日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎一文字違うと微妙にニュアンスが違ってくるシリーズ

2020年07月11日 | ◎これまでの「OM君」
一文字違うと微妙にニュアンスが違ってくるシリーズ



ワサビが効いている寿司を食べて一言
「鼻にツーンとくる」
「鼻にツィーンとくる」

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◎本日の想像話「無限の機械」

2020年07月11日 | ◎本日の想像話
 無限の機械


 私は、計算する機械を作ろうとおもいたつ。
 開発には五年の歳月を要した。
 機械は完成したが、大きさは、六畳一間を占領した。
 私は計算機を発明した勢いで、自分の人生を計算する機械も出来ないだろうかと考えた。
 私の頭の中の設計図では理論上できると踏んでいる。
 しかし、あきらかに、計算機のパワーが足りない。 
 さらにパワーアップさせるにはどうすれば良いのか。
 私は悩んだが、至極、明確な答えにたどり着く。
 機械の容積を無限に巨大化させれば良いのだ。
 部屋を占領している本体はこれ以上大きく出来ないので、ケーブルを裏山まで延ばした。山の中腹に機械を増設する計画だ。
 機械の体積は膨張を続けて、山肌は次第に機械に覆い尽くされた。防水を兼ねたカバーで、むき出しの機械は山肌にとけ込んでいる。
 山は機械と化した。
 その夜、機械の完成を確信した私は、意を決してキーボードをたたく。
「来年の私はどうなっているか?」
 機械が動き始めると、裏山から地鳴り響きだした。
 かすかな振動も感じる。
 部屋の中の温度はみるみる上昇し、汗が噴き出してくる。
 モニターが光り、返答の文字を吐き出しながら、カーソルが走りだした。
「来年のあなたの身体的健康状態を予想します」
「よし、予想してくれ」  
 私は画面越しに機械と語り合う。私が生み出した尊い機械は子供と同じだ。
「徹底した規則正しい生活があなたの健康を良好に保ちます」
「そうか、健康が一番だからな。しかし徹底した規則正しい生活を無精な私が維持出来ることが理解出来ないが…」
「しかし、精神的健康状態は、とてもよい状態とは言えません」
「やはり、規律のある暮らしはストレスがかかるからな。もしかしてなにか大病でも私は患うのか?でも身体は健康と言っているな」
 私は誰もいない部屋の中で独り言をつぶやく。カーソルはまだ走り続ける。
「ただし、その暮らしの本質は不健康な精神状況を維持する事なのです。そこに意味があるのです。そして、その生活はすぐに始まります」
 最後の文字が表示されると、自分の役割をはたしかのように、モニターから火花を発しながら光が消えた。
 焦げ臭い匂いが部屋中に充満している事に気づく。
 私は振り返った。
 窓の外にゆらめくオレンジ色の炎を見た。
 山全体が燃え上がっている。
 防水カバーを伝って炎が、上へ上へと駆け上がっていた。
 消防のサイレンが遠くで鳴っているのが分かった。裏山に近づいてくる。
 警察車両のサイレンも聞こえる。
 私の不自由な暮らしはすぐに始まりそうだ。

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