
10月末の朝のことだったと思う.市街地から山間部に入ると、辺り一面が白い霧で覆われていた.ピンロックシールドは劣化して役立たずなので、シールドを開いて走行しないと、前がほとんど見えないほどだった.

京都南部から奈良へ南下するにつれて霧はどんどん深くなり、室生付近でピークを迎えた.せっかくなので、トイレ休憩も兼ねて室生ダムへ立ち寄ってみた.用を足して身支度を整えていると、「幻想的で珍しいですね」と自動車でやって来た方から声をかけていただいた.

そう言われてみると、確かにその通りで、関西に来てから6年が経つけど、この辺りに霧が発生しなかったことは自分の知る限り、なかったと思う.早起きは三文の徳と言うけど、その恩恵にあずかることができた.

普段見慣れたダムも霧が発生すると、とてもミステリアスな雰囲気になるのが面白い.ダムと霧は相性が抜群にいいと思う.この後、霧は嘘のように消えて、青空が広がっていくのだった.
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