておこう。
というか、凄まじくパワーアップしていて驚かされる。発売は前作から2年後の91年、まだGBも3年目の時期にこれを出せる当時のコナミはやっぱ並じゃない。
まず鈍重過ぎた操作感に調整が入り、まだ鈍重ではあるものの、「動かすのが苦痛レベル」な前作よりは格段にやりやすくなった。これなら遊べる。
ジャンプもしやすくなり、落下死リスクが減少。ゲームでの落下死は自責感覚がないとな。またロープ移動の下降がボタン押しで速くなるのは快適である。
前作で削除されたサブ武器も復活! まぁ十字架と聖水だけだが、プレーの幅は大きく広がった。死ねば没収されるので無双プレーはなかなか難しいが。
そして前作の「被ダメで鞭レベル低下」の鬼仕様も調整され、対象が「特定の攻撃だけ」になった! そこらの蝙蝠に当たる程度ならレベルを維持できる!
その特定の攻撃は前作にもいた極悪雑魚・ミラーボール吐きマンの弾だが、今作では弾の速度が落ちていて、十分対処可能。親切すぎて怖くなるほどだ。
総じて納得の行くゲームになっている。これなら遊べるし、死んでも燃えられる。実にホッとする続編である。前作で狂った小学生もしょうきにもどった!
ステージの選択制も導入され、初期4ステージは攻略順を自由に選べる。……まぁ結局全部やらにゃならんし、難度も据え置きだから、あまり意味がないが。
4つクリアすれば悪魔城ステージ2つが始まり、ラスボスを倒してクリア。前作よりはボリュームアップしているが、それでも割と小規模なゲームである。
初期4ステージはほどほどの難しさと悪魔城らしいボスの弱さという構成で、格段に上がった快適性により楽しくプレーできる。……前作を知っていれば。
追加2ステージはそこそこ難度が上がるが無論前作レベルではなく、やはり楽しめる。前作の狂気がある意味今作の面白さを増している。これ怪我の功名?
……が!! やはり悪魔城はドラキュラ、このままでは終わらなかった。ラスボス及びその一つ前のボスがめっちゃ強い。狂気ではないが殺気満々だった。
ラスト前のボスは、何と「主人公の息子」。ドラキュラ伝説はシモンより前の時代の物語で、今作は前作の15年後らしい。その間後継者が生まれたようだ。
……のだが、クリストファーの血を継ぐ息子、ドラちゃんに洗脳されて襲ってきました。このバカ息子がぁーー!! と鞭で再教育を施す親父であった。
といっても息子、強い。攻撃や動きは親父と似たようなものだが、向こうには敵キャラの特権・接触攻撃がある。触れればこっちだけが痛い。ズルいよなぁ。
倒せないわけではないが、きっちり攻略を練るためにはかなりの回数の試行錯誤が必要だろう。やるじゃない息子。総合的には今作最強のボスだと思う。
幸いコンティニューで近場から始められるから、再挑戦の苦はそんなにない。戦闘前の演出が長く、それはかなり鬱陶しいが。ええからはよシバかせろ。
何とか息子を倒せば、元凶たるドラキュラとの決戦だ。時を超え場所を変え血を継ぎ、俺は何度お前と戦うんだろうなぁ。最早喧嘩友達……?
さて今作のドラキュラだが、「完全覚えゲーボス」である。行動は「出現→弾発射→ワープ」の繰り返しで、その出現箇所もパターンが完全に決まっている。
弾が大きいので最初は「こんなの避けられるわけねーだろ!」と思うが、全てが決まっていることに気付くと、安全地帯が見えてくる。それを利用するのだ。
さすれば「出現時に頭を一発殴る→安全地帯に退避」でこちらもパターンが完成する。あとはこれを繰り返せば、今回もドラキュラはおねむの時間へ。
まぁこちらは人間のやることだから2度3度ダメージを食らうこともあるが、5回くらいは耐えられるから大丈夫。歴代の悪魔たちと比べたらベビーサタンよ。
第二段階もなく、倒せばバカ息子といつもの絶壁からクリアを堪能する。いやーなんつーか、今作は収録タイトルの中で一番まともなアクションだと思う。
簡単すぎず難しすぎず、理不尽さなくボリューム適度(GB基準)。その意味ではシリーズでは異端と言えるかもしれん。どんだけやねん悪魔城シリーズ……。
・バンパイアキラー
最後はシリーズで最も無名だったかもしれない一本。メガドライブ、それも末期の市場で発売された。……そら売れんわ。プレミア化も頷ける話である。
俺はプレミア化したことで今作を認知したが、当時は存在さえ知らなかったと思う。サターンだPSだの世相で誰がメガドラの悪魔城に注目するのか。
このコナミの判断には首を傾げざるを得ないが、まぁ今更だ。今回コレクションに収録されたことでプレーが可能になり喜んだファンは多いと思われる。
内容に奇をてらった部分はなく、普通に「悪魔城をメガドラで作った」感じだ。無論遊べる。……メガドラパッド(初代)だと大変かもしれんが……。
ちなみに「バンパイア」と書くのはセイヴァー野郎として嫌なのだが、これが正式名称だから仕方ない。鞭や曲名は公式名称が分からんからヴァにしといた。
ムカつくことにメッセージは全て英語で、さっぱり分からんかった。2と違って純アクションだからプレーでは困らないが、当時これは幾ら何でもない。
最初からメガドラがまだしも売れていた北米市場向けに作ったということだろうか? だったら日本未発売にままにしときゃ……それはそれで問題か……。
発売が収録作の中では一番後とあって、完成度も一番高い。グラフィック、ギミック、キャラの動き等、熟練の2D技術を感じさせる。テキトー言ってる。
今作は主人公が2人いて、最初に選択することになる。そのまま最後までそのキャラだけでプレーし、途中交代はない。あってもよかったと思うが……。
一人は当然ながら鞭使いだが、何とベルモンド一族ではない。しかし使う鞭はヴァンパイアキラー。……盗んだ? どうも「血の輪廻」と繋がってるらしい。
ドラキュラシリーズはアクションゲームあるあるの設定テキトー系だからどうでもいいのかもしれんが、ベルモンド以外が鞭を使うのは嫌やなぁ……。
もう一人は完全新キャラの槍使い! こちらは専用攻撃の「垂直ジャンプアタック」が超強い。なんと動作中完全無敵(多分)。悪魔城シリーズとは思えない。
これにより移動や上方向への攻撃はもちろん、長い無敵時間を使った回避としても非常に使える。ハッキリ言って今作、鞭使いの立場がない。悪魔城なのに。
ゲームの完成度は高いが、槍使いの特殊攻撃だけは明らかに調整が間違ってる。つっても封印するのもアホらしいから使いまくった。非常に便利だった。
一応鞭使いにも特殊技はあるが、一部の場所でSFC版にもあった振り子移動が可能というだけで、差別化出来るようなものではない。ほんま鞭使い涙目ゲー。
とはいえゲーム難度はそんなに高くないから、どちらを選んでも普通に遊べる。まぁ鞭使いは終盤がキツいかな。なんでコイツには無敵回避がないのか……。
ただ厄介な仕様があって、今作はコンティニューがたった2回しか出来ないのだ。それを使い切って死ねば、無論ゲームオーバー、最初から。厳しすぎる。
今までは極悪難度でも「コンティニューだけは無限」の不文律があったのに、何故いきなりこんなことに? その意味じゃ今作は難しい悪魔城と言える。
が! コンティニューを使い切って死んでも何故かパスワードは表示され、それを入力して再開すれば続きを始められるのである。……意ー味ないじゃん!!
