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慢性好酸球性肺炎・好酸球性副鼻腔炎 闘病日記

同じ病気でお悩みの方の参考になればと思い始めました。

イナビルの吸入指導で思うこと(2/2)

2014-02-02 19:25:59 | 薬について
このところ、インフルエンザの患者さんが多い。多い時は5、6人。A型とB型が混ざっている。
タミフル耐性菌が問題になっている為、イナビルばかりの処方。

私の薬局では、インフルエンザの隔離室で、その場で、患者さんに吸ってもらっている。いずれもイナビル吸うのは初めての患者さんばかり。予防接種を打受けたのにと言われる方もいらっしゃる。A型とB型の患者さんが同時に訪れた場合は、一応、カーテンでしきって待っててもらう。先日は、A型の患者さん、3人を一度に指導。皆若い方ばかりだったので上手に吸ってくれた。

実際に吸ってもらう前に、吸い方のポイントを交えて、見本を見せ、そのあと実際に吸ってもらう。
・まずイナビルの底をトントンとたたき、固まっている粉をほぐす。
・1本目の1番をスライドさせて、患者さんに渡す。
・まず息を軽く吐いて、イナビルをしっかりくわえて、深く強く吸い込んでもらう。この時、吸入口を塞がない。
・吸い込んだら軽く(2-3秒)息を止めてから、吸い口に息を吹きかけないように吐く。
・2番をスライドさせて、同じように吸ってもらう。
・もう一度1番、そして2番。1本につき、計4回吸ってもらう。
・10歳以下のお子様は、1本。10歳以上は2本吸ってもらう。
・熱が下がって2日間、もしくは、インフルエンザにかかって5日間は、家でおとなしくしていてねと声をかける。
・10代の患者さんには、保護者に、異常行動に注意してくださいと言う。

形状が鼻に入りそうなのと、インフルエンザの検査を鼻からしているので、鼻から吸うと思い込んでいた患者さんもいらっしゃる。
息を吐かないで吸おうとするとうまく吸えない。息を止めないですぐに吐いてしまうと粉が鼻や口から出てきてしまう方もいらっしゃる。
大体1回目で、吸い方が悪い方には、注意ができるので、そのあとは上手に吸ってくれる。

他薬局では、説明だけして、ひどい薬局は、説明書だけ渡して、さっさと帰ってもらうというところも多いようだ。
絶対、うまく吸ってない患者さんは多いと思う。高い薬なのに・・・。年を取った患者さんは理解も遅く、吸う力も弱く、指導が難しい。
こんな方が薬だけ渡されたら、一人で吸うことができるのだろうか?と思うこともある。
家族は他の薬局でイナビルをもらった患者さんには、当薬局の方式はありがたいと言ってもらえた。

確かにこんな隔離室のない薬局は、その場で吸ってもらうことは難しいのかもしれない。せめて、一人で吸うことが困難と思われる患者さんには、裏口から招き入れてでも、その場で吸わせてあげるべきと思うのである。

新しい喘息の吸入薬・レルべアとフルティフォーム

2013-09-29 09:07:59 | 薬について
9月の半ば頃、グラクソのMRさんが来局。11月あたりに新しい吸入薬が発売になるので、是非、となりの呼吸器科の先生と一緒に10月末頃、勉強会を開かせて欲しいと言われた。・・・是非お願いしたいと答えた。その吸入薬の名前は?→まだ今の段階では、お教えすることができないと言われた。

9月20日、製造販売の承認がおりて、その名前がやっとわかった。レルベア。覚えにくいが、響きとしては悪くない。
レルべア100エリプタ14吸入用、レルべア200エリプタ14吸入用の2規格。吸入ステロイド剤(ICS)であるフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)と長時間作動型吸入β₂刺激薬剤(LABA)であるビランテロール(VI)のドライパウダーの配合剤です。1日1回1吸入というところが大きな特徴らしい。
エリプタって何だ?グラクソのドライパウダーはディスカスなのに、新しいデバイスが出るっていうことか…。ディスカスよりも簡単で、1アクションで、吸入できるらしい。残薬カウンターも大きく見やすくなっているそうだ。でも、新しい薬だから、発売されて、1年間は14日分の処方しか出してもらえない。1日1回1吸入というのは魅力だが、お医者さんに月に2回もかからなくては行けないから、普及するのは来シーズンかな。

