腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

Ever17 ~the out of infinity~

2009年02月14日 01時39分43秒 | PS2ゲーム感想文
今は亡きギャルゲーメーカー、KID。
ギャルゲだけを作ってたわけじゃないが、KID=ギャルゲ 
に異論を唱える者はいないだろう。
考えてみれば、ギャルゲを主軸に広く名を売った
メーカーはKIDが最初で最後ではなかろうか?
惜しい会社を亡くしたものだと思う。

そんなKIDの代表作は、言わずと知れた「メモリーズオフ」シリーズだ。
異論はないだろう。異論は認めない。代表作なんだよ!

で、メモオフに次ぐもう一つの柱が、
「infinity」を皮切りに始まった「ループもの」シリーズだ。
こちらはシリーズと言ってもタイトルが違うが、「ループ(のようなもの)」
を作品の中心に添えるという作りは一致している。
そのループものの第二作が「Ever17」である。
KIDゲームの代表作はメモオフシリーズだが、
「最高傑作」を問われれば、多くの人はこの作品を挙げるのではなかろうか。
それくらい、高評価を得ている作品である。
単純に、批評サイト「PS2 mk2」にて、最高のSランクを獲得している。
色んな事情を考慮しても、これは大した高評価である。
シリーズ第一作(のリメイク)「Never7」は去年プレーした。
なら、やるしかないだろう。
どれほどのものか、見せてもらおうではないか。



ところで。
俺はこのダラダラブログ、「読まれること」を意識して書いている。
「誰が読んでんねん」というツッコミはさておき、誰かが読むことを想定し、
なるべく俺の言いたいことが伝わるように考えて書いている。
まぁ、全然効果が出てないのだが。

しかしながら、こと内容に関しては完全に好き放題書いている。
「これを読んで誰かが不快に思うだろうか」とか、そんな事は一切気にしてない。
言いたいことを一方通行で書く。それでいいと思っている。
よって「ネタバレ」に関しても一切気にしていない。

だがこの作品は、その良さがあまりにも「ネタ」に依存しているので、
ここでネタを知ってしまうと、楽しみは半減どころか壊滅すると言っていい。
よって、もしこの作品を未プレーで、今後プレーする可能性が1%でもある
と思っている方がいらしたら、この先を読まずにブラウザを閉じることを強くお勧めします。
いやマジで。多分これ一本でしか味わえないネタだし。
ちなみに新廉価版がPS2で発売中(2000円以下)。
また、新OP等を搭載したPSP版が4月に発売される。
うん。宣伝。誰に?

ま平たく言えば、↓以下ネタバレってやつです。
平たく言えや阿呆。













オッケ。
続ける。

いやぁ、俺も例外じゃなく、やられたわ。
ここまで「引っ掛かった」作品も珍しい。
シナリオ、グラフィック、台詞、
更にはゲームの説明書までが俺を欺いていた。
その全てがゲーム終盤に収束し、迎える大団円。
見事ナリ。さすがはKID最高傑作である。

最初から「謎の事故」「記憶喪失の主人公」「ループもの」
といった、嫌でも謎の答を色々考えてしまうネタが与えられている。
そして当初の4キャラ分のシナリオを進めると、そこで判明する事実もあるが、
実際はますます謎が膨らみ、プレーヤーは混乱する。
その過程で自分なりに様々な予想をするだろうが、まず当たることはないだろう。
ちなみに俺は、ココが沙羅の子供の頃だとか思っていた。
ものの見事にやられていたよ。あはははは。

何より優れていたと思うのが、「主人公=自分 の姿が確認できない」
という、ギャルゲにおけるお約束を最大限に利用していたことだ。
これは間違いなく、「ゲーム」でしか実現出来ない手法である。
仮にアニメや漫画でこの作品を作れば、2秒でネタが割れてしまう。
無理にそれらの手法で同じ様に主人公の顔を隠そうとしても、
結局不自然さが目立つことになり、受け手を騙すことなど不可能に違いない。
ゲームでしか、できない作品。
俺が常に希望している「ゲームとして面白いギャルゲ」は今回も叶わなかった。
選択肢やEDの数がメモオフ等と比べて激減しているので、
寧ろ更にゲーム性は薄まっている。本当に、読む(聞く)だけだ。
しかしながら、決して他のメディアでは表現できない、
まさに「ゲームだけ」の作品。ゲーム。
「ただ読むだけじゃん、ゲーム性無さ過ぎ」と言えば、その通りだと思う。
だが「こんなの小説でもいいじゃん」ということは決してないのである。
これこそが、KIDの出した「ゲームと呼べるギャルゲ」の答えなのではなかろうか。

