腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

スーパーモンキーボール 特盛あそビ~タ!

2015年08月30日 21時40分04秒 | PS VITAゲーム感想文
俺に多い「タイトルは知っていたが、積み重なっていく続編に躊躇していたらはや十数年」なシリーズである。
比類なきニンテンドーゲームキューブのロンチだったから、その時点で印象には残ってた。元はアーケードゲームらしいが。
その後も色んなハードのロンチで見かけた記憶がある。「作りやすいゲームなんだろうなぁ」と思っていた。
タイトルからしてライト気味なアクションパズル? を想像していた。まぁ好みのジャンルだが、買う気にまでは至らなかった。
それが、今年の正月だったかな? VITAのDL版セールをやっていて、これが500円。ビクンビクンと来たね。ポチ。
VITA版はほぼシリーズ最新作だから、完成度も相応に高いはず。これぞ好機。今しかない。
かくして「スーパーモンキーボール 特盛あそビ~タ! 」を購入したのであった。……タイトルは、スベってるね。やれやれ。

ゲームを始める。するとすぐさま、このゲームの非常にダメなところが発覚する。「タッチ操作の強要」である。
今作には様々なゲームモードがあり、となればプレー前にそれを選択することになるのだが、操作がタッチのみ、なのである。
タッチ操作があるのはもちろんいいが、「普通」にボタンにも対応させればいい。簡単なことだし、「普通」はそうする。
なのにこのゲームは何を考えているのか、タッチ操作しかできない。眩暈がするほどアホらしい。これ決めた奴は死んでいい。
この手のアホインターフェースは、NDSやWiiが流行り始めた頃にポツポツあった。「新しいから」と不便を強要する無能仕事。
従来のやり方がいいという者もいるのだから、両対応にすればいいだけの話だ。ゲーム内容ならともかく、これはメニューの話である。
旧ハードで繰り返した愚行を何故新ハードで繰り返すのか。この時点で製作者のセンスにかなり疑問を抱いた。はぁ。

インターフェースに萎えつつ、ゲーム開始。……そして、驚く。ここまでシンプルなゲームだったのか、と。
今作で操作するのは、キャラではなく地面、ステージ。左スティックを回して地面を動かし、モンキーボールを転がす。
操作は、以上。他のボタンはメニュー表示のスタート以外一切使わない。左スティックでステージをゴロゴロしてボールを転がすのみ。
「簡単操作」なゲームは数あれど、ここまでシンプルなものも珍しい。当然、今作は誰にでも理解できるゲームであろう。

……が。「シンプル・イズ・ベスト」が必ずしも真理ではないのがテレビゲーム。正直、物足りなかった。
やることは猿でも理解できるが、ゲームは仕事じゃない、娯楽だ。「簡単」がイコール面白さと繋がってるとは限らない。
本当に、どこまで行ってもやることはステージを傾けるだけ。ちなみに自在に動かせるわけではなく、角度で上限20度くらいか。
プレー中、ジャンプボタンが欲しい、右スティックで視点を動かしたい、と何度も思った。実際視点変更は何故ないのか理解不能。
けどもちろん全ては不可能。今作は異様にシンプルな操作性の割に、プレーしていて非常に窮屈に感じてしまうゲームである。はぁ。

行き過ぎたシンプルさは、キャラにも表れている。今作は中に猿の入ったモンキーボールを転がしてゴールへ導くのが目的だ。
その猿は、主人公の「アイアイ」、ヒロインの「ミーミー」ら何匹か用意されているのだが……信じ難いことに、性能差はない。
力持ちだの子供だのタイプがあるのに、ボールのパワーが強いとか軽くてよく跳ねるといった違いはない。どのキャラどのボールも同じ。
プレー前にキャラ選択があるのだが、ただ見た目が違うだけ。それも基本後姿だ。一体何なんだこれは。理解できん。
これならキャラなんか用意せず、ただ球を転がすだけの方がマシだったのではなかろうか。あまりにも「設定」に意味がない。
メインモードには、ストーリーがない。ステージをクリアーしてもキャラが喜ぶだけで、絵や文字で物語が表現されることはない。
「未来から来た主人公とヒロインの子」というキャラもいるが、いつ来たのか、どういう世界なのか、説明は一切なし。
非常に珍しい形の「ユーザー置いてけぼり」なゲームである。もちろん不愉快である。舐めてんの? プレーヤーは猿だと思ってる?
アケゲーなら大した問題じゃないだろうが、とっくに家庭用に切り替えた後の最新版でこれはないだろう。話にならん。
タッチのみのインターフェースもそうだが、このゲームは製作者がプレーヤーのことを何も想定していないように思える。
それに腹立たしい一方、どこか不気味でさえある。ゲームの雰囲気がおちゃらけてるだけに余計に。うーむ……。

