腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

GENJI

2010年02月05日 02時19分51秒 | PS2ゲーム感想文
まず最初に、このゲームの敵大将(ラスボスではないが)・平清盛の声優が、郷里大輔氏だった。
大将格の悪役ながらやや小物臭のする、郷里ボイス以外考えられないようなキャラだった。
別に、郷里氏に深い思い入れがあるわけではない。この清盛というキャラが魅力的だったわけでもない。
しかしこういう「郷里大輔で当然」なキャラが、今後はもう二度と登場しないことは、非常に寂しいと思った。
ったく、何ということだろう。しかも自殺ってなんだよ。
今も仕事は多くあったし、アイドル声優ではなくても、俺みたいな木っ端ファンは腐るほどいただろうに。
必要としてくれる人がこの世にたくさんいたんだ。なのに何故だ。……それは、本人にしか分からない。
俺は冥福なんて祈らんぞ。いっそ化けて出てアニメに幽霊ボイス入れてくれ。
「ドラゴンボール改」は毎週観ているが、果たしてミスター・サタンはどうなるんかな……。


さて、「GENJI」である。
このタイトル、「GENJI(笑)」と書いた方がいいだろうか。
誰を調査したわけでもないが、このゲームはオタ受けが悪いを超え、嘲笑されているようなイメージがある。
尤も、嘲笑を超えて誰も覚えていないというのが正確かもしれんが。
原因としては

・タイトルが地味
・2005年夏の大作として発売されたのに、あんまし売れなかった
・清原和博をCMに登用「弁慶でいっとけ!」
・廉価版化が早かった
・続編がPS3ロンチでありながら盛大にコケた
・ゲームリパブリック製作

こんなとこだろうか。
特にゲムリパ製作ってのが大きい気がする。641本とか。
岡本氏については好きな部分もあるんだが、それは今はいいや。
一応大作アクションとして登場したものの、非常に地味に扱われて、世間の話題から消えたタイトル。
GENJIとは、一体何だったのだろうか? それを知る為、俺はプレーを開始した。
というのは大嘘で、たまたま目に付いたからやってみた。
少なくとも、プレーに気合いの要るアクションとは思っていなかったから。


で。
プレー開始直後、グラフィックの美麗さに驚かされた。
所謂日本的な、和のグラフィックが非常に美しい。
もちろんPS2レベルではあるが、それでも「おお」と思うに十分な高品質だった。
直前に「FF13」をやっていてもそう感じたのだから、なかなかのものだろう。
俺はこのゲームを200円で入手したが、序盤のグラフィックだけでもその価値はあったと思う。


んでゲーム内容はと言うと、発売当時から言われていたが、雰囲気が「鬼武者」によく似ている。
あんな感じの3Dアクションと思っていれば間違いない。
小攻撃と大攻撃、コンボ、ジャンプ……うーん、普通だ。普通としか言い様がない。
基本システムに取り立てて書くことは何も無い。
強いて言えばグラフィックと同じくモーションも綺麗で良い感じってことか。


そんな何の特徴も無さそうなGENJIだが、唯一にして最大のシステムが「神威」だ。
カムイと読む。超カッケー。岡ちゃん命名に違いない。

神威を発動すると、「戦闘空間を殺陣仕様」にする事ができる。
分かり易く言うと、神威を発動すれば、敵に「必ず一定の動作で攻撃をしかけさせる」ことが可能になる。
これは雑魚からラスボスまで、あらゆる敵に対して有効。
で、その敵の攻撃動作中に、表示されるタイミングで□ボタンを押すと、華麗なカウンター攻撃を決めることができる。
このカウンター攻撃の威力は絶大で、通常攻撃の比ではない。
雑魚なら例外なく一撃で倒せるし、ボスにも数発当てれば勝利できるほどだ。
神威の発動にはゲージが必要だが、通常攻撃をやっていれば簡単に溜まるので、気楽に発動させることができる。
このゲームは一にも二にもとにかく神威であり、神威を決めて華麗に勝利する快感を楽しむのが正しいと言える。


で、確かに神威は超強力なのだが、もちろんこれだけで楽勝と言うほど甘いわけでもない。
決まったモーションで攻撃してくるとは言え、敵の攻撃スピードはかなり速く、動きに合わせてタイミングよくボタンを押すのは楽ではない。
特にボスキャラの攻撃は非常に速いので、安定して決められるようになるにはそれなりに練習が必要。
また、カウンターを狙っているのだから、ミスれば当然その攻撃をまともに食らう事になる。
ボス戦で神威をミスると、逆に致命傷を負ってしまうこともしばしばだ。
神威がどうしても苦手なら、通常攻撃にガードを混ぜて安全に戦うという方法も一応可能。
ただそれではこのゲームの面白さを1/10も味わえないので、やっぱ頑張って神威を狙うべきだろう。

