石ヤ塔

　下北山村は上池原の奥地に石ヤ塔と言われる絶壁がある．この辺り一帯、大峡谷となっていて、狭くて路面の荒れた舗装林道が山の上方まで続いている．暗い路面には拳大ほどの石がゴロゴロと路面に転がっているので、すごく厄介だ．



　視界は樹木で暗いため、大きな石に気付かず当たってしまえば、ハンドルを取られて谷底に落ちてしまう．そんなスリリングな道を慎重に上っていくと、石ヤ塔の展望所にたどり着く．最初は気付かずに通り過ぎてしまったほど、展望所は開けていない．



　１００メートル級の岩塔がそびえ立つと言うが、青々と生い茂る樹木によって、展望所からは石ヤ塔の全容は見えなかった．とはいえ、反対側の峡谷に大きな岩が切り立っていて、自然の驚異を肌で感じ取ることができた．



　復路は、道中に見つけた開けた場所で、石ヤ塔の全容と思われる風景を撮ってみた．写真だとスケール感が伝わらないけど、Ｖ字の大峡谷で真下は谷底になっているので、オートバイから降りるだけでもヒヤヒヤする感じだ．



　池原ダムの堰堤から見える山の裏側がまさか、このような感じになっているとは思いもしなかった．石ヤ塔までの道のりは、ちょっとスリリングだけど、紀伊山地に立つ岩塔はとても驚異的だった．