腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

真・北斗無双(PS3版)

2013年12月29日 22時57分34秒 | PS3ゲーム感想文
オタの世界では、大学生風に言うなら「一般教養科目」的な作品がある。
ゲームなら、マリオ、ドラクエ、FF、スト2等だ。シリーズ全てとは行かなくても、それらの最盛期は該当するだろう。
一般教養だから、要するに「常識」だ。やってて当然やるのが義務。やってる事を前提に話は進む。やってなければ「話にならない」のだ。
……まぁ無論ネタで言ってるが、実際こういう共通項がないと会話が通じないってのはあるよな。
スマホゲームしかやらないゲーオタさんがもしいたら、俺はその人と全く会話が出来ないだろう。住む世界が違う。うーむ……。

で、この概念は漫画やアニメや音楽といった他のジャンルでもあると思う。俺の思い込みだ。実態は知らん。チッ。
中でも漫画は、オタ枠を越えて広く普及してるだけに、一般教養作品の持つ意味は非常に大きいと言えるだろう。
「北斗の拳」は、そんな漫画一般教養作品の中でも、必修の度合いが極めて高い作品である。要するに名作、人気作中の人気作である。
連載開始から既に30年以上が経過しているが、初期のアニメ化の絡んだブームはもちろん、21世紀になってからのパチ大ヒット等、
長年に渡って何度も復刻ブーム的なものが起こり、その度に存在感を示し、ファンを増やし続けてきた作品だと思う。
ケンシロウにラオウにトキらあまりに有名なキャラ達や、「ひでぶ」「あべし」「我が生涯に一片の悔いなし!」といった名台詞の数々。
これらはハッキリ言って「知らぬ者がいない」次元だろう。どんな人気作であれ、ここまでの存在にはそうそうなれるものではない。
日本漫画史上最大のヒット記録を更新し続けている「ワンピース」ですら、まだ認知度で北斗の拳には及ばないと思う。……多分。

だが……「知っている」と「よく知っている」の間には、深い溝がある。それでいて、本人以外にはそれが分かり辛い。
ぶっちゃけ、北斗ほどの人気作なら、原作を未読であっても周囲から見聞きする情報だけでパンキョーの単位を取得できたりするのだ。
ネットが普及した現代なら尚更である。同様にガンダムやジョジョを「知らんけど知ってる」人は多いはずだ。良し悪しではなく。
俺にとって北斗の拳は、長年ずっとこのタイプの作品だった。つっても原作を読んだ事はある。だが、よく覚えていないのだ。
ケンとラオウの決着がどうやって付いたか? ファルコやカイオウって何者だったっけ? 南斗聖拳って六派しかないんじゃなかったっけ?
原作を読んだことは間違いなくあるのに、記憶が断片的で、知っているけど知らない。ある意味未読よりずっと性質が悪い状態である。
これにいい加減うんざりしてきたので、数ヶ月前に原作単行本をゴソっと入手し、読んだのである。
ちなみに中古本、それもコンビニコミックという読み捨てタイプの安物な。金は遣えば消える。今日より明日なんじゃ……。

そうして改めて触れた北斗の拳。目論見通り記憶を補完し、新たな事実も知れた。俺はやっと北斗の単位を「優」で取得できたのである。
……しかし、欠点も多かった。とにかくこの作品、「後付設定」の嵐だね。時代を考慮してもちとどうかと思う。
連載開始当初の敵は、シンだ。シンの使う拳法は南斗聖拳。そしてこの時点では、北斗も南斗も彼らしか使い手はいなかったはずである。
実際シンの流派「南斗孤鷲拳」は原作ではなくずっと後にガイドブックか何かで命名された。登場時に多派設定がなかったのは明らかだ。
またユリア拉致の場面から、ケンとシンはどちらもリュウケンに師事していたことが分かる。これも後から見れば無茶苦茶だ。
物語が進むとますます後付設定は増え、しかも最早整合性など完全に放棄しているとしか思えないものばかりが目に付いた。
アミバはどう考えても本物トキが路線変更された姿だし、サウザーが南斗の長のはずなのに倒したらユリアがそれになってるし、
有名なラオウとトキの出身地と両親の墓の問題、何で一子相伝なのにラオウはともかくトキも北斗神拳を使ってんねん、とか。
大体暗殺拳で「指先一つでダウンさ」なのに、なんで筋肉バトルになるのか。同じ派なのに剛の拳と柔の拳と何故差が出るのか。
唯一無二の拳法とされてたのに元斗皇拳と双子の拳になったり、それが終わったら北斗琉拳が出てきたり……ああもう一体何なんだ!

