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もんく [とある港街の住人]

飼い主逆指名猫

うちでは今のところ2匹の猫がいる、ことになっている。
”つぶあん(♀)”と”きなこ(♂)”の2匹。

が、最近、この2匹の楽園が他の猫たちによって侵食されてきている。
一番最初に来ていたのは”ニーニ”と言う♀で、ニッ、ニッと無く。トラ柄でお腹だけ白い。泣き声以外あまり可愛くないが、きなこが気に入っていたのでたまに来て残りのご飯を食べて帰るのだけは許していた。

次に来たのは同じトラで妊娠している”はは”。よく水を飲みに来る。妊娠しているのであまり厳しくはしない。けっこうおとなしい。

ここ2週間ほど入り浸りなのが”ママレード(♂)”。まだ子供で、たぶんサカリになった事がない。だからきなこが同じ♂なのに強く拒否はしない。今日もこうしてうちの敷地の中で寝ている。


ママレードは人懐こい。毛がふわふわでオレンジ色の首根っこを掴んで遠くへ置きに行くときですらノドをゴロゴロさせている。何度追い払っても懲りずに来る。きなことつぶあんが遊びに出た時でさへうちに入ってきておねだりしている。食堂のテーブルの下にいて見ず知らずの他人に可愛く目を細めて食べ物をねだる、あの手の猫らしい。

こいつを今後どうするか、ちょっと考えなくてはいけないと思っている。(誰かもらってってくれないだろうか?)


ところで、他人に好かれると言うのはある種の人間にもある性質らしいけれど、この手の猫にはかなわない。でも猫は人間と違って”いつでも笑顔”って事もない。ただニャーニャー言ってるだけだ。そして人に何の利益も与えてくれないてネダるだけ。

強いて言えば、手足は毛が生えてて丸っこいし、シッポがピョコピョコ動くし、そして抱きかかえて苦になるほど重くなく、小さい。それにさわり心地は良い。その程度のウリしかない。が、なぜか人に好かれる。

でもよく見ると、牙と爪は鋭くて、明るいところで目が鎌みたいに細くなる。たまに口が臭くてノミがいる。でも、なぜか人に好かれる。

猫ってのは”人に好かれてナンボ”の生き物。全くの野生として生きてはいなくて、飼われているにせよ、いないにせよ、必ず人間のそばで生きている。人間が無意識に反応してしまう物質を身体から発散させているのじゃないだろうか? それがわかればイグ・ノーベル賞かなんか取れるかも。
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