私としては、配合剤・ドライパウダーというところがあわないので、使うことはないだろうけど、使ってみたい気持ちもある。

もう一つ、杏林からフルティフォームが今年中に発売されるらしい。フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP:商品名フルタイド)とシムビコートに含まれている長時間作用性吸入β2刺激薬ホルモテロール(FM)の配合剤でエアゾール製剤だそうだ。フルティフォーム50エアゾール56吸入用とフルティフォーム125エアゾール56吸入用の2規格。こちらは1日2回の定期的な吸入。シムビコートのように、追加吸入(SMART療法)はできないらしい。

私は、こちらの方が是非試してみたい。私は、エアゾール愛好者。パウダーは、いくらうがいをしても、粘膜に張り付く感じが、拭えない。エアゾール剤なら、エアロチャンバーを使って吸えば、違和感なく吸える。しかもLABAの中でも即効性のあるホルモテロールだ。SMART療法はダメよと言われても、効果は期待できる。製剤見本を是非ゲットしたい。

とにかく、吸入薬の種類が増えるということは、喘息患者にとっては、朗報だ。自分にあう物を是非探していただきたいという願いを込めて、記事にしてみました。


吸入指導の大切さ パート2

2013-03-13 17:54:34 | 薬について
私のブログの閲覧数が、一挙に3倍に跳ね上がった。どうして?理由を知っていらっしゃる方は是非コメントを入れてください。ちょっと不安です。

このところ対応した、ディスカスタイプの患者さんについて備忘録として書いておきます。
 
ケース1。フルタイドディスカスをお使いの若い男性の患者さん。「水平にして、パチンとレバーを押していますか?まさかこんな感じで立ててレバーを押していませんよね?」と確認した。一瞬表情が止まる。「そんな説明受けたの始めてなんだけど…」とおっしゃる。「毎回お渡ししているこの説明書の図は、見ていらっしゃいませんでしたか?」「えっ…ホントだ…」何年も使っている患者さんなのに、こんな調子だ。確かにお年寄りには親切に説明するが、若い人は説明書があれば、大丈夫と言う頭が有り、初回時は説明しただろうが、ここ最近、きちんと説明していなかった。こちらも悪い。再来患者への説明、見直さなくっちゃ。
このところ、花粉症の時期になって、季節型の喘息患者さんもいらっしゃる。表情が一瞬止まるのを見たくて、特に久しぶりに来る患者さんには、こんな感じでお話している。

ケース2。何ヶ月か前にディスカスを水平にしてレバーを押してくださいね。と再指導したお年寄り。「きちんと教えてもらったおかげで、吸っている感じがわかるし、前より調子良くなった。」と言う声を頂いた。来るたびにそう言って感謝してくださる。たったこれだけの事(水平に扱う)なのに、きちんとできていなかったのだ。もっと早く、教えてあげれば良かった・・・こちらも反省する。再指導の重要性を日々感じている。

吸入指導は、ポイントを絞った方が患者の頭にも残る。時間も取られない。
DPIの各デバイスごとのポイントは以下のとおり。

ディスカスは水平に扱う事、
タービュヘイラーは立ててクルッカチッ、
ディスクヘラーは下までの穴空き
アズマネックスは吸う直前に蓋を開ける

再来患者にも定期的に確認するように、私の薬局でも他の薬剤師に徹底しなくっちゃ。医療者の教育。自分だけじゃダメだ。

このところ、闘病日記というよりも、薬剤師としての吸入指導のブログに変化してしまっている。お許しください。

現在の私の状況。今日も元気に風の強い中、3時間半もテニスをしてきました。とても調子良い。昨日までは、黄色い鼻水に悩まされたが、今日は大丈夫。清山さんお勧めの痛い鼻シャワーのおかげかも。昨日、今日のコメント欄も、見てくださいね。