なのでゲームオーバーになったらパスワードから再開しましょう。終盤のボスラッシュはなかなか苛烈で、そこから一気に残機が減っていくだろうから。
あと今作は回復を古き良き隠し肉で行うのだが、この肉が異様に少ない。中盤以降は1個も見かけなかったほど。つまりHP回復手段がステージクリア以外にない。
被ダメ目盛りは少なめだから意外と何とかなるのだが、「回復手段がない」というのは道中のストレスとしてとても強い。違う方向性で難度を高くしてるな。
終盤のボスラッシュはしんどいが、ちゃんと戦えば攻略が見えてくるタイプばかりでホッとした。終盤ボスのバランスは今作が一番良かったかもしれない。
槍使いの方で自力クリアはしておいた。鞭の方は飛んでる奴が多い終盤ボスラッシュが面倒でしんどい。強化状態を維持できれば楽に勝てると思われるが……。
今作は武器を最大まで強化するとオーラ状態になり非常に強いのだが、一発ダメージを食らうと解除される。悪魔城の「上手い人が得をする」哲学は健在。
でも俺はその仕様はドラキュラ伝説の悪夢を思い出ささせるからやめてほしかった。けどまぁあの状態を簡単に維持できたら強すぎるからね。仕方ない、か。
完成度は高いもののゲームの起伏は小さく、極悪難度でもないので、印象は薄めのゲームだった。やはり悪魔城は尖っていてこそ、なのか……?
ふぅ。全8タイトル、全てプレーし、2とドラキュラ伝説以外は自力クリアした。ちなみに実績はクリアネタばかりなので自然に1000コンプ出来た。満足である。
「悪魔城の初期タイトルを知りたい」という思いは完璧以上に達成できたと言える。過去やれなかったなら今やればいい。昭和は我が手に戻りけり。そうか?
実はプレーしてからこれ書くまでにかなり時間が経っていたので、もう1回再プレーしたのだが、それにどっぷりハマってしまった。英語2以外全タイトルで。
今の俺はもう立派に悪魔城ファンであり、ドラキュラ筋肉バキバキだ。はっはっは。未プレーコンプレックスなどもう微塵もない。劇的な大変化である。
ちゃんと一本一本を丁寧にプレーした(海外版2除く)甲斐があったな。……難しさに負けなかったのも偉い。ほんまなぁ。特に初代のドラキュラは……。
悪魔城シリーズの凄さ、理不尽さ、無茶苦茶さ、そして何より面白さを体に叩き込めた充実のプレー体験であった。これで何の憂いもなく"先"に進める。
そう、まだまだ未プレーの悪魔城シリーズがたんまりある。月下の夜想曲と血の輪廻セット、HD、3D化したPS3版、GBAやDS版のセットもの……
今までは「初期を知らんから……」で避けてた幾つものタイトルを今は堂々と手に取れる。実に気分がいい。道が開けた。こんなに嬉しいことはない。
ま、焦らずのんびりじっくりやろう。ファミコンから続く比類なき重厚アクションシリーズ・悪魔城ドラキュラのファンになれた喜びを噛み締めて終わり。
ドラキュラは何度でも蘇る。倒しても無駄かと思うほどに。だが、それでいい。何度でも甦るがいい。この俺が、何度だって倒してやっからよ!!
けどそんなドラキュラさん、実は最近は蘇ってない。復活セットこそ出ているが、シリーズの新作はないのだ。うううむ。時代的に難しいのか……?
そんな心配をしている俺に、「悪魔城ドラキュラ」のニュースが舞い込んだ。うおおお、ハードは何だ!? 2Dか3Dか!? 発売時期は~!?!?
……ミュージカル化でした。どんがらがっしゃーん。いやまぁ、別に他ジャンル展開はいいですけどね。別にね。上月景政氏がゲスト出演したら俺も観るけどね。
はぁ。
拍手を送る
【メーカー】コナミ
【発売日】2019年5月16日
【定価】3300円(DL専売)
【購入価格】825円(DL版)
【プレー時間】65時間
悪魔城ドラキュラ。ファミコン世代なら誰でも知っている一級ゲームシリーズである。……「今も現役」とはちょっと言い難いが。コナミ仕事しろ。
俺ももちろん知っているし、プレーした。……のだが。正直、「ちゃんと」してはいない。幾つかのタイトルにプレー経験はあるが、どれも中途半端だ。
ハッキリとクリアしたことを覚えてるのは「悪魔城ドラキュラ(SFC)」くらいで、それもゲーム内容はさっぱり覚えていない。偽の記憶? マジで!?
始祖にしてシリーズで最も有名な初代も、プレー経験はあるもののクリアはしていない。ああああ!! 半端半端ぁ!! どうしてこうなったぁ!!!
まぁ俺はファミコンの購入が遅かったし、当時は自分で自由にゲームを買えるわけでもなく、プレータイトルは結局友達のソフト所持事情次第だった。
悪魔城シリーズに関してはその点で運が向いてなかったのだろう。難度の高さは折り紙付きだから、本気でクリアするなら借りて家でやる必要があるしな。
てわけで俺は半端に悪魔城シリーズを知る状態のまま年を食った。あれから数十年、状況は変わっていない。なかなかね。昭和は遠くなりにけり。
そうしてシリーズの序盤に対する思いが半端なせいで、近年の作品(どこがじゃ!)である「月下の夜想曲」等にも手が出せないでいた。実によくない。
一度悪魔城の初期シリーズとキッチリとケリを付けなければ……とはここ数年、いやここ10年、いや20年くらいずっと思っていたのだ。本当かよ。多分。
そこに。遂に来たのだ。お誂え向きのセットものが。「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」である。コナミ珍しく仕事した。偉いぞ。
今作はシリーズ旧作をまとめて収録し、そこに資料集を添付したという無難なセットものである。だがそれがいい、というかそれでいい。コナミ偉い。
ゲーム内容も旧作そのままだが、現代風にどこでもセーブ・ロードが可能になっている。これなら難度で躓いてもクリアまで辿り着けるだろう。
よし、今こそ俺の中で悪魔城ドラキュラを本格的に始めるのだ。遅すぎる? はっ。何かを始めるのに遅すぎることはない。常に今がやるべき時、だ!!
ちなみに今作は現行機各種やSteamで発売されているが、中でもXBOX One版はセール値が安く、今では660円で売られている。正直安すぎである。
俺はDL版ゲームセールガチ勢なので、この手の情報にはうるさいのである。XBOX Oneだから当然実績システムもあり、いい選択だったと思う。
さて、後は順番にプレーしていくのみ。収録タイトルは、全部で8本。旧作だから1本1本は現代感覚だと小規模だが、全体で見ればかなりのボリュームだ。
もちろん目指すは全タイトルクリアだが、どこでもセーブは適宜使う。難しいのは分かってるから。理想はどこセー使って研究クリア→自力クリアかな。
割と甘めの方針を立てて始めたが……「これで正解だったな」と後で思った。このシリーズ、特に終盤のボス、狂っとる。殆ど「絶対無理」だった。はぁ。
・悪魔城ドラキュラ
まずは比類なき始祖たる無印。……の、後年発売されたROM版。なんでディスク版じゃないんだよ!! 移植が難しいんだろ。ゼルダの伝説1もそうだし。
昭和の俺は友達に少しプレーさせてもらったものの、さほど進めることもハマることもなかった。ここでの躓きが後のシリーズにも大きく響いた。悔いる。
しかし、1面の曲である「ヴァンパイアキラー」……これだけは大好きで、俺の中で数十年生き続けていた。この曲の素晴らしさは今更語る必要もない。
あまりにもカッコ良い、シリーズを象徴する名曲。実際続編でも何度もアレンジ採用されているらしい。そらそうだ。これぞ悪魔城ドラキュラのイメージ。
この曲がなければ今になって元祖からやり直そうという気も起きなかったかもしれない。俺と悪魔城を繋いでくれた曲でもあるな。嗚呼、あの頃の創作者。
ROM版で音が少しショボくなった(多分)が、名曲のラインは変わらない。嗚呼、カッコええなぁ。あの頃のコナミはこんなに凄かった。今や……はぁ。
しかし曲でテンションを上げつつも、ゲームにはビビっていた。なんせ今作は難しいと伝説的に語られている。俺、やれるのか? 今から? マジで??
