腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ワンピース海賊無双

2023年06月11日 00時36分08秒 | PS3ゲーム感想文
【ハード】PS3
【メーカー】バンダイナムコゲームス
【発売日】2012年3月1日
【定価】8580円(税込)
【購入価格】100円(中古)
【プレー時間】35時間 


俺の魂の故郷、比類なき80~90年代。世紀末にビクビクしつつも、実際の世の中は楽しさに満ちていた。少なくとも俺にとっては。
そんなあの頃の娯楽の王様は、もちろんゲーム!! ……でも間違いではないが、それに勝るとも劣らず面白かったのが、漫画だ。
中でも所謂「週刊少年ジャンプ黄金時代」は、今も伝説として語られる。最高発行部数は600万部を超えたという、異常人気。
俺はその黄金時代の前後にずっとジャンプを購入し続けた、まさにど真ん中世代である。言うまでもなく、ジャンプに夢中だった。
「ドラゴンボール」「スラムダンク」の二大巨頭は読まなきゃ罪レベルの面白さだったし、それ以外もS級漫画がゴロゴロ。
ジャンプをネタに友人らとの会話も弾み、単行本で再度話題になり、日曜に売ってる闇市(大袈裟)にこっそり潜入し……嗚呼。
たった190円(俺の頃の平均値)の雑誌にあれだけの楽しさと希望が詰まってたんだからなぁ。今思い出しても甘酢っぺぇよ。
20世紀後半を楽しく生きられたことは、俺の人生最大の喜びかもしれない。……他にないんか他に。うるさい黙れ。畜生。

が。95年にドラゴンボールが終わり、翌96年にはスラムダンクも終了。特に後者は全く想像してなかっただけに物凄く驚いた。
あの比類なきジャンプの二大巨頭が連載を終えた。そら連載漫画なんだからいつか終わるのは当然だ。けど。現実感がなかった。
しかし次の号にもその次の号にもスラダンは載っていなかった。……ああ、終わったんだな。現実は漫画と違ってクールだった。
そうするとだな。「フッ」と、醒めちまったんだよ俺も。多分10年以上続けていたジャンプの購読の習慣が、スパンと止まった。
まぁピタッと止めたんじゃなく、購入が疎らになっていったと記憶している。けど96年中には完全に買わなくなってしまった。
俺はゲームでもなんでも、良くも悪くも切り捨てることが苦手で、何かにオタ臭く拘泥しがちだ。気持ち悪い。やかましい!
なのでこの「ジャンプ卒業」は自分の中でかなり特徴的な出来事だった。一般人はあれをゲームその他でやってるんだろう。
その後も「るろうに剣心」等で縁はあったが、結局雑誌購入に戻ることはなかった。今はもう遠い過去の思い出である。

で。比類なき「ワンピース」の連載が始まったのが、97年、俺がジャンプ購読を止めた翌年である。つまりそういうことだ。
どういうことだ? 要は俺とワンピは綺麗にすれ違ったわけだ。その後ワンピ人気がどんどん膨らんでも、出だしの躓きが響いた。
本誌内容で知ってから、単行本を買う。購読時代にその流れが定着していたから、「いきなり単行本」の思考にはなれなかった。
そして「終わったら読んでみよう」とも思っていたが、周知の通りワンピは25年を超えた今も連載継続中である。いつ終わんねん。
人気と話題が天井知らずで増えていき、なのに「ワンピを知らない」俺。21世紀の俺が捻くれた一因がワンピだ。ごめん嘘。畜生。
一度、一念発起して読み始めたこともあった。……古本をセコセコ買い集め、計17巻まで。他の漫画ならまぁ十分な分量であるが。
……しかし正直なところ、「面白いのは分かるけど好きになれない」という感想に終わった。実はこれは今もあまり変わってない。
確かによく描けているのは分かる。人気が出るのも分かる。けど、な。チョッパー加入までキッチリ読んではみたのだけれど。