……問題は、一回しか使えないネタだってことだな。
残念ながら、発展性もないし。
Ever17は大いに認めるが、俺はこれが「答え」だとは思えない。
やはりもっと「ゲーム」を頑張って欲しい。
もういい飽きたが、ギャルゲをやる度、何度でも言おうと思う。
「YU-NO」はな、あれはな、物凄く、面白かったんだよ……。


クリアーしたんで各所のレビューを読んで見た所、
シナリオの完成度は誰もが絶賛していたが、一方でそれに至るまでの
展開の退屈さ、ギャグのつまらなさを多くの人が指摘していた。
まぁ確かに、ココ編に以前の4人のシナリオは、やや退屈である。
展開に被る部分が多いこともそれを助長している。
まぁその「被る」ことも伏線の一つだと後で気付くことになるんだが、
やってる最中はただダレるだけでしかなかった。
それに、最後に謎は収束するが、逆に言えば途中までは
増える一方の謎にの不満がどんどん溜まっていく。
なのにシナリオはダラダラしている(ように感じる)から、
余計に退屈だという印象を受けてしまうのだろう。
終盤の疾走感をもう少し散りばめて欲しかったと思う。


シナリオが「ネタばらし」に収束するので、大団円を迎える
最終EDも、ギャルゲ的に「感動する」というものではない。
スッキリした気分にはなれるだろうが、あのEDを見て泣いたという
プレーヤーはあまりいないものと思われる。
衝撃は衝撃だが、精神的に響くタイプのものではないのである。
かつて「EVE」の真相を最後の最後で知った時の
衝撃は今も忘れられないが、ああいうタイプのものではない。
ギャルゲ的感動を求めていたら、そこには不満を覚えるだろう。
そもそもギャルゲかどうかも微妙だが。



個人的に思った突っ込み所を幾つか並べる。
俺のシナリオの読み込みが甘いだけかもしれんが。


・少年(桑古木)は何故記憶喪失に?
かなり重要な謎だと思うのだが、俺が読む限り、明かされていなかった。
創作物では非常に有り触れた設定だが、現実には記憶喪失なんて
そうそうなるものではない。なれるものではない。
なってしまったのなら、その理由くらいは説明すべきではないか。
うーん。

・つぐみの服装が変わらないのは何故か
LeMuの内装やスタッフの制服が変わっていないことは、この際目を瞑る。
しかしつぐみが17年前と全く同じ服を着ているのはかなり不自然だと思う。
まさか武らに再会することを考えて用意したとも思えんし。
あれだけの仕掛け、やっぱどこか無理矢理も生じてくるというものか。


・倉成武と桑古木の声が同じなのは何故か
偽武と少年(桑)は、同一人物なんだから当然だ。
だが本物の武まで同じなのはどうなのか。
声優を使い回すにしても、声色くらい変えたらどうなのか。
武をとことん演じる為、似た声色だった桑古木が練習して
武の声を真似た……とも考えられるが、「完全に別人」なんだから、
寧ろ全く違う声優を用意した方が自然だったと思う。
シナリオとしても、武(真)の声を聞く頃には真相が分かってるし。


・ココがIBFに招待されたのは何故か
ライブリヒ製薬極秘中の極秘施設に、ただ「関係者の家族」
というだけで招待されるってどういうことだ。不自然すぎる。
まして、研究してたのは致死性最悪のウイルスだぞ?
それを世間には秘密で研究してるんだぞ? とんでもない悪行だぞ?
ココ父は至極穏やかに娘を呼んだようだが、理解不能である。
まさかココの超能力を研究する為だったわけでもないだろうし。
また、ココがTBに感染したのも非常に不自然。
結果的にゲーム開始時に漏れてしまったとは言え、
それまでは厳重に厳重を重ねて管理していたはずだ。
なのに、ただの見学者が何故あっさり感染している?
んな自由に研究所を動き回れたはずもないし。
そしてココは、何故作中でIBFの存在を一切語らない? 父を気にしない?
仲は良かったようだから、LeMUより更に深い場所にいる父が
無事でいるか気にしないのが不自然でならない。
第三の目能力を使って父の死を知っているなら、今度はあの能天気さがが不自然。
つーかココの第三の目能力がどれほどのものかが分からんのがなぁ。
うーん。