……ふむ。少なくとも最初から極悪ってことはない。例えば1面ボスのコウモリは相当弱い。ちゃんと遊べてホッとした。もちろん「序盤は」であるが。
改めて今作をプレーして強く感じるのが「被ダメの大きさ」と「回復機会の少なさ」だ。とにかく敵から食らうダメージがデカく、HPがドーンと減る。
HP目盛りは16あるが、1撃で3や4減るのだ。そしてHP回復(僅か6目盛り)アイテムの肉は全て壁の中に隠してあり、かつ置き場が少なく、殆ど頼れない。
となれば攻略は「なるべく被ダメを減らす」である。敵に当たらなければHPは減らず、死ぬこともない。実に単純明快、アホでも理解できる理屈である。
……それが出来たら苦労しないっての!! と叫びたくなるが、そうしなければゲームが進まない。死んだり萎えたりしながら、安全な進み方を模索する。
シモンの動きが鈍重なこともあり、アドリブ回避はほぼ不可能。今作は徹底的に覚えゲーである。幸い面数は多くない。死んで覚えろ、覚えて死ね。
ゲームは全6ステージ。を更に3つに分けて全18ステージと自称してる変な部分がある。まぁまだゲーム制作黎明期と言える時期のタイトルだからな。
ちなみに今作を何も知らずにプレーすると、「アイテムのハートが回復ではない」ことに驚くだろう。そういった共通認識発生以前のゲームということだ。
で、前半3ステージは、十分やれるというか、寧ろ簡単まである? 道中は楽でボスも弱い。まぁ死ぬ時は死ぬが、再起難度も低く、気分的には楽ちんだ。
しかし、4面、ここからは本気を出し始める。4面早々の鬼の落下死ゾーンはそこまでと明らかに隔絶した難度で、苛つくと同時にビックリさせられた。
ああやはり伝説は嘘じゃなかった。コンティニューは無限に可能だが、その場合常にステージ最初からなので、後半の再起難度だとかなりキツくなる。
それでも4面はまだいい。道中はともかくボスは弱いままだし。しかし5面、ガチもガチ。そしてここのボスは、今作最強とも謳われる「死神」だ。
死神の攻撃は実際苛烈を極めていて、異常な数の鎌を空中にバラ撒きつつ、本体がフラフラ。鈍重戦士シモン「こんなん避けられるわけねーだろ!!」。
実際避けられず、食らう。4目盛り分減る。つまりHP満タンで挑んでも4撃で死亡、チェックポイントから。残機が尽きればステージ最初から。容赦? 笑。
何と言うか、ファミコン全開である。今作独自のどこでもセーブを使えば倒せないことはないが、死神のあまりの理不尽な攻撃はその気さえ失わさせる。
が、俺は「死神には勝てる」と思った。……この台詞ちょっとカッコ良いな。ポッ。で、だ。今更ながら、今作の肝は「サブ武器」である。鞭じゃない。
シモンの武器と言えばもちろん先祖から伝わる最強鞭「ヴァンパイアキラー」だが、リーチこそあるものの振りは重く威力も低く、強くない。いや弱い。
それに対しサブ武器は飛ぶし動くし敵を止めるしその他で、実に使い勝手が良い。使用回数は有限だが、道中でサボらなければ十分な回数を確保できる。
鞭で真面目に攻略すると大変だが、サブ武器を使えばあっさり突破……は今作のあるあるである。ボス戦も、明らかにサブ武器無双を想定したバランスだ。
じゃあ死神も? そう! コイツに鞭で挑むとPTSD発症必至の超難度だが、サブ武器投げまくりならあら不思議、「概ね勝てる」レベルまで楽になる。
まぁ5面道中を死なずに突破し、十字架(聖水説もあるが俺は安定性重視)の3連射状態を保持して挑む必要があるが。……そこなんだよなぁ。状態保持。
今作は死ねば初期状態から再開であり、またサブ武器の出現場所は決まっている。鞭は簡単に最強に戻せるが、サブ武器を狙ったものにするのは難しい。
唯一の解決法は「死なないまま進める」というコロンブスも激怒するような単純なもの。突き詰めると原点に還る……実に優れたゲームである。はぁ。
だから5面はとにかく頑張って死なずに最初から進め(もちろんサボらず蝋燭を壊していく)るべし。さすれば死神は、上手くやればノーダメで倒せる。
今作は死なずに進めることが出来れば、拍子抜けするほどあっさりクリア出来る。上級者が得をし、下手糞はどん底へ。世の中を学べる良ゲーである。
そして死神を倒せれば、最後の6面。ここも当然ながら道中は狂ってるが、ドラキュラ戦にまで辿り着けば再開はそこからという鬼の目にも涙(?)もある。
で。俺はこれが一番言いたかった。ドラキュラ、強すぎる。あまりにも強すぎる。尋常ではない。慣れれば? 慣れてもだ。ファミコン最強とすら思う。
初見では、まずどうやってダメージを与えるのかさえ分からない。正解は頭なのだが、その頭に攻撃を当てられる時間が非常に短いのだ。狂っている。
更に弾攻撃……3ウェイで放ってくるこれが、非常に広範囲でかわしにくい。こちらの攻撃で消せるが、1個消しても残りを食らって無意味ってこともある。
被ダメは言うまでもなく4目盛りで、4回食らえばティウンティウン。ボス戦中に回復手段など一切なく、ダメージ回避・軽減手段もまた一切存在しない。
ドラキュラとの初対戦時はマジで誰もが絶望するだろう。どう攻撃するかさえ分からず、避けられるわけのない広範囲攻撃を数発食らって死んで終わり。
となればサブ武器……っ! が今作のセオリーだが、ドラキュラにサブ武器は有効ではあるものの決定打にはならない。結局はパターン構築が求められる。
慣れれば一応パターンは作れるが、相手と違ってこちらの与ダメは1ずつなので、繊細なパターンを長く続ける必要があり、非常に疲れる戦闘となる。
尚ここでサブ武器を使えば少しは楽になるが、それは控えた方がいいと思う。何故かって? 誰が「このドラキュラを倒せば終わり」と言った……っ!?
そう、ラスボスお約束の第二段階がドラキュラにもあるのだ。こんな昭和のゲームで早くもセオリーに則ってんじゃないよ……あっさり死ねよほんま……。
狂った強さを見せるドラキュラを苦心の末やっと倒したと思ったら、HP全開で第二段階……当時のファミっ子が自殺しなかったか心配になるレベルだ。
まぁ第二段階は攻撃こそ苛烈ではないのだが、ダメージを与えられる時間が更に短くなり、故に再び長期戦を強いられ、結果的に被ダメで死んでしまう。
死ねば当然最初からやり直しで、その精神的ダメージは計り知れない。被ダメのデカさ故に攻略のためじっくり動きを観察することすらままならんのだ。
ヤベーよこいつマジで。そりゃ倒せるよ? 絶対勝てないわけじゃないよ? けど「安定して勝つ」攻略は遂に見つけられなかった。俺の負けである。
まぁ正確にはあるんだよ、安定した攻略が。「聖水の敵縛り付け効果を使う」てのが。これを利用すれば与ダメの機会が格段に増え、短時間で倒せる。
ただ俺はどうもこの戦法が好きになれず、何とかそれ以外で倒す方法を模索したが……結論、無理!! 少なくとも「安定して」は俺には無理だ!!!
てわけでドラキュラ攻略決定版、第一段階は鞭のみで頑張って倒してサブ武器温存、第二段階は聖水影縫い戦法で速攻倒そう。もちろん被ダメに注意!!
……うーん。もちろんインチキでも何でもないからこれでいいのかもしれんが。制作者も恐らくこの倒し方を想定してるだろうし。だといいね。はぁ。
その後しばらくプレーを続け、何とかインチキセーブなしでクリアを達成した。これで何とか格好は付いたと言えるだろう。我がファミ魂に未だ淀みなし。
しっかしほんまラスボスの強さは強烈だった。なんでこれもっと伝説になってないんだろう。あの頃もっと周囲のコメントを取っておくべきだったな。完。
・Castlevania II Simon's Quest
ではシリーズ2作目「ドラキュラ2 ~呪の封印~」を始めるぜ~~……ってなんで海外版やねんw気取ってんなよアホかwww ……はぁ。違うんだよ。
先に言っておくと、今作には8タイトル分の海外版も同時収録されている。それらば「ボーナストラック」扱いで、日本版とは別物だ。当たり前だな。
しかし。ドラキュラ2に関しては、海外版しかないのである。……は? 意味わかんないんですけど? うむ、全く同感。俺も未だにさっぱり意味不明だ。
もちろん何らかの事情があってのことなのだろうが、その説明は一切なく、本当に無骨に海外版が一本ポツンと存在している。何のマネだよコナミよおい。
ここでムカつくのが、「悪魔城すぺしゃる」の海外版だ。実は悪魔城すぺしゃる、発売当時は海外では販売されず、つまり本当は日本版しか存在しないのだ。
だがコレクションには海外版悪魔城すぺしゃるも存在する。つまりわざわざ新規制作したのだ!! ゲーム部分はそのままでも、ロゴとか完全新規!!
