織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

南ア・鳳凰三山紀行(37) 「薬師岳」

2012年06月26日 | 南ア・鳳凰三山紀行
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南ア・鳳凰三山紀行(37) 「薬師岳」 .





薬師標識


薬師山頂 奥は地蔵岳


薬師山頂


薬師山頂のミニオベリ


薬師より八ツ



地蔵岳(2,764)観音岳(2,841)薬師岳(2,780)の三山を指している。
南アルプスのよさは原生林の覆われ、深い渓谷が人臭さを感じさせないところであるが・ 、この鳳凰三山の頂きは見通しの利く白い稜線部に覆われている。

地蔵ヶ岳は花崗岩からなり、大自然の風化作用により頂上には18メートルの大岩柱(オベリスク)がそびえ奇観を呈している。。
同様に観音ヶ岳、薬師ヶ岳ともに花崗岩の風化によってできた白い砂と岩に覆われ、雪と見間違えそうな白さであり、麓から見るとまるで雪が覆っているようである。

鳳凰三山は古来からの名山で、荻生徂徠は「峡中紀行」において「鳳凰山ヲ問フ。則チ神鳥来リ栖ミシ処ナリ。年紀悠バク、其ノ的トシテ何レノ代ニ在リシカヲ詳ラカニセズ」とその神秘的な雄麗さを説いている。


薬師の頂上へ近づくに従って、時には大きな岩、奇岩の間を往くようになる。
大きな岩を乗り越えるときには足を高く上げるようになり、余計な労力を要するときもある。 
今日の道中を思う時、この後は概ね下りであろうが相当の長い距離を歩まねばならず、今後の体力維持に心せねばならない。

ハイマツと一緒に岩にへばりつくようにハクサンシャクナゲの葉が風にそよいでいて、所々に、強風から身を守るように岩に隠れて高山植物が新しい芽を出していて、間もなく華麗な高嶺の花々が咲き競う時期を迎えようとしている。


薬師小屋に泊まったのであろう、女学生のグループであろう・・?、「富士山も見え、北アルプズで見え、槍ヶ岳が見えていたわよ・・!」 と興奮しきりであった。

確かに、観音岳から薬師岳までは、右も左も前も後ろも山・山・山で興奮しっぱなしだった。
薬師岳に到着すると目の前に白峰三山、あ~いいな~登りたい。



薬師より地蔵



薬師より観音


遂に、薬師の頂上(2780m)へ到着した。 
観音岳から概ね30分ほどで山頂に到達。
そして、辿り着いた薬師岳の山頂は白砂の広々としたスペースであり、そくに巨大な花崗岩の岩がまるで配石したように色々な形の岩が点在していて独特の雰囲気がある。

更に、周辺は緑の這い松帯になっていて、まるで、チョットした日本庭園を散歩しているような感覚になる。
巨岩が積み重なったような状態では、思わず大岩の上で昼寝をしたくなる程のどかであり、悠久の世界であった。
そう、この地は、ばかでかい枯山水の庭である・・!!。


目の前には北岳バットレスが大きく立ちはだかるように聳えている。
昨年の夏、正面の北岳に登り、白峰三山を縦走するつもりであったが悪天候に阻まれ、已む無く大樺沢を降りてきた残念な思いもあるが、今はただ感動が胸をよぎる。
暫く、白峰三山をながめながらボーッと幸せな時間を過ごす。




薬師から中道標識



尚、薬師岳山頂の東側には青木鉱泉へ通じている下山道がある。
近年開けた「中道コース」というのがあって、山腹直下にはその名も「御座石」という巨石が鎮座しているらしい。


次回、 「薬師岳小屋





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