敵の攻撃が速過ぎてカウンターを合わせ難い時は、ゲージを追加で使用することで「神威重ね」が可能になる。
これは神威空間の時間経過を遅くさせるというもので、神威重ねさえ発動させればボスへのカウンターも容易になる。
しかし神威重ねは有効時間が短く、敵がまだ攻撃モーションに入っていないのに発動してしまうと、
敵の準備動作がスローになる→本命の攻撃時には神威重ねの効果が切れている ということになりがちだ。
ただでさえ超強力な神威を更に使い易くする神威重ねだが、狙う場面は慎重に決めなければ無意味ということだ。


……とまぁ神威にも一応のリスクや難しさはあるのだが、それでも他ゲーと比べれば易しい。
慣れれば雑魚は本当に一瞬で勝てるし、ボスも何度か攻撃を食らえばタイミングを掴める。
このゲーム、根本的に非常に易しい。難度が低く、誰でもクリアーできるだろう。
神威システム自体が鬼武者の「一閃」を易しくしたようなものだしな。
で、易しいなりにある程度は楽しめるのだが、「それ以上」の魅力がないのも事実。
神威は強力で爽快だが、結局ただの目押しであり、アクションの快感は薄い。
確かに間口は広いが、逆に奥が浅い。飽きる。
このゲームは「ボリュームが小さい」と批判されたが、実際のゲームプレー時間は元より、
システムの底の浅さがそれをよりプレーヤーに感じさせたのではなかろうか。

神威を除いても、ゲームの難度は低い。
今作には経験値や金の要素があり、雑魚戦を繰り返せばどんどん成長させられる。
また死んでゲームオーバーになっても、その時点まで得た経験値を持ち越しで再開可能という親切設計。
回復アイテムは豊富に手に入るし、店で買う事も可能。
敵を倒すと稀に体力回復アイテムを落とすが、どうやらこちらが死に掛けになればなるほどその確率は上がる模様。
そもそも敵からの被ダメージも小さめで、ガード(ほぼノーリスク)を使いまくっていれば、ピンチになる事自体少ない。
明らかにゲームのヘタな人への配慮が見て取れる。
アクションの苦手な人も、神威で華麗な技を決める快感を味わって欲しい。
それがこのゲームのコンセプトなのだと思われる。

その狙いは一応成功してると思うが、前述のように間口の広さの代わりに奥深さはなく、やってて飽きる。
確かに世に数多ある極悪アクションとの差別化は図れているが、「一発芸」で終わっている感は拭えない。
正直、これなら既存のアクションゲームのイージーモード等でもいいと思う。
デフォルト難度を抑えるのはいいとしても、神威のタイミングをシビアにしたハードモード等、
もっと幅広い難度を用意しても良かったのではないか。
一応クリア後にハードモードは登場するが、レベルアップ不可にアイテム入手不可という、
ノーマルと逆で異常に制限の厳しいものになっている。
ハードでは神威を決めても威力が低く(アイテム入手不可なので武器が初期装備のまま)、爽快感が薄い。
難しいのはいいけど、これはちょっと違うだろう。萎えたのでやる気になれなかった。
うーん。


ゲームってのは「調整が全て」と言っても過言ではない。難度の調整はそれほどまでに重要だ。
そしてゲームによって難度は様々であり、そこに正解はない。
易しいも普通も難しいも極悪も、それがゲームに見合っていて、面白さを醸していれば、正しいのだ。
このゲームは易しく調整してあるが、それがあまり成功していないように思う。
まぁ失敗しているとも言わんが、俺は1周やっただけでもういいやと思った。
ガッチリ付き合う魅力はない。残念。



物語は、一応平家物語を原作にしてるのか? よう分からん。
源義経が主役、弁慶が準主役。
極悪集団平家が天下を取り、暗黒の世界と化した平安京を救う為に2人の戦いが始まる。
物語のキーとして、「天鋼(あまはがね)」という不思議な石の存在がある。
平家はこれを使うことで超人的なパワーを手にし、義経と弁慶もそれぞれ所持している。
神威の発動やレベルアップにも絡んでるので、一応ゲームに馴染んだ特殊アイテムと言える。
……うーん、あんま魅力がないな。
一応ヒロインキャラも登場するが、ラブコメも無く、平家の方にも特にドラマがなく、物語に見所がない。
この面に関しては明らかにボリューム不足である。うーむ。