なんつーか、この漫画は超人とパン人の力量差があり過ぎて、「世界が成り立たない」と思うんよな。その違和感が終始付き纏う。
俺がワンピを読んでまず思ったのが「北斗の拳に似てるなぁ」だ。超人とパン人の尋常じゃない格差はまさに世紀末のあれである。
しかしワンピ界は北斗と違って一応秩序がある。常人が店を構えたりして、通貨や技術も相応のものが正常に稼働している。
……いやー、ねーよ。ちょっとそこらの超人がヤカるだけで全ては崩壊するんやで? 止めてくれる正義超人はいないんやで?
クロコダイルは裏からアラバスタを手に入れようと画策していたが、あんなんアンタ一人出張るだけで全員どうにでも出来るやろ。
ましてクロコ(こう書くと弱そうぐああああ)は王下七武海だ。「政府公認の海賊」だ。この設定も読んだ時は唖然としたね。
作中唯一正義(歪んだ奴も在籍してるのはまぁ当然)とのために頑張ってると思っていた海軍が、強い海賊を公認していた。
ほんま意味分からん。目の前で王下七武海が商船を襲っていても、海軍は「あ、お疲れっすー」で去っていく。世紀末以上だろう。
「もし自分がこの世界にいたら」と思うと絶望しかない。何を得ても全て奪われ、挙げ句超人のお遊びで命奪われジエンドだろう。
「世界がしっくり来ない」というのは俺にとって非常に嫌なことなのだ。無論それは現実離れした能力とかそういう話ではない。

そして主人公ルフィらも、今更説明するまでもなく「海賊」である。決して良いもんではない。殺して奪うを生業にする者達だ。
無論そんなことは作中では描かれないが、ルフィ自身も自分たちが善人であるとはもちろん言わない。多分「やる時はやる」。
仲間や家族への愛情はこれでもかと描かれているが、そのために世のパン人を食い物にすることには特に痛痒を感じないのだろう。
……合わん。別に正義の味方であれとは言わんが、倫理観が俺と全く合わん。力がありゃ何でも許されるのか!? ……そですか。
仲間達もその辺の価値観は皆共通していて、熱い一方でどこか空恐ろしい残酷さが感じられる。……俺だけ? 捻くれて見すぎ?
あと、俺が漫画でよく気にする「刃物描写の誤魔化し」もな。ゾロが幾ら戦闘しても誰も死なないだろ? そんなんおかしくね?
剣を武器に戦闘、まして世界最強クラスがするなら、そこら中に死体と細切れの人体が転がってなきゃいかんのよ。誤魔化すなよ。
ルフィの重傷が肉食ったら治るってのも魔法がすぎる。さすがに悪魔の実にそんな能力はないだろ。漫画的超能力に頼りすぎだ。
……とまぁ、世界設定への違和感から細かいとこまで、好きになれない要素が色々ある。もちろん面白いとこも色々あるけど。
どんどん世間の話題に置いていかれる上に、実際に読んでみても合わない。なら、もういいか。義務じゃないし。当たり前やろ。

そうしてワンピースを諦めた俺だが、……ってまだ話続けるの? うん。今回は「俺とワンピ」が主題だから。語っておく。
ワンピを諦めた俺だが、世間での話題は延々続いていき、ちっともオワコン化しない。最早完全に国民的漫画に成長していた。
事あるごとにワンピワンピ……俺の知らんキャラや覇気だのなんだのの設定がチラホラと耳に入り、非常に鬱陶しかった。
もちろん売れてることに文句があるわけじゃないが、触れない人間のことも考えてくれ!! ……世間がンなこと考えるかボケ。
当然ながらゲーム版の発売も止まらない。中古でこっそり確保しているタイトルもあったりする。それどうすんの? 一生放置?
嗚呼……やっぱこれは今一度挑戦すべきなのか。でも現状100巻越えやで? 無茶言うなよこの忙しい時代に。ゲームで。チッ。

そんなある日、ネットジャンプ(多分)の一大イベント(多分)が発表された。「電子版ワンピース、90巻まで無料開放!」と。
現状105巻のうち、90までを無料開放。……それだけ読めば、さすがに色々分かる。「ワンピースを知ってる」と言えるだろう。
俺は17巻まで持ってるものの、その時点でもまだクロコ戦さえ未達で、寧ろワンピはこれからというとこまでしか知らない。
……ここはもう1回、挑戦してみるか? 無料でOkなんだ。それも90巻までなんて、これほどの大判振る舞いはそうないぞ。
しかし漫画を70冊近くも読むってのは、時間だけ見ても結構かかる。ワンピは情報量が非常に多いから、余計そうだろう。
また90巻一気開放ではなく、期間を区切って順繰りに見せてくれるらしい。だからボーッとしていたら未読で終わってしまう。
キッチリ時間と気合を確保して臨む必要があった。大袈裟な。いやでも、この時点では「読みたくはあるけど重」かったからね。
結局「やろう」と決意し、やった。もういい加減「ワンピ知らないコンプレックス」にはウンザリしていたんだよ。はぁ。