まぁゲームをやろう。モードはメインの「モンキーボール」と、全く別物のミニゲームが8種。取り敢えずメインをやる。
難度は「初級」「中級」「上級」に分かれていて、上級をクリアーすると最上級難度が開放される。……らしい。
前述のように、プレー開始してすぐ、操作のシンプルさに驚かされた。そして次に……正直、あんまし面白くないことに驚かされた。
うーん。非常に単純な操作性。モンキー玉を転がして、フィールドに置いてあるバナナを集めつつ、ゴールの輪に入れる。
ステージは初級だと10、中級だと30。それを淡々とこなしていく。起伏がなく、どうにも気持ちが盛り上がらない。
また、なんちゅーか「感触」が良くない。いや悪い。「ボールを転がす感触」「ブレーキをかける感触」に快感がない。
今作は基本的に「上手く動かせない」というストレスに溢れているゲームだ。だからこそ「感触」はとても大事だと思うのだが……
俺には「気持ちよさ」が全然伝わってこなかった。割とスイスイ進められても、短時間でゴールできても、スッとするものがない。
ステージに配置されてるバナナも、集めることがあんま楽しくない。「華麗に全部集められる」ような配置のされ方でもないし。
バナナ以外の獲得アイテムもなく、こういう点でも非常にシンプルだ。良い意味ではない。ゲームがのっぺりし過ぎている。
ゴール時に表示される得点の計算において、集めたバナナの数が考慮されないのも納得出来ない。コンプボーナスくらいあるべきだろう。
ステージ開始前の演出や、クリア後いいちいちリプレイの保存を問われるのもウザすぎる。ストレスを増加させているだけである。
あと、これは俺だけかもしれんが、プレー中の時間経過のコチコチ音も非常に耳障りだった。どこまでもストレス促進系の作りである。
こんだけシンプルなゲーム性なのに、非常にチグハグな印象を受ける。シリーズを重ねた完成形(多分)がこれなのか……?

そしてこのゲームで最後に驚かされるのが、「難しい」ことだ。それもムッチャクチャに。多分プレーした誰もがビックリするだろう。
初級はまだいい。簡単だし、全10面だ。だが中級になると3倍の30面だ。それも当然、初級より各ステージの難度は上がっていて、である。
初級と違って落下死(今作の死は9割これ)が激増し、残機が足りなくなる。中途セーブもなく、コンティニューが切れれば最初からだ。
オチャラケた雰囲気に可愛げなキャラ、そして超シンプルな操作性……それらと全く噛み合わない難しさにマジでビビる。
死にまくる故に操作の不快さもより際立ってきて、先に進めても嬉しさや快感が伴わない。ぶっちゃけ、面白くない。
それでも何とか中級まではやれる。数回の再挑戦でノーコンティニュークリアーを果たし、ゲームに慣れてきたかな、と思った。

……上級、ぶっ飛んでいた。無理です。無理ゲーです。俺はそんな暇人じゃありません。ゲームに忙しいんです。
難度がステージ1からキチガイ染みていて、完全に中級までとは一線を画している。製作者の正気を疑うレベルで難しい。
まぁステージ1は飛び抜けた難度で、2や3はマシだったが……それでももちろん、簡単であるわけはない。やっていられない。
ここまで来ると「視点を自由に動かせない」という不快さと理不尽さに耐え切れなくなってきた。どう考えてもこれはないだろう。
一応ステージ6までは行けた。練習すればもっとやれるだろう。……が、上級は、何と、全50面もあるのだ。10倍だぞ10倍。
こんなもんやってられるか。無理。俺には無理。スパッと諦めた。今回は「引ク落ツ」の時のような深い敗北感はない。
ゲームに燃えたり高難度に挑戦したくなるのは、そのゲームに納得がいってこそだ。今作は俺にとって色んな面で到底その域にない。
全50面なんて、淡々とクリアーするだけでも長過ぎるだろうに、中途セーブもないとかホンマ何を考えているんだろう。
これは違うと思う。受け入れられない。負けは認めるが悔しさはない。よくこんな調整したもんだ。はぁ。