週刊連載というものは非常に不安定であり、開始して流してみなければ、どの程度のヒットになるかは誰にも分からない。
それだけに、最初はこじんまりとした設定にし、人気次第で徐々に肉付けしていくという作りは当然と言えば当然である。
だから後付設定を批判する気は更々ないが、それをごく自然に感じさせるのがプロのプロたる所以であろう。
過酷な週刊連載作家にそこまで求めるのは酷かもしれんが、北斗は作画と原作が別れているんだからそれは甘えである。
まぁ当時のジャンプ漫画はその辺の荒唐無稽さを味として楽しめるものも多いが、北斗の場合は正直粗としか見えない。うーむ。
と言うわけで、もちろん魅力も多々あるが、いい加減な作品だなぁという印象を抱くに至った。いいんだよ名作だから。チッ。
……「199X年」すら遥か昔のことなんだなぁ。今は全く世紀末ではない。だが人の世は荒廃している。このイカれた時代へようこそ……。

さて、やっとゲームの話になる。せっかく原作読んだんだし、豊富に存在する北斗ゲーを何かやりたいと思うのは自然な事だった。
まず考えたのは「審判の双蒼星」、所謂格ゲー北斗である。登場から8年が経過しても根強い人気を持つこの作品、以前から興味はあったのだ。
が、この作品は家庭用移植が版権的な問題からかPS2版しか存在せず、ネット対戦もできない。正直今からやるには環境が悪すぎる。
つーわけで断念。「一撃必殺奥義」の演出は神レベルのゲームなんだけどな。テーレッテーだよ。マジ燃える。北斗!百裂拳んん!!!
そこで白羽の矢を立てたのが、今作「真・北斗無双」なのである。前置き長すぎ。いいんだよ。
丁度値崩れがあったのも大きかった。イメージ的にPS3版に決定。初回特典のスマフォケースも付いてきた。要らんかった。はぁ。

俺は先日「ガンダム無双インターナショナル」にて無双シリーズを初プレーしたが、実は当初は今作をやる予定だった。
しかしガンダムの方が先に購入していたので、順番的にこっちかなと方針転換したのである。
そしてプレーしたガンダム無双は、謎の「無双魔力」により、良い意味でダラダラと長時間遊ばせてくれるゲームであった。
素直にハマったと言ってもいいだろう。同じ様な単調アクションが何故か癖になり、延々プレーしてしまう。近年なかった感覚であった。
と、俺の無双デビューは上々だった。となれば当然、続く今作にも期待する。原作理解度もガンダムより上だし。
ガンダムよりずっと後に発売されたコラボ無双、面白くないわけがない! 新たな魅力的ダラダラを求め、電源を入れた。

……うーむ。あれ? 何か……違うんだよなぁ。開始直後に抱く違和感。それでいてそれを上手く表現できない。
非常に微妙な出だしであった。原作を再読し、「待望の」プレーであるはずなのに、一体何故……?

一つは、世界設定かなぁ。北斗無双。北斗の拳の世界を舞台にした、無双。並み居るモヒカンどもを殺しまくれ!!
一見、非常にマッチしたコラボに思える。しかしいざやってみると、これは違和感あった。
無双の雑魚敵は、他のアクションゲームのそれとは扱いが違う。非常に安い、殆どゴミのような存在として登場する。
これが適する環境は「戦場」であろう。その点、三国志やガンダムはまさにそれで、もちろん自然ではないが、違和感が薄かった。
翻って北斗の世界は、別に戦場ではない。世紀末荒野というある意味戦場以上に過酷な世界だが、組織と組織が殺しあってるわけではない。
なのに無双だから、雑魚は腐るほど出てくる。一定数駆逐したら、空から降ってくる。幾らでもいるし幾らでも出せる。……うーん。
そもそも北斗の世界は最終戦争後、人口は激減しているはずである。モヒの雑魚だって、あれで貴重な労働力なのだ。多分。
今作ではどんな組織も百人単位の雑兵を連れていることになる。そんなん維持することすら大変であろう。
原作で人気のある「種モミ」エピソードも登場するが、あれっぽっちの種モミを奪っても、数百人でどうやって分けるんだおい。はぁ。
ありとあらゆる場所で大軍団と戦うことは、北斗の世界と激しくずれていると感じた。結果、世界に浸れなかった。