海外向けにはそこまで労力を割くのに、日本に対しては存在する(当たり前だ)ドラキュラ2を収録せず。本当に意味不明だし、舐めてるとしか思えん。
しかも厄介なことに今作は収録作の中で唯一RPG色が強く、町の会話や石板による謎解きが多々あるのだ。ぶっちゃけ、英語読めなきゃプレー不可能。
なんでよりによって一番海外版だとマズイ今作でこんな真似をしたのか。ツイッタでほりいなおき氏に突撃して小一時間問い詰めたいよ。古すぎるよ。
てわけで、今作に関しては「攻略サイトガン見プレー」で行った。それしかない。いちいち辞書と照らし合わせてとかンなことやってられるかよ。
これ以外は文句なしのセットものなのに、これが悪すぎて評価ガタ落ちである。俺としても、せっかくシリーズをちゃんとプレーする機会だったのによ。
が!! 正直(攻略ガン見で)プレーを始めると「これをまともにプレーしない理由があって良かった……」と思った。今作、ハッキリ言ってつまらん。
RPG仕立てにしたことはいいが、謎解きもバランス調整もなんだかテキトーで、筋が通らない方向で難しく、素でプレーしていたらブチ切れたに違いない。
何より「シモンが呪いにかかっている」という設定のためクリアに制限時間があるせいでじっくり遊べないのが嫌だった。なんでRPGで急かされるのよ。
そのせいでゲーム自体に時間の流れがあり、夜は町から人が姿を消すばかりか、ゾンビが徘徊して戦闘が発生する。これまた不快感が天井知らずである。
また町人の台詞には嘘がかなり多く混じっているらしく、難度を無駄に上げているとのこと。英雄シモン様に嘘吐くとは何事だ。鞭でしばくぞおいマジで。
一方で戦闘バランスは妙にヌルく、特にボスが弱い。初代の伝説的なラスボスとは比較にならない。この点もある意味期待外れと言うべきだろう。
クリア時間によりEDが変化し、早くクリアするほど良い結果となる。つまり周回プレーを推奨しているのだろうが……その気になれる品質ではない。
いやほんま、今作を正面からやらなくてよかった。M2はそこに配慮して英語版を収録したのかも!? ほりいなおきさんすんません、誤解してました!!!
とまぁ、ダメな続編の見本のような2だった。強いて言えばレベルアップし武器を強化することで無双気分を味わえるのは吉。前作のうっぷん晴らしが可能。
ちなみに今作の1面(厳密には違う)の曲「Bloody Tears」は「ドラキュラ3大名曲の一つ」とされているらしいが……ぬぅ。俺は全然良いと思わなかった。
少なくとも他2つとは雲泥の差があると思う。スポッチにサントラがあるのでクリア後もよく聴いているが、血が騒ぐことはない。切ない事後であった。
・悪魔城伝説
シリーズ3作目。ディスクシステムからカートリッジになり、読み込みのウザさは消滅。また減った音源はチップを積むことでカバーするという漢仕様。
ゲーム機というものはハードの性能が決まっているから、当然その性能の範囲内でしかゲームは作れない。これは今もファミコン時代も変わらない話だ。
が! メディアがカートリッジなら「カセットにチップを積む」という力技で強引にゲームの品質を上げられるのだ。今では失われた豪快さに震えるね。
当然そのチップ代でコストは上がるのだが、そんなことよりもっといいゲームを! ……という信念、カッコええと思わん? 俺は思うよ。コナミ最高。
そしてコナミのファミコンカセットゲーと言えば音源チップであり、今作はそのハシリである(多分)。コナミがゲームに熱い時代があったんだよ。はぁ。
今作に関しては、まず何よりも「Beginning」を語らずにはいられない。……「始まり」がどうしたんだ、と? たわけ! 曲名じゃ曲名!! 一面の!!!
いやー。初代の「ヴァンパイアキラー」、2の「Bloody Tears」、そして今作の「Beginning」がドラキュラ3大名曲とされてるらしいが……格が違うでしょ。
あまりにも、あまりにもカッコいい。鳥肌注意と書き込もうにも涙で前が見えんから無理。どう生きたらこんな曲を作れるんだ。凄すぎて感動が止まらんよ。
音源チップの効果をゲーム開始直後に最大級の威力で叩きつけられるんだからたまらない。……まぁ逆に、最初の感動が最大だという欠点もあるのだが。
とにかくこの曲はファミコンの至宝とまで言えると思う。コレクションで間違いなく一番感動した。コナミに感謝。もう俺は立派にドラキュラファンだ。
今作のサントラもスポッチにあるので、無論聴きまくりである。短いOP曲と連ねて聴くとまた格別。ベルモンド家の宿命が、再び動き出す……っ!!!
ゲーム内容は再び純アクションに戻り、分岐があったり仲間が加入したりと、順当に初代からパワーアップしている。「3作目の完成度」を感じる。
音楽だけでなくグラフィックもより磨きがかかり、時計塔での歯車等、ファミコンとは思えないほど凝った仕掛けもある。いやぁ、コナミ、一流だ。
一方で難度も初代方向に戻り、いやそれ以上に難しくなっている。やってて「え……正気?」と思うほど。正気じゃない。その意味でもコナミ、一流。
今作は初代に比べ、1ステージが非常に長くなった。その上で道中の難度が上がり、更に残機も1個減って3になった。もちろんコンティニューで最初から。
つまり今作は再起難度が非常に高い。ステージ終盤で全滅して再開となると物凄く戻されて心が折れそうになる。腕前より何より根性が求められる。
しかしながらボスは初代同様弱く、道中の難しさを思うと拍子抜けするほど。まぁこれでボスが強かったらコナミに爆破予告が来そうだからいいのだが。
なんかバランスが歪だなと思う。これが「悪魔城的」というものなのだろうか? せめて残機が5だったら大分印象が変わるのだが……ダメ? 上月さぁん。
初代で悪夢を見せてくれた死神とドラキュラは今作でも登場……と言うよりこの2体はシリーズのお約束であるようだ。死神もかよ……勘弁しろよ。
が、どちらも初代よりは楽になっていてホッとした。特にドラキュラは、今回3段階目まであるが、強さは初代の1/10くらいである。十分倒せる。涙が出る。
まぁドラキュラはともかく、死神は今作でもサブ武器多用前提としか思えない強さだが。こいつに鞭のみで挑むとかなり気が狂う。ファミコン臭プンプン。
ちなみに今作の時代設定はシモンの頃より前で、シリーズの最初の物語、である模様。この辺あんま興味ない(どうせテキトーだろうし)からよう知らん。
OP・EDだけでなく中途にも物語を挟んでほしかったな。ファミコンゲームにそれは望み過ぎだが、今作の完成度だとそこまで欲してしまう。
今作の大きな売りである仲間キャラはどいつも個性があり、シモン(ラルフだ)とは別の操作感を楽しめる。また攻略上でも役立つ場所では非常に役立つ。
ただ3人中一人しか連れ歩けず、仲間にするにも固定ルートを辿る必要があるので、自由度は低い。今作、良くも悪くもルート選択で難度差が大きく出る。
「グラント」は軽業師のような男で、ラルフよりジャンプが高い上に制御が可能、更に壁や天井に張り付いて移動出来るという反則臭い能力を持つ。
その分被ダメが大きく攻撃面もやや貧弱だが、上手く使えば難所を大きくショートカット可能。いや凄い。君、次回作で主人公やらない? とまで思った。
「サイファ」は魔法使いで、グラント同様被ダメが大きいが、サブ武器扱いの魔法が強力。特に3方向弾魔法(仮)は、間違いなく今作最強の攻撃だ。
クソ難しい今作だが、サイファが3方向弾を持った時には唯一無双気分に浸れる。……まぁそれだけでクリア楽勝ってほど甘くはないが、非常に強い攻撃だ。
死神やドラキュラもこれで倒すのが一番楽だった。ただしあくまでサブ武器なので、一度死ぬと再取得まで時間がかかる。死なない立ち回りが求められる。
そして「アルカード」は……なんとドラキュラの息子であるという。母は人間のハーフヴァンパイア? 親父を殺すのに協力しようぜと仲間になる。
ところでアルカードといえば「月下の夜想曲」の主人公である。未プレーだけどそれは知ってる。あのパッケの耽美系超美形長髪兄ちゃんがそうだよな。
……今作のアルカードさん、短髪の中年にしか見えんのだが……いや多少の齟齬はしゃーないにしても、「全然違う」のはまずくない? ええの?