キャラは……。
主役の義経は、小柄な美形としていい感じ、かもしれない。
どっちかっつーと「豪快な弁慶」の方がイメージしやすいので、その対極の存在としては分かり易いキャラだった。
一度弁慶と戦い(例の橋の上で)勝利しているので、主従関係がきちんとしているのもいい。
悪くないキャラだと思うが、描写不足が残念だ。

弁慶。清原とはあんま似てない。
声が大塚明夫で、もうまんま豪快豪快。
攻撃はもちろん移動も非常にもっさりしていて、結構ストレスが溜まるが、そういう調整だから仕方ない。
その分義経にはない攻撃力と攻撃範囲を持ち、ゴリ押しのし易さも考えれば意外と初心者向きかもしれない。
そもそもこのゲーム、訴求対象のゲーム初心者にはどの程度売れたんかな。
意外と好評だったりしたら嬉しいんだが。


ヒロインとして静っつー女が登場するが、何故か素人を声に使ってるので、棒読みが非常に目立ち、全く魅力がない。
一般人ヒロインの皆鶴(堀江由衣)の方がずっと良かった。
まぁどっちともいい雰囲気になるわけではないが。
もっとベタなドラマ入れればいいのに。ベタなゲームなのに。



んー、やっぱあんま書くことないや。
薄いゲームだった。これでは大作を名乗れまい。売り上げは正直だった。
続編として「GENJI 神威奏乱」がPS3のローンチで発売されたが、これは今作以上に不評なようだ。
寧ろ今作を気に入っていたユーザーからも見放されるほどの出来栄えだった模様。
んー、SCEというハードメーカーから、2度もゲームを出すチャンスを貰ったのに、何をやってんだよ。
やっぱゲムリパ(笑)、岡ちゃん(笑)、641本(笑)、なのかなぁ。
残念ながら、続編をプレーする気にはなれないな。これで俺のGENJIは終わりか。まいいか。


グラフィックは本物だったし、専門家が監修したらしい殺陣の動きもそれっぽかった。
「こんなゲーム」であっても、きちんとプロの技術や魂が篭っている部分もあるのだ。
しかし支持されず、今じゃ誰にも見向きもされず、記憶されているわけでもない。
非常に寂しい現実だ。だがこれが現実だ。
洪水のように新作が出続ける世の中、一部のゲーム以外が埋もれていくのは当然だ。
世間的にダメでも、俺個人にヒットすれば何とか記憶に留めたいが……。
全てのゲームに誠実に接し、全てのゲームを好きになりたいと俺は常々思っている。
が、それは理想。現実は? GENJIは?
……うまくいかん。やれやれだ。







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4 コメント

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GENJI好きだなー (キャロル)
2014-10-28 01:48:32
ノーマルを63周、アイテム貴重品カンスト、ハードもクリア
たまに起動して天空界とか五条大橋を義経で散歩してる。
曲もいいし背景も美しい、PS2ある人今更だけどオススメ(*^^*)
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Unknown (ota)
2014-10-28 23:05:39
正直GENJIにコメント頂けるとは思ってませんでした。ありがとうございます。
……ろ、63周!? 凄い。それだけ好きだったんでしょうね。いいことだ……。
確かにグラフィックを中心に、ゲームの雰囲気は良い出来だったと思います。個人的にはゲームとしてはちと普通すぎるという印象でした。
決して悪いゲームじゃないですし、ある種の普通さがキャロルさんの感性にバッチリ合ったのかもしれませんね。
続編の未プレーが今も少し心残りです…
返信する
私は好きだよGENJI (エウブレウス)
2017-06-04 09:21:16
個人的にGENJIはむしろ神威より心眼が楽しいですw
ハードモードでは雛石による強化がノーマルより増えてる事を最近知って「やっぱりやってみるもんだな」と感慨深くなりました。
返信する
Unknown (ota)
2017-06-05 01:19:42
心眼は神威なしで決めるカウンターでしたっけね。俺はタイミングが厳しすぎて狙わなかった記憶があります。
このゲームについては浅い浅いと言ってますが、俺のプレー自体が浅かった気がしますw いつか再プレーを……。
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