もちろん、これを言っちゃおしまいだってことは自分でも分かってる。本来は突っ込むような所ではない。そういうものと受け入れるべきだ。
一方で、こういうのは無双云々じゃなく、原作ありのゲームでは付き物である。「原作をゲーム化」が、そもそも不可能なのだ。
今作のボス戦はケンシロウの奥義を何十発受けても死なない。奥義自体も原作とは様相が違う。別物なのである。似て非なるものなのである。
俺だって長年、多くの原作付きキャラゲーをプレーしてきたから、こんなのは常識として理解していたつもりだが……今回は、気になった。
原作がゲームの魅力を増す面があるのも事実だが、その逆もないではない。時には目立つ。難しいなぁ。はぁ。

もう一つは、評価システムだ。今作のストーリモード「伝説編」は、ガンダム無双のような拠点制圧で進めるゲームではない。
単純に一つ一つの殲滅(たまに違うこともある)ミッションをクリアーし、次のステージに入るという流れになっている。
そしてステージ毎に、被ダメージやクリアタイムで戦績を評価されるのだが……これが非常に鬱陶しい。不愉快であった。
俺が下手なのももちろんあるが、どうも評価が厳し目に感じた。よく分からんままにミッションを与えられ、困惑することも多かった。
当然その手のミッションは評価E。ゲーム的なペナルティは薄いが、気分は甚だ悪い。下手で悪かったな糞が。ああ畜生。
無双シリーズの醍醐味は、何と言っても「一騎当千の爽快感」であろう。今作でもそれはある。なのに評価Eで台無し。ぶち壊しである。
特に「力の差を見せつけろ!」と「見つからずに倒せ!」がダメだったなぁ。どっちもほぼEだった。やり直しもめんどいし。はぁ。
俺は他のゲームでもこの手のクリア評価が好きではない。基準に納得できるならいいが、大抵そうではないからだ。
まぁ無双を好き勝手に遊ばせたら、それはそれで緊張感がなくなるというのも分かるが……「燃えられる基準」が欲しかった。
加えて、再挑戦を容易にすることも。意外と1ミッションが長いから、「もう少しでAを取れる」時でもやり直す気になれなかった。
もっと細かく気楽に巻き戻しロードが出来てもいいと思うんだがなぁ。それは別にインチキではなかろう。
ちなみにゲーム難度は「易しい」「普通」「難しい」「修羅」の4種があり、特に条件はなくいつでも変えられる。
俺は最初普通でやっていたが、手応えがなくつまらなかったので途中から難しいに切り替え、以後ずっとそのままにした。
難しいだと敵の攻撃力が跳ね上がり、雑魚戦もかなり気を使うようになった。緊張感は出たが、その分爽快感は薄れたかな。
クリア評価に難度は計算されているんかなぁ。難しいモードでやってることを少しは評価して下さい。うう。
修羅も少しだけやってみたが、ここまで来ると楽しめるとは言い難いので止めた。少なくともキャラレベルをキッチリ上げてからだな……。


てな感じでガンダム無双ほどすんなり入り込めたわけではないが、プレーしているうちに徐々に気にならなくなってきた。
無双の爽快感はあるし、原作の話をこのゲームなりに追体験していくのもまぁ楽しめる。
今作は原作の最初から最後まで、ほぼ全てのエピソードを収録してある。ないのはラオウの息子リュウ編くらいじゃなかろうか。
無論隅から隅までではないが、よくここまで網羅したと言えるボリュームである。原作追体験度は満点であろう。
……一つ非常に残念なのが、声優。アニメ版のキャストと違うのは最早当然、似せる気すらまるでない人選が為されている。
ラオウや青年バットの声は正直違和感が激しく、これはないんじゃないかと思った。声優さんの演技がマズイのではない。でも声が。
一応今作はあくまで「原作のゲーム化」であって、アニメ版は考慮していないらしい。だから「愛をとりもどせ!」等も一切採用されていない。
まぁその理屈は分からんでもないが……敢えて似せないのは間違ってるんじゃないか? 子安レイくらいかな良かったのは。はぁ。