半妖だから長く生きて姿も変わったとかそういう話かね。ただ彼には容姿以上に大きな問題があって……「弱い」のだ。そらもう、4人の中でもダントツに。
攻撃手段の弾の射程が短く、モーションはデカく、何より威力が非常に低く、戦闘では冗談のように使えない。これ調整ミスじゃない? 本気でこうした?
サブ武器要素として「蝙蝠化して飛ぶ」があり、これは便利だが、あくまで飛ぶだけだし時間制限もあるので、他2キャラと違い無法な便利さは感じない。
加えてアルカードルートだと異常に難しいステージを通る必要があり、完全にハズレだった。月下の夜想曲で名誉挽回してくれることを願うよ……。
EDは3人いずれかと一緒or一人でクリアの4種類あり、割と凝ってる。中でも注目はサイファで、EDで実は女性だったことが判明する。無論、ラルフと……。
そう、彼女はベルモンド家の血を後世に繋ぐキーキャラだったのだ。あんなに強い上に……ありがとうございます。アルカードとはえらい違いだ。
その後もプレーは続け、何とかどこセーなしの自力クリアを達成。偉いぞ俺!! ……グラントに頼り切りのショボいクリアだが、これで勘弁してください。、
サイファは最強だけど移動の効率でグラントが一番いいと判断した。アルカードは論外。ブロック落下ステージは無理。俺はまだ人間でいたい。
・悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん
ホラー調の渋いシリーズに突然投入された鬼っ子。……吸血鬼っ子? まぁいい。ドラキュラ側が主役の番外編である。
だが今作の特徴はそんなことではなく、まるで幼児アニメのようなデフォルメキャラと世界設定であろう。悪魔城シリーズで!!
シリーズファンは間違いなく面食らったことだろう。コナミとしては客層を広げたいという意志があったのかな。
尚今作は90年の発売当時に友人から借りてプレー経験がある。……が、正直内容は完全に忘れた。今回は久々の再プレーとなった。
開始して驚いたのが、主人公ドラキュラくんの攻撃が「弾」であること。飛び道具なのである。鞭なんてオッサン武器に用はない。
まぁ初代ドラキュラの攻撃も弾だったし、自然なことか。上下(ジャンプから)撃ちや溜め撃ちも可能で、弾数制限等も一切ない。
またステージをクリアーしていくと「ホーミング弾」「凍結弾」等の便利な形態が開放されていく。これらも全てノーコスト。
HP制で、最初はHP3でアイテム入手により5まで増える。受けるダメージは常に1で、ゲームを通してダメージ死することは少ない。
一方で落下死は多く、ジャンプ距離が短めだったり被ダメ時の吹っ飛びが大きかったりするので、死因は専らこちらになるだろう。
また被ダメ時のぶっ飛び硬直が長く、それも死因になりやすい。硬直の長さは不快感も強く、ここはちょっとよろしくないと思った。
だが全体的に難度は低い。そりゃそうだろう、こんな可愛いキャラを採用しておきながら極悪難度ではアンバランスというものだ。
特にボスは本当に弱く、大半が初見で勝てるほど。残機はステージクリア後のボーナスゲームで幾らでも増やせるから死も無問題。
ちなみにそのステージクリア後のボーナスゲームは本編と何の関係もないもので、やや狂気を感じた。平成初期だもの。
美女ダンサー3人が見せる下着の色を当てたら残機アップ、とか正気じゃないやろ。時代の緩さが伺える。……今が固すぎるのか。くだらねー。
あとボス討伐後のファンファーレ曲(おちゃらけ風)が、どうにも「寧ろ負けた時の曲」に聴こえるのが気になった。ここだけはセンスがまるで合わん。
そうして順調に進めたのだが……辿り着いた7面でいきなり難度アップ。強制スクロールの足場移動が難しい上に長丁場でかなり厄介。やってくれる。
そういや34年前もここで苦戦したな……なんか思い出したわ。懐かしさを胸に再挑戦を繰り返し、何とかこの難所を突破。過去に負けなかったよホッ。
続く8面は楽なのだが、最終9面が【中ボス2体+長丁場+回復なし】というステージの果てにラスボス戦。負けたら9面最初から。非常に厳しい。
6面までの優しい顔が一気に変貌したのだった。初代と違って「これ無理だろ」とは思わなかったが、変化が極端だ。子供向けを最後まで続けろよ!
まぁ7面も最終面のボス達も、慣れたら勝てた。初見では面食らうが、やってるうちに見切れる。初代ラスボスとは違ってそこは平成的だった。
十分に理性の範囲にあるアクションと言えるだろう。「ドラキュラくんが魔界を支配するようになりました」て感じで終わり。
一応2周目もやったが、特に発見がなく退屈だった。隠し要素も何もないからな。この点は初代より劣っていると言える。
当時はこれを5000円とかで売ってたんだな……と思うと感慨深い。今が凄いのか、これで良かった当時が幸せなのか。はぁ。
・ドラキュラ伝説
ここでハードが一転、ゲームボーイに!! ……GBで悪魔城? 無理があるんじゃね? はい、無理があります。でも当時のコナミは挑戦者だったのだよ。
いやそれは結構なこったけど!! 無理があるものを無理して出しちゃダメだろ!! はい、その通りです。ハッキリ言って今作、無理なゲームである。
まずグラフィック的なハンデは言うまでもなかろう。GBとなると表現力が格段に落ち、何より画面自体が狭いから、ゲームが非常に窮屈になっている。
背景の質も下がり、モノクロだから見た目につまらない。だがこのコレクション版はまだマシだろう。実機の残像液晶ならどんなレベルだったことやら。
音楽も実にGB的なGB音で、名曲揃いの先輩方とは比較するのも失礼なほど。いやハード性能的に仕方ないのは分かるけどさ。じゃあ何故出したのっていう。
今作は89年発売で、GB誕生の初年度、ハードの使いこなし度も低かったのだろう。その意味では大事な第一歩だったと言えるのかもしれんが……。
実際にゲームをやると、シモンの動きが重い。悪魔城はそもそもキャラの動きが重いシリーズだが、それに輪をかけて重い。つまり操作感が非常に悪い。
画面の狭さに合わせた調整なのかもしれんが、ここまで動きが重いプレーヤーキャラは見たことないってレベルだ。ただ歩くだけで不快感が付き纏う。
更にGBでは無理ということかサブ武器要素を完全に削除し、攻撃は鞭のみ。何とも平坦なゲームになった。後発でこれはやっぱあかんやろと思ってしまう。
鞭はアイテムで2段階パワーアップし、レベル3だと先っぽから波動拳が飛ぶ面白仕様になっている。こうなると非常に強く、サブ武器なしも許せてしまう。
……が!!! 今作は「ダメージを食らうと鞭レベルが1下がる」という恐ろしいシステムを採用している。2回食らえば初期状態で、目も当てられない。
前作までは鞭強化アイテムはバンバン出現したが、今作ではその頻度が激減しており、一度レベルが下がると元に戻すのは大変だ。
敵の攻撃も従来以上に過激で、特にミラーボール吐きマン(仮)は……上月のおやっさんに特攻かましたくなるレベルで許せん。あんな敵作るなやボケ!!
従来作も「上手い奴は得をし、下手な奴はドツボ」なゲーム性だったが、今作はそれがより強まっている。上手ければ最強鞭でガンガン快適に進められる。
だが下手な(常識的な)奴は鞭を強化してもすぐダメージを食らってレベル1になる。ミラーボール吐きマン多すぎやねん! いい加減にしろ上月!!