更に更に、上級をクリアーすると、10面分だけ超上級ステージもあるらしい。俺は見てないが、もちろんより狂った難しさなのだろう。
……このゲーム、変な話、そこまでやり込む人いるんか? まぁネットにはいたよ。所謂トロフィーマニアの方々が。
皆さん口を揃えて「非常に難しい」と言う。そらそうだろう。よく今作をトロコンしたもんだ。プラチナ3個貰ってもいいと思う。
けど難度とステージ数調整から、「ちょっとずつ楽しんでやがてオールクリアー」をやれる人がいるのかは甚だ疑問である。
一体誰の為に作られたゲームなんだろう。売上げランキングに載ってた記憶はないし、多分コケたんだろうが……なぁ。
ゲームでなく苦行。難しいゲームにはそういう側面もまぁあるもんだが、今作はそっちの色が非常に濃い。俺は金貰ってもやれる気しない。
返す返すも疑問だ。どうしてこんな調整になったんだろう。製作者の独り善がり? 無邪気な猿達のリアクションが虚しい。はぁ……。

メインモードは残機性だが、「プラクティス」モードを選べば、到達済みのステージは残機無限で好きなだけ挑戦できる。
上級以上ではこのプラクティスで各ステージを徹底的に練習し、ミスを減らすのが現実的攻略だろう。……ちっとも現実的ではないが。
だがこのプラクティスもまたインターフェースが最低で、プレーヤーのやる気を阻害する。製作者は本当に何を考えているんだろう。
一つの面を延々やるようにしか作られておらず、別ステージをやるにはいちいち「やめる」を選んでメニュー選択に戻る必要があるのだ。
信じ難いくらい使いづらい。そこまでして練習させたくないのか、クリアーさせたくないのか!? 悪意を感じるしかないよもう。
それにあくまで「到達済み」のステージしかやれないから、そこはメインモードで頑張るしかない。VITA最強のスパルタゲーだ。
今やセガと言えば「龍が如く」だが、こっちの方がヤクザの世界より遥かに厳しいよ。仁義なき難度。はぁ……。

今作で使用するのは左スティックのみ。……と書いたが、実は操作方法は変更できる。「モーションセンサー」に。
考えてみれば、フィールドを傾けて玉を転がす今作は、モーセンの申し子のようなゲームである。製作者はこれがやりたかったのだろう。
で、一応そっちに切り替えてみたのだが……予想通り、地獄のようにやり辛く、ただでさえ難しい難度が跳ね上がってしまったのだった。
如何に「向いている」ゲームシステムでも、そもそもモーションセンサーがゲームに向いてないと思う。これで快適な操作なんて出来ない。
普通のゲームならネタ的操作法としてアリかもしれんが、何度も言うように今作はアホほど難しいのである。遊びの余地はないのである。
VITA版の売りと言えそうな要素だけに、残念やのう。まぁもっと根本的に残念だったのだが。はぁ。


モンキーボールモード以外に、8つのミニゲームが収録されている。相変わらずボタンは使わないが、システムが全然違う。
こちらは普通に遊べるが……ミニはミニ、別にそこまで面白いものではなかった。「本編ダメだがミニゲーサイコー!」とはならない。
しかもこちらは多人数プレー推奨のゲームが多く、尚更一人では盛り上がらない。VITA持ち寄って今作やるとか、全国的にも難しいだろう。
一応全ゲームやってみて、ダラダラやれるものもあったが、まぁその程度だった。オマケの域を出ていない。本編にハマりたかった。
背面タッチパネルを使ったのは何気にVITA買って初めてだったかも。そこだけは嬉しかったように思う。やれやれ……。

ステージを自作できる「エディットモード」もあり、VITAらしくカメラを使って何かを撮れば、それを自動的にステージにしてくれる。
これは良いアイデアだと思ったが、何分ゲーム自体にウンザリしまくっていたので、試す気にはなれなかった。はぁ。
携帯ゲーム機にカメラが付いた時は、色々な遊びが出来そうだと思ったが、3DS共々、目立ったものは出てきていないと思う。
こういうのも2次元と3次元の壁なのかね。下手にコッチを絡めようとすると、ゲームがボヤケてしまうんだよなぁ。やれやれ……。

ふぅ。あーそういや、全般に渡って大きな不満がもう一個あってだな。
ゲームオーバーになったりモードを終了したり、ゲームが一区切りすると、いちいち「セーブしますか?」の選択肢が出るんだよ。
これが面倒で仕方ない。成績のセーブだけなんだから、ンなもん拒否する奴はいないだろう。何故オートセーブに出来んのだ!?!?
百歩譲って選択制にするにしても、オプションでオートに出来て当然だろうこんなの。毎回「はい」を選ぶのが面倒で腹立って仕方なかった。
どこまでもインターフェースが悪く、ゲームに快感がなく、設定がテキトーで、難度は鬼のように高い。
無理ゲー、でした。合わんゲームとは離れる。それがお互いのため。縋り付いて戦い続けたくなるような相手なら話は別だけどね……。

