かつてのベストセラー機だったミザールH100の弟分で、光学系は主鏡85mm焦点距離850mmである。このクラスでF10というのは長い方だと思うが、組み立てや取り回しは、軽量であることも手伝って軽快なものだ。どうりで、昔の天文ガイドの ” 私の愛機 ” のコーナーに、毎月のように載っていたわけだと思った。
経緯台は上下微動付きだが、水平方向の微動は付属しないので、入門機の扱いだと思っていたら、天文ガイド別冊「双眼鏡 / 天体望遠鏡ガイド」(誠文堂新光社 昭和44年)の解説に、高校生,アマチュア向けと記載されている。考えてみると当時の物価水準では、望遠鏡はまだまだ高価なものだったので、このような位置付けになるのだろう。
以下に、箱内の格納状況や望遠鏡各部の詳細などを紹介する。
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段ボール箱に格納されている。日野金属のロゴが懐かしい。
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上箱を開けたところである。左側に三脚の三角板、右側に三脚架台、そして上側に木製三脚が見える。
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左右の発泡スチロールを外したところである。ファインダーの向きが逆なのでびっくりするが、発泡スチロールの格納スペースの関係でそのようになっているものである。
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筒先の方向から見たもので、なかなか格好が良いと思う。ファインダーは、古いH100と同じ3cm10倍のものである。
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経緯台部である。上下微動竿の回転部は、金属製のしっかりしたものだ。
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斜鏡は、極小の短径20mmである。
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主鏡と斜鏡である。メッキは周辺部に加え、内側もぽつぽつと一部劣化しているが、半世紀前の製品だと思えば良い方であろう。
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二段ドロチューブの様子である。粗動部は約30mmで、ヘリコイドの可動範囲は約25mmである。小型機に、この手抜きのない造りを採用したのは、ミザールの物づくりへのこだわりなのであろう。
H100と同じく、粗動部があるのは旧型機なのだと思われる。このことについては、ミザールのyoutubeに関連する説明があったので、ご紹介しておく。
https://www.youtube.com/watch?v=Apa6YtWGDLk
筒径が小さいので、外した斜鏡を取付けるのに、うまく手が入らないので苦労した。これは逆から考えると、大型機の機構をそのまま小さく作ってあるからだろう。今の世の中では、コストが高くなりすぎて作ることが出来ない、手間暇が掛かった望遠鏡なのだと感じた。