物語はムービーだけでなく、漫画のコマ割りを表現したかのような静止画も加えて描かれる。全部ムービーだと大変だからだろう。
その再現度は大したものだが、ちょっとやり過ぎと言うか、物語部が長すぎて退屈に感じられる場面も多々あった。
原作再現はもちろん魅力だが、俺がプレーしたいのはあくまでゲームの無双だ。物語部分は無双意欲を燃えさせる為に存在すべきである。
一切操作出来ないムービー部分を退屈に感じる……ある意味10年くらい前のゲームを感じて懐かしかった。うーむ。
ボス戦では体力を規定の所まで減らす度にイベントが挟まれて、かなり鬱陶しかった。あれは戦闘前後に纏めてほしいわ。
「ゲーム化」の難しさがよく分かる不満である。どうやればユーザーは満足するのかね。はぁ。

難度は設定を変えなければ最初から最後まであまり変化がないと思う。ジードより修羅の国の雑魚が強いとは感じなかった。
「難しい」モードも一撃は重いがそこに慣れると快適に無双を楽しめた。不意の一瞬死はどうしても発生するけどな。
ボス戦も、シンでもラオウでもカイオウでもやる事は大して変わらない。「攻略」の余地が薄い。これは無双だからしゃーないのかな。
意外なことにジャギがかなり強かった。突然の発泡がむっちゃ痛い。拳法なんかより銃器を磨くべきだよ兄さん!
ガンダム無双ほどではないが、ボスはどいつも非常に固いので、倒すのに時間がかかる。あまり楽しいものではない。
要所要所でQTEになり、原作準拠の展開が挿入されるが、別にゲーム性を上げているわけではない。QTEはもういいよ……。
無双ってのは雑魚戦のゲームなようで、実はボス戦なんだなぁと思う。ボス戦をどう作るかが重要な課題。
まぁ他のアクションゲームであっても、納得いく・面白いボス戦ってそうあるもんじゃないからなぁ。
どんな調整がいいんだろう。俺なんかには分からん。ただ現状のままだと、ただウザいだけだなぁ。うーむ……。

キャラには「伝承奥義」という名の必殺技が多数用意されている。原作に則したもの、オリジナル、性能も威力も様々だ。
まぁ原作に則したと言っても、もちろんゲーム的にアレンジはされているが。無想転生はどうしても一定時間無敵になっちまうな……。
伝承奥義は発動中完全無敵だし、威力や攻撃範囲も通常技とは比較にならない。いかにゲージを溜め、これを出すかが肝になる。
個人的に、大量の雑魚を上手く伝承奥義に巻き込み、一気にぶっ殺すのが今作で一番楽しかった。これぞ無双の醍醐味であろう。
ゲージは溜まりやすいが好き放題撃てるほとではなく、今作らしい「甘めの調整」が見事に為されていると思う。
……でも、敵ボスが使ってくる場合は酷いと思う。高難度だと即死もあって唖然としてしまった。こっちが無双されてどうする!

キャラにはレベルの概念があり、戦っていれば攻撃力防御力その他の能力はどんどん上がっていく。
また「経絡図」という強化アイテムの要素があり、これもどんどん手に入るので、身に付ければ強くなれる。
ただこの経絡図、運の要素が高く、不要な品ばかりが手に入るとイライラした。少しは自分で選べればいいのに。
保存上限も少なく、すぐ廃棄を要求してくるのもどうかと思う。今の倍持ててもいいくらいじゃなかろうか。
あと経絡図はネット共闘プレーをすると良い品が手に入りやすいらしく、説明書でもそれを奨励していた。
……が、オンライン、人いねぇ! 発売1年経ったら無残なもので、ゴールデン時間に繋いでも殆ど誰もいなかった。
なので共闘は全く体験できなかった。こればっかりはしゃーないな。やればそこそこ面白そうだけど、飽きるのかなぁ……。

実質上のラスボス・カイオウを倒し、バットとリンの青臭い青春関係を見守れば、晴れてエンディング。
この後ケンシロウはどうするんだろう。「死すなら戦いの荒野で」的なことを言って終わったが、あんたそんなに戦いが好きだったのか。
別にケンはバトル野郎ではないと思うんだがなぁ。世の中も少しずつ安定してきて、力より頭の時代になりつつあると原作ではあった。
今までのように多少の無法モヒを気軽にぶっ殺してたら、ケンがお尋ね者にされかねない時代になってきているのだ。うーむ。
人類の指導者になれとは言わんが、どこかで落ち着くEDにして欲しかったなぁ。それか死……合わんわけではないけど……。
何より「北斗神拳の伝承」という一大事業が残っているからな。つーか一子相伝て考えてみれば無茶苦茶だな。よく1800年も続いたもんだ。
ケンもその辺の孤児を数人捕まえて競わせたりするんかのう。ま、全ては世紀末の夢の中さ……。