吸入指導の大切さ

2013-02-24 14:03:45 | 薬について
この何日かの日々の業務の吸入指導において、患者さんに感謝された?ので、覚え書きとして書いておきます。

ケース1。オルベスコ100を吸っていらっしゃる患者さん。1年ほど前に無料のスペーサーをお渡ししていて、きちんと吸っていらっしゃる患者さん。「あなたからもらったこのスペーサー使うようになってから、上手に吸えるようになって、発作も出なくなった。ちゃんと息も止めてるよ。」とおっしゃって下さった。「時々洗ってくださいね。うがいも忘れないでね。食事の前に吸うとより副作用も予防できるのでお勧めですよ。」と付け加えた。

ケース2。シムビコートを吸っている男性。きちんと吸っていらっしゃる様子。「クルッカチッはきちんと立ててしてますか?」「えっ全然意識してなかった。横か斜めにして回している時もあったかもしれない。」とおっしゃる。「薬が重力で下に落ちて、セットされるので、必ず立てて回してくださいね。」「それで効いた時と効かない時があるのか…」と自分で納得されていた。これは、主治医の講演会で学んだ事。しっかり現場で生かさねば…。

ケース3。スピリーバレスピマットをお使いの患者さん。他の薬局でもらっていらして、ずっと使っていらっしゃる。「わかっているから説明はいらない。」とおっしゃる。「でも、ここ(処方箋)に先生から{吸入指導お願いします}と書いてあるので、1点だけ確認させてください。」とスピリーバレスピマットの笛を持ってきて、「いつも吸っているように吸ってみてください」とお願いした。予想したとおり、ゆっくり吸えていない。「それは、笛になっていて、プーと音が長く続くように吸って見てください。」「そう上手上手・・」「ゆっくり吸わないと、薬剤が、肺の隅々まで行き渡らないので、ゆっくり肺を膨らますように吸ってくださいね。」「あら、こんな風に吸っていなかったわ・・」

いずれも吸入薬はずっと使っている患者さん。使っているから、わかっている。きちんとできていると言うものではないのです。薬剤師がきちんと吸えているか、チェック、確認しないと、せっかく良い吸入薬を使っていても、効いていないという事になります。これからも吸入指導がんばるぞっと。


吸入薬の副作用とスペーサーの話(2/13)

2013-02-13 16:26:45 | 薬について
吸入薬についてのお話第3弾です。
ステロイドの吸入薬の副作用として、挙げられるのが、カンジダ症と嗄声(声のかれ)だ。薬剤師として、この副作用は、日々患者さんに対して注意しなければいけない項目だ。うがいをしっかりしてくださいねと声をかけるが、うがいをしていても、嗄声は避けられない事も多い。嗄声の患者さんは5、6人出会っている。大体アドエア、シムビコートかパルミコート等のDPIを使っていらっしゃる方が多いように感じる。そのような患者さんは、オルベスコ+スペーサーに変えると改善される。
私は口腔内のカンジダ症。これは、しっかりしたうがいをすれば、予防できると言われている。でも、私は2、3ヶ月毎日1日2回シムビコートを吸うとうがいをしていても、口の中が荒れて来た。点鼻薬も使用していたので、吸入薬だけのせいではないのかもしれないが、フロリードゲルを使用して治した。そして、やはりオルベスコ+スペーサーで再発していない。それでも、時々喉の奥に風邪とは違うピンポイントの痛みを感じる事がある。その時は、イトリゾール内用液をうがい薬として使用している。これは薬剤師の特権、期限切れの製剤が出たため、それをもらってきたのだ。ファンギゾンシロップでもよいと思う。なかなかこれらを処方してもらうのは、医師の理解がないと難しいかもしれない。かかっている先生と是非相談してもらいたい。
私以外では、アドエアで食道カンジダ、キュバールで喉にカンジダ症を発症した患者さんにお目にかかった。それぞれ、消化器科での胃カメラ、耳鼻科での内視鏡にて発見された。それぞれの科で抗真菌剤を処方されたようだが、吸入薬も必要な患者さんだったため、吸入薬は、こちらから連絡し、オルベスコ+スペーサーに変更してもらった。私の経験が他の方にも役に立って嬉しい。このように、カメラを使って発見される方は、氷山の一角。吸入薬で、喉の痛みや、食道の痛みをおこしていらっしゃるのに気づかない患者さんが多いのではないかと思うのである。もしかしたら、吸入薬が毎日続けられない患者さんの中には、このような方が存在するのではないかと思っている。そのあたりの聞き取りを薬剤師としてはおこなわなければいけないと思っている。