……むぅ。結果的に、90巻までちゃんと完走できました。よく読んだ自分と、それだけ読ませたこの作品に敬意を表するとしよう。
本格的に読んでみると、何より凄いと思わされたのが、この作品の圧倒的な情報量だ。1回1回でも、シリーズ全体でもそう思う。
初期と違って味方も敵もキャラが物凄く増えた。そんなキャラたちが場面場面で立体的に動き、正直漫画としては割とややこしい。
だから多面的な作戦が進行中の場合、絵図の現状説明もよく使われていた。複雑化した技設定も細かく説明され、誤魔化しはない。
そんなこんなでとにかく毎回情報量が多い。正直「これ国民的漫画としてはまずくね?」とさえ思う。よく皆ついて行けるよなぁ。
だがもちろん、それだけ魅力に溢れているということでもある。ワンピに手抜きという言葉は一切ない。あらゆる回が全力投球。
「〇〇編」等の区切りがあり、となるとその間の話があるが、その時でさえ箸休めとは感じない。……正直少し休ませてくれとも。
90巻まで読み、強烈に分からされた。ワンピース、間違いなく世界最高の漫画である。……まぁ「俺の知る限り」としておこう。
こんな熱量の漫画を四半世紀以上も週刊連載(近年は割と休みもあるようだが)でやってるなんて、控えめに言っても怪物である。
「俺の作品の方がワンピより面白い」と思ってる漫画家はいるかもしれんが、熱意と持続力に関しては勝てる人間はいまい。
そう、ワンピは尾田氏個人の作品だ。原作者がいるならまだ分かるが、話も自分で考えている。まぁ担当らの助力もあると思うが。
圧倒的な面白さを維持しながら、四半世紀以上、一切停滞なく熱量を保ち続ける。……いやぁ、無理無理。凄い。あまりに凄い。
俺は単行本の売上記録は副次的なものだと思う。この誰も真似できない漫画への熱量こそ、ワンピが世界一の漫画である証だ。

そんで俺は90巻一応読み切ったんだが、なんせ時間がない中で追われる形だっただけに、ほぼ1回限り、駆け足の読破となった。
この膨大な情報量を誇る作品を1回読みでキッチリ理解出来るわけがない。なので色々とあやふやな部分は残ってる。しゃーない。
この漫画は情報量も凄いが、「過去を蔑ろにしない」ことも本当に凄いと思った。旧キャラが様々な形で今も生きている。
麦わらの一味は一直線に先へ進んでるから、昔のキャラとは基本的にそれっきりだ。けど扉絵サービス等で、その後も出番がある。
ウソップの故郷のお嬢さんとか、未だに登場させても本編にはまるで関係なかろう。それでもたまに登場し、読者は喜ぶ。
旧キャラを活かすことで「世界が繋がってる」感が作品全体に満ちている。だからファンは何度も読み返し、ますます好きになる。
いやぁ、いちいち見事。世界最強の漫画である。シャッポを脱ぎます。……ただ、先述のように、全体的な印象は変わってない。
まぁでも十分面白かったし、当然先が気になる。90巻以降をどうするかはまだ悩んでるが……ほんま巨大な作品である。


さて、ようやくゲームの話に入る!! 「ワンピース海賊無双」である!! もう10年以上も前に発売された、コラボ無双である。
今作は中古品が溢れかえっているので、確保は早めにしていた。また俺は無双好きなので、プレーも早くしたいと思っていた。
が、Wikipediaで調べてみると、「原作60巻辺りまでを扱っている」とか。……アホかあああ!! 1作目からやり過ぎじゃああ!
俺が知ってるのは17巻まで……仮に読める環境が出来たとしても、60巻までなんてどんだけかかんねん。ワンピ、あまりに重い。
こりゃプレーは相当先になりそうだな……やりたいんだけどな……と半ば諦めていたんだが!! フッフッフ、それも今や昔の話。
90巻まで読み切った今の俺に不可能は何もない。どのワンピゲーをやっても、少なくとも「全然分からん」は最早ないだろう。
ああ、やはり読んでよかった、スッキリした。非常に珍しいことに、悩みが一つ綺麗に解決したのだった。……悩みだったのか。
もう何も怖くない。シリーズ1作目、ワンピース海賊無双の始まりである。サードのPS3専売は、この時期だと結構珍しいかもしれん。