グラフィックは、最低限の綺麗さはあるが、表示キャラが糞多いせいか、まぁそれなりってとこだった。
背景は似たような絵が多く、単調で退屈だった。ここはもう少し凝ってほしかったと思う。
ゲームシステム的に閉じられたエリアを作る必要があるので、あちこちに開閉式の大型扉が設置されているのは笑ってしまった。
大体このゲームの登場キャラならあんなもん拳一発でぶっ壊すだろうに。閉じ込めるという概念自体に無理がある。
プレー開始直後の違和感はこれも大きかったな。言っても詮無いのはわかってるけど、上手い表現をしてほしかった。
あとムービーシーンにおけるキャラの涙の表現がテキトー過ぎる。目の下に線引いただけやないか。感動できないよ。はぁ。

音楽は、無論アニメ版とは掠りもしてないが、今作というゲームには結構合っていたと思う。ロック系? 知らんけど。
ボイスは、イメージの齟齬さえ無視すれば、質・量共に十分だと思う。強いて言えば雑魚の汎用ボイスにもっと種類がほしかった。
「ひでぶ」はもちろんあるけど、そもそも意外にも秘孔破裂死が少なくて、敵は殴り殺してばかりだったような気がする。
今作は良くも悪くも「北斗っぽいゲーム」と解釈した方がいいのかもしれんな。原作ものゲーム、難しい。


今作にはストーリーモードの伝説編以外に「幻闘編」が存在する。サブキャラ(ケン含む)はこのモードで思う存分使用できる。
幻闘編にもストーリーは用意されており、各キャラが原作の裏でどう動いていたかが描かれる。何気にファン必見かもしれない。
……が、わかっちゃいたけど、出鱈目、無茶苦茶。「この展開はねーだろ」と思うものばかりだった。原作者監修のはずなんだけどな。
戦うボスも出鱈目で、マミヤがファルコと、リンがラオウと戦ったりする。しかも勝つ。世紀末にも程があるだろう。
一番凄いのはサウザーで、ラオウを倒しただけでなく、何と海を渡って修羅の国、ハン・ヒョウ・カイオウまで討伐!! 愛などいらぬ!!
これらは決してIFストーリーではなく、原作の裏で動いていた物語なのである。俺サウザーを見直したわ。さすが聖帝。
さすがに伝説編ほどの気合は割けないのか、物語が静止画とボイスだけで進むのはちと寂しい。無いよりはマシだけど。
このモードは原作の魅力を広げてるのか、微妙だな。俺は何だかんだで無茶苦茶さ含めて楽しめたけど。

幻闘編で使えるキャラは、総勢20人と非常に多い。その全てに一応のストーリーが用意されているので、ボリュームはかなりのものだ。
ただどのキャラもレベル1からスタートなので、鍛えるのがちょっと辛い。原作と違ってモヒにも普通に殺されるからね、彼ら。
拳法家だけでなく、マミヤやリン、果てはモヒカン(ストーリーはない)まで使えるのは最高だ。いいんだよゲームなんだから!!!
マミヤとリンははさすがにコブシは無理なので、ボウガンを中心にした武器を使う。リロードは必要だが弾数制限はないので、普通に強い。
リンの伝承奥義・手榴弾は使えすぎてビックリしたほどだ。君バットより強いよマジで。さすが天帝の片割れ。
またこの2人はダメージが嵩むと服が破けていくという嬉しい演出もある。どちらも非常にエロ可愛くて素晴らしい。
ごく一部で梯子を登るシーンがあり、当然下からアングルだ。素晴らしい。コエテクこの辺は非常によく分かっていらっしゃる。
一方で腹立つほど弱かったのが、シンだなぁ。俺のプレーが悪いのか分からんが、モヒ共にボコられるKINGだった。そらユリア逃げるわ。
キャラが多すぎるので、まだ全キャラは使っていない。まぁ気が向いたらのんびりやっていこうと思う。

