良いアイデアは

きっとみなさんも、はたと良いアイデアが頭に浮かぶことがあるだろう。

そして次の瞬間にはもうその良いアイデアの輝きは薄れてだんだんと灰色になって夜の黒に溶け込んで跡形も無く消え去ってしまう。


ふっと浮かんだ良いアイデア。

次に浮かぶのはこの俺が思いつくことなんて世の中の誰か、いや誰かと言うより大勢の人がもう考え付いてしまっている事かもしれない。60億人のうちの1億人、そこまで行かなくても1000万人、もしかしたらもうちょっと少ないかもしれない300万人ほどがもう思いついてしまったかもしれないな。

その300万人の中にはきっと俺なんかよりずっと優秀なヤツが82万6424人位はいるかもしれない。

その中の3万6946人はすでに実現に向けて何かしてしまっているかもしれない。

さらにそのうちの1285人はきっとそれを実現する事ができる企業とか団体とか何かのグループに属していてよほど現実的に細かいところまで考え尽くしてしまっているだろう。

そうだ、きっと良いアイデアだと思っても、これはどこかで読んだ本の一部と最近読んだインターネットの記事を頭が勝手にミックスして出来たもので俺のアイデアと言うほどのものでもないかも。そう、俺はそんな事が自分で考えられるほど優秀な頭は持っていなかったじゃないか。

もしそんなに優秀だったならば今ここでこんな会社に入って安月給でアクセク働いてなんかいなかったはずさ。

こんな事、真面目に誰かに話そうものならいい笑いのネタになるだけさ。



と、人はこんな風に歳とっていくものらしい。
(もちろんそうでない人もいる。)