では、今作はどんなゲームか!? ……を知らずに買う客は一人もいまい。ワンピースの世界で無双する。何と明快なのだろう。
実際、その通りのゲームだ。ワンピは戦闘漫画でもあるから、キャラや技は原作に豊富にある。敵は海賊団、雑魚ワラも合ってる。
ガンダム、北斗と来て3作目のコラボ無双だと思うが、この噛み合わせの良さは史上最高ではなかろうか。非常に良い題材である。
ゲームは所謂新世界編の序盤、「2年後」から始まる。つってもそこがスタートではなく、あくまでゲームの開始がここなだけ。
2年後のオープニングステージを終えれば、船改造のための移動中に宴を開き、再会した仲間達と過去にあった出来事を回想する。
その回想部分が今作のストーリーモードになるわけだ。なかなか良い作りである。……エピソード数が少ないのがやや不満だが。
取り敢えず本編の開始はバギー編から。モーガンはリストラ。NPC扱いのナミと一緒に、バギー海賊団との無双バトル、開始!!

……で、今作最大の問題点と早々にぶつかることになる。まぁ正確にはオープニングステージからだが。え? これ無双だよね?
もちろん無双である。ワラワラ登場する敵集団を一人でブチのめす爽快アクション。嘘ではない。……だが、メインでもない。
どういうことか? 今作のストーリーモードは、「無双要素もあるアクション」なのだ。実は無双バトルが中心ではない。
では何がメインかと言うと、一番はルフィの移動。オブジェクトに対しQTEで腕を伸ばしてビョーンと飛ぶってのが一番多いかな。
他、バギー砲をゴムゴムの風船で跳ね返したり、発熱したナミを背負って迅速に移動したり……原作ファンなら分かるだろう。
ステージによってはほぼボス戦のみということもある。今作のジャンルは「無双的に原作を再現したアクションゲーム」なのだ。

これは発売当時にファンを大いに困惑(&憤激)させたらしく、「QTE要らねぇ!」という不満の声は俺でさえ耳にしたくらいだ。
実際やってみても、確かにおかしいと思う。わざわざ無双の看板を立てておいて、何故? 別ジャンルなら他でやれよ。
無双部分も、出てくる雑魚の数が妙にしみったれていて、あまり燃えない。尚ハード性能の問題でないことは後で分かった。
ということで、今作のシナリオモードである「メインログ」は、無双としては非常にアレな出来と言わざるを得ない。
遊べないわけじゃないし、QTE部分の難度が高いわけでもないからそう不快でもないが、強烈な「コレジャナイ感」に苛まれる。
じゃあその分原作再現度が高いのかと言えば、フィールドは無双的に区切られフラグにより扉が閉まっており、これまたイマイチ。
実にどっち付かずである。せっかくの良好な素材をどうしてこう料理したのか、作り手の判断に疑問を抱かざるを得ない。はぁ。

というわけで、ここは頭を切り替え今作を「無双風アクション」と捉えるべきだろう。そしてそうすると、まぁ悪くはない。
少なくとも単純な無双より原作再現度は上なので、追体験を望む俺には寧ろこの方がいいかもしれん。……いやそれは言い過ぎ。
今作はグラフィックやモーション、演出等のガワについては100点満点中170点あるので、ワンピ界に浸る目的は存分に果たされる。
……ただ残念なことに、肝心の収録シナリオが少ない。最初はバギー編からで、アルビダやキャプテン・クロは登場しない。
更に空島編や幽霊船編も完全に省かれている。確かに全部出すのは大変だろうが……ある意味原作の膨大さが仇になってるな。
いや一作目の搭載量としては十分かもしれない。なんせ60巻分やで? 並の作品なら2周回れるレベルだ。ワンピがおかしいんよ。
終盤には原作では戦うレベルに達してない海軍大将とも戦える。この辺はゲームならではだ。無双ボス戦だから楽しくはないが。
最後は処刑台、エースを巡る激闘が描かれる。白ひげも黒ひげも参戦し、否が応でも盛り上がる。ようやっとるよ。多分。
ちなみにラスボスは赤犬で、「現実には勝てるわけないのにゲームだから勝っちゃってすんません……」と思ってしまった。
そのまま物語はオープニングステージ(2年後)に繋がり、俺達の戦いはこれからだエンド。ワンピの場合全く変ではないが。
シリーズは現状4まで出ているから、今回省かれた話やキャラも続編には登場するだろう。今からボリュームが怖いくらいだ。