・キュレイ問題が未解決
つぐみは当然として、優春・桑古木・武・ココも感染。
ある意味ティーフ・ブラウより遥かに過酷なウイルスなのだ。
普通に考えれば、今後まともに老いていくホクト・優秋・沙羅らと、
それ以外の彼らが正常でいられるとは思えない。
作中で完全解決しろとは言わんが、
光明くらい見せてくれれば良かったのではないだろうか。
個人的には、ティーフ・ブラウの致死性とキュレイの永続性が
互いの特性を上手く潰し合って問題解決~~なんて展開を予想していた。
いやぁ俺様、ものすごくご都合主義だね。
でもちょっといい考えだと今でも思っている。



など。
シナリオの完成度が高いだけに、突っ込みたくなる部分は目立ってしまった。
むむむぅ。まぁ、多くは言うべきでない、か。
このゲームの仕掛けが超一級であることは誰も否定できないだろう。
もうそれだけで、このゲームは賞賛されるべきなのだ。
ゲームというメディアを活かした、一回限りの大魔術。
面白かったよ。




ギャルゲでもあるので、キャラ評を語りたくなるのも当然。
以下に書く。男キャラも含めて。照れはない。
なんたって、俺もこの世界の関係者なんだから。
決して他人じゃないんだぜ?
むけけけ。



・田中優美清秋香菜

正確には親の名だが、説明書読んだ時点で、名前を「何かの誤植か?」と思った。
取り敢えず初見のインパクトは十分の掴みネタである。
しかしこれもまた、このゲームに張り巡らされた壮大な
仕掛けの一部だったんだからなぁ。つくづく、上手いわ。
知的だったり乱暴だったりお姉さんだったり甘えたり、普通のギャルゲキャラ。
取り敢えずシナリオ上では凝った設定も露骨な萌え表現もないので、
安心して楽しむことができる。
優春によって、自分と直接は関係のない因縁に巻き込まれたんだから、
実は純粋に被害者なのかもしれない。まぁいい経験にはなっただろうが。
ホクトとくっ付くのはちょっと吊り橋が過ぎる気がしたが、
エピローグではその後も仲良くやってるようなんで、まぁいいんだろう。


・松永沙羅

発売前アンケート等では一番人気がありそうなキャラ。
総合的に見るとツンデレキャラになるんだろうか?
途中までの態度と終盤の「お兄ちゃん」「パパ」が違い過ぎる。
「お兄ちゃん」需要はココで満たしてるんだから、沙羅は
「兄さん」等でも良かったんじゃないかなぁ。
正直、ちょっとくどいと思ってしまった。
幼少の頃からライブリヒによる非道な扱いを受けていたようだが、
つぐみと違ってキュレイはなく、特殊能力は赤外線視力くらい?
まぁ天性のハッカー才能があるようだが、それでもわざわざ
拉致して研究するほどの能力とも思えない。
何故ライブリヒに捕獲されていたのかが分からん。
まぁ何にせよ、辛い生い立ちだったのだろう。
優秋と会った頃からは割と楽しく生活していたようなので、
一気に増えた肉親共々、これから幸せに暮らしてもらいたい。
ラブコメ相手がいないが、ここはやっぱファザコンの線で行くべきだな。
ブラコンは不可。ホクトにゃ優秋いるし。
武ハレイムが真のハッピーエンド。



・茜ヶ崎空
ガキばっかの登場人物の中、チャイナドレスの24歳お姉さん!
もう説明書読んだ時点で俺のヒロイン認定したね。
しかしまさかの立体映像。
偉大なる祖・HMX-12を皮切りに、いやそれ以前から「機械の体」設定は
珍しくないが、立体映像じゃ触れることも出来ないよ。畜生。
そこに目を瞑れば……瞑ると空は消えてしまうのだが……良いキャラ。
倉成先生との会話や時代を先取りしたヤンデレ描写は楽しめた。
ラストの、知るはずのない「ポチッとな」を知っているという
仄かな不可思議描写もいいスパイスになっていたと思う。
34年の実体は、要するに技術の進歩で機械の体が可能になったってことだよな?
まさかピグマリオン伝説よろしくガチ人間になれたわけはない……よな?
ED後の身の振り方が気になるのう。



