尾鷲港,太地町,田原の海霧,そして南紀の山越えと,紀伊半島の旅は楽しかったけれど,帰りは雨に降られてしまった.三重県熊野市の波田須町まで北上すると,ようやく分厚い雲の合間から陽ざしが見えてきた.
いつもは真っ青な空と海の国道311号線だが,曇天模様の下では,どこか違った場所のように見えるのだった.そして,海沿いの町は,まるで住人が消えてしまった様に静まりかえっていた.
ねずみ色の海の上には,まっしろな空が広がっていて,どんよりとした重たい雰囲気が漂っていた.それでも,雨があがってくれたので,いつもと違った雰囲気の紀伊半島を楽しむことにした.
国道311号線は,至るところに海岸線や漁港などに通ずる道が分岐している.試しに,適当に国道から分岐した道を走ってみると,いつも自分が走っている国道とその街並みを眺めることができた.景色を地図と照らし合わせてみるのも,思いのほか面白かった.
賀田湾を間に挟んで,三重県尾鷲市の古江町を正面に望むことができた.対岸までの距離は,800メートル位だろうか.カメラのズームが良い感じに効いてくれて,港町らしい風景を切り取ることに夢中になってしまった.
こんな感じで北上を続けていくと,あっと言う間に尾鷲港のある市内に着いてしまった.ここから先は,この天気では景色も楽しめないので,尾鷲から自動車専用道路で,津市まで行くことにした.途中,寒さが堪えるので,パーキングエリアで休憩するも,ライダーはいなかった.
津からは,伊賀の山を越えて,いつもの三国越林道を経由して,京都へと向かった.途中にある東屋で,休憩していると,薄っすらと陽が差してきた.雨に打たれた時は,すっかり落ち込んでしまったけれど,何とか無事に紀伊半島遠征の旅を締めくくることができた.
もう少し暖かくなったら,次は奈良の山を南下して紀伊半島へ行こう,と思うのだった.
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