相当残念な結果に終わったが、一応気になってたシリーズを500円で知ることが出来たと思えばいいや。結果はやむを得んよ。
無論、今後俺がこのシリーズに手を出すことはないだろう。それもしゃーない。まぁホゲ以外で新作が出るかは微妙だが。
色んなゲームをやりたいと思う。可能ならば全てのゲームをやりたいと思う。もちろんそんな事は不可能だ。仮に無限の時間と金があっても。
何故なら、ゲームは娯楽だから。「面白くない」ゲームは、そもそもやる気になれないから。今作はまさにそんなゲームだったな。
それでも中身に製作者の愛を感じれば「道は違えど熱いゲームだった」となるが、それもない。テキトーな作りが目立って仕方ない。
まぁアホな難度は、ある意味作り込みがあったとも言えるか。「ゲームは難しいほど燃える」という生粋のゲーマーにはお勧めか。
家庭用ゲーム機への供給の縮小を表明したセガは、今後当然発売タイトルを減らしていくと思われる。このシリーズは……うーん。
一応縁はあったから、これからもシリーズが続くことを祈っておくよ。猿玉の猿たちに明るい未来がありますように。
……結局あの猿たちは何だったんだろうな。分かったのは名前だけだ。次回作では彼らの秘密を解き明かすモード入れてくれ。買うから。
買わんけど。はぁ。







web拍手

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大逆転裁判 ~成歩堂龍ノ介... | トップ | 雑1508 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (サク)
2015-09-04 15:44:40
公開当日に記事自体は読んでいたんですが、忙しかったのでちょっと遅れてコメント

このシリーズ、俺も気になるだけ気になってはいたんですよねえ
まあでも特に評判とかも聞かないし、一生やらないだろうな…と思っていましたが、そういうマイナーなゲームが紹介されるのもこのブログの良さですね

まとめると、シンプルすぎるくらいシンプルで、インターフェースなどの快適性が低くて、難易度は無駄に高いっていう感じのゲームですかね
途中セーブが無い点も含めて、悪い意味でクラシックなゲームという感じを受けました
調べてみると、GC版なんかは名作と言ってる人もいるみたいで、でもVita版がシリーズの他作品と比べて出来が悪いという訳ではないようで、よく分からないですね
ハマる人はハマるんですかね

なんかこのゲームをやると、任天堂のパズルゲームがいかに良く出来てたかというのを味わえそうですね
取り敢えず、ちょっとだけ気になってたシリーズが、一切手を出さなくてよさそうなゲームだと分かったので、すっきりしましたw
レビューおつかれさまでした
返信する
Unknown (ota)
2015-09-05 02:05:19
サクさん、いつもコメントありがとうございます。
このゲームは……プレー前の印象と違っていたのは仕方ないですが、負担の大きいインターフェースと極悪難度には閉口しましたね。
>まとめると、シンプルすぎるくらいシンプルで、インターフェースなどの快適性が低くて、難易度は無駄に高いっていう感じのゲームですかね
はいw シンプルなのはアリとしても、ならもう少し手軽に遊ばせてくれと。1回のプレーが見た目に反してかなり重いです。
難しいのはいいけど、繰り返しの挑戦をもっとやりやすくしてほしかった。やっぱ一番の問題はメニュー周りかなぁ……。
>調べてみると、GC版なんかは名作と言ってる人もいるみたいで、でもVita版がシリーズの他作品と比べて出来が悪いという訳ではないようで、
まぁこれは俺の勝手な感想ですからw 今作が「シリーズを重ねたことで『拗らせた』」とするなら、初期作品の方が出来はいいかもしれません。
GC時代ならともかく、今は他にもやることが溢れてますしね。安価で買えたことも何気に良くなかったかもしれません。うーむ。

>なんかこのゲームをやると、任天堂のパズルゲームがいかに良く出来てたかというのを味わえそうですね
ライトな雰囲気のゲームですから、「これを任天堂が作っていれば」とは思いました。少なくともこのままでは出さないはずです。
今作は個人的にかなりダメでしたが、インターフェースを見直し、難度の上昇カーブを調整した次回作があれば……或いは……はぁ。
返信する

コメントを投稿

PS VITAゲーム感想文」カテゴリの最新記事