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京都南部の市街地から和束町へ抜けるには、峠越えが必要だ。腰越峠といって、自動車やオートバイよりも自転車の通行量が多い道で、峠でよくチャリダーが肩で息を切らしながら休んでいる。そこから、少し下って行ったところに開けた見晴らしの良い場所がある。
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そこには峠にも関わらず、急な斜面に緑色のカーペットのような茶畑が下の方まで伸びている。そして、茶畑の傍らには農業用のモノレールが走っている。青い箱の下にエンジンが隠れているようだ。このモノレールは、いつも同じ場所に停まっていて、動いているところを見たことがない。茶畑はよく手入れされているので、きっと現役選手に違いない。
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この場所から、茶畑を眼下に和束町、木津川を挟んで奈良の山並みを一望することができる。この場所に通りかかると、行きでも帰りでも、必ず立ち止まっては、ヘルメットを脱いで、山の新鮮な空気を吸いながら景色を眺めるのがお決まりになっている。
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この峠からは、南西の方角を眺めていることになるので、至る所に散見されるのは、和束町の石寺や撰原の茶畑かもしれない。関西にやってきて、もうすぐ3年が経つが、自分の知らないところにまだまだ沢山の茶畑があるようだ。
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そして、いつも気になっていたのが、山の上にぽつんとある白い建屋だ。カメラのズームを最大にしてやると、暗くなってしまうけれど、何かの工場のように見える。地図と照らし合わせてみると、相楽東部クリーンセンターと言って、ごみ処理施設のようだ。それにしても、施設の前に広がる茶畑は圧巻だ。
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クリーンセンターを目印にして、撰原の山奥に広がる茶畑を周ってみるのもいいかもしれない。のんびりと長居していると、奈良の山並みの先がうっすらと黄昏てきた。さあ、暗くなる前に帰ろう。オートバイのエンジンを唸らせながら、腰越峠を駆け抜けていくのだった。
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