和歌山r44からr45へと走り継ぎ,そして,ようやく最後の和歌山r43へと突入した.路面状況は,和歌山r45と同じような道だ.それでも,路面上の砂利や石ころは非常に少なくて,アスファルトの舗装が顔を出してくれていた.
和歌山r43はウィキペディアによると,
和歌山県の主要地方道の中で一番陸上距離の長い道路である。途中の那智勝浦町坂足には幅員1.7m制限の狭小区間がある。
と記載されている.その陸上距離とは,実に58.8キロメートルにおよぶ.陽も傾き始めてきたので,焦りが募ってきた.
このあたりが,幅員1.7m制限の狭小区間かもしれない.侵入者を拒むように太い木が,道路に立ち塞がっていた.ここで通行を断念したドライバーが,過去に何人いただろうか.県道の標識がなければ,自然に帰りゆく廃道と遜色ないかもしれない.
陽が暮れてきて,辺りはすっかり暗くなってしまった.暗い中,狭小区間の先へと進んで行かなければならない.こういう時は,思っていたよりも大きめの石に当たったり,軽視していた苔で滑ったりして,ハンドルがとられ易い.ガードレールは当然ないので,ここはひとつ教科書に異を唱えて,キープライトを実践することにした.
和歌山r43は悪路ばかりでなくて,幅員の広い走りやすい区間もある.見晴らしの良いところもあって,夕暮れ時の山並みが,うつくしい姿をみせてくれた.ここから先は,狭路と広路を何度か繰り返しながら,峠を下っていくことになる.
そして,ようやく古座川を示す道路標識があらわれて,ほっと一息つくことが出来た.ここから串本町まで抜けるには,まだまだ時間を要するが,道路は次第に険道から県道へと変わっていく.水を得た魚のようになって,山間のくねくね道を颯爽と走り抜けて行くのだった.
やっとの思いで,串本町へとたどり着くころには,潮岬灯台でのサンセットが始まりつつあった.日没を前にして,和歌山r43・44・45との長きに渡る戦いが,人知れず無事に幕を閉じたのだった.
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