土佐のくじら(幸福うさぎ丸)です。
前回記事は、田沼意次の治世のお話でしたね。
今日はその後の、寛政の改革の時代です。
前回記事の田沼時代は、今に伝わる江戸文化のほとんどが出現した時代でした。
寿司などのファーストフードも、この頃だと言われています。
日本の文化のすごいところは、そのほとんどが市民文化だということです。
世界の名だたる文化というものは、王侯貴族や大富豪が資金を出したり、パトロンを庇護するなどして、
できたものが多いのですが、
日本の文化は、今でもアニメやカラオケなど、一般市民文化が主流です。
これは日本が、一般市民レベルで文化を創造する力があり、享受することができる民族である証拠ですね。
さて、田沼の重商主義政策で江戸は繁栄したのですが、田沼政治は農村を置いてけぼりにしたところがありました。
折りしも、天命の大飢饉もあり、地方では田畑を捨て、江戸に流れ込む人が、この時期にはたくさんいました。
今でも同じですけど、洋の東西に関わらず「都市には仕事がある。」と思って、人々は都会に出てきますね。
まぁ、この感覚に近いのですが、江戸時代当時は、これは立派な”密入国”だったのです。
藩を超えての、人の移動の自由がなかったからです。
この密入国者を当時は、無宿人(むしゅくにん)と呼んでいたのです。
この頃は基本的に、人の自由な移動は禁じられていて、江戸という都市も、多量の無宿人を受け入れる体制や文化にはなっていませんでした。
ですから、無宿人は普通、職にありつくことができなかったし、住むところもありませんでした。
今でも、戸籍がなければ、住むところも仕事にもありつけないですから、日本は今も現状は、あまり変わっていないのかも知れません。
そこで当時江戸の町は、この大量の無宿人が、様々な犯罪に手を染めることが多発していたのです。
この時代に活躍した人が、時代劇ドラマ、『 鬼平犯科帳 』 で有名な、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)
長谷川宣以(はせがわのぶため)です。
長谷川平蔵・・・の方が有名ですね。
(以下、長谷川平蔵とします。)
長谷川平蔵の仕切る、火付盗賊改というのは、放火や強盗など、凶悪犯罪を取り締まる幕府の機関です。
奉行所は警察署というイメージがありますが、どちらかというと、都庁や県庁・・と言った、総合的な役所ですね。
その中に、警察機関もあったのです。
火付け盗賊改は、警察+国家公安のような存在でしょうね。
犯罪取締りの、専門的な役所です。
その仕事の中で長谷川平蔵は、様々な凶悪犯罪を取り締まり、鬼平・・・と言われるほど、悪には厳しかったのですが、
どんどんどんどん無宿人が、全国から江戸に集まるものですから、「これでは、きりがない。」と、思った野のでしょうね。
そこで一計を講じます。
平蔵は、時の老中松平定信に、人足寄場(にんそくよせば)の設立を進言します。
江戸の石川島に、いわゆる、職業訓練所を造ったのです。
ここで長谷川平蔵は、軽犯罪者や無宿人を捕らえたりして、大工の仕事など様々な、技術的な職業訓練を、無宿人に手当てを与えて施したのですね。
もちろん予算は、幕府から出ました。
直轄は、長谷川平蔵が火付け盗賊改をしながら兼務しました。
(長谷川以降は、新たに奉行職ができました。)
寄場の資金が足りず、平蔵自ら借金をし、相場などの運用でまかなっていた・・・という記述もあります。
寄場を無事卒業すれば、大工道具など必要なものが、寄場から支給されたそうですよ。
鬼平、長谷川平蔵の施策は、世界初の犯罪人への社会更生施設だった可能性が高いです。
平蔵はこの、寄場の職務の激務が祟ったのか、火付け盗賊改の役職を退いて後、数年でこの世を去ってしまいます。
とにもかくにも、この鬼平こと長谷川平蔵という方がいてくれたことで、その後の江戸市中の治安に、多大なる影響があったに違いありません。
無宿人・・・現代で言えば、移民ですね。
彼らを取り締まるのではなく、排除するのでもなく、教育し構成して世に出して、市中の発展に役立たせる・・・
日本も、今後の移民外国人政策を学ぶ上で、模範的な事例が江戸時代にはある・・・ということですね。
とても誇るべき歴史だと、私は思います。
基本ラインとして、教育して日本のために役立たせる方向は、間違ってないと思います。
ただ、その過程で、それに反抗する連中もいると思うので、そこらへんも吟味してやっぱり鬼平的存在は必要かな。
と、思いますね。
移民と言っても、日本人の感覚からすれば、日本語を話せて帰化してくれれば、OKなんじゃないかなとは思います。
日本人は、基本的に民族の違いにおおらかです。
ただ中朝韓三国のように、積極的に反日をされるといやですね。
本国で反日政策を取っている国家からの帰化は、協力に制限し、こういうところにこそ、強い規制を設けるべきですね。
さすれば、彼の国で、革命が起こるかも知れませんが。
(爆笑)