釜石の日々

国費を垂れ流し続ける原発

昨日は全国的に気温が下がったようだ。今日の釜石は昨日と同じく雲が多く流れ、青空も見えたが、風が強めで、気温も12度までしか上がらなかった。風がある中昼休みに職場近辺へ出てみると、薬師公園入口の八重の梅が咲き始めていた。薮椿も花をたくさん付けている。レンギョウも咲き始め、シデコブシが一層咲いて来た。職場の裏山の薮椿も時折強く吹く風に煽られながら薮椿の花が激しく揺れていた。八幡神社の横では八重の枝垂れ梅も咲いている。近くから、この春二度目になるウグイスの声が聞こえて来た。花が咲き、小鳥がさえずり、暖かい日射しを受けていると、とてものどかで、気持ちがいい。 原発推進を掲げる政府はベトナムに続いて4日、トルコとアラブ首長国連邦(UAE)への原発輸出を可能にする原子力協定の承認案を衆議院本会議で可決させた。昨日の毎日新聞によれば、トルコへの原発輸出に伴い、建設予定地の地質などを調べる「事業化調査」の入札が、事実上「日本原子力発電」だけが受注できる条件だったことが明らかにされている。「事業化調査」は本来ならば原発建設を行なうトルコがやるべきだが、原発の売り込みのために日本側が負担することになった。経済産業省資源エネルギー庁が発注者となり、8項目の要件を満たすことが求められたが、項目には「実績」があり、それを満たすのはベトナムで同じような調査を行った日本原子力発電しかなく、最初から他の企業を排除する仕組みになっていた。日本原子力発電は電力9社と電源開発が出資して1957年に設立されたが、現在、敦賀2号機(福井県敦賀市)が直下に活断層があると認定されおり、保有する3基の原発の再稼働が難しい状態になっている。このため2013年3月期連結決算で2期連続赤字となっている。今回の受注で11億2000万円が支払われる。経営状態の悪化した企業を原発企業であることを根拠に国費で救済しているようなものだ。一度東京電力を国費で救済してしまえば、国は同じことを何度でも繰り返すことが可能となる。それが官僚たちのやり口だ。国は当初より潜在的な核保有国を維持するために原発を推進して来た。しかし、原発がやっかいなのは使用済み核燃料の処理の問題だ。使用済みと言っても核物質は残存しており、その処理にも莫大な費用を要する。そこで考えられたのが「核燃料サイクル」である。使用済み核燃料から青森県の「再処理工場」でウランとプルトニウムを取り出し、ウランは再加工して原発の燃料として再利用し、プルトニウムは高速増殖炉「もんじゅ」を通した後、さらに専用の再処理工場で処理することで高純度のプルトニウムをつくり出す。「もんじゅ」は5日に核分裂反応が連鎖的に起きる「初臨界」から20年を迎えた。にもかかわらず、その間、実際に稼働したのはわずか3ヶ月だけである。「もんじゅ」にはこれまで1兆円が投じられて来たが、運転が停止されていても年間200億円、一日当たり5500万円が使われる。それほど巨費が投じられる「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構は福島第一原発事故後の2012年9月に一万点にも上る機器点検漏れが内部調査で発覚しており、「もんじゅ」のある福井県の西川一誠知事は去る2月の県議会定例会で「一日も早く県民、国民の信頼に足る組織としなければ、もんじゅの将来はない」と批判したが、日本原子力研究開発機構は4月の組織再編を見送っている。原発推進派である西川知事さえも同機構のあまりのずさんさに不安を抱いているのだ。米国やフランスは高速増殖炉開発にはあまりにも巨費を要するため、すでに撤退している。核燃料の処理をめぐっては、これらの問題だけではなく、再処理工場が仮に稼働しても、そこから出て来る高レベル核廃棄物をどう処分するのか未だに定まっていない。結局、核燃料サイクルは日々巨費だけが使われ、再稼働の目処も立たないまま、誰も責任をとらずに現状が黙認されてしまっている。5日の共同通信によれば、原発事故が起きた場合に、住民の避難にかかる時間を試算する「避難時間予測」をまだ立てられていないところが、原発の半径30Km圏に入る21道府県のうち、鹿児島県など11県あると言う。4日の自民党の政調部会で政府の新しい「エネルギー基本計画」案が了承され、4月11日にも閣議決定される予定だが、その「計画」では序文で「福島原発事故の深い反省」の文言が削除され、原子力を「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」としている。「反省」がなく、事故以前の「安全神話」を復活させ、事故防止の対策も不十分なまま巨費を垂れ流しながら、原発の再稼働が進められようとしている。
薬師公園入口の八重の梅

咲き始めて来たレンギョウ

シデコブシの蕾

八幡神社横の八重の枝垂れ紅梅

職場の裏山の薮椿
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