・小町つぐみ
「よくあるツンデレだな」としか思っていませんでしたすみません。
無愛想を通り越して不快な態度にはちゃんと理由があったのだ。
特に少年編は、かなり複雑な心境で動いていただろうなぁ……。
事件の解決に力を尽くしたのは優春・桑古木の二人だが、
最も苦労をしたのは間違いなくつぐみである。
生還後の生活が語られるシーンは、このゲーム最大の泣き所である。
所謂「ギャルゲ的泣き」ではあったが、グッと来た。
武を失い、表の世界で生きられず、極貧だが、最愛の子供達との
生活は幸せそのものだった。……うう、ええ話やぁ。
ライブリヒ製薬許すまじ。これがアクションものの作品なら、
ライブリヒをぶっ潰す続編が出るんだろうけどね。はぁ。
人生40年以上の殆どをライブリヒに苦しめられてたんだからなぁ。
せめてED後は、これまでの分を取り戻すべく幸せになってもらいたいもんだ。
……が、上にも書いたが、キュレイの問題については全く解決していないわけで。
周囲の目を考えれば、結局表の世界で平穏には暮らせないだろう。
どうする、のかなぁ。
同種となった武と延々イチャイチャ?
それが幸せならそれでいいと思うが……むぅ。

ところで、つぐみのペットのハムスター、チャミ。
コイツが出てきた時は驚いたよ。
と言うのも、俺の家で飼ってる猫の名前もチャミだから。
なんちゅーか、自分の名前がフィクションに登場した時に
近い嬉しさを感じた。下らないけど、嬉しいもんだよ。
ちなみにウチの猫のは「チャーミング」から取ったわけではない。
「その意味にもなるな」と妙に感心した。



・田中 優美清春香菜

説明書のキャラ紹介でトップを飾っているのに攻略不可能という前代未聞のキャラ。
まこと、このゲームの騙しっぷりは凄すぎる。褒め言葉だよ。
考えてみれば、一枚絵CGも殆どが娘のものなんだよな。
作中一番頑張ったキャラなのに、ちょっと可哀想である。
LeMU内での性格は娘とほぼコンパチ。悪い印象はまるでない。
バッドEDで武に告白したことにはかなり驚いたんだが、
そんな雰囲気あっただろうか? 色々相談はしてたけど。
17年間、子育てに研究に裏工作にと、
多岐に渡って物凄く苦労したことは想像に難くない。
それは武への想いゆえ? だとしたらイカスなぁ。
キュレイ接種により心臓病が完治したので、
その礼の意味も合ったのかもしれない。
もしかしたら、キュレイの解決法も、彼女が発見するのかもな。
大人びた雰囲気と20ちょいで加齢が止まった34年での姿はかなりいい。
さすがにまだ武に未練があるとは思えないが、あってほしいなぁ。
いちいちハレイム展開を望むのは本当に俺らしい。
でも、その匂いは十分ある世界だもんなぁ。




・桑古木 涼権

このゲームにおける「驚きの名前第一位」は、優親子じゃなく彼だと思う。
判明した時は思わず「はぁ?」と言ってしまったよ。
他のキャラは極々普通に読める名前なのに、彼だけ非常に変わっている。
もちろん変わった名前が悪いとは言わないが、ゲームの雰囲気からは異常に浮いている。
もうちょっとこう、しっくり来る名前を用意してやれなかったのか。
キャラとしては、優春と並んで事件解決に尽力したので、好感度は高い。
現場で騙す立場にあった事を考えると、本当に大変かつ辛かったに違いない。
特につぐみに対して、罪悪感が強かっただろうなぁ。
惚れてんのがココだけに、ED後にくっ付くのはちと難しい……か。
プレーヤーの知る34年での姿は武を演じていたわけで、
素の34年涼権はどういう人物なのだろうか。
意外と落ち着いた人間だったりしてな。
ココを娘として養ってやれよ。んで優春にアタックしろ。
そんなことばっかり心配してしまう。


・倉成武

登場人物全員に強く好かれるという、すごい漢。
物語がメインであり、ギャルゲ要素の割合は低い作品だが、
そういう意味では実にギャルゲ主人公的である。いいなぁ。
裏表なく熱い性格で、今時珍しいかもしれない
「自分の命と引き換えに女を守る」をやってのける。
誰もが彼を救おうと動いたことは必然だったのだろう。
だがゲーム開始前は何の変哲もない20歳の大学生なんだから、
34年の世界における環境を受け入れられるか少々心配である。
余計なお世話か。でもいきなり同年代の嫁と子供って……。
つぐみとの合体シーンは非常に唐突に挿入(シーンが、という意味な)
されたので、興奮も何もなく「えぇ!?」と驚くだけだった。
しかしちゃっかり中出ししてるんだから、コイツも若い男か。
要所要所では頑張ったが、長く辛い思いをしたわけでないので、
その点では優春やつぐみに比べて恵まれていると思う。
持ち前の明るさで現状を受け入れ、生きてってくれ。
今作は俺もキャラ達と無関係じゃないだけに、応援したくなるなぁ。