メインログで動かすキャラは基本的にルフィだけだが、もちろんゾロやナミを操作する「アナザーログ」モードも存在する。
これはメインログのシナリオに乗っかり、別キャラを使用するというもの。となるとルフィでしか出来ないQTEが問題となる。
なのでアナザーログではQTE系をバッサリ削除し、従来型の升目状マップの無双ゲームになっている。……こっちの方がいい?
実際、このモードはシンプルに無双として楽しめる。メインログは正直何度も遊ぶにはかったるいからな。1回ならええんやけど。
ただシナリオは流用なので、例えばナミを操作してアーロンを倒したりもする。無茶苦茶である。ルフィ……助けt……いらね。
QTEがない分、無双を楽しめるのは断然こちらのモードであろう。俺はメインログも嫌いではないが、やっぱ問題はあると思う。
使用可能キャラは、麦わらの一味全員は当然として、エース、ジンベエ、白ひげ、ハンコック。1作目だからか少なめである。
無双というゲームは意外とキャラ格差が大きい(という印象)が、今作は「誰でも強い」調整で、いい感じに無双できると思う。
システムは大小攻撃とコンボ、ゲージが溜まれば必殺技のオーソドックス無双。回避移動の性能がかなり高いのは特徴かな。
必殺技はどれも大変見応えがあり、今作のガワ作りの優秀さが際立つ。多数の敵を巻き込めば「ドン!」演出があり、最高。
ちなみに、無双において実はかなり重要だと思う「モブ中ボスの調整」だが、今作はかなり弱いと思う。雑魚と変わらんレベル。
なので気持ちよく無双やっていられるんだが、少し物足りない気もした。その分ボスキャラが強めになってるんだけどな。
ボスは、特に大将3人がクソ強くて参った。原作でも言われる「ロギア最強」説がよく表現されている。あんなん勝てねーよ畜生。

今作は難度変更がいつでも可能だが、イージーでやるのは性に合わん。かと言ってレベル上げに励むのはかったるい。
今作では単純な経験値レベルアップと、「コイン装着」によるキャラ強化要素がある。キャラの顔や海賊団マーク等のコインな。
コインはステージクリア報酬等でどんどん増えていき、3つまで装備可能。パラメータアップから特殊能力付与まで種類は様々。
更に「特定の3コインを装着」することでコンボ効能を発揮するシステムもある。これが非常に豊富に用意されており、面白い。
麦わらの一味のうち3人で「麦わらの一味」、アーロンはちナミで「アーロン一味」というった分りやすい組み合わせもあれば、
チョッパーワポルラパーンで「雪国生まれ」、Mr3レイリーセンゴクで「メガネマン」等、組み合わせは非常に多彩。
3バッジの組み合わせには制作者の原作愛が強く感じられて好印象だった。バンダイ版権ゲーもほんま進歩したもんだ。
ただ攻略としては素直に攻撃力アップのコインを使った方が効果的だった。火力が正義なのは無双らしいと言えるのかな。

さて、一通り見て回ったらトロフィータイム。今作は割と簡単な部類で、時間を食う要素も少なかった。正直ホッとしたナリ。
つっても鼻歌ではない。まず、コイン全収集。コインはステージクリア後にランダムで手に入り、レア度設定もある。
一応内部的に未所持コインほど入手しやすくなってる気がするが、それでもランダムはランダム。プレーしまくるしかない。
クリア評価が高ければ貰えるコインも増えるので、それを意識しつつ効率の良いステージを只管クリアー。……面白く、ないな。
まぁトロ道とはこんなものだ。そしてそれに並ぶ厄介案件が「計10万人撃破」だ。10万である。一騎当千を100回やらにゃならぬ。
だが今作は出現する敵数が全体的にシミッタレていて、千体撃破すら殆ど出来ない。特にメインログは「無双」じゃないしな。
だから達成は相当面倒臭い。……そこで! 我がバンナムは解決策をご用意致しました! そうですDLCです! 金で解決です!
そう、有料DLCで千体簡単ステージはおろか、万体やれるステージもあるんだよ。やり方があまりに露骨で笑っちまったよ。
ただ、俺は今作を中古購入し、バンナムには金を払ってない。ならこれくらいいいんじゃね? 1ステージ100円だし。うん。
てわけで2ステージ200円払って買いました。正当な客になれたからその点で良かった。後ろめたいゲー道を歩んでると、色々ね。
で、万体ステージがあればもう余裕だろと思ったんだが……これがフリーズしやがるのよ! それも5000くらい倒した後で!!
3回やって1回成功、2回フリーズして萎えたんで止めた。酷いよバンナム! さすがにアプデで対応しておけよこれは!!
しゃーないから千体ステージを繰り返してなんとか達成した。本来はこんなの意識せずともやれるバランスにしてほしい也……。