さて今度はスペーサーのお話です。私はエアロチャンバープラスの愛用者だが、もっとこれは推奨されるべきと思っている。特に私のように胸痛を伴っている好酸球性肺炎の患者さんには使用して欲しい。肺の末梢に炎症を起こしていると思われるからである。これを使って、きちんとゆっくり深く吸入すれば、肺の隅々まで薬剤が行き渡る。決して子供だけが使うものではないのだ。楽天市場で簡単に手に入る。1837円。決して高くない買い物だ。オルベスコの無料のスペーサーでも悪くないが、私は最近エアロチャンバープラスの良さをすごく感じる。去年の冬は無料のスペーサーを使っていた。胸痛時、オルベスコの吸入を1日1回から2回に変更しても、そんなに違いを感じなかった。吸い方が下手だったのかもしれない。このところ、冷たい空気を吸って、胸痛を感じる事が多くなったので、1日1回1吸入を1日2回1回2吸入で吸うようにしている。このエアロチャンバープラスを使ってゆっくり5秒くらいかけて肺を大きく膨らませて吸い込むのだ。そのあとさらに5~10秒息止め。これを30秒の間隔をあけて2回行う。ここ2、3日朝夕、食事の前にこれを行っている。胸痛を全く感じなくなったわけではないが、効果はあると感じている。もう少し続けようと思う。

このエアロチャンバープラス、効果的に使うためには、洗浄方法をきちんとしてもらいたい。エアロチャンバープラスが届いたら、すぐ使わないでください。静電気を防止するためにまず、内側に界面活性剤の皮膜をつけなければいけません。食器用洗剤(ごく少量で良い)を薄めたぬるま湯をかき混ぜて(泡がホンの少し立つほどで良いらしい)、15分ほどつけておき、スポンジ、ブラシや手でこすり洗いはしないで、すすがず、そのまま乾かす。余分な水分だけ振り落として、絶対にタオル等で水分をふきとってはいけない。立てて自然乾燥して、完全に乾いてから使ってください。そしてできれば1週間に1回洗浄していただける事が望ましい。
このスペーサーは、各国で使われているため、わかりにくい説明書が一緒に入っている。きちんと読んでいただければ、良いのだが、きちんと読んでくれない方が多いので、私は薬局で売る場合は絵付きの「エアロチャンバープラスの使用法」を打ち出して渡している。お子様用ですが、参考にしていただければ幸いです。
http://www.s-zensoku.jp/info_dtl.html
動画による説明も是非見てください。

ちなみに、以前配布されていた無料スペーサーには、ボルマチックソフト(フルタイドエアー対応)、インスパイアイース(ボンベをスペーサーにとりつけるタイプ)、デュオペーサー(キュバール専用・透明)があります。残念ながら今は配布されていません。アレルギー学会でエビデンスが認められないと言う理由からです。オルベスコだけが、無料配布してくれています。アレルギー学会推奨のスペーサーは3種類、エアロチャンバープラス、オプティヘラー、ボアテックスである。詳しくはそれぞれ調べてください。