・八神ココ

非常にギャルゲ的な「無理のあるロリっ子」。あんな14歳がいるかいや。
普通に10歳くらいにしてりゃまだ説得力あるのに。野暮か。
見た目・性格・説明書におけるキャラ設定・最終シナリオ担当といった
扱いから、絶対に「悲惨な過去=泣ける展開」があると思っていたのだが、
別に悲惨ではなかった。少なくとも、他キャラに比べては。
最終シナリオは「ココ編」だが、重点は徹底的に謎解きに置かれており、
別にココの何かを掘り下げるシナリオではない。
ヒロインとしては最も目立たないキャラだと思う。
ED後は、どうなんかなぁ。
桑古木とくっ付くという展開はちょっと考えにくい。
つーか俺様と恋仲らしいが、ごめん遠距離すぎます。
まぁ幸せにやったんさい。
正直、肩透かしなキャラだったんだよなぁ……。



・ブリック・ヴィンケル

またの名を俺。ちょっと違うか? まぁ俺。メタフィクションってやつだな。
時間・空間をものともしない四次元存在。
そんなのを「騙す」というのがそもそも可能なんだろうか。
本当に四次元的に「見て」いたのなら、武や少年の顔が
過去と現在で違うことはすぐに分かるはずなのだ。
野暮か。もう言うまい。
物語の仕掛けには大いに感心したが、メタネタが面白いとは思えない。
かつて「パンツァードラグーンRPG」「バテン・カイトス」等でも
かなり露骨にメタネタが登場したが、それを面白いとも思えなかった。
悪戯に採用すると、フィクションに触れているユーザーを
を白けさせる危険なネタだと俺は思うのだ。
まぁなんちゅーか、あまり多用はしないで欲しいな。
ココよりも空と恋仲になってほしかったな。
はぁ。
EDのラストで盛大にバイバイされた。
俺と彼らの接点はもう切れたのだ。
そして俺の目の前に広がるのは、どうしようもないほど強大で強固な現実。
あの世界では無敵の四次元存在でも、こっちじゃただの……はぁ。








んなとこ。
KIDの最高傑作、とくと見せてもらった。
細かい不満をグダグダ述べるのは俺の特性だから気にすんな。
全体的には肯定してるよ。
……正直、絶賛、とまではいかないけど。

さて、Never7に続き、Ever17もプレーした。
そしてループシリーズ第三作「Remember11」も既に所持しているのだ。
この作品は、前2作を上回る「あっ」と驚く仕掛けを用意しているらしい。
嫌でも期待が膨らむというものではないか。
すぐにではないが、そのうち開始する。
どんな仕掛けかは知らんが、頑張って俺を驚かせ、感動させてくれ。
そしてそれが、「ゲームならでは」のものであれば最高である。


Ever17は良作だった。何より「ゲームならでは」の良作であった。
今作を肯定することは、ゲームというメディアを肯定することに繋がる。
ゲームがなければ、ギャルゲの歴史がなければ、Ever17は決して生まれてはこなかった。
比類なき人生の無駄であるこの腐れ娯楽にも、意義はあるのだ。

そんなのどうでもいいって? ごもっとも。
ただの娯楽だ、気楽にやろう。
でも第三視点により、ゲームをより高次元から考察する俺は……!!

やれやれ。
一生言ってろ。
言ってる。
了。











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2 コメント

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Unknown (出之)
2017-01-14 08:29:39
これ!!
本作はもうだめ!!
あかん!!
完全敗北!!
だってどうせいと、
ADVのみならずゲームというメディアによってのみなし得た燦然と輝く不朽の金字塔、
騙されたと思って黙ってココ編まで進めてみて、

っていう評価それ自体が盛大なネタバレで、
え、唯のヌルギャラゲじゃないの?

っていう序盤のプレイフィールからのあうあうって。

当時完璧に白紙の状態でプレイ出来た人、
人生稀有の幸運で、
後に渇きに苛まされる不幸でしたね。
未だ本作を越えるタイトルは無いでしょう。
勿論シュタゲは頑張ったし数字では隔絶してるでしょうけど。
返信する
Unknown (ota)
2017-01-14 22:17:56
今作は内容もさることながら、「薦めにくさ」でもゲーム史に残る一本ですよね。
「とにかくやってみてくれ」としか言い様がない。何とも難儀なゲームです。
製作者によると、今年2017年に何か動きがあるらしいんで、ちょっと期待してます。
返信する

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