そして残るはコイン集めである。まぁこちらは撃破数稼ぎに勤しんでいれば概ね集められた。面倒だけどやれる範囲のネタだった。
……しかし、鬼っ子がいた。そう、ネット要素である。今作にはオン協力プレーがあるのだ。全く余計なものを用意してくれる。
誰かと1回でもやれば、それで特別なコインを入手出来る。コインコンプには必須。しかし当然、今更今作のオンには誰もいない。
更にその特別なコインは3枚必要、つまり相手も3人必要になる。……いやいや。人っ子一人いないのに、3人用意せぇってそれ。
実際何度も部屋を立てて待ってはみたが、水溜りに釣り針を垂らすが如くだった。毎度のことながらあれは世の無常を痛感する。
なのでこの最後のトロだけは諦めようと思っていた。「無理」だからな。言い訳でも何でもない。否定するならお前やってくれ。
ツイッタで募集し、検索して今作のこと呟いてる知らん人に「やりませんか?」と問いかけもしてみたが、反応一切なし。しのう。
……が。そこに禁断の秘策が舞い降りたのだ。自演である。どうやって? 決まってるだろう。2台目のPS3を使って、だよ。

そう、2台目。いや今作のために買ったわけじゃないんだが、丁度その時、メルカリで俺は2台目のPS3を購入したのだった。
……「初期型」のつもりで買ったら騙されたという悲惨な結果に終わったんだけどな。これあんま語りたくないんで察して。はぁ。
で。PS3は2台ある。PS垢はやろうと思えば増やせる。同時にネット接続し、表示を切り替えれば自演プレーは可能である。
そして、当然ソフトも2本要るのだが、今作はどこでも110円レベルで売られていて、痛手にはならない。……おう。やろう。
チャリでおじゃま館へ飛び、2本目を44円で購入、準備は整った。さぁやるぜ! ……これでいいのか俺の人生。時は正月だった。
いやホント、虚しかったよ。PS垢を増やすのも、諸々の配線やらも。2台目は1台目より古い機種だから、挙動が怪しかったし。
また、知ってる人は知ってるが、今のPS3とVITAは「機器認証パスワード」というのが必要なのだ。従来のパスは破棄されている。
詳述はしないが、この機器パスをログインの度に取得せにゃならず、入力が大変に面倒臭い。それを幾つもの垢でやらされた。
自演プレー自体は1ステージをやるだけだから簡単だ。本垢を操作するだけで数分で終わる。それ自体には何ら苦労がなかった。
けど準備に関しては面倒やら虚しいやらでほんまもう。しかもゲームに全く関係ないし。これがトロ道、ゲー道ならぬ外道よ。
3垢で虚無作業をこなし、何とかプラチナゲット。……メインログはいいとしても、このトロを考えた制作者は恨めしいよ。はぁ。

グラフィックは、最高だった。PS3円熟期の技術と制作者のワンピース愛が見事に絡み合い、完璧な仕事をしていた。素晴らしい。
単純にキャラがよく似てる(ただし原作じゃなくアニメ版方面)し、「らしく」動く。これ以上なくキャラゲーをしている。
ほんま、バンダイの版権ゲーもここまで来たんだなぁを感心した。いや10年前のゲームだっつの。ええやん褒めてるんだから。
音楽も、まずボイスは当然アニメ版の声優が採用されていて、ゲーム中もイベント中もよく喋る。名セリフ関係もバッチリだった。
つっても俺はアニメ版はあまり(殆ど)観てないから思い入れはないんだが、寧ろ今作でキッチリ叩き込まれたんでよしとする。
ロビンの山口由里子氏だけはちょっと合わん気がした。敵側だと黒ひげの大塚明夫氏も、雄々しすぎて俺のイメージとズレている。
あと今作には未登場だが、ドフラミンゴは田中秀幸氏なんだって? それはないわー。まぁ今はいいか。概ね良好、てことで。
音楽も「ワンピースらしい」感じで、ステージを盛り上げてくれていた。気に入ったからサントラが欲しいと思って探した。
そしたら、コーエーお約束のトレジャーボックス版にミニサントラが同梱されていることを発覚。メルカリ検索……発見。
しかもサントラ単品で300円と。即買った。ミニサントラだけに曲数は寂しいが、贅沢は言うまい。初期ステージの曲が好き。
ステージクリア曲が一番気に入った。クリア時のムービーはキャラの動きも曲も最高で、ステージの締めにピッタリだったな。


