オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

南紀の山越え ⑥ 裏那智

2020年03月01日 | くねくね道


 古座川町から走り始めたルートフォーティシリーズも終盤戦へと突入し,すでに熊野川町へと入ったようだ.時間にも余裕があったので,以前から気になっていたr44から分岐した林道の先にある宝竜滝を見に行くことにした.



 この林道は,以前までは車両でも通行できていた様だが,現在は車両での走行が禁止されている.オートバイを停めて,てくてくと歩いて行くことにした.



 ここまでのところ,天気がよかったのに,林道へと入ると同時に辺りは薄暗い雰囲気に包まれ始めた.ここは熊野川町の滝本というところで,那智の滝の反対側に当たる場所だ.もちろん,宝竜滝と那智の滝の間には那智山がある.



 神妙な雰囲気のある林道を歩いてしばらくすると,突然開けた広場へと出た.焚火や薪割りをしていた様子があった.以前はここが駐車スペースであったようだ.



 そして,広場の先が宝竜滝の入り口となっている.遊歩道と言うよりは,苔むした岩の上を大股で歩いて行くような道だ.最近,苔むした河原の岩の上で,手をつく間もなく転んでしまったことがあったので,慎重に進んで行くことにした.



 岩場を黙々と歩き続けていくと,正面に宝竜滝が見えてくるようになる.滝は二段構成になっていて,一ノ滝が落差51メートルで,一ノ滝の上にある二ノ滝が落差54メートルだそうだ.



 滝壺の近くまでは,宝竜滝から流れてくる川に沿って,歩いて行くことになるのだが,水の色は川底が透き通って見える程にきれいであった.



 川を渡って,ちょっと岩場を登って,滝壺の見える位置までやってきた.汗ばむほど歩いてはいないけれど,来た道を振り返ってみると,険しい場所であることが分かった.



 那智の滝の反対側にあるこの宝竜滝は,通称,裏那智と呼ばれているそうだ.那智の滝は,常に観光客でごったがえしているけど,ここでは人と出会うことはまずないだろう.そんな事情もあって,この宝竜滝―裏那智―は,とても神秘的な感じのする瀑布であった.


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