ちなみにHPと被ダメの関係性だけなら従来より楽で、回復アイテムもやけに多く、ダメージ死をすることは意外と少ない。……「死なないだけ」だがな。
HPこそ残ってるが、鞭はレベル1……そんな絶望状態で先に進ませられる悪魔のゲームである。このバランスはちょっと理解し難い。狂ってる(何度目?)。
だが今作には鞭レベルの件以上に狂ってる部分があり、それが「ジャンプのシビアさ」だ。シリーズ他作品にはない、今作独自の狂気である。いやマジで。
単純に、所謂「ギリギリジャンプ」を求められる場面が非常に多いのだ。もうホント、「後ろ足のカカトが1ドット乗ってる」くらいで飛ぶのを求められる。
失敗すれば? もちろん落下。まぁ下に地面があるなら、また戻ってやり直せばいい。それなら別に文句はない。……が、下が空なら? 当然、ティウンる。
恐ろしいことに、今作はこの超シビアな死のギリジャンを「複数回連続で」「同ステージ別の状況で」「非常な長丁場で」要求してくるのだ。狂っておる。
更にギリジャンだけでなく、下や背後から針壁が迫ってくる死の強制スクロール等も絡んできて、3面と4面はほんま全面的に狂ってるとしか思えない。
もちろん敵の脅威も付属していて、難度は極めて高い。ここまで難しい(理不尽)なゲームがあっていいのか? 制作者を拉致監禁して強制プレーさせたい。
極めつけは、残機だ。今作も中間チェックポイントは存在し、死ねばそこから再開出来る。しかし残機が尽きればステージの最初からだ。それは仕方ない。
しかし今作の残機はたった2(現行機を入れて3)。なので3回落下すれば最初から。2回死んで悪夢の長丁場をやっと抜けても、針壁に刺さって最初から。
ほんま狂っとる、というか俺が狂う。冗談じゃなく今作は苦行だよ。自力でクリアすれば何かが得られるかもしれんが、それまでに魂を失う可能性大。
尚、ラスボスのドラキュラも当然強い。いや冷静に戦えばそうでもないのだが、戦場が厭らしく入り組んでいて、シモンの鈍重さが大きく影響するのだ。
おかげで研究プレーすら捗らない。無論死んで残機が尽きれば最初から。これ、当時の小学生に深刻なトラウマを刻まなかったか? 本気で心配になる。
今作、無理である。どこセーを駆使してインチキクリアはしたし、ラスボス戦のパターンも何とか構築したが、どこセーなしじゃ俺には絶対クリア無理だ。
それに挑戦する気すら起きない理不尽さが満ちている。収録作の中でブッチギリに一番難しいが、それ以上に一番つまらん。ハッキリ言えばババゲーである。
難しいのは結構だが……いやそうとも限らんが……今作はダメ。根本的にゲームがつまらないから。今作を買った当時のガキどもに敬意と哀悼の意を捧げる。
・悪魔城ドラキュラ(SFC版)
ファミコン、GBで作品を重ねてきた悪魔城シリーズが、遂にスーパーファミコンの舞台へ! タイトルはズバリ「悪魔城ドラキュラ」だ!!!
……いやあの、そのままでは? まぁ多分「トゥームレイダー」や「ゴッド・オブ・ウォー」と同様、シリーズのリブート作という意味なのだろう。
実際今作は初代のリメイクとして作られたらしい。確かにそんな感じはする。まぁいいや。ハードが変わったことで大幅に進化した最新作(当時)である。
先述の通り俺は今作に関しては発売当時に(借りて)プレーし、クリアした記憶もある……のだが、ゲーム内容はまるで覚えていない。不思議なほどに。
プレーしたのは間違いないが、クリアしたってのも偽の記憶かも? 何にせよここまで覚えてないと申し訳ない気持ちになるな。思い入れも無論ない。
まぁそれならそれで、改めて遊べばいい。昔と違ってドラキュラ熱は大いに高まっている。状況としては当時より良いかもしれない。今が、その時だ!!
……うむ、確かに色々進化している。まずシモンの性能が従来作から大幅にパワーアップしている。具体的には、鞭を斜めや上下にも撃てるようになった。
これにより斜めから襲い来るクソ蝙蝠や波形移動顔の迎撃が格段にしやすくなった。無論ボス戦でも有用。やっとこの境地に辿り着いてくれたシモンくん偉い。
またボタン押しっぱで「鞭を垂らす」ことも可能になり、これを使えばその部分に緩いバリアを張れる。攻撃で消せる弾に対しては無敵の壁となるのだ。
これは特にボス戦で有効で、従来作の悪夢だった死神のカマまでもバシバシ消せるのは快感極まりない。やっと"復讐の時、来たれり"だよゲハハハ。
更に「ジャンプの軌道操作」が可能になり、移動面でも快適に。相変わらず落下死は多いが、咄嗟の調整もある程度出来るので、その納得性が上がった。
「ジャンプで階段に乗る」「階段途中から操作で落下」が可能になったことも好印象。まぁさすがにSFC時代ならこれくらい出来ないと怒られるわな……。
ドラキュラシリーズの特色であるといっても、キャラ操作の鈍重さはここまで大きな欠点でもあったが、今作でそこは相当改善されたと言える。
サブ武器も何も変わらず(ここは変わってなさすぎと思った)存在している。故に言うまでもなく、今作のシモンは歴代最強である。遂に無双の時代、か……?
グラフィックやステージギミックも「これがやりかったんや!」という制作者の声が聴こえるほどに、ハードを活かして色々とやっている。喜ションゲーだ。
実際今作をプレーしていると、「SFCの匂い」が凄かった。……意味不明? いやSFCリアルタイム世代なら分かると思う。分かるといいな。分かってくれよ。
絵の発色やBGMの音源が、いちいちSFCなのである。あまりにも「それ」で笑えてくるほど。今作はある意味SFCを代表するゲームと言えるだろう。そうか?
SFCでROM容量が増加し、ステージ数が大幅に増え、ボリュームも十分。……パスワードセーブなのは御愛嬌。まぁ電池載せるほどのデータ量じゃないしな。
どこを切ってもパワーアップしか見当たらない、非常に理想的な上位機種版続編である。コナミもリブート作として自信満々に今作を売り出したに違いない。
……しかし実際にプレーをすると……なんか……乗らない? 大幅パワーアップは強く実感できるし、実際面白いのに、どこか淡々とゲームが進んでいく。
今作はボリュームこそ従来作より増えているが、分岐や別キャラの存在はなく、最初から最後まで一本道。これが冗長さを感じさせていることは否めない。
またシモンのパワーアップの影響か難度も低下していて、終盤までは寧ろ低難度アクションである。ボスは相変わらず弱く、初見ゴリ押しで勝てる奴ばかり。
ステージは増えたが雑魚敵が少なめで、炎吐き龍柱や斧投げ鎧なんかは「お前ら出すぎやろ」と思った。何度も何度も出てくる上、別に強くもないからな。
全体的にゲームが丸くなった。その意味でも今作はSFCゲーと言えるのかもな。当時ゲームは概ね世間に定着し、従来のギラギラさはもう不要になったのだ。
ここで今までのような極悪難度ゲーを出すのは悪手、丸めで豪華な作りによりファンの裾野を広げよう……上月景政率いるコナミはそう考えたのかも。
ただシリーズを連続してプレーした俺にとってはやや退屈なゲームになってるのは間違いない。プレーしてると割とハマれるのだが……不思議なものである。
収録作1ヌルい(2とドラキュラくんは除く)今作だが、最終面だけはさすがに本気を出してきて、出鱈目気味のギミックや連続ボスバトルが俺を苦しめた。
足場が斜めに動く箇所では理不尽な強制スクロール死を何度も強いられ、かなりムカついた。あそこだけは制作者のファミ魂が蘇ったかのようだった。
ボスラッシュは実のところ大して苦戦はしないが、連戦は精神的にしんどい。被ダメで天にワープして降ってくる骨野郎はランダム性が厄介だったな。
死神は最初こそカマの速度にビックリするが、鞭バリアで消せることに気付けば雑魚化する。それは言い過ぎだが、従来作の恐ろしさはとはかけ離れていた。
そしてラスボス・ドラキュラは……弱い。初代の悪夢の面影はまるでなく、色々やってくる攻撃はどれもヌルい。しかもなんと、変身さえしない。
またとある攻撃の弾を消せば、何と肉が出現する。もちろん取れば体力回復。その機会が3回くらいある。サービス良すぎで笑っちまったよ。
うーん、これはちょっとなぁ……あの悪夢を再現しろとは言わんが、これじゃ威厳も何も無いよ。ゲーム自体は長丁場だから時間かけて辿り着いたのに。
ドラキュラを倒すと多数の蝙蝠に分裂した後に陽の光を浴びて死ぬ(仮死?)。なんとも安っぽい終わり方だ。「復活確実な討伐」て虚しいもんだね。
自力クリアはキッチリ達成できたので個人的には満足である。死神とドラキュラをほぼ鼻歌レベルで倒せたのは今作だけだ。増長しよう。今だけは……。
・ドラキュラ伝説2
あの伝説の極悪ゲーにまさかの続編! 割と冗談でなく狂っているあのゲームの続編を出すという時点で狂っている!! また俺を狂わせようというのか!!