幻闘編は伝説編と違い、ゲームの勝利条件が「拠点制圧」になっている。そう、ガンダム無双と同じだ。これが無双のスタンダードなのか?
ここでも制圧の仕方を評価はされるんだが、伝説編よりは楽に高評価を取れるので、あまり気にならなかった。
そして何より、ここではガンダム無双で感じた「無双魔力」が復活していた。ダラダラと、しかし長時間、ついついプレーを続けてしまう。
緩いけど確実なゲームハマり、俺が新たに覚えたゲームの楽しみ、それが今作でも幻闘編では味わえた。ううむ、無双は良いのう。
……ただこの幻闘編、マップの数が非常に少なく、それを全キャラで共用しているので、やってて非常に退屈ではある。矛盾するようだが。
「エリア毎で50人の雑魚を倒してから中ボス撃破」という流れも全く同じ。少しは差異を用意しろやと言いたくなる流用っぷり。
キャラを変えてもストーリーを進めてもマジで「同じ内容」なので、無双魔力がなければとてもプレーは続けられないだろう。
ラオウやサウザーが、自分の足で走り回って雑魚を殲滅する絵はかなりシュールである。強いんだけど小物臭がする。あはははは。
キャラが多すぎて「これはちょっと……」と思ったが、気付けば毎日電源を入れててらてらとプレーし、クリアリストを埋めていってる。
全部やる……かは分からんが、このまま気の向くままに無双の魔力に浸ろうと思う。気楽にやれるゲーム、いいよなぁ。


ンなとこ。
出だしに違和感はあったが、そこを乗り越えれば後はフツーに無双を楽しめた。十分な戦果である。
無双シリーズは、ぶっちゃけ「無茶苦茶面白い」ゲームではないだろう。同様に「心の一本」にもならない作品だと思う。
悪口ではない。手軽に遊べて2秒で爽快、難度もほどほどボリュームたっぷり……立派なエンターテインメントの形である。これでいいのだ。
加えてコラボ。「北斗ゲー≒糞」はファミコン時代から語り継がれる不名誉な伝統である。そんだけ出続けてるのも凄いけど。
しかし今作は、もちろん不満も多々あるが、決して糞ではない。十分遊べる。無双魔力と相性が良い人なら笑いが止まらんくらいだろう。
特に原作追体験度は過去のどの北斗ゲーよりも高いはずだ。その点では北斗ゲーの決定版と言ってもいいだろう。
……ただ、続編はもう望めないな。さすがに北斗の素材ではやり尽くした。もう一回改良すれば最高傑作になる気配もするが……。
売り上げ的にも、悪くはなかったはずだが、大きく値崩れしてしまったしな。うーん。
まぁ今作は「コラボ無双」の系譜にある作品でもある。今後のそれに繋がるものはあるだろうし、それを期待しよう。
先日、同じく「真」の文字を冠した「真・ガンダム無双」が発売された。こちらはまだネタがありそうだが、どうだろう。
「ワンピース海賊無双」の3本目はいずれ出るに違いない。そして次なるコラボ無双は?
プリキュア無双? ドラゴンボール無双? まどか☆マギカ無双? 進撃の巨人無双(巨人がプレーヤー)?
何にせよ、俺の好きな原作でのコラボが来るのを待ってるよ。
最早無双はマンネリとかそういう次元の存在じゃない。ジャンル:無双だ。これは決して大袈裟ではないだろう。
シリーズ全部追うような中毒者がいてよし、「たまにやりたくなる」ライトなファンが多数いてまたよし。
俺らはまだまだ殺し足りないのである。世界で最も儚い電子の命・無双雑魚達の存在に感謝しつつ、了。

……鍵はそう、残虐表現だと思うんだよな。想像してみ? 無双した雑魚達の死体が全部残ってる戦場を。
PS4ならそれも可能ではなかろうか。こんだけライトなジャンルに、極めつけの残虐表現。無双雑魚達に、せめて死しての存在感を!!
ないない。そんなん売れない。死んだらさっさと消えて下さい。次に殺される雑魚さん達の邪魔なんでww
……世界で最も惨めな電子の命・無双雑魚達の存在に深く感情移入しつつ、了。俺達ゃ一体何の為に生まれて……。
はぁ。







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Unknown (暇ジャン)
2013-12-30 18:00:09
マダオの声は最悪でしたね。
それなりに遊べるけど愛がないんだよなこのゲーム。
北斗ゲー現れるとこクソゲーありって伝承されているぐらい北斗はクソゲー多いからなー。
昔、SFの北斗7を3000円ぐらいで買ってものすごく後悔した。
あれは漏れの買ったクソゲの内の5本の指に入るわ。
返信する
Unknown (ota)
2013-12-31 00:28:37
>それなりに遊べるけど愛がないんだよなこのゲーム。
何となく分かります。ないってわけでもないけど、足りない感じがします。
このボリュームと質で作れる体制があったなら、愛次第で至高の北斗ゲーになったかも。
ゲーム中で何度も「愛の大切さ」を語られるのは皮肉ですな。