ふー。比類なき俺のワンピースゲーム一発目としては十分楽しめた。……実はGB「幻のグランドライン冒険記」もやったんだけど。
何事も知らないよりは知っていた方がいい。ましてワンピのように一般教養に近い作品は、知らないことの不都合が多すぎるから。
地球全体にコンテンツが溢れかえる現代、基本的には自分の好きなものに傾倒すればいい。俺はそーする、これからもそーする。
だがそれ一辺倒だと、「世間との共通項」がどんどん消滅し、それはそれでつまらなくなる。なんだかんだ、娯楽に義務はある。
ならワンピのような大黒柱作品はやっぱ知っておくべきだ。「今人気のアニメ」等もな。幸い今じゃ環境は凄く整ってるんだし。
まぁだからといって「流行りのYouTuberもチェックしとくべき」とかになると、俺はいらんしらんきえてとなるが。ややこいのう!
あーもうええやんテキトーで。「共通の話題」さえも多すぎるから選ばなきゃならない時代だ。俺は選ぶから君も選べ。
その前提で強いて言えば、ワンピースは読んでおいた方がいいぞ。国民的漫画だ。読んどきゃきっといいことあるさ。知らんけど。

海賊無双は現在「4」まで出ている。そして「2」を既に確保済みだ。……無論、PS3版。だって安かったし! 確保するやろ普通。
もちろんそのうちやる。他にも手持ちワンピゲー幾つもある。また最新作の「オデッセイ」もPV観たら面白そうだと思った。
ワンピゲーの選択肢が一気に開けた。ええこっちゃね。……数が多くてややウンザリするのはまぁいつものことだから諦めろ。
比類なき世界最強の漫画・ワンピースの原作とメディアミックスにこれからも触れられる喜びを噛み締めて終わり。
読んだつってもまだまだ原作未読部分は残ってるし、ゲームもアニメも大量だ。アマプビにもう映画最新作が!? ありゃりゃ。
うーん。また「荷物」が増えたのも事実だな。これでよかったのか。自由であるはずのこの世で送る自由と掛け離れた娯楽生活。
作品は面白くても、ルフィらの生き様と俺、被るところはまるでない。そらそうやろ。漫画と現実をごっちゃにするでない。
結局基本中の基本に帰ってきたね。世界最強の漫画でも、現実には勝てません。はぁ。








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2 コメント

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Unknown (サク)
2023-06-13 15:56:37
アクセスしたらいきなり2つも記事が上がっていてびっくりしましたw
おかえりなさい

ワンピースは私も最初の方は読んでましたが、otaさんとほぼ同じような感想を抱いてハマれなかったですね。それから25年経っても未だに大人気漫画であり続けていることには敬意を表しますし、世間の人気コンテンツの話題に加われないことには寂しさを覚えますが、それを加味しても私はワンピースはいいかな…という感じになってしまっていますね
「凄い作品」より「自分が好きな作品」に触れた方が幸せになれるなということをゲーム人生を通して学びました
返信する
Unknown (ota)
2023-06-14 19:33:50
>おかえりなさい
またすぐ飛ぶかもしれませんが。都度構ってもらえるへラメン達が羨ましいです。

>ワンピースは私も最初の方は読んでましたが、otaさんとほぼ同じような感想を抱いてハマれなかったですね。
実のところかなり癖がある作風だと思います。なのに歴代のどの漫画よりも国民的人気を獲得したのが……正直分かりません。
結局は単純に尾田氏の実力と、何より情熱の力かなぁ。過酷極まる週刊連載を、一切の手抜きなく四半世紀以上続けるって……。

>「凄い作品」より「自分が好きな作品」に触れた方が幸せになれるなということをゲーム人生を通して学びました
ここは大変悩ましいところです。もちろんサクさんの考えも分かります。俺はテキトーにバランス良く触れていきたいです。
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