……とまぁビクビクものだったが、アレに関してはさすがにコナミも反省したようで、今作はまとなゲームだった。上月景政氏に怒られたと思っておこう。
というか、凄まじくパワーアップしていて驚かされる。発売は前作から2年後の91年、まだGBも3年目の時期にこれを出せる当時のコナミはやっぱ並じゃない。
まず鈍重過ぎた操作感に調整が入り、まだ鈍重ではあるものの、「動かすのが苦痛レベル」な前作よりは格段にやりやすくなった。これなら遊べる。
ジャンプもしやすくなり、落下死リスクが減少。ゲームでの落下死は自責感覚がないとな。またロープ移動の下降がボタン押しで速くなるのは快適である。
前作で削除されたサブ武器も復活! まぁ十字架と聖水だけだが、プレーの幅は大きく広がった。死ねば没収されるので無双プレーはなかなか難しいが。
そして前作の「被ダメで鞭レベル低下」の鬼仕様も調整され、対象が「特定の攻撃だけ」になった! そこらの蝙蝠に当たる程度ならレベルを維持できる!
その特定の攻撃は前作にもいた極悪雑魚・ミラーボール吐きマンの弾だが、今作では弾の速度が落ちていて、十分対処可能。親切すぎて怖くなるほどだ。
総じて納得の行くゲームになっている。これなら遊べるし、死んでも燃えられる。実にホッとする続編である。前作で狂った小学生もしょうきにもどった!
ステージの選択制も導入され、初期4ステージは攻略順を自由に選べる。……まぁ結局全部やらにゃならんし、難度も据え置きだから、あまり意味がないが。
4つクリアすれば悪魔城ステージ2つが始まり、ラスボスを倒してクリア。前作よりはボリュームアップしているが、それでも割と小規模なゲームである。
初期4ステージはほどほどの難しさと悪魔城らしいボスの弱さという構成で、格段に上がった快適性により楽しくプレーできる。……前作を知っていれば。
追加2ステージはそこそこ難度が上がるが無論前作レベルではなく、やはり楽しめる。前作の狂気がある意味今作の面白さを増している。これ怪我の功名?
……が!! やはり悪魔城はドラキュラ、このままでは終わらなかった。ラスボス及びその一つ前のボスがめっちゃ強い。狂気ではないが殺気満々だった。
ラスト前のボスは、何と「主人公の息子」。ドラキュラ伝説はシモンより前の時代の物語で、今作は前作の15年後らしい。その間後継者が生まれたようだ。
……のだが、クリストファーの血を継ぐ息子、ドラちゃんに洗脳されて襲ってきました。このバカ息子がぁーー!! と鞭で再教育を施す親父であった。
といっても息子、強い。攻撃や動きは親父と似たようなものだが、向こうには敵キャラの特権・接触攻撃がある。触れればこっちだけが痛い。ズルいよなぁ。
倒せないわけではないが、きっちり攻略を練るためにはかなりの回数の試行錯誤が必要だろう。やるじゃない息子。総合的には今作最強のボスだと思う。
幸いコンティニューで近場から始められるから、再挑戦の苦はそんなにない。戦闘前の演出が長く、それはかなり鬱陶しいが。ええからはよシバかせろ。
何とか息子を倒せば、元凶たるドラキュラとの決戦だ。時を超え場所を変え血を継ぎ、俺は何度お前と戦うんだろうなぁ。最早喧嘩友達……?
さて今作のドラキュラだが、「完全覚えゲーボス」である。行動は「出現→弾発射→ワープ」の繰り返しで、その出現箇所もパターンが完全に決まっている。
弾が大きいので最初は「こんなの避けられるわけねーだろ!」と思うが、全てが決まっていることに気付くと、安全地帯が見えてくる。それを利用するのだ。
さすれば「出現時に頭を一発殴る→安全地帯に退避」でこちらもパターンが完成する。あとはこれを繰り返せば、今回もドラキュラはおねむの時間へ。
まぁこちらは人間のやることだから2度3度ダメージを食らうこともあるが、5回くらいは耐えられるから大丈夫。歴代の悪魔たちと比べたらベビーサタンよ。
第二段階もなく、倒せばバカ息子といつもの絶壁からクリアを堪能する。いやーなんつーか、今作は収録タイトルの中で一番まともなアクションだと思う。
簡単すぎず難しすぎず、理不尽さなくボリューム適度(GB基準)。その意味ではシリーズでは異端と言えるかもしれん。どんだけやねん悪魔城シリーズ……。
・バンパイアキラー
最後はシリーズで最も無名だったかもしれない一本。メガドライブ、それも末期の市場で発売された。……そら売れんわ。プレミア化も頷ける話である。
俺はプレミア化したことで今作を認知したが、当時は存在さえ知らなかったと思う。サターンだPSだの世相で誰がメガドラの悪魔城に注目するのか。
このコナミの判断には首を傾げざるを得ないが、まぁ今更だ。今回コレクションに収録されたことでプレーが可能になり喜んだファンは多いと思われる。
内容に奇をてらった部分はなく、普通に「悪魔城をメガドラで作った」感じだ。無論遊べる。……メガドラパッド(初代)だと大変かもしれんが……。
ちなみに「バンパイア」と書くのはセイヴァー野郎として嫌なのだが、これが正式名称だから仕方ない。鞭や曲名は公式名称が分からんからヴァにしといた。
ムカつくことにメッセージは全て英語で、さっぱり分からんかった。2と違って純アクションだからプレーでは困らないが、当時これは幾ら何でもない。
最初からメガドラがまだしも売れていた北米市場向けに作ったということだろうか? だったら日本未発売にままにしときゃ……それはそれで問題か……。
発売が収録作の中では一番後とあって、完成度も一番高い。グラフィック、ギミック、キャラの動き等、熟練の2D技術を感じさせる。テキトー言ってる。
今作は主人公が2人いて、最初に選択することになる。そのまま最後までそのキャラだけでプレーし、途中交代はない。あってもよかったと思うが……。
一人は当然ながら鞭使いだが、何とベルモンド一族ではない。しかし使う鞭はヴァンパイアキラー。……盗んだ? どうも「血の輪廻」と繋がってるらしい。
ドラキュラシリーズはアクションゲームあるあるの設定テキトー系だからどうでもいいのかもしれんが、ベルモンド以外が鞭を使うのは嫌やなぁ……。
もう一人は完全新キャラの槍使い! こちらは専用攻撃の「垂直ジャンプアタック」が超強い。なんと動作中完全無敵(多分)。悪魔城シリーズとは思えない。
これにより移動や上方向への攻撃はもちろん、長い無敵時間を使った回避としても非常に使える。ハッキリ言って今作、鞭使いの立場がない。悪魔城なのに。
ゲームの完成度は高いが、槍使いの特殊攻撃だけは明らかに調整が間違ってる。つっても封印するのもアホらしいから使いまくった。非常に便利だった。
一応鞭使いにも特殊技はあるが、一部の場所でSFC版にもあった振り子移動が可能というだけで、差別化出来るようなものではない。ほんま鞭使い涙目ゲー。
とはいえゲーム難度はそんなに高くないから、どちらを選んでも普通に遊べる。まぁ鞭使いは終盤がキツいかな。なんでコイツには無敵回避がないのか……。
ただ厄介な仕様があって、今作はコンティニューがたった2回しか出来ないのだ。それを使い切って死ねば、無論ゲームオーバー、最初から。厳しすぎる。
今までは極悪難度でも「コンティニューだけは無限」の不文律があったのに、何故いきなりこんなことに? その意味じゃ今作は難しい悪魔城と言える。
が! コンティニューを使い切って死んでも何故かパスワードは表示され、それを入力して再開すれば続きを始められるのである。……意ー味ないじゃん!!