>昔、SFの北斗7を3000円ぐらいで買ってものすごく後悔した。
この時期は別に北斗ブームでもなく、人気は停滞期だったと思うんですが、何故かゲームはバンバン出てましたね。
7は格ゲーでしたっけ。あの頃にナンバリングで7なんて付いてるシリーズは他になかったんじゃないでしょうか。
その点だけで価値はありますよ。ないか。
返信する
Unknown (司 真)
2014-01-01 03:16:31
自分は幽遊白書世代なのでややずれますが親の影響で北斗の拳を知り、タイピングゲームで知った流れです。現在なら中古でよく出回るようになったPSの「北斗の拳 世紀末救世主伝説」が秀逸な追体験としてはお勧めです。動画でも「世紀末シアター」で検索すれば簡単に出ます。

神の国、リュウガ、五車星はフドウのみ登場という省きはありますが、それ以外はほぼ原作通りで種もみじいさん、でかいばあさんなども収録されてます。

あと声優でいえば今は亡き塩沢兼人氏がレイで出演されているのが大きなポイントでほぼ原作通りのキャスティングというのも北斗無双が登場した今となっては価値がありそうですね。

アクション性は無双に大きく劣りますが、ひこうをつくためのボタン操作が工夫されていて、原作の世界観に浸るという意味では現状の北斗ゲーの中では原作再現度は最も高い作品だと思います。

あと参考にニコニコでこんな動画ありましたよ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12176262
返信する
Unknown (ota)
2014-01-02 02:01:49
おお、幽遊白書、大好きですよ。全巻持ってます。あの頃のジャンプ漫画は黄金の輝きだらけです。

>PSの「北斗の拳 世紀末救世主伝説」
これ、プレーはしてないんですが、当時からよく評判は耳にしてました。遂に出た遊べる北斗の拳ゲームだと。
タイトル画面に「スタートボタンを突け!」と表示されるらしいですw この時点で「これは分かってる奴が作ってる」と。
北斗ゲーはこれと格ゲー版が二大巨頭、次いで無双ってとこですかね。予算や規模なら無双がダントツだと思いますが。
世紀末シアターも幾つか動画を見たことがあります。こんなモードあったらやりたい放題ですねw

北斗は画が非常に大事なので、ゲーム機でなら最低PS、できればPS2辺りでないとそもそもゲーム化に無理があったのかもしれません。
PS4を使って北斗ゲー作ったらさぞ凄いものが出来そうですが……数年後なら結構ありそうかも。うーむ。
返信する
Unknown (としお)
2014-01-06 17:13:52
無双は一年に一回ぐらいすごくやりたくなって買うけど一週間ぐらいで飽きるサイクルを繰り返してしまいますw
北斗無双はやってないけど,脱衣がある・・・だと!?これはやるしか・・・

コラボ無双はゼルダ無双が発表されましたね。
どんな無双になるのか今から楽しみです。
返信する
Unknown (ota)
2014-01-07 00:44:52
コメントありがとうございます。

>無双は一年に一回ぐらいすごくやりたくなって買うけど一週間ぐらいで飽きるサイクルを繰り返してしまいますw
あー、それある意味非常に健全な無双ファンですねw いい感じに無双魔力に取り込まれていると言うか。
無双には「偉大なるマンネリ」を褒め言葉として使えます。……たださすがにシリーズも疲弊してきた感はありますが……。

>北斗無双はやってないけど,脱衣がある・・・だと!?これはやるしか・・・
マミヤとリンの色気は素晴らしかったです。特にリンがあんなにエエとは。コエテクは己の宿星を分かっています。

>コラボ無双はゼルダ無双が発表されましたね。
>どんな無双になるのか今から楽しみです。
むぅ……ゼルダ無双は、ニンテンドーダイレクトで観た瞬間「それ違うやろ」と突っ込んでしまいました。
題材がマッチしてない気がするんですよね。例えばプレイアブルキャラクターが殆ど思いつかないし……。
まぁでもWii Uには貴重な注目作ですし、続報には期待してます。謎解き要素のある無双……ウザいかなw
返信する

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