なのでゲームオーバーになったらパスワードから再開しましょう。終盤のボスラッシュはなかなか苛烈で、そこから一気に残機が減っていくだろうから。
あと今作は回復を古き良き隠し肉で行うのだが、この肉が異様に少ない。中盤以降は1個も見かけなかったほど。つまりHP回復手段がステージクリア以外にない。
被ダメ目盛りは少なめだから意外と何とかなるのだが、「回復手段がない」というのは道中のストレスとしてとても強い。違う方向性で難度を高くしてるな。
終盤のボスラッシュはしんどいが、ちゃんと戦えば攻略が見えてくるタイプばかりでホッとした。終盤ボスのバランスは今作が一番良かったかもしれない。
槍使いの方で自力クリアはしておいた。鞭の方は飛んでる奴が多い終盤ボスラッシュが面倒でしんどい。強化状態を維持できれば楽に勝てると思われるが……。
今作は武器を最大まで強化するとオーラ状態になり非常に強いのだが、一発ダメージを食らうと解除される。悪魔城の「上手い人が得をする」哲学は健在。
でも俺はその仕様はドラキュラ伝説の悪夢を思い出ささせるからやめてほしかった。けどまぁあの状態を簡単に維持できたら強すぎるからね。仕方ない、か。
完成度は高いもののゲームの起伏は小さく、極悪難度でもないので、印象は薄めのゲームだった。やはり悪魔城は尖っていてこそ、なのか……?
ふぅ。全8タイトル、全てプレーし、2とドラキュラ伝説以外は自力クリアした。ちなみに実績はクリアネタばかりなので自然に1000コンプ出来た。満足である。
「悪魔城の初期タイトルを知りたい」という思いは完璧以上に達成できたと言える。過去やれなかったなら今やればいい。昭和は我が手に戻りけり。そうか?
実はプレーしてからこれ書くまでにかなり時間が経っていたので、もう1回再プレーしたのだが、それにどっぷりハマってしまった。英語2以外全タイトルで。
今の俺はもう立派に悪魔城ファンであり、ドラキュラ筋肉バキバキだ。はっはっは。未プレーコンプレックスなどもう微塵もない。劇的な大変化である。
ちゃんと一本一本を丁寧にプレーした(海外版2除く)甲斐があったな。……難しさに負けなかったのも偉い。ほんまなぁ。特に初代のドラキュラは……。
悪魔城シリーズの凄さ、理不尽さ、無茶苦茶さ、そして何より面白さを体に叩き込めた充実のプレー体験であった。これで何の憂いもなく"先"に進める。
そう、まだまだ未プレーの悪魔城シリーズがたんまりある。月下の夜想曲と血の輪廻セット、HD、3D化したPS3版、GBAやDS版のセットもの……
今までは「初期を知らんから……」で避けてた幾つものタイトルを今は堂々と手に取れる。実に気分がいい。道が開けた。こんなに嬉しいことはない。
ま、焦らずのんびりじっくりやろう。ファミコンから続く比類なき重厚アクションシリーズ・悪魔城ドラキュラのファンになれた喜びを噛み締めて終わり。
ドラキュラは何度でも蘇る。倒しても無駄かと思うほどに。だが、それでいい。何度でも甦るがいい。この俺が、何度だって倒してやっからよ!!
けどそんなドラキュラさん、実は最近は蘇ってない。復活セットこそ出ているが、シリーズの新作はないのだ。うううむ。時代的に難しいのか……?
そんな心配をしている俺に、「悪魔城ドラキュラ」のニュースが舞い込んだ。うおおお、ハードは何だ!? 2Dか3Dか!? 発売時期は~!?!?
……ミュージカル化でした。どんがらがっしゃーん。いやまぁ、別に他ジャンル展開はいいですけどね。別にね。上月景政氏がゲスト出演したら俺も観るけどね。
はぁ。
拍手を送る
そして思った以上に多作ですね、悪魔城ドラキュラ
狂った難易度、毎回同じラスボスなどロックマン(というかロックマンX)シリーズとかなり似たものを感じました
実際、ロックマンXシリーズと比べた時にotaさんの肌感だとどちらの方が難易度高かったでしょうか?
文章から受ける印象だとロックマンXの方が苦しんでたような気もしますが…
作品数は多いけどナンバリングがないのと「キャッスルヴァニア」名義も含まれているので把握しにくいですね。
2Dタイトルは概ね現代環境に揃ったようなので、今後は64版等の3D系が待たれます。あ、もちろん新作も!!!
あー、同時期、同ジャンル、そして高難度ということで確かにロックマンはプレー感覚が似ていました。
悪魔城はロックマンよりゲームの規模が小さく、ボスも中盤までは寧ろ弱いので、総合的にはロックマンの方が難しいと思います。
一方悪魔城はE缶のような補助アイテムが皆無なので、より繊細さを求められる部分があります。ロックマンはその気になれば回復ゴリ押しも可能なので。
まぁ「ドラキュラ伝説」だけは別格でしたが。あれはゲームうま男のサクさんでも絶叫すると思いますよw 本当に狂った難度でした……。
前から読んでいますが、すごく長い歴史のあるブログで読み応えがすごいです!
更新楽しみにしてます!
今となっては、スポーツジムかスマホゲーのイメージしか無いですが、昔は良質な横スクアクションをたくさん出してた良い会社でした。FC・SFC辺りはボタンを押す快感を提供するのがカプコン、任天堂と同じぐらい分かってるソフトばかりで好きでしたね…
悪魔城ドラキュラについてですが、初代とGB1と月下をやったことがあります。初代はおどろおどろしい雰囲気とカッコイイBGMで虜になってました。ただ、GBはotaさんもおっしゃってるように操作性が酷すぎて話にならなかったですね…月下はどちらかというと、悪魔城の延長というより、メトロイドと同じようなジャンルということでプレイしたので、探索を進めながら徐々にアクションが増えていく楽しさが印象的でした。やられた時のノックバックが少しストレスでしたが…
このコレクションはXXと月下は収録されてないのですね。確かそちらのコレクションもあったと思うので、また落ち着いたらプレイしてみてほしいです。ありがとうございました。
>今回も素晴らしいレビュー記事をありがとうございます!... への返信
ありがとうございます!
今後もテキトーに更新していくのでよろしければお付き合いくださいませ。
>こんにちは。... への返信
ミッチェルさんこんばんは。
>今となっては、スポーツジムかスマホゲーのイメージしか無いですが、昔は良質な横スクアクションをたくさん出してた良い会社でした。
そうなんですよね……野球とサッカーゲームは続けていたけど、他は軒並みやめて今は何をして食ってるのか分からん会社なイメージですw
初代悪魔ドラキュラや悪魔城伝説のような技術も情熱もバキバキのゲームを作る気はもうないのかな……。
>悪魔城ドラキュラについてですが、初代とGB1と月下をやったことがあります
うお、GB1の経験ありですかw あれにGB実機に触れた人はそれだけで凄いと思います。あの地獄のジャンプをGB液晶でやるって……。
>このコレクションはXXと月下は収録されてないのですね。確かそちらのコレクションもあったと思うので
はい、それをプレーする予定です。月下は発売当時から嫌になるほど好評を耳にしているのでw、やっと触れる状態になれたと思うと嬉しいです。
探索型のゲームで、失敗した「ドラキュラ2」の理念が結実した一本